星海のやべーやつがダンジョンに潜るのは色々と間違っている   作:レッドリア

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所でSOAでフェイト君とレイミが結ばれるってマ?

正直花婿はアルベルが選ばれると思ってた


4話

「リフレクト・ストライフ!」

 

「ガァァァァ?!」

 

 フェイトがオラリオに来てから早くも四日が過ぎた。

 この四日間フェイトは何をしていたかというと、毎日ダンジョンを探索したり、街を探索したりしてこの世界での日々を過ごしていて、今日もまたダンジョンを探索し、今現在フェイトはモンスターと戦っていた。

 

「ふう、大したこと無かったな」

 

 モンスターの攻撃をサイドステップでかわし、そのまま更にステップしてモンスターの横に回り込み蹴りを放つ『リフレクト・ストライフ』によって倒されたモンスターから魔石を回収すると、フェイトは一つ溜め息を吐いて魔石を腰に下げた袋に入れた。

 

「さて、魔石も結構貯まってきたし、ダンジョンの探索も今日はこれくらいにしておくか」

 

 フェイトがダンジョンに潜ったのは朝の八時過ぎ。日の当たらないダンジョンでは時間を知る術は時計でも持ち込まない限り殆ど無いに等しく、フェイトも今は時計が無い為に時間の把握はできていなかったが、腹から伝わる空腹感により少なくとも昼は過ぎているだろうと予測を付けていた。

 

「そういえば僕、どれだけダンジョンに居たんだ?……そうだ、どうせだし今日は帰る序でに何処かで食べてこうかな」

 

 魔石を売って得たお金に加えて今日の分の魔石もそれなりの収入になるだろうし、今日は外のレストランとか屋台で何か食べるのも悪く無いだろう。と思いながらフェイトは今まで通ってきた道を戻りダンジョンの外へ向かって行く。

 実を言うとフェイトは自前で幾つか食べ物を持ってはいるのだが、偶には誰かの作った出来立ての料理が食べたいという思いがあった。

 ちなみにヘスティアファミリアの料理当番はフェイトである為、ファミリアではいつも自分で作った料理を食べている。ヘスティアがフェイトの料理を何時も美味いと言って食べているのでフェイトも美味しい物をとハンバーグステーキや生ハムとショートパスタのサラダなど色々と作っていた。

 しかし、今日はヘスティアはバイトで夜遅くまで居らず、フェイトに「今日はボクの事は気にしないで外で食べて来たらどうだい?」と言っていた。

 ……うん、ヘスティアもああ言ってた事だし、今日は豪勢に食べよう。

 考えている内に階段を上がり、ダンジョンの入り口まで来ていたフェイトは魔石の入った袋を揺らしながらそのまま外へと出ていった。

 

 

 

「今日は思ってたより良い収入になったな。これだけあれば少しぐらい高くても問題無いよな。けど……」

 

 ギルドで魔石を換金した後、食べ物屋を求めてフェイトは財布に入れたヴァリスを数えながら歩いていた。

 ダンジョンを出ると思っていたより時間が過ぎていた様で、ギルドの時計を見たときは昼を過ぎていて針は午後の三時を射していた。

 そして今、財布をポケットにしまい、辺りを見回しつつフェイトは頭を悩ませていた。

 流石にこの時間だと昼食には遅いし、夕食にはまだ早すぎる。これだと夕食を豪勢にするのが良いんだろうけど、今もお腹は空いてるしな……。

 

「うーん……軽くつまめるので何かないかな……」

 

 夕食で食べるなら昼の分は軽くしておこう。

 屋台で肉まんか何か売ってないかな。と思いながらフェイトは街を見回し歩いていく。

 かれこれ十分は歩いただろうか。段々と増してくる空腹感に襲われていると、フェイトは何処かからジャガイモを揚げたような香ばしい匂いを嗅ぎとった。

 匂いのする方向に視線を向けると、その先には幟(のぼり)に大きく『ジャガ丸君』と書かれた屋台に人が並んでいるのが見えた。

 

「ジャガ丸君……そういえばヘスティアがバイト先の賄いだって食べてたのもジャガ丸君って名前だったな」

 

 前に食べた感じだとシンプルな見た目の割りに結構美味かったし、そんなに大きくないから軽く食べるのには丁度良さそうだな。

 屋台に並ぶ人が次々に入れ替わっていく様子を見て、フェイトは自分も並ぼうと屋台に向かっていった。

 

「うわ、思ってたより混んでるな。やっぱりそれだけ美味いって事なのか?」

 

 大行列、とまではいかないが自分の位置からでは屋台の中がわからない。かろうじて目の前に並んでいる金髪の子供とその前に居る大人が見えるだけ。

 これは時間が掛かりそうだ、と思ったがそれも束の間、並んでいる人が次々に前に進んでいき、屋台にもどんどん近付いていく。

 それに伴って屋台でのやり取りもフェイトの耳に届いてくる。屋台の正面に居る客と店主のやり取りを聞いていると、どうやらジャガ丸君には様々な味があるようで、塩味やチョコ味の注文がある事から、ジャガ丸君には想像以上に種類があるらしい。

 三つ前の客がジャガ丸君の抹茶味を注文すると、屋台の中から女性……声からして女の子の声で「まいどー」と返って来ると商品を受け取って客が離れていく。

 その声を聞いて(この屋台は女の子が店主なのか)と思ったと同時、何処かで聞き覚えのある声にフェイトは(ん?)と思い首を傾げた。

 気のせいかな?と思ったフェイトだったが、二つ前の客とのやり取りを聞いてやはり聞き覚えのある声に気のせいでは無いと理解する。

 ヘスティアがバイト先から貰ってくるジャガ丸君。そして今日はバイトをしていて、このジャガ丸君の屋台から聞こえてくる聞き覚えのある女の子の声。

 あれ?この屋台の店主ってまさかーー

 

「まいどー」

 

「(やっぱりヘスティアだ?!)」

 

 二つ前の客が離れてた事で列が前に進むと漸く中の様子が見える様になった。

 屋台の中を見ると、其処には見覚えのある姿があった。フェイトの予想通り屋台の店主の正体はヘスティアだった。

 

「(ヘスティアがジャガ丸君関係のバイトをしてるのはわかってたけど、まさかこんな所で見掛けるとは)」

 

 どうやらフェイトに気が付いて無いようで、ヘスティアは目の前の客である金髪の少女の対応に入っていく。

 バイトの邪魔をしたら悪いし、僕も適当に注文したらさっさと行くか。

 そう思いフェイトは目の前で行われているやり取りを眺める。

 

「いらっしゃい、注文は何にする?」

 

「小豆クリーム味を二十五個」

 

 小豆クリーム味?!そういうのもあるのか?!

 本当に色々とありすぎだよ、とジャガ丸君のメニューの幅の広さに驚きつつ、味に想像が付かない小豆クリーム味のジャガ丸君を見て内心で(美味いのかそれ?)と疑問に思ったフェイトは少女の持つジャガ丸君に視線を合わせていた。

 お金を払いその場から離れると少女は直ぐ様渡されたばかりのジャガ丸君を「はむ」と口に入れると少女はとても美味しそうに次々と食べていく。少女の様子を見るにどうやらとても美味しいらしい。

 特に注文を決めていなかったフェイトはせっかくだしあれを食べてみようと決心すると「次のお客さんどうぞー」と呼ばれて屋台に視線を戻した。

 

「はい、注文は何にーーってフェイト君じゃないか!?何で此処に居るんだい?」

 

「いや、小腹が空いたから何か食べようと思ってさ」

 

「ああ、成る程ね。それじゃフェイト君は何にするんだい?」

 

 フェイトはカウンターに貼られているメニュー表に目を通す。そして、メニュー表に書かれている、先程の少女が注文したものと同じ物を発見した。

 

「それじゃあ、小豆クリーム味で」

 

「小豆クリーム味だね。……はい、三十ヴァリスだよ」

 

 フェイトは財布から三十ヴァリスを出してヘスティアに渡し、注文したジャガ丸君を受け取って屋台から離れた。

 

「名前からして甘そうだけど、果たして……?」

 

 フェイトはジャガ丸君を包む紙袋からジャガ丸君を少し出すとゆっくりとジャガ丸君を口に運び咀嚼する。

 

「……ん?んー?」

 

 小豆クリーム味のジャガ丸君を食べたフェイト。しかし、その顔は何とも言えない表情になっていた。

 別に不味い訳では無いし、外はカリカリで中はホクホクに揚げられたジャガイモの程よい甘さに加えられた小豆クリームが意外にもマッチしている。

 しかし、このジャガ丸君、味は悪くないのだが……甘過ぎる。それに小豆クリームの食感が何とも言えない感じになっていて、不味くは無いが美味しいとも言い難い妙な感覚に襲われた。

 

「うん、何この……何だろう?」

 

 もう一口とゆっくり味わって食べる。

 ジャガイモの甘味と小豆クリームの甘味が合わさって甘く、ジャガイモのホクホクした食感と小豆クリームのドロリとした食感が合わさって何とも言えない事になっている。

 何時ぞやに食べた激甘カレーが脳裏をよぎる中でフェイトはジャガ丸君を飲み込むと、一言言葉を発していた。

 

「……五十点くらいだよなあ」

 

 このジャガ丸君(小豆クリーム味)を評価するならこのぐらいだろうか。

 美味しい部分はちゃんと美味しいからその分で評価点はあるが、それ以外の所で評価が下がっている。

 甘い物が好きなソフィアだったら食べるかな?と思いながら三度ジャガ丸君を口に運ぼうとすると、不意にジャガ丸君を持っている手とは反対側の腕を掴まれた。

 フェイトが「誰だ?」と掴まれた腕の方に視線を向けると、其処には先程の金髪の少女が右手でフェイトの腕をつかんで立っていた。

 

「あれ、君は……?えっと、僕に何か用か?」

 

「あなたがジャガ丸君に点数を付けてたのが聞こえたから……」

 

 どうやらこの少女はまだ近くに居て、あろう事かフェイトの独り言を聞いていたらしい。

 聞こえてたのか、と内心で呟くフェイトの瞳を見据えて少女が言った。

 

「あなたがさっきジャガ丸君の小豆クリーム味を買ってたのも聞こえてた」

 

 そう言うと少女はフェイトから手を離すと左手に持った袋から先程買ったジャガ丸君を取り出して三分の一程口に頬張る。もきゅもきゅと咀嚼して飲み込むと、少女は残ったジャガ丸君を持った腕を前に出し、ジャガ丸君を少し上に向けてポーズをとった。

 

「……これなら満点だね」

 

 笑顔でフェイトと同じ様にジャガ丸君に点数を付け出した少女。フェイトと違う所はポーズの有無と彼女の中ではこのジャガ丸君は満点らしい。

 ……もしかしてこの子、僕がジャガ丸君に点数を付けたから、わざわざこれを言いに?

 一体この少女は何なんだろうとフェイトが思っていると、少女は残ったジャガ丸君をいつの間に食べ終えたのか、包み紙を袋の中に入れている。

 そして少女は再びフェイトに視線を向けると『ゴゴゴゴゴ』と聞こえてきそうな程に真剣な表情で口を開いた。

 

「あなたはさっきジャガ丸君の小豆クリーム味を五十点だと言っていた……」

 

「え?あ、うん。確かに言ったけど……」

 

「訂正して」

 

「え?」

 

「ジャガ丸君の小豆クリーム味は満点だと訂正して」

 

 何この子恐いんだけど。

 フェイトに『ズイッ』と顔を近付けてくる目の前の少女。その姿は美少女と言って良いくらいに可愛く、無表情と言って言える程に表情が変わる様子が無いのはまるで人形の様に見えるが、不思議とそれが様になっている。

 しかし、目の前の少女が放つ威圧感に無意識に気圧されているフェイトには少女を可愛いと感じるよりも、レナスやフレイ以上に恐ろしいと感じていた。

 これは素直に聞いた方が良いかも知れない。でないと何か大変な事になる気がする。

 フェイトは少女に「ジャガ丸君の小豆クリーム味は満点だ」と言うと、少女が放っていた威圧感は嘘の様に消え去り、少女は「うんうん」と満足そうに頷くと、少女はジャガ丸君について「ジャガ丸君は小豆クリーム味が至高」「ジャガ丸君は揚げ物だけど野菜由来だから多分ヘルシー」「ジャガ丸君は味がみんな違ってみんな良い」とフェイトに熱く語り出していた。

 暫くして威圧感と少女のジャガ丸君の話から開放されたフェイトはどうやらこれで落ち着いた様だと判断すると、先程聞こうとした事を再び少女に尋ねた。

 

「……所で、君は一体?」

 

 まさか本当にジャガ丸君の事を言いに来ただけじゃ無いだろうな。

 そう思ったフェイトに対してまたジャガ丸君を食べている少女はジャガ丸君を口から離すとポツリと小さく、しかしフェイトの耳に届く大きさの声で言った。

 

「……私はアイズ。アイズ・ヴァレンシュタイン。あなたは?」

 

「僕はフェイト・ラインゴッド。フェイトで良いよ」

 

「なら、私もアイズで良い。所でフェイト」

 

「何だい?」

 

「フェイトはジャガ丸君は何味が好き?」

 

 この子は本当にジャガ丸君の事ばかりだな。ジャガ丸君の事がそれだけ好きなんだろうか。

 フェイトは内心で思いながら「そうだな……」と腕を組む。

 フェイトはジャガ丸君を食べた回数は少なく、以前にヘスティアが貰ってきた賄いの塩味とチーズ味に今の小豆クリーム味しか知らない。

 どれが好きかで答えるとすれば断然塩味になるが、先程の事から小豆クリーム味と答えた方が良いのか。

 どうしようかと考えたが、フェイトの答えを期待した目で見てくるアイズにフェイトは正直に答える事にした。

 

「僕は塩味が一番好きかな。シンプルだけど、それ故にジャガ丸君本来の味を引き出していると思う」

 

「……成る程。確かに塩味は一見してシンプルだけど、程よくかかった塩が外側のカリカリした所に絶妙にマッチしている上に、ホクホクした中身の甘さを引き立ててくれて絶品」

 

「そ、そうだね」

 

 さっきの話からわかってたけど、アイズはジャガ丸君がかなりの好物みたいだ。とジャガ丸君について語るアイズを見てフェイトは空を見上げながらそう思った。

 そして気が付くと、空の色が水色からうっすらとだがオレンジ色に変わってきていた。どうやらかなりの時間が経っていたようだ。

 アイズは見た目小さいしまだ子供だろうからあまり遅くなると親が心配するよな。と思ったフェイトは「もうすぐ夜になるし、そろそろ帰った方が良いんじゃないか?」とジャガ丸君について語るアイズに声を掛けて中断させると、アイズもたった今気が付いたのか「あ、早く帰らないと」と空を見上げて言った。

 アイズはフェイトの方を向いて「じゃあね、フェイト」と言うと左手に持った袋を揺らして街を歩く人混みの中に消えていった。

 

「……さて、僕もそろそろ行くとするか」

 

 アイズが帰っていくのを見届けたフェイトは自身も夕食にしようと街の中を歩き出した。

 ……しかしあの子、ジャガ丸君の事になると凄かったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フェイトと別れてから暫くして、街を歩いていたアイズ。その目の前には城の様に巨大な屋敷が建っている。

 アイズは入り口の門を開けて中に入り、屋敷と同様に広い道を歩いて行くと屋敷の入り口にたどり着く。

 そして、アイズが入り口の扉を開けて中に入ると、屋敷の中から『ドドドドド』と音が聞こえてくる。

 音が次第に近付いて来ると次の瞬間、アイズの前から一つの人影がアイズ目掛けて突っ込んで来た。

 

「アイズ、おっかえりぃぃぃ~!!」

 

 アイズの前に現れたのは糸目の赤髪の女性。女性はアイズも自分の視界に捉えるとアイズに向かって飛び込んで抱き着こうと腕を広げた。

 そして女性が目前に迫り、腕がアイズに触れようとした瞬間、アイズは女性をヒラリとかわすと、女性は飛び込みの勢いをそのままに頭から扉に激突した。

 扉に当たり床に落ちた女性の見下ろすアイズ。普通なら大丈夫かと心配になる状況だが、女性のこの行為は何時もの事で、女性もピンピンしている為アイズは女性の事を全く気にしている様子は無い。

 すると案の定、女性は「つぅ~~」と頭を擦りながら立ち上がった。

 

「痛たた……。アイズたん、ウチをかわすなんて酷いやないか~」

 

「……いきなり突っ込んで来たロキが悪いと思う」

 

 関西弁で喋る『ロキ』と呼ばれた女性は「うう~アイズたんが冷たい……」と言いながらアイズに近付く。

 

「けどな、ジャガ丸君を買ってくる、って言うて外に出てから結構時間経っとるのに何時までも帰って来んから此方も心配してたんやで?」

 

 一体何してたんや?とアイズに問うロキ。それにアイズは外であった事をロキに話した。

 

「フェイトとジャガ丸君について語り合ってた」

 

「フェイト?誰やそれ?」

 

「彼はジャガ丸君の小豆クリーム味に点数を付けてたから、私が彼に色々と教えてあげた」

 

「そうなんか……って『彼』?そのフェイトって奴は男なんか?」

 

「? そうだよ」

 

 アイズがフェイトの事を言うと、ロキは手を握り締めて「ほう……そいつが……」と声色を低くしていた。

 ちなみにアイズはフェイトとジャガ丸君について語り合ってたと言っていたが、正確にはアイズが一方的にフェイトに言っていただけである。しかしアイズの中では語り合いとして認識されていた。

 

「成る程な……アイズたんの帰りが遅かったんはそのフェイトって奴が原因なんやな。ウチの知らん間にアイズたんを誑らかそうとするたぁ随分と良い度胸やなぁ……」

 

「……誑らか……?えっとロキ、彼はそんなんじゃ……」

 

 アイズにはロキが言っている事が良くわからず首を傾げるが、ロキから溢れ出そうな怒気を感じ取ったアイズはフェイトを庇った。

 

「なんやアイズたん。そのフェイトって奴はアイズたんに言い寄って来たんや無いんか?」

 

「ううん。私から話しかけた」

 

「そうかそうか……って、な、なんやて!?アイズたんから!?」

 

「うん」

 

 どうしてロキはこんなに驚いてるんだろう、と思ったアイズだが、ロキが驚いたのには理由がある。

 ロキの中でアイズは余り人付き合いをすることが無く、アイズが自分から他人に話し掛けたりする事も殆ど無かった為、アイズが店やギルド、そして自身が主神でありこの館をホームとする『ロキ・ファミリア』のメンバー以外に自分から人に話し掛けるのは珍しいからである。

 あのアイズたんが自分から人に話し掛ける様になったんやな……とロキは昔のアイズの姿を思い出しながらアイズの成長に涙を流していた。

 

「ねえ……ロキ、なんで泣いてるの?」

 

「いや……アイズたんが成長したんやなって思うとちょっと嬉しくてな……」

 

 ロキは服の袖で涙を拭くと、アイズに「はよみんなに帰ってきたって言ってやり」とアイズと部屋の中に入っていった。

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