龍に育てられし息子と麦わらを被った男の出会い 作:レイリーン
プロローグ②
7月6日、とある山脈に五頭の竜が集まっていた。
グランディーネ「…そう、テオの協力は得られなかったのですね。」
メタリカーナ「言ったであろう、彼奴は何があっても動くことはないと」
イグニール「……。」
イグニールは他の四頭の竜、グランディーネ、メタリカーナ、バイスロギア、スキアドラムにテオ・テスカトルの協力が得られなかったことを伝えていた。
グランディーネ「アクノロギアと渡り合えることができるだけと力を持つ竜はイグニールを除くと、もうテオぐらいしか残ってはいません…。」
スキアドラム「…すこしいいか。」
メタリカーナ「なんじゃ?」
スキアドラム「テオ・テスカトル、噂には聞いたことがあるのだが私は彼の強さをよく知らない。」
グランディーネ「なんですって?」
スキアドラム「さらにはアクノロギアと渡り合えると言われるほどの強さを持つ彼が、なぜ火山で何年も一人で暮らしているのだ?」
グランディーネ「…本当に知らないのですか?」
バイスロギア「仕方あるまい、スキアドラムはあの暴れん坊が暴れまわっていた頃はまだ小さかった。彼奴の強さを知らんでも不思議ではない。」
スキアドラム「…暴れん坊?」
バイスロギア「そうじゃ、かつての彼奴はあらゆるものに戦いを挑んでおった。竜はもちろん、人間が作った城や砦、軍隊といったものにも単身で挑み、その名にある爆炎を用いて破壊の限りを尽くした。凄まじいまでの爆発とその気性の荒さから、かつては荒ぶる太陽と呼ばれていたこともあったな。」
スキアドラム「…竜はまだわかるが、人間の作ったものなど簡単に破壊できるだろう?その程度のことで皆に恐れられていたのか?」
メタリカーナ「ただ人間が守っていたものなら竜にとってはなんの障害にもならん。しかしそれが竜とともにある場所ならどうか?」
スキアドラム「…どういうことだ?」
グランディーネ「彼は複数の竜と人間が守る場所に敢えて戦いを挑んでいたのです。それも正面から、今からそちらを襲うと堂々と宣言してから。」
スキアドラム「……は?」
バイスロギア「ワシが覚えてえるものでは、20頭の竜と5000の人間の軍隊が守る対竜への要塞に真正面から突撃していたな。」
グランディーネ「そうですね。私の一族の者が現場にいたそうですが、竜達は悉く倒され、要塞の武器は全て破壊され、要塞そのものも彼が起こした爆発で跡形もなく吹き飛んだそうです。」
メタリカーナ「これが一度や二度ではなく、幾度となく引き起こしておったからな。もはや厄災といってよかった。」
スキアドラム「……。」
グランディーネ「極め付けがそこにいるイグニールとの戦いです。あまりに暴れまわるテオを討伐するため、炎竜の王であるイグニールがテオの元に向かったのですが……。」
イグニール「……。」
スキアドラム「??」
グランディーネ「テオとイグニールは北にあった険しい山々が連なる大陸で戦いました。その戦いは10日間にも及び、吹雪の吹き荒れる山脈は溶岩が溢れ出す更地と化し、その大陸に生きていた命は悉く焼き尽くされ、灼熱が支配する大地に成り果ててしまったのです。」
スキアドラム「!!!」
グランディーネ「その戦い以降、テオは満足したのかその灼熱の大陸から出てくることはなく、人間にも竜にも戦いを挑もうとはしませんでした。」
バイスロギア「竜の中には、彼奴を倒して名をあげようと灼熱の大陸に渡って行った者もおるが、誰一人帰ってこなかったな。」
スキアドラム「………。」
こんばんは。
1日に2回更新することがこんなに大変だとは…(汗)
フェアリーテイルの大魔闘演舞編でのドラゴン達の暴れようをみたら、城や要塞はあっという間に壊滅してしまうのでは?となったのでこのようにしてみました。それでも弱いかな?
ドラゴン達の口調が難しいですね(汗)これで合ってるかなぁ?