龍に育てられし息子と麦わらを被った男の出会い 作:レイリーン
スキアドラム「…とんでもない暴れようだな。そのような危険な竜ならば、放置しておくのは危険ではないのか?」
グランディーネ「話だけ聞けば大変危険な存在ですが、彼は人間を食料としか思っていない竜達とは違い、人間にはある意味好意的でした。」
スキアドラム「??」
メタリカーナ「奴は人間を食べることはない。奴にとって人間は自らを倒す可能性を秘めた生き物なのだ。」
バイスロギア「あの暴れん坊が襲うのは要塞や軍隊といった戦うためのものに限られていた。あいつは自分を倒してくれるものを探していたんじゃよ。」
スキアドラム「どういうことだ?」
イグニール「…テオは強すぎたのだ。」
それまで一言も発してなかったイグニールが、絞り出すような声で後悔するように話し始めた。
イグニール「テオは悠久の時を生きている。始めは炎竜の群れの中で生きていたそうだが、その圧倒的な力で群れの中では孤立していた。」
グランディーネ「……。」
イグニール「テオの力を恐れたかつての炎竜の王は、まだ体の小さいテオを群れから追放した。その強すぎる力からテオはどこに行っても恐れられ疎まれていったため、それからテオは長い間一人で生きている。」
メタリカーナ「……。」
イグニール「大地から溢れ出す溶岩も、全てを凍てつかせる極寒の吹雪も、テオにとっては何の支障にもならなかった。竜の中にはテオを異端者として排除しようと何度も襲撃した者達もいたが、悉く焼き尽くされテオに関わろうとする者はいなくなっていった…。」
バイスロギア「……。」
イグニール「そんな中、テオは人間に希望を見出した。竜とは違い、道具を用い、強力な兵器を発明し、新たな魔法を開発し、仲間達と協力することでそれまで不可能と思われていたことも成し遂げていく人間達に、そしてその人間達と歩みを共にする竜達にな。」
グランディーネ「人間を餌としかみていない竜の中には、テオも人間を餌としかみていないのだと勘違いして、人間と共に生きる竜を倒す為にテオへ協力を要請した者もいますが、逆にテオの怒りに触れ灰にされたそうです。」
メタリカーナ「奴は竜には容赦がないが、人間にはその限りではなかった。無論敵意を持って向かってくるものには情けはないが、そうでない人間には決して危害を加えなかった。」
バイスロギア「彼奴は自らを倒そうと新たな兵器や魔法を繰り出してくる人間達に対して、どこか楽しそうに戦いを挑んでおった。いつの日か人間が竜を超える日を楽しみにしておったのかもしれんな。」
イグニール「しかしそんな奴でも、竜の力を人間に与えることには嫌悪感を示していた。テオは、人間が自らの力で竜を超える日を待っていたのだ。」
スキアドラム「…それで竜王祭のときも不干渉を貫いたのか。滅竜魔道士(ドラゴンスレイヤー)という竜の力を手にした人間がいたために、借り物の力を使う人間など戦うに値しないと言わんばかりに。」
イグニール「…私は炎竜の王として、人間を襲う竜を討伐するためにテオと戦った。しかし、戦いの中で私はテオがただ破壊を行う竜ではないことに気づいた…。」
グランディーネ「イグニール、私たちはあなたとテオの戦いを詳しくは知りません。あなたはあの戦いのことを決して話そうとはしなかった。テオとの戦いで、あなたは何を見たのですか?」
イグニール「……。」
バイスロギア「わしはお前たちの戦いには少々疑問を持っておった。いくら強大な力を持つお前たちでも大陸一つを死の大地にするものか?いくらなんでもやりずぎているように感じたのだが?」
イグニール「……。」
メタリカーナ「イグニール…。」
イグニール「…私がテオのいる大陸に辿り着いたとき、その場には私以外に4頭の竜がいた…。」
グランディーネ「テオ以外に4頭も?」
イグニール「そうだ。そのうち1頭はテオによく似た姿をした竜であり、体中傷だらけで倒れていたのだ。」
スキアドラム「!!!」
イグニール「その周りにいる3頭の爪と牙からは血が滴り落ちており、その者達がテオによく似た竜を痛めつけていたことは明らかだった。」
グランディーネ「ひどい…。」
イグニール「私がその者達を止めようと大陸に降り立ったとき、突如として大地が震え、辺り一面から溶岩が噴出した。」
バイスロギア「まさか…。」
イグニール「…あの姿は忘れもしない。体中に炎を纏い、憤怒に染まったテオ・テスカトルが私たちの元に降り立ったのだ…。」
友人からONE PIECE原作にしてるのに、いつまでフェアリーテイルの話やってんだ、とのおしかりを受けました(汗)
ごもっともなんですけど、もう数話ドラゴンたちの話におつきあいください(汗)