第2章最後になります。
それではどうぞ。
「ここが頂上?」
「みたい……ですね、暑いですが」
スコークスの助けを借りて、
鉱山の頂上まで来た僕と羽入ちゃん。
「あの洞窟みたいな入口が怪しいね」
「なのです。それになんか人の気配がするのです……」
羽入ちゃん曰く、
目の前にある洞窟の奥から人の気配がするとの事。
上を見上げると、洞窟というよりは火山の中に進む通路のようだ……
(
少し疑問に思いつつも、
僕達は洞窟の中に足を踏み入れた……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あうあう、完全に火山の中なのです」
「そうだね……落ちたら溶けちゃうのは確定だね」
辺りは溶岩一帯になっていた。
火山の火口……そして、この洞窟の中心といってもいいだろう……
「…ん?」
「あう? 穹、どうかしましたか?」
「いや、一瞬……殺気みたいなの感じた……」
そういえば、ついさっき羽入ちゃんが言ってたな……
人の気配がするって……
ちょうどその時、上空から凄まじい殺気が近づいてきた。
「「っ!?」」
すぐさま背後に避ける。
襲ってきた正体は煙でよく見えない……
(人……?)
薄っすらだが、セーラー服と
サイドテールのような髪型が視認できた。
そして煙が晴れ、そこに佇んでいたのは……
「は、春雨……?」
「………………」
ピンク髪を左側頭部で黒紐を片括りしたサイドテール。
そして毛先に水色のグラデーション……
見間違う筈がない。艦娘の春雨だった。
しかし紅色の瞳にハイライトが無く、凄まじい殺気を放っていた……
「この子……よ、様子がおかしくないですか?」
羽入ちゃんが言った通り、
明らかに様子がおかしい……
その答えは春雨が右手に持っていた髑髏のような剣だった。
(まさか……あの剣に操られてる?)
そう思った瞬間、
再び春雨が襲いかかってきた。
すぐさま羽入ちゃんを抱えて上空に跳びあがり……
「……オヤシロモード起動」
羽入ちゃんを僕の身体に憑依させた。
狙いを外した春雨は持っていた髑髏の剣を振るう。
すると、剣先から火球が飛んできた。
『あうあう!! 穹!! あんなのに当たったら火傷じゃ済まないのですう!?』
「分かってる!」
急いで辺りを見回すと、
どういう原理か分からないが上空にフックを発見した。
袖に隠してあるペンデュラムを取り出し、フックに引っかけて向こう岸にロープアクションの要領で移動する……
「あの剣自体を破壊できればいいんだけど……」
『幸い、アレ自体は
「硬い物体っていっても……」
春雨を操ってる剣を倒す方法は分かった。
だが、肝心の硬い物体が見当たらない……
ゴトッ────
何やら足元に鈍い音がしたので目を向けると、
一回り大きい鉄球が落ちていた。
もしかしたら、これを使えば…………
「……………」
『あうあう!! また近づいてきましたのですう!!』
チャンスは1度だけ……
深呼吸をし、狙いを定める。
「────っ!?」
「よし、狙い通り突っ込んで来てくれた」
今やった事は、
春雨を僕がいる位置にギリギリまで引きつけ、
ペンデュラムと魔法を組み合わせ四肢を縛り上げた。
すると剣が暴れ出した。その瞬間を狙い僕は鉄球を思い切り投げた。
「グギュウ……………グギュ……………ウ……………」
鉄球は剣の刃に当たり見事に砕け散り、
剣の化け物は唸り声を上げ、溶岩の中に沈んでいった。
「ぅ……あ、あれ? 春雨はなんで縛られているんでしょうか………?」
すると春雨が意識を取り戻した。
やば…拘束を解いてなかった。
僕は慌てて魔法を解除する……
「春雨、どこか痛いところとかない?」
「えっと…強いて言うなら縛られていたところが……」
「ごめんなさい」
その言葉を聞いた僕は、
すぐさま春雨に土下座をした。
「え、えっ!? どうして穹が謝るの?」
「いや……助ける為とはいえ、春雨にあんな事しちゃったから……」
「ううん。気にしてないから顔を上げて?」
春雨の許し?がでたようなので、
顔を上げる僕。
「……ほんとにゴメン」
「ほんとに気にしてないから平気だよ♪ それにちょっと気持ち良かったし……///」
「えっ? 何か言った?」
「ううん♪ なんでもないの♪」
なんで春雨は顔を赤らめてるんだろう?
そう思っていると……
『穹? 後で僕にちゃんと説明してくださいね?』
『とりあえずここを出てからでもいい?』
『それもそうですね。』
羽入ちゃんがドスの効いた低い念話を送ってきた。
とりあえず春雨を連れて先に進む事にした……
その前に羽入ちゃんに色々と説明しなきゃいけないけどね?
『穹? 今夜は寝かしませんよ?』
……えっ!?
読んでいただきありがとうございます。
次回から第3章になります。
本日はありがとうございました。
取り戻した穹の艦娘
翔鶴、春雨、???、???、???、???、???