おみくじを手に取る。
「これが50円だもんなぁ...ただ印刷されてるだけなのによくみんな信じるよな」
神主が聞いたら激怒しそうな内容の独り言である。
「え、これ大吉とか小吉とか全く書いてない...」
普通運勢が書いてるおみくじだが、岳山が引いたおみくじは全く内容が違った。
【夢、起きる】
「【夢、起きる】...?なんだこれ」
これ以外何も書かれていなかった。白地に黒い文字で、筆で書いたであろう文字が浮かびあがっていた。
「どういうことだ?他もこんな感じなのか?他も見たいけど金勿体ないしな...ってかこんだけしか書いてないならマジで50円無駄じゃねーかふざけんな!」
そう呟くなり神社に背を向け、道へ戻り自宅へ足を進めた。
「(ほんといいことねぇなぁ...気分転換に来たのに...クソッ)」
単なる寄り道になってしまった苛立ちの中、20分ほど歩き、自宅に戻った。
「はぁ...今日は良いことなかったな。さて飯どうすっかな」
窓の外を見るともう真っ暗になっていた。時計は午後19時過ぎを指していた。
買い物に行く気力もなく、ストックしてあったレトルトカレーで晩を済ます。
「今日はもう考えるのをやめよう...ゼミのことは明日やればいいし。」
いつもなら少しレジュメ整理とノート整理、そしてゼミ関連の勉強をして寝る岳山だが、今日は全くやる気が起きなかった。それどころか、普段は12時頃眠気が襲うのに対し今日は現在10時なのにもう眠たかった。
「おっかしーな、疲れてんのかな...あ、そういえばあのおみくじどこにやったっけ...まあいいか...」
その言葉を最後にベッドに入り、眠りについた。...はずだった。
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「あれ...もう朝?」
目覚めたのは午前10時。窓の外を見ると、少し曇り気味である。
「おっかしーな、さっき眠ったはずなのに...朝早ぇよ...」
今日も独り言を呟きながらベッドを出る。
「あー、そういや今日3限からじゃん。もうちょい寝るとするか...」
そうしてベッドに入ったのもつかの間、スマートフォンから着信音が響く。
「何だよ誰だよ...あぁ、朝倉か...」
ピッ
「もしもし?」
《もしもし岳山!お疲れ、んあ?寝てたのか?》
「そうだよ...まあ起きた所だったけど...どうした?」
《いやお前珍しいな》
「何が」
《お前1限の英語寝坊で休むのって珍しいなって》
「は...?」
一瞬、朝倉が何を言っているのかわからなかった。英語は1年の時に履修済みである。
「いやお前今日木曜日だぞ?俺今日3限からだし英語なんかもう終わってるよ」
《あ?寝ぼけてんのか?今日月曜だしお前俺と英語一緒じゃねーか!》
「(いや...え?)」
《とにかく、4限のあれには来いよ!その時英語のレジュメ見せてやるから!》
「あ、あぁ...」
おかしい...
急いで電話を切ると、スマホの日時を確認する。
「...!!!これって!」
スマホのカレンダーを見て愕然とした。映し出された日時は、2年前の5月1日だった。