大人達は当主部屋の前に着いた。そして秋楽が扉をノックした。
「お父さん、秋楽です。いらっしゃるなら扉をあけてください。」
少しして扉が開いた。
「こんな大人数で来るとはな。まぁ、入りなさい。」
源蔵に招かれて一同は当主部屋に入った。
「親父、優妃を知らねえか。夜中に姿を消したらしいんだ。」
「ここには来ていないぞ。だが、ちょうど良かった。お前達に用事があったんだ。」
「私達に用事ってなんですか?お父様。」
源蔵は全員を見てからニヤリと笑った。
「お前達は魔女への生贄に捧げる!喜べ、我が子達のその伴侶と使用人どもよ!お前達は魔女への生贄になり、我が孫の誰かを次期当主とするのだ!お前達は見ることが出来ないが、次期当主の才があるかをテストしてやる!」
「待てよ、親父。意味が分からねえぞ。何の話をしてるんだ。」
「お前達がちゃんと知る必要はない。」
その時、源蔵は召喚術を使用した。
「出でよ!魔法で動きし、人形兵達よ!」
「マリオネット兵、マリアンヌ。ここに。」
「マリオネット兵、ジャンヌ。ここにである。」
「マリオネット兵、ステイシー。ここにです。」
源蔵は金髪のマリアンヌ、赤髪のジャンヌ、白髪のステイシーを召喚した。マリオネット兵の3人は全員、軍服のような格好をしていた。
「魔女の儀式を執り行う。第1から第8までの殺害を許可する。」
「了解です。ジャンヌとマリアンヌは第1から第5までを担当。私は第6から第8までを担当します。」
「マリアンヌ、作戦受領。自由切断を申請。」
「ジャンヌ、作戦受領。自由貫通殺害を申請。」
「申請を受領。マリアンヌ、ジャンヌに許可。」
「マリアンヌ、了解。」
「ジャンヌ、了解である。」
マリオネット兵は戦闘態勢に入った。何が起こっているのか理解出来ない人達は誰一人として動けなかった。
「聖なる剣よ。ターゲットを切り裂け!」
「神なる槍よ。ターゲットを貫け!」
「神々しき杭よ。1つ目のターゲットを打ち、2つ目のターゲットの血を吸い出せ!」
マリオネット兵の攻撃により、紫音が胸を切られ、剛座が額を貫かれ、城助が杭を打たれた。
「あと5人、順調であるな。」
「狂ってる。逃げろ!」
扉に近い者は逃げようとし、扉から離れている者は身をかがめていた。マリオネット兵が放った武器は不規則な動きで飛び回っている。
「あなた達はのろいね。」
逃げられなかった者たちはマリアンヌの斬殺圏内に捉えられてしまった。
飛び回る武器たちは次々に殺していき、相馬は腹を貫かれ、春香は手足を切り落とされ、業は腹を切られ、清美は全身に穴を開けられ、隼人は首を切り落とされた。
「これで8人であるな。」
「はい。確認しました。8人ちょうど殺害完了です。」
その時、飛び回る武器たちが消滅した。
「生贄は相馬、紫音、春香、城助、隼人、清美、剛座、業であるか。運の悪い奴らだ。」
源蔵は死体を見回してから言った。
「運良く生き残った者達には我が友を紹介しよう。」
源蔵は再び召喚術を使用した。
「出でよ。72柱の18位、バティン。」
「お久しぶりです。プラチナランス卿。こんな凄い状況の場所に私を呼び出すなんていい度胸ですね。」
バティンという根暗そうな見た目の悪魔が召喚された。
「バティン、仕事だ。運良く生き残った者達を牢に閉じ込めよ。」
「シルクで掃除しようなんていい度胸だけど、主人の言うことなら仕方ないから従ってあげるわ。」
バティンが指を鳴らすと生き残った者達が瞬間移動した。
「全員を地下牢に送ったわよ。」
「よくやってくれた。ついでに、出でよ。ベリアル、バルバトスよ。」
「72柱の68位、ベリアル。ここに登場よ。」
「72柱の8位、バルバトス。ここに参上です。」
貴婦人のようなベリアルと赤いドレスのバルバトスが召喚された。
「バルバトスはマリオネット兵と共に地下牢の監視をせよ。ベリアルとバティンは私と共にテストをおこなえ。」
「かしこまりました。」
「くっくっくっ、お任せあれ。」
「承知したわ。」
悪魔に命令をしてから、源蔵は窓の外を見ながら言った。
「嵐の夜に奴が動くとはな。まぁ、それも仕方あるまい。少し心苦しいが、一族が死ねば最後に我が命も捧げる覚悟だぞ!さぁ、魔女よ!ゲームを楽しもうぞ!」
源蔵と悪魔達は姿を消した。
客間で突然電話が鳴り出した。その電話を薫が取った。
「もしもし、どちら様ですか?」
「私だ。源蔵だ。」
「お祖父様、何の用ですか?」
「今から孫の中から次期当主を決めるテストする。テスト内容は順番が来たら教える。最初は奏太と芽亜里だ。」
指名された奏太と芽亜里は指定された場所に向かった。
奏太は薔薇庭園の東屋に、芽亜里は自室に向かった。薫、莉亜、芽琉は客間で待機だ。
恐ろしいことが起こっていることを知らない者達を集めての次期当主を決めるゲームの開始。優妃を失ったゲーム盤で起こるのは一体どのような悪夢なのだろうか。