烏森の魔女ゲーム〈第4ゲーム〉   作:海神アクアマリン

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第5話

「メルヘリア。僕達と戦う気はあるのかい?」

「ありますよ。だからこういう風にしたのです。クロノエル卿やリアボリスのような事は面倒ですので、最後にまとめて相手してやるんですよ。これくらい理解できますよね。」

「このゲームはメルヘリアのものだよ。メルヘリアが自由にあなたとのゲームを楽しめるようにしたんだ。自分のためにやり方も変えて遊んでる。このゲームは今までのものより危険だ。気をつけたほうがいいよ。」

確かに今までとは全く違うゲーム形式だし、今回はお祖父様が共犯に見える。それに優妃が犯人に見えることも無く、死ぬことも無く、消えるだけってのも今までと違う。ゲームマスターのメルヘリアはクロノエルとリアボリスの2人とは違うゲームをやっているような感覚にさせてきた。

「芽琉お姉ちゃんは一体何がしたいの。こんなことをして何が楽しいの? 」

「零羅には絶対に分からないよ。魔女を否定するあなたには私達の気持ちなんて理解できないよ。」

メルヘリアはゲーム版を眺めていた。

 

奏太は薔薇庭園の東屋に来ていた。奏太の目の前には悪魔のベリアルが立っていた。

「これがテストの内容か。なるほど、4つ目は誰も選ばないな。」

「選択肢が決まったらおっしゃってください。」

「俺が選ぶのは1番だ。愛する弥勒が助かるなら、この命はくれてやるよ。」

「それがあなたの選択なら、あなたの勇気に敬意を表して痛みなく殺してあげます。」

そうしてベリアルはゆっくりと奏太に近づいた。

 

地下牢では弥勒が泣きながら叫んでいた。

「奏太様。私なんかのために命を無駄にしないでください。お願いです。お願いですから。」

ベリアルが奏太の前に立った瞬間に動きを止めた。

「だがな。俺はまだ死ねねぇんだ。当主としては自分の命より価値のある一族の命が奪われてるんだ。その落とし前をつけて貰わねえと困るんだよな。」

奏太の周りには結界が張られていた。

「へぇ。反撃特化の結界と炎の衣を使えるんだ。これなら少し遊んであげるわ。あなたが当主の器にふさわしいか見せてみなさい!」

「あぁ、やってやるよ!」

奏太はいきなりベリアルに殴りかかった。その一撃をベリアルはひらりと避けてみせた。

「遅いですよ。そんなので当たるとでも思ってるですか。」

そう言いながらベリアルは雷の剣で攻撃してきた。

「その程度じゃ。俺の結界を破れないぜ。さぁ、俺の炎に焼かれな。」

炎の反撃で燃やしてきた。ベリアルは全力で炎を避けながら結界に雷撃をぶつけてきた。

「ちょこまかと動き回りやがって、その上結界を攻撃しまくりやがって、絶対に許さないぜ。」

「あなたが強いことは認めます。ですが、私も負けるわけには行きません。次の雷撃でその結界を破ってやるわ。」

「それなら俺も次の炎で燃やしてやるよ。」

2人は互いに魔力を貯め始めた。

 

「ねぇ、バティン。もしかして、他の人達はみんなはどこかの地下牢にいるのかな?」

「あなたの御察しの通り、皆様は地下牢に閉じ込めています。」

「それなら、監視役はバルバトスとマリオネット兵ってところかな。」

「何故そう思うのですか?」

芽亜里は静かに笑った。

「ベリアルが奏太の相手をしてるのは魔力で分かったから、ベリアルの相方のバルバトスが来ていることも予想できたんだよ。しかし、あの人達を監視するとなるとバルバトスだけじゃ力不足だ。だからあり得るとすればマリオネット兵の可能性があると思ったんだ。」

「やっぱり白月の魔女様はすごいですね。確かにバルバトスとマリオネット兵が監視していますが、あの子達がいる限り脱走は不可能です。」

「普通はそうなんだけど、多分そろそろ脱出を開始してると思うぜ。」

芽亜里はバティンに微笑んで見せた。

 

「あれ?あれれ?どうしちゃったの?マリオネット兵。」

マリオネット兵は突然バルバトスの足元に倒れた。

「霊子妨害です。マリオネット兵、180秒後に再起動します。」

「その頃には僕達は遠くに逃げてるだろうね。」

そう言うと神威は魔力の剣を出して鉄格子を切っていた。

「バルバトスさん、申し訳ございませんが大人しくしていただきます。」

美紅利の魔力で出来た鎖によりバルバトスは捕らえられた。

「おのれ!バアル、私達を裏切るつもりですか!」

「72柱のトップとして命令します。少しの間捕まっていなさい。それと、裏切るなんて誤解を招くようなことは言わないでいただきたい。うふふ。」

バルバトスとマリオネット兵が身動き出来ないうちに全員が出口に向かって走り出した。その途中にあった鉄格子も神威が切って難なく進んでいた。しかし、弥勒が足を止めた。

「神威君、美紅利さん、マリオネット兵の神の槍が来ます。迎撃しますよ。」

「サブナック、了解。」

「バアル、了解。」

「それでは、迎撃準備を開始します。」

「ヴィネ。ミスしないでよ。」

「ヴィネ。頼りにしてるからね。」

3人の使用人は迎撃体制に入った。他の人間はそれを見ていることしかできない。

「地形データ収集。敵攻撃種判定。データをバアル、サブナックにリンク。」

「バアル、データ受領。地形誤差修正。迎撃攻撃種判定。データをサブナックにリンク。」

「サブナック、データ受領。敵攻撃接近確認。迎撃準備完了。迎撃開始。」

神の槍がものすごい速さで飛んでくるのが見えた。それを神威が一瞬で切り裂き、砕けた破片を美紅利が大量の鎖で撃ち落とした。

「君たちは一体何者なんだ。」

「我々はあくまで人間です。」

神威、美紅利、弥勒は声を合わせてそう言った。

 

魔女のゲームは勢いを増す。ゲーム終了まではまだ時間がある。芽亜里、奏太は悪魔に勝てるのだろうか。薫は魔女に勝てるのだろうか。

 

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