スカサハの娘に産まれて人理焼却で死にました。 作:ホワイダニット
ライダーがランサーの闘いを中断させ名乗りをあげるという周りを唖然とさせる行動のあと。
「なにを考えてやがりますか!?このバカは!」
ウェイバーはいきなり真名をばらすライダーを怒鳴るがライダーのデコぴんを受けて沈黙する。ライダーはランサーとランサーと打ち合っていた女性を交互に見ると。
「うぬらとは聖杯を求めてあい争う巡り合わせだが、まずは問うておくことがある。うぬら、一つ我が軍門に下り聖杯を余に譲る気はないか?さすれば余は貴様らを朋友として遇し世界を制する快悦を共に分かち合う所存である」
等と堂々と宣った。
ランサーは首を横に振ると。
「その提案には承諾しかねる。俺が聖杯を捧げるのは今生にて誓いを交わした新たなる君主ただ一人だけ。断じて貴様ではないぞ、ライダー」
ランサーと死合っていた女性も。
「私も立場としては未だ姫の身であれ、いずれ女王を継ぐものとして、そのような戯れ言を受け入れたのであっては偉大なる母に会わせる顔がありません。ですのでお断りさせていただきます」
二人がはっきりと否をしめすが
「ん~、待遇は応相談だが?」
「「くどい!」」
ランサーと女性の声が重なる。
「うむ。まあ、しかしなんと、うぬは一国の姫であったか。まさか現代にこれ程の強者がおるとはのう」
ライダーは現代にも骨のある娘がおるもんだと感心していたがランサーは女性を凝視していた。
「姫……赤い槍……赤い瞳に、ケルト独特の気配……まさか……」
ランサーの独り言が聞こえたライダーは。
「なんだ?どうしたランサー。そのような幽霊でも見たような顔をして」
「まさか御身は、影の国の女王、スカサハの娘にしてスカサハとオイフェに鍛えられた影の国の姫。影姫セスカか?」
「……やはり同郷の人を相手にこれだけ情報が揃うと気づかれますか」
「いや、あり得ない!かの姫君がなぜこのような!?」
「ランサー。私が誰の娘か分かっているのなら、おのずと答えは出るでしょう」
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セスカのやりとりをコンテナの影から覗いていたアルトリアとモードレット。
「どうする?完全に出るタイミング逃しちまったが」
「大丈夫です。おそらくライダーが何かしらのアクションを起こすはずですのでそれに合わせて私達もセスカと合流しましょう」
「了解。にしてもお袋の真面目ぶった口調の違和感がスゲーな」
「本人もこういった口調は苦手なようです。それよりも他のサーヴァントやマスターは見つかりましたか?」
「おいアサシン、そっちはどうだ?」
モードレットは通信機を使いコンテナの上で待機しているアサシンに通信を入れる。
『こちらアサシン。アルトリアさんの言う通りライフルを構えた黒いコートを着た男性を見つけたわ。それと埠頭側のコンテナにセイバーとアイリスフィール・フォン・アインツベルンを確認。どうやらこちらと同じく出るタイミングを失したみたいね』
「オッケー、とりあえず監視続行だな……しっかしなんだあの筋肉ダルマ、ここからでも暑苦しさが伝わって来るぜ」
「いえ、実際に暑苦しいですよ。豪快なバカでありながらキレ者とめんどくさい御仁です」
「マジか。オレ苦手なんだよなそーゆーの」
『報告よ、ライダーが動いたわ。母様の集音マイクに繋げるから注意しなさい』
『……ザッ、ザザッ……他にもおるだろうが!闇に紛れて覗き見しておる連中は!』
セスカに取り付けたマイクがライダー大声を拾いあまりの大声に二人は若干顔をしかめる。
『どうゆう事だ、ライダー』
『ランサー、それに女よ。うぬらの真っ向切っての競いあいまことに見事であった。あれほど清澄な剣撃を響かせては惹かれて出てきた英霊がよもや余一人ということはあるまいて……聖杯に招かれし英霊は、今ここに集うがいい!尚も顔見せをおじるような臆病者は、征服王イスカンダルの侮蔑を免れぬものと知れ!!』
「へぇ~、言うじゃねーの。んじゃ、呼ばれたことだし、行くとしますか」
「ええ、行きましょうキャスター」
ーーーー
「よう、ライダー。呼び掛けにこたえて来てやったぜ」
「おう、早速来たか。そのローブ姿、うぬはキャスターのサーヴァントで相違ないな、しかし」
ライダーはアルトリアとキャスターを交互に見ると。
「女同士の主従とはの。これはいい目の保養になるわい」
「そうかよ、だったら喜びな。女の主従ならそっちにもいるぜ」
キャスターに言われてライダーが振り返るとそこには雪香と雪香に寄り添う少女のサーヴァント。全身白コーデのアイリスフィールとスーツ姿のセイバーがいた。
「ほう、こいつは驚いた。少女よ、いつからそこにおった」
ライダーは雪香に寄り添うサーヴァントに声をかけるが。
「ふん、いつからなんて答える義理はありません。それに貴方と違って真名は名乗るつもりはないから好きに呼びなさい」
アサシンはライダーに静かな敵意を向ける。母親でもあるマスターに粉をかけたライダーが気に入らないらしい。
そんな思惑なぞ知らないライダーは次にセイバー陣営に意識を移した。
「そっちはそっちでなんと堅苦しい。それはなにか?シークレットサービスか何かかセイバー」
ライダーはスーツを着ているサーヴァントの雰囲気からセイバーと当たりをつける。
「私が選んだの。ねっ、セイバーに似合うでしょう」
「いえ、アイリスフィール、似合うとか似合わないではなく…………」
そこでセイバーは視界に映ったキャスターの違和感に気づく。
「キャスター……まさか貴女はモー」
セイバーが思わずキャスターの真名を口にしかけると。
「おい、こんな人が集まった状況で何を言おうとしてやがるセイバー。オレの真名を口にするってことはてめぇの真名を口にするのと変わんねぇぜ」
キャスターに指摘され口を閉じるセイバー。すると
「よもやこの妾を差し置いて王を名乗る不届きものがいようとはな」
何処からか傲慢な意思がありありとわかるほどの女性の声があたりに響き、近くの街灯の上に黄金の鎧を纏った長い金紗のように輝く髪をした女が現れた。
連休明けで速度低下……頑張ろう。