スカサハの娘に産まれて人理焼却で死にました。 作:ホワイダニット
おう!オレ様の名前はモードレットだ。ブリテンで円卓の騎士ってのをしてたんだが。父上であるアーサー王に反逆して死んじまった。これからその頃の事を話すからよ、まあ死んじまった後の事もって…何でもねぇ!気にするな!あーほらっあれだ!暇なら聴いていってくれや。
オレ様は今ムカつくことが起こるとわかっていながら母であるモルガンの所へ向かっている。理由?ッハ、聖杯探索でダチだったギャラハットが聖杯と一緒に逝っちまって頭にきたのが理由だ。
けどよ、まさかこんなことになるなんて夢にも思わなかったぜ。何せモルガンが一度も見せたことのねぇ笑顔で談笑してたんだからよ。遂にイカれちまったかと思ったがなんてことはねぇ、友人と話してただけって…おい待て?モルガンテメェ談笑する友人居たのか!?
それでよ、その友人とモルガン…あーめんどくせぇ!
その友人と母上の話じゃいつの間にか意気投合してブリテンの未来についてディベ…ディベートってのもしたんだと。まあ、そんな小難しい事なんざどうでもいい。それよりもなんだぁ!?父上を王から引きずり降ろす理由が父上に一人の女の子として生きてほしいって行き過ぎたシスコンの結果かよ!
しかもブリテンに未来はないだと?ふざけるな!だったらオレ様が父上を王の座から引きずり下ろしてオレ様がブリテンを建て直す!なんて叫べば二人して笑いやがる………って、コイツら酔ってやがる!
ムカついたオレは部屋を出ようとしたんだがいきなり意識が途切れちまった。
次の日に意識が戻ってキャメロットに向かうオレを母上が優しく抱きしめてきた。なんだよ!今さらまっとうな母親みたいな事してんじゃねぇよ。
その後は歴史の通りオレ様は父上に反逆して最後にカムランの丘で父上にロンの槍に突かれて死んじまった。
…………筈だったんだが?何でオレは赤ん坊になってんだ?しかもオレを抱き抱えてんのは母上と話してた女じゃねぇか、それに後ろを振り返れば町娘が着てるような服を着ている父上が………父上!?何で父上が居やがる!そんな慈愛に満ちた目で見るんじゃねぇ!
くそっ何がどうなってやがる!死んだはずが赤ん坊になってやがるし、知らねぇ女に抱き抱えられてるし、ガレスに殺されたはずの母上とカムランの丘で致命傷を与えたはずの父上が慈愛に満ちた目で見てきやがるし。
…それから数年の時間がたって赤ん坊から幼女位に成長したオレは母上…この場合は今のオレを産んだ背の高い、母上(モルガン)と一緒にいた…ややこしいな、よし!これからはモルガンの事を母上。今のオレを産んだ奴をお袋って呼ぶことにする。
それでよくよく話を聞いてみれば母上のシスコンを知らなかったのはオレだけでガウェインやアグラヴェイン、ガレスの野郎は始めから知ってやがったらしい、ガレスの野郎が母上を刺したのもやらせだった。しかも当のガレスは既にフランスに渡ってるときたもんだ。
もう、なんかあれだ。ブリテンは既に滅んでるし父上と母上は生きてるしで、もういろんな事がどうでも良くなって自暴自棄になりかけてたんだが父上がオレを抱き締めながら謝ってくるんだ。最初は今さらって思ってたんだけどよ、父上の目から涙が流れるのを見ちまったらもうなんも言えなくなっちまった。そっ、それによ。息子としては認められないけど娘としてなら歓迎するって……おい、今チョロいとか思わなかったか?
他には父上の雰囲気が柔らかくなってて違和感があったんだが何でも世界と契約して参加した聖杯を得るための戦いで好きな男ができたらしい。父上に好きな男ができたことも驚きだが、父上を女にした男が居たってのも驚きだ。普段…というか今までのオレならその男にキレていたところだが、今のオレは父上が幸せなら良いかって思っちまってる、これもブリテンがなくなって新しく生まれ直した結果なんだろうか?
それから更に数年たったオレは今…お袋に抱えられて疾走してる。隣には魔力放出で追随する父上と飛行魔術で付いてくる母上、速度はおよそ人間が出せる速度を優に越えている。何故そんな速度で疾走しているかだが理由は単純に逃げてるからだ。オレ達四人の後ろからは数えるのがめんどくさくなる数の死霊が追っかけて来てんだが本来この程度の奴に遅れを取るような面子じゃねぇ。始めは襲って来る悪霊どもを倒しながら進んでたはずがどうやら倒せば倒すほど集まって来るらしくたった数分でピクト人やサクソン人と殺りあってた頃のように増えやがった。
てなわけでこうして走って逃げているわけだ…あぁ、そういや今オレ達がいる場所を言ってなかったな。オレ達が今いるのは影の国って所らしい。昔どっかで聞いた事があったかも知れないがあんま覚えてねぇわ。
それで悪霊どもから逃げ切ってでけぇ門をくぐったら追いかけて来てた悪霊どもが門の前で立ち往生しやがった。どうやら悪霊どもは門を通ることができないようだ、だが一安心ってな訳にはいかねーな。オレ達が向かう先には朱い槍を持った女が立ち塞がってたんだからよ。あわや一触即発かと思ったらお袋がただいまなんて言い出しよ、思わずお袋を凝視しちまった。
聞けば女はお袋の母親でつまりオレの祖母ってことらしい、更に突如現れたローブを着た双子のように祖母にそっくりな女まで出て来て状況が二転三転して理解が追い付かねぇ、だが分かったことがある。お袋の母親の名前がスカサハってことだ、まさかオレでも知ってるビックネームが今のオレの祖母って事に驚きが隠せねぇ。
それで多分一年位だと思うがオレ達は影の国に滞在した、どうやらオレには魔術の才が多少はあるようでばーさんの双子の妹…まさかとは思ったがまじで双子だった…に魔術を教わった。
一年間の帰省も終わりオレとお袋、父上の三人は影の国から現世に戻ったわけだ。母上は影の国に残ることにしたらしい、何でも抑止がどうとか言ってたが。
その後は、お袋はオレが二十歳になるまで愛情一杯に育ててくれた。きっとお袋がいなかったらオレは荒んだまま素直になれなかったかもしれない。
二十歳になったオレは独り立ちをして旅を始めた。お袋も旅に出るとか言ってたからまたどっかで会うこともあるかも知れねぇな、今頃お袋はどこを旅してんだろう。
簡易人物紹介。
セスカ
今作の主人公、基本的にのりと勢いで行動するがこれでも秩序・善。
然り気無く処女受胎をやらかす。
モードレットを出産して母性愛に目覚める。
アーサー王
つまりアルトリア、死にかけの時に世界と契約して参加した聖杯戦争で士郎に落とされる、答えを得て戻って来たが死なない事に疑問を持ち困惑している所へセスカとモルガンが現れて事情を知る。
モルガン
シスコン、予めアルトリアに条件発動型の蘇生や治癒の魔術をかけていた。セスカとアヴァロンから脱走したマーリンと共に老化遅延宝具【あヴぁろん君(仮)】を作成、アルトリアに施術する。現在は影の国で抑止や世界意識に捕まらないように隠居中。
モードレット
セスカの娘として第二の人生を得た。
性格は丸くなり肉体も人間的に成長した。
アルトリア(父上)との確執もなくなりけっこう幸せ、母親になったセスカを母親と認めており、恩を感じている。
マーリン
未登場、老化遅延宝具【あヴぁろん君(仮)】の作成後モルガンの手によってアヴァロンに幽閉される。