スカサハの娘に産まれて人理焼却で死にました。 作:ホワイダニット
朝食を終え図書館に漫画の続きを読みに出かけるキャスター。冬木の街道を堂々と歩くキャスターの姿は道行く人々の視線を集める。しかし住民がキャスターに視線を向けるのは外国人だからと云うわけではない、元々冬木は外国人がそこそこにおり、定住しているもの、仕事で訪れている者、祖先が外国人の者と様々で冬木の住民は外国人になれている。ならなぜキャスターが住民の視線を集めるのか。それは、外国人の多い冬木でもそうそう拝むことのできない美少女がシャツとジーンズというラフな格好で堂々と迷いなく歩いていたからだ。
そんなラフな格好にも関わらずキャスターが過ぎ去ったあとには、キャスターを注視した一部の男性がそばにいた彼女や妻に頬をつねられたり焼きもちや冷たい目を向けらたりしている。
しかしキャスターは住民のそんな視線に気づきながらも一切気にすることなく図書館へむかう。……それが漫画を読むという理由でなければ、例えばハードカバーの書籍ならさぞかし絵になっているが、これから読もうとしているのは漫画である。いや、ラフな格好であるなら漫画でいいのかもしれない。
***
図書館に到着したキャスターは数冊の漫画を手に館内の読書スペースにある椅子に腰かける。
……背もたれに背中を預けて漫画を読んでいるキャスターの後ろからキャスターに声をかける人物がいた。
「おお!なんと、キャスターではないか。このようなところで奇遇だな、ん?マスターは一緒ではないのか?」
声をかけてきたのは、ウェイバーとイスカンダルのライダー陣営だった。
「おう、ライダーなんだお前らも漫画読みに来たのか?」
「そんな訳ないだろ、調べものだよ。てゆうかお前は漫画読みに来たのかよ……ずいぶんと余裕だなキャスター、聖杯戦争中に漫画を読んでるなんてさ」
と二三、会話を交わすとライダーから今度酒宴を開くから来ないかと誘われたがマスターの許可が出たらなと返事を保留にし夕方になる前にキャスターも図書館を後にし深山の方へ足を向ける。
***
深山に到着したキャスターは商店街をぶらついていた。目的は人探しだが面倒事を起こせば更に面倒事が自身に降りかかりかねないのでそこは自重する。そうして商店街の中程で目的の人物を見つけたキャスターは慎重にその人物に近づいて話しかける。
「すまねぇが、場所を聞きたいんだがいいか?」
「いいけど、お姉さん誰?」
キャスターが話しかけたのは、赤銅色の髪色をした少年と少年の後ろに隠れた少年より年下と思われる黒髪の少女だった。
「オレか?オレはお袋がこっちに住んでてよ、顔を出しに来たんだ。で、折角だから日本の菓子を食ってみたくてよ、どこかいいとこ知らねぇかなって。こう言うのは大人より子供の方が建前とか高いだけのじゃなくて純粋にうまいとこを知ってたりするからな」
「……わかった。なら、うまいたい焼きの店があるから案内するよ」
そう言われて納得したのか案内を買ってでる少年。
「わりぃな、案内までしてもらって」
「いいよ、お姉さんこっちに来たばっかりで道分からないだろうし。困ってる人がいたら助けてあげなさいって母さんにも言われてるから」
「そっか……」
(お袋子供の教育しっかりし過ぎだろ。しかも案内してる間も意識はしっかりこっちに向いてるし)
などと、母親が現代でも子供の教育はしっかりとしている事に呆れつつ少年に感心していた。
「ここだよ」
目的のたい焼き屋に到着したキャスターはたい焼きを三尾購入し少年と少女に一尾ずつ差し出す。
「くれるの?」
少年は差し出されたたい焼きとキャスターを交互に見つめる。
「ああ、ここまで案内してくれた礼だ、受け取ってくれればこっちも有り難いんだが」
そう言われては仕方ないと少年は差し出されたたい焼きを受け取り一つを少女に手渡した。
キャスターは帰り出す少年少女を見送りながら誰もいない場所に話しかけた。
「で、なんでテメェはあの二人に張り付いていやがった」
するとなにもないとこからバーサーカーが現れたではないか。
「護衛だよ、今世話になってるとこの旦那に頼まれた。最近物騒だからってよ」
「そうか」
キャスターは買ったたい焼きを食べきると歩きだした。
「なら、護衛のやる気が出る情報をくれてやるよ。あの二人はお袋……アサシンのマスターのガキだ、あの二人に何かあったら……あとは想像つくだろ」
そういってキャスターは拠点である家に帰っていき。バーサーカーはあわてて護衛対象の二人を冷や汗を流しながら追いかけていく。