ロクでなし魔術講師と戦闘民族   作:カステラ巻き

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 皆さんこんにちは、カステラ巻きです。投稿が遅れて申し訳ありません!少しリアルが忙しかった物で…。
それはそうと、今日になって、私はとんでもない事に気づいてしまいました。
ウィルのお母さんの事です。もう気づいている方もいらっしゃるとは思います。ウィルのお母さん、彼女の名前はユリシアでした。……ほとんどルミアのお母さんと被りますね!ルミアのお母さんはアリシアです。

 気づくのが遅れて申し訳ありません。ウィルのお母さんの名前はレティに変更しました。


考え方

 

 

 あれから俺は、フィーベルさんを探して学院中を走り回った。どこにも彼女の姿は無い。やむなく俺は学院の外に出た。

 

 

 フィーベルさんは学院から少し離れた小さな公園のブランコに座って泣いていた。周りには誰もいない。俺がゆっくりとフィーベルさんに近づくと、彼女は泣き顔を見られたくなかったのか、俺から顔を背けた。

 

 

 公園に入る前に買っておいた飲み物の一つを、フィーベルさんの手に勝手に握らせ、隣のブランコに座る。走り回ったため、喉が乾いていた俺はすぐに自分の分の飲み物を飲み干してしまった。

 

 

 俺は彼女が落ち着くまで黙ったままブランコを漕ぐ。ブランコの鎖がキィキィと音をたてた。

 

 

「……ねぇ」

 

 

 落ち着いたのか、フィーベルさんが声をかけてきた。

 

 

「うん?」

 

 

「……魔術は、…やっぱり…人殺しの道具なのかな?……」

 

 

 こちらの顔を見ないまま、恐れるように、おずおずと問いかけてくるフィーベルさん。そんな彼女に俺は一言だけ返した。

 

 

「そうかもな」

 

 

「…………」

 

 

 黙り込んでしまった彼女に、今度は俺が声をかけた。

 

 

「ただ、それは魔術を使う人次第じゃないかな?」

 

 

「え……?」

 

 

 フィーベルさんが俺に顔を向けた。泣きはらしたのが見てとれる。少しぎこちなく自分のハンカチを渡しながら続けた。

 

 

「確かに、魔術を使って人を殺す奴もいるのかも知れない。でも、魔術を使って傷を治してくれる人もいるだろ?」

 

 

 フィーベルさんは無言で俺の考えを聞いている。

 

 

「そんなに難しく考える必要は無いんじゃないかな?魔術は一つの手段であって、使い方は自由だ。少なくとも俺は、そう思ってる。魔術が人を殺してるんじゃない、あくまでどんな手段であっても、人を殺しているのは人だろ?魔術じゃ無い。」

 

 

「そう、なのかな……?」

 

 

「そうだよ」

 

 

 俺は強く肯定する。風でフィーベルさんの綺麗な銀髪が揺れた。

 

 

「まぁ、魔術を知って一ヶ月も経ってない俺が言うのも何だけどね」

 

 

 苦笑しながら俺はなんとなく足元の石ころを蹴る。蹴り飛ばされた石は、コロコロと転がり、溝に落ちていった。

 

 

 フィーベルさんは、(しばら)く俺の顔を呆けたように見つめた後に、ふっと微笑んだ。その顔を見た俺は不覚にも、ドキッとしてしまった。

 

 

「何だ、そんなに簡単な事だったのね……」

 

 

 フィーベルさんは俺が握らせた飲み物をグイッと一気に飲み干した。

 

 

「……ありがとう。お陰でスッキリしたわ」

 

 

「まぁ、落ち込んだままで勉強教えて貰えなくなっても困るし…」

 

 

 どぎまぎしつつ、なんとかそう返した俺に、フィーベルさんは余裕の笑みを見せた。

 

 

「大丈夫。ちゃんとこれからも教えてあげるわよ」

 

 

「お、お手柔らかにお願いします」

 

 

 そう言うと、俺達は顔を見合わせて笑った。

 

 

 すっかり暗くなった道を、フィーベルさんと並んで歩く。彼女を家まで送ることにしたのだ。と言っても俺はフィーベルさんの家を知らない。実際はついて行ってるだけだな。……かっこ悪い。ストーカーかよ。

 

 

 やがて目の前にデカイ屋敷が見えてきた。どうやらここがフィーベルさんの家。とんだ豪邸だな…

 

 

「凄いな、フィーベルさんの家」

 

 

 掃除とかどうしてるんだろ…?庭の手入れとか大変そうだな。そう思っていると、フィーベルさんは苦笑気味に言った。

 

 

「まぁ、大きいのは良いんだけど掃除が大変よ?」

 

 

「やっぱそうか」

 

 

 俺は一人暮らしだが、割りと大きい家に住んでいる。掃除って大変だよね…。庭の手入れとか全然してないなぁ。今度してみよう。案外俺には庭師の才能があるかもしれないし。……いや、きっと無いな。庭の木の枝を切り過ぎてデカイ爪楊枝(つまようじ)の様になった木が簡単に思い浮かぶ。

 

 

 くだらない想像をしていると、豪邸からティンジェルさんが飛び出してきた。ティンジェルさんはフィーベルさんの屋敷に住んでいるらしい。

 

 

「おかえり、システィ!ウィル君もありがとう」

 

 

 ティンジェルさんがニコニコして駆け寄ってきた。

 

 

「うん。探すのに苦労したよ」

 

 

 同じく笑顔で返した俺とは対象的に、フィーベルさんは少し申し訳なさそうな顔だ。

 

 

「う…ゴメン、ルミア。今日の放課後に方陣の練習をしようって言ってたのに……」

 

 

「ううん、いいの。練習はちゃんと出来たし…」

 

 

「え、そうなんだ。それなら良かった」

 

 

「そんな事よりほら、ちゃんとウィル君にお礼言わなきゃ」

 

 

 そう言うと、ティンジェルさんは離れたところに立つ俺の方にフィーベルさんを向かせた。

 

 

「うん。……その、今日は色々とありがと」

 

 

 最後の方は声が小さくなっていたが、耳が良い俺はしっかりと聞き取った。

 

 

「どういたしまして」

 

 

 時々こちらを振り返りながら家に入っていくフィーベルさんとティンジェルさんを見送り、俺も自分の家に帰るべく帰路についた。

 

 

 星が見えてきた空を見上げて、グレン先生は大丈夫かなぁ?と考えながらゆっくりと歩く。ティンジェルさんがフォローをしてくれてるみたいだから平気かな?でもあの人かなり捻くれてるしなぁ。

 

 

 考え事をしながらも足はしっかりと目的地へと向かう。

 

 

 もうすぐ家だと言う所でふと気付いた。

 ………あ、学院にカバン忘れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 今回は少し短めです。
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