ロクでなし魔術講師と戦闘民族   作:カステラ巻き

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 第二話です!なかなか進みませんが頑張ります!

 


自覚

 

 

 

 俺が赤ん坊として目覚めてから1週間が経った。日付を確認する方法は、今のところ一応ある。俺が寝ている部屋の(すみ)に掛けてあるカレンダーみたいな物に、頬に傷がある黒い髪に赤い目のなかなかイケメンな男の人と、茶髪で、青い目をした綺麗な女の人が俺の顔を見に来た時に丸を書き込んでいるので確かだと思う。ちょうど7個の丸があるし、多分合ってるはず。

 

 あの二人はきっと俺の両親かな?ご飯もあの人達が持ってきてくれるし、おむつも()えてくれるし。

 

 精神がしっかりしている状態でおむつ交換されるのは地獄ですね、ええ。…恥ずかしさで死にそう。

 

 俺は基本泣かない様にしていたが、泣かなすぎる俺を心配し、両親がオロオロし始めたので、恥ずかしさを(おさ)えて素直に泣く事にした。

 

「う〜、あうあー!」

 

 俺の泣き声に反応し、両親が凄い速さで突進してくる。

 

 ひいぃ!!怖い!

 

「❛↔÷%∅★◐!」

 

「⚪♢△Ⅳ÷∃↟■!」

 

 相変わらず何を言ってるのか(まった)く分からない。俺が泣き出したので両親は安心しているようだが、今度は何をすればいいのか分からないらしい。オロオロと俺の周りを歩き回っている。

 

 おいおい…大丈夫か?この二人…。

 

 そうこうするうちに、なんだかんだで3ヶ月が過ぎ、何とかぼんやりと言葉が分かってきた。俺の名前は、ウィリアスと言うらしい。で、父さんがアレク、母さんはレティという名前だ。家名は今のところ分からない。

 

 名付けられたウィリアスと言う名前は結構気に入っているが、父さんは俺の事を「ウィル」と呼んで、母さんは「ウィリー」と呼んでくる。

 

 俺的には母さんが呼ぶ「ウィリー」は、今は赤ん坊だからいいけど大きくなってからもこの呼び方だと少し恥ずかしいかもしれない。

 

 

 

 生まれてから3年が過ぎた。言葉はもう自由に(しゃべ)れるし、簡単な本も読めるようになった。最近では家の外にも父さんと母さんに連れて行ってもらった。やっぱり子どもは外で遊ばないとね。

 

 外には、沢山のというほどでは無いけど、小さな家が並んでいた。どうやらここに住んでいるのはどこかの民族らしい。初めて見た外に、テンションが上がった俺は、集落を走り回った。

 

「こらこらウィル、そんなに走ったら転ぶぞ」

 

 そう言いつつ、父さんが俺を抱き上げ肩車してきた。母さんは横でニコニコしながらこちらを見ている。

 

「わぁああ」

 

 自分の精神年齢も忘れて、俺は無邪気に歓声を上げた。………後で恥ずかしくなって布団の中で転げ回るハメになった。

 

 

 

 5歳になった。俺たちが住んでいる集落は、どうやら戦闘民族が集まって暮らしているみたいだ。集落の人達は、(おも)に狩りや自己鍛錬(じこたんれん)、そして町に出て傭兵の仕事などをして毎日を過ごしている。

 

 何度か、父さんがほかの人と剣を使った模擬(もぎ)戦をしているのを母さんと見た。父さんは集落の中でも結構強いらしく、俺は父さんの剣技にみとれていた。俺の耳元で、母さんが

 

「父さんは凄く強いのよ」

 

 と、少し自慢げに言った。俺は、

 

「そうだね」

 

 とだけ言葉を返した。この時俺は、1つの決意をした。

 

 その日の夜。晩御飯を食べ終えた俺は、二人を自分の部屋に呼んだ。部屋に入ってきた二人は、俺の真剣な表情を見て、何事かと少し落ち着かない様子だ。

 

「ウィリー、どうしたの?もしかしておねしょ隠してたとか?」

 

「違うよ!」

 

「じゃあどうしたんだ?何処か具合が悪いとか?」

 

「それも違う」

 

 見当違いな事を言う二人に、俺は話を切り出した。

 

「実は…戦い方を教えて欲しいんだ! 父さんは凄く強いんでしょ? 俺も強くなって、父さんみたいになりたい!」

 

 俺がこんな事を言い出したのは、集落の外に行ってみたいと思ったからだ。この集落だけじゃなくて、いろんな所に行ってみたい。そのためには、この世界を生き抜く為の強い力がいる。5歳で集落から出るのは無理だろうけど、将来を考えて早めに鍛えておいて損は無い。

  

 話を聞いた二人は最初はポカンとしていたが、父さんの顔がだんだんとニヤけてきた。よほど自分の様になりたいと言われたのが嬉しかったのだろう。顔がゆるみきっている。母さんはそんな父さんに呆れた様にくすりと笑うと俺に言ってきた。

 

「ウィリー、戦い方は言われなくてもそのうち教えるつもりよ。だから、そんなに急がなくても大丈夫よ」

 

「俺は今から強くなりたい!」

 

「ウィル。いくら父さんみたいになりたいからってだな…」

 

 ニヤけながら何か言おうとした父さんに、

 

「あなた、少し静かにしてて」

 

 と、母さんが言う。途端(とたん)にいじけだした父さんを尻目に、母さんが俺の頭を()でながら言った。

 

「ウィリー、強くなりたいならまずはたくさんご飯を食べて、たくさん身体を鍛えないといけないわよ?鍛えるのは大変だけど、それでも強くなりたいの?」

 

 微笑(ほほえ)んではいるが、母さんの目は真剣だ。その目をみて、俺は強く答える。

 

「うん!」

 

「分かった!じゃあ、集落の皆にも伝えておくから皆に戦い方を教えてもらいなさい。母さん応援してる!」

 

 よし!俺は思わずガッツポーズを取る。だって嬉しかったんですもの。

 

「ありがとう母さん!俺頑張るよ!!」

 

「ほらあなた、ウィリーは明日から忙しいんだから、もう寝るわよ」

 

「ああ、じゃあ明日からは父さんも剣を教えてやる!ウィル用の剣を見繕っとくよ」

 

「うん!」

 

「じゃあ今日はもう寝ないとな、おやすみ」

 

「おやすみ!」

 

 

 

 

 

 〜〜〜

 

 

 

 俺、アレクは今、息子の成長にとても感動していた。

 

「流石は俺達の息子だ。僅か5歳にして、戦い方を教えてなんて言った奴は他には居ないだろうな、将来が楽しみだ!」

 

 嬉しさのあまり、妻のレティの前で小躍りしてしまう。普段ならそんな俺を止めそうなレティも、今日は上機嫌で鼻歌を歌っていた。

 

「そうね、とりあえず(しばら)くは筋力トレーニングからしましょうか。あと、飛び道具なんかの扱い方も教えないといけないわね」

 

 嬉しそうに頬を緩めて微笑んでいる妻の顔を見て、幸せな気持ちになった。

 

「ああ、近、中、遠距離の戦い方も教えよう。集落の皆も喜ぶぞ、今は戦い方を教える相手がいなくて皆(ひま)だからな」

 

 ウィルはまだ幼いから、集落の皆もちゃんと手加減はしてくれるだろう。

 

「そうね。私達もそろそろ寝ましょう。明日は忙しくなるわよ」

 

「そうだな、じゃあ、おやすみなさい」

 

 

 

 

 〜〜次の日〜〜

 

 

 

 

 侮(あなど)っていた。まさかこんな事になるなんて…

 

 現在の俺は、集落の走り込みをしていた。今日から始まった地獄のトレーニングメニューによると、走り込みの後はひたすら腕立て伏せ、腹筋、スクワットその他もろもろの筋トレを繰り返し、次は投げナイフやブーメランなどの飛び道具の練習を昼までし、昼食を挟んだあとにまた筋トレをし、その後は槍、鎖鎌などの中距離武器の練習、そして最後に剣、斧などの近距離武器と素手で戦う練習となっていた。

 

 …いや、確かに強くなりたいとは言ったけどね!?

 

 おまけに集落の皆からの攻撃がたまにくる。投げナイフとか、投擲槍とかがとんでもない勢いでこちらに飛んでくる。いや、飛んできていた。

 

「ひゃああ  !?」

 

 流石は戦闘民族!(ねら)いが凄く正確だ!これは本気でヤバイ。ゼイゼイ言いながらも攻撃をギリギリで避けつつ、走っていると、遠くで父さんと母さんがにこにこしてこちらを見ている。

 

「ウィル〜がんばれ〜」

 

「母さん達応援してるわね〜」

 

 それを聞いた俺はたまらず素で叫んでいた。

 

「ちよっとスパルタにも程があるだろぉ!!」

 

 果たして俺は生き残れるのだろうか?

 

 

 

 




 もう少し文字数を増やせるよう頑張ります
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