先輩と後輩がダベってるだけ   作:ハトスラ

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先輩と休日

「ごめーん! 待ったぁー?」

 

 土曜午前9時。ショッピングモール西側大階段前で待ち合わせをしていた俺は、やや離れた場所から聞こえたその声に、スマホに落としていた視線を上げた。

 

「遅刻しちゃった? ごめんねえ……。でも映画には間に合いそうだから許してね」

「いや時間通りでしょ。集合は9時なんで」

「え? じゃあなんでそんな険しい顔してんの?」

 

 きょとん、として首を傾げた相手に、俺も同じく首を傾げ返す。

 

「……してます?」

「してるしてる」

「……なんつうか、日向先輩の冒頭の挨拶に寒気しただけです」

 

 こう、まるで恋人同士の待ち合わせのお約束みたいなセリフだった。ドラマとかマンガとかでよくある、定番のセリフっつうか。

 朝からテンションだだ下がりになるので、勘弁願いたい。

 

「ええ……、風間くんちょっと辛辣すぎない? デートのお約束でしょ、これ」

「そうかもしれねえですけど、そもそもデートではないでしょ、これ」

「なに!? 年頃の二人が一緒にお出かけしてたら、それはデートではないのか!?」

「なんすかそのテンション」

 

 あと年頃の人間が二人で集まってもデートではないと思う。その定義だと、年取った恋人や夫婦が一緒に出かけてもデートにならないし、友人同士の遊びの約束までデートになる。

 大平や城島と遊んでて、『デートだ!』とか騒がれたらたまったもんじゃねえんだよ。

 

「とにかくこれはデートじゃないんで。それよりも行きますよ、余裕あっけどチケットだって買わにゃならんのだから」

「はいはい、わかってるよー。っていうか、アタシもデートのつもりじゃあなかったけど、ここまで真正面から否定されると結構凹むな」

「や、そういう嘘いいんで」

「看破された!?」

 

 いや、さすがにわかるわ。

 俺のことを毛ほどもそういう対象に捉えていないっていうか、言い方は悪いが、元々どうでもいい相手にどうでもいいことを言われても、まったく気にしない気性をしてるじゃねえか。それが遊びの延長上みたいな会話の流れならなおさらだろう。

 

「ちなみにさ」

「なんすか」

「風間くん的にはデートの定義ってどんな感じ?」

「さあ? 好き合ってる人間同士が、どっか遊びに出かけるとかじゃないですか」

「思ってたよりピュアな回答ありがとうございます!」

「うるせえよ」

 

 

 

※※※

 

 

 

「うっわ、高校生1000円なの!? 格差感じるー」

「つっても、大学生1500円なら割引入ってるでしょ。大人1800円ですよ」

「アタシどうにか高校生に見えないかな!?」

「見えねえよ。つか、なにセコいこと言ってんですか」

 

 ショッピングモール内に造られた映画館。その自動券売機の前で、あーだこーだと言い合う。

 ぶっちゃけると完全に時間の無駄だ。この先輩はおとなしくチケット買うことすら出来んのか。アンタのその雰囲気で高校生って言い張るのはちょっと無理があるから、諦めてさっさとチケット買ってほしい。

 

「学生証を忘れたのよぅ。このままじゃ一般客1800円コースじゃん」

「自業自得なんでおとなしく大人料金払ってください。そもそも高校生も『学生証の提示をお願いします』って書いてんじゃねえか」

「え、ウソ!? ……ホントだ。うわぁ、ムリだったかあ」

「成人してる人間が、たかが300円で四の五の言わないでくださいよ……」

「まだ高校生の風間くんにはわかんないかもしれないけど、1円を笑うものは1円に泣くんだよ!」

「そういうのは、まだ高校生の俺に呆れる以外の感想をくれてから言ってください」

「辛辣!」

 

 普通だ。

 っていうか、俺の中での日向先輩への尊敬ゲージがみるみる減ってるから、そろそろ自重して欲しい。しまいにはタメ口がデフォルトになりかねない。

 

「ほら、いいからさっさとチケット買ってください。飲み物買う時間なくなりますよ」

「おっとそれは困る。しょうがない、大人しく1800円払って……、あっ!」

「今度はなんすか……」

「カップル割とかある! 二人で2300円だって!」

「…………」

「うわぁ、スゴい。『目は口ほどに物を言う』とはこのことだね」

 

 そりゃそんな目にもなるわ、と言いたい。なにが悲しくて日向先輩とカップル扱いされにゃならんのだ。事実無根な上に、あとで面倒くさい感じに拗れるのが目に見えるっつうの。

 

「やー、風間くん的には不服かもしんないけどさ。カップルっぽく見えればいいだけっぽいし、正直お得じゃない?」

「俺とアンタは恋人同士じゃねえでしょ」

 

 お気楽に言ってくる日向先輩に、端的な事実を突きつける。

 まったく気にしていないのか、日向先輩は、にへら、と笑って俺の腕を取った。

 

「だから『っぽさ』が出せれば、恋人そのものじゃなくてもオーケーって話でしょこれ。こーんな風にさ! ……うふ」

「うふ、じゃないでしょ」

「あいた」

 

 俺の腕に自分の腕を絡めてしなだれかかってくる先輩を、絡め取られた肘で小突いて振り払う。

 人前でなにを恐ろしいことをしてくれてんだ、この先輩は。誰かに見られでもしたら面倒くさいしやめてほしい。

 

「だいたい、別に得でもねえんですよ。二人で2300円なら一人1150円計算じゃねえか。普通に高校生割1000円の方が得なんで。

 あと不服だってわかってて、そういうネタ振ってこないでください」

「おおう、ガチめに怒られた。あと、さすがに差額の300円くらいはアタシが払うつもりだったっていうか?」

「そろそろ俺も我慢の限界なんで、無駄口叩いてないでさっさとしてくださいねー」

「わー、ごめんって! 買うよ、買う買う! ……はい買ったー!! ジュース買いに行こう!」

 

 あっ、という間にチケットを購入した先輩が俺の手を引く。

 こんなあっさり迅速にチケット買えるなら、初めからやってほしかった。まあ、今更だからわざわざ口にはしないが。

 

 それはともかくとして、チケット売場から売店コーナーまで移動した日向先輩はそこで足を止めると、掴んでいた俺の手を解放して言った。

 

「さっきのお詫びに飲み物奢るからさー。水に流してください」

「……別にそこまで怒ってはないですけど」

「そんな顔でなに言ってんのさ。いいから選ぶ! なにがいい?」

 

 多少イラつきはしたものの、態度に出るほどではなかったハズだ。

 ただ、この人はなんだかんだ他人のことをよく見ているので、俺自身の自覚がないだけで相当ヒドい顔をしている可能性はある。

 

「じゃあお言葉に甘えて。コーラのLサイズで」

「オッケー。すいませーん! えっと、コーラLサイズと……、このポップコーンMセット、ドリンクはアイスコーヒーレギュラーサイズで」

「……ポップコーン食うんですか?」

「食べるでしょ、そりゃ。映画館だよ?」

「アレ無駄に量入ってる上に、割高じゃないですか?」

「その無駄な量のおかげで小さな子供は最後まで映画に釘付け、割高な値段設定が過去の映画事情を支えた、って考えたらお金払う価値はあるんじゃない?」

 

 そういやそんな話も聞いたことあんな。映画が不況の時代に、原価安くて利益が出やすいポップコーンが映画館の救世主だった、みたいな。真偽のほどは知らんが、そう考えるとこの値段設定にも納得できる……か?

 ちなみに前半部分は全然知らん。どこの情報だそれ。まあ、子供は飽きやすいし落ち着きねえだろうから、食べ物で大人しくさせるってのは理に適ってるのかもしれんが。

 

 っていうか、

 

「映画チケットでぎゃーすか言ってた人間が、ポップコーンの価値を語ってんの失笑ものなんですけど」

「前から思ってたけど、風間くんアタシに対してマジ辛辣じゃない?」

 

 

 

※※※

 

 

 

「いや、なんつうか……。ねーわ」

「いやー……、誘っといてなんだけど、うん。アレはなかったねー……」

 

 時刻は正午直前。場所はショッピングモール内にいくつかあるファミレスの一角。

 10分ほど待たされて席へと着いた俺たちの、クソほど気怠げな第一声がこれだった。

 

「なんであんなもんが、二時間映画として制作されてんだ……?」

「ホント、よく予算下りたよね……。っていうか、よく上映しようと思ったよね……」

「結局俺たちは何を観てたんですか……?」

「わからない……。アタシたちは感覚でクソ映画を見過ぎている……」

 

 はあぁ、と二人してため息を吐く。

 元々大して期待はしちゃいなかったが、その期待の斜め下をいく出来だった。マジなに考えて映画上映してんだ。『劇場版ゴッドシャーク対フロンティアホエール! 世紀の山間決戦。太陽は赤く燃えているかパートⅡ』は、今のところ俺の人生の中でぶっちぎりのワースト映画である。

 

「でもさでもさ、あのシーンは良かったよね。エリックがキョーコを庇うシーン!」

「ああ……、序盤のアレは確かに。前後のシーンがどうでもよすぎて、あんまいいシーンって感じしねえですけど」

「エリックかっこよかったじゃん」

「まあ、はい。内容が『お菓子誰が食べたんだ』ってことじゃなければ」

「まさかアレが原因で村長が死ぬとはね……」

「町長じゃありませんでした?」

「そだっけ?」

 

 まあ、こんなありさまな時点で色々察してほしい。マジB級映画と言うのもはばかられるほどのクソ映画だった。ツッコミどころが多すぎる上に、登場人物多すぎ、死にすぎ、死因がどうでもいい、だがギャグというにはちょっと笑えないとかもう……。

 

「俺としちゃ、やっぱサメとクジラの決戦が一番だったと思いますよ」

「お。男の子っぽい意見。やっぱ怪獣大決戦とか燃えるもの?」

「それもあるけど、単純に見やすかったでしょ。でかいサメとクジラがぶつかってるのが良くわかりましたよ」

 

 ちなみに、殊更言葉を選んでいい風に言ってるが、他のシーンはカメラアングルだの焦点だの切り替えだのがクソすぎて、よくわからなかったという話だ。

 が、日向先輩は俺のセリフを言葉通りに受け取ったのか、「まあ確かに」なんて笑って、店員呼び出しベルを押し込んだ。

 

「まずタイトルがサメ対クジラだったし、そこは気を遣ったのかもね。そこそこ迫力もあったし」

「ええまあ。あそこだけ観たら結構いい映画と錯覚してもおかしくはない感じですよ」

「前後がねえ……」

「理由も前触れもなくサメとクジラでしたからね……」

 

 日常に突然襲いかかる恐怖! とかポスターの煽り文に書いてあった気もするが、それにしたって前振りくらいしてほしい。人間同士のいざこざやってるとこに、なんの前触れもなくサメでは……。

 そりゃ現実では丁寧な前振りとかねえだろうが、これは映画だ。エンタメなのである。丁寧な前振りや、雑なフラグとかってものこそ大事にされるべきものだろう。

 

「お待たせしましたー。ご注文をどうぞー」

 

 と、ここで店員が注文を取りにやってきた。

 にこやかにこちらを見やる店員を一瞥してから、日向先輩と目を見合わせると、俺は無言でメニュー表を先輩に手渡した。要は『お先にどうぞ』ということだ。

 ちなみにお互いなにを頼むかは、店の外で待たされた10分間で決めてある。待ち時間の有効活用マジ大事。

 

「ありがと。……えっとね、このハンバーグステーキランチセットを一つ。ソースはデミグラスで」

「かしこまりました。ライスかパンか、選んでいただけますが」

「ライスください。あとドリンクバーを……、風間くんいる?」

「ええ、もらいます」

「じゃあ二つで。ほい、風間くん」

 

 そうやってメニュー表の写真を指さしながら注文していた先輩が、今度は俺にメニュー表を手渡してくる。

 別に口頭で注文しても良かったんだが、聞き違い防止のためというか。普段バイトで注文取る立場にいるだけに、なるべくわかりやすい注文の仕方を、と無意識で考えちまう。これも一種の職業病だろうか。

 日向先輩と同じく、俺も手渡されたメニュー表を指さしながら注文を告げた。

 

「カルボナーラをサラダセットで」

「ドリンクバーをご注文いただくのなら、こちらのサラダドリンクセットの方がお得となっておりますが」

「ああ、すんません。じゃあそっちに変えてもらえますか」

 

 言われてみりゃあ、確かに。セット価格と単品価格の差異は結構見落としがちだから、言われるまで気づかなかった。

 店側のマニュアル通りの対応ってだけなのかもしれんが、その辺りちゃんと指摘してくれるってのはありがたい。ちょっとばかし感心した。

 

 などと、俺が内心で感心しているうちに、店員は注文を確認すると一礼してバックヤードに引っ込んでいった。

 

「いやぁ、なんか感じのいい店員さんだったね。映画で荒んだ心が洗われるようだよ」

「声も聞き取りやすいし、姿勢も良かったし、まあ普通にいい店員ですよね」

「あと笑顔が良かったよね。はきはき喋りつつ、お客様に威圧感を与えない雰囲気って結構難しいんだけど、あの表情が絶妙」

「それはまあ……。うちでも出来てそうなのアンタと桐原……、あとはパートの後藤さんくらいじゃないっすか」

「お、なに? 意外にも、風間くん内評価でアタシ高ランクなわけ? 嬉しいなあ」

「いや意外もなにも……」

 

 普通に妥当な評価だと思う。

 そりゃ、『仕事どんだけこなせるか』と言われれば、俺だって日向先輩くらいにはこなせるだろうし、なんだったらまだ桐原には絶対負けねえだろうが。

 これが今言った『客に威圧感与えずに、聞き取りやすい声のボリュームと滑舌で、なおかつふざけた態度に見えない雰囲気での接客』ということなら、俺にはかなりハードルが高い。

 そもそも愛想笑いが苦手な上、まじめに仕事してると声色が硬すぎるらしい。普通に怖いからもっと柔らかく対応して、とはバイト始めた当初に言われた言葉だ。

 ちなみに俺とよくシフトが重なるユキ先輩も、まじめに仕事してると表情筋が死ぬらしい。しっかりしなきゃと思うと、どうしても笑顔が硬くなるんだそうな。

 

 その点、日向先輩や桐原はその辺りが絶妙だ。

 声は大きすぎず小さすぎず、滑舌は悪すぎず。表情はあくまで柔らかく、それでいてヘラヘラしているようにも見えず。しっかりまじめに仕事しているように見えるのに、声をかけるのを躊躇うような雰囲気はまるでみせない。

 客への対応という点だけ見るなら、この二人は高評価だろう。実際に店内アンケートでの『よかった店員は?』の項目で、よく名前が書かれる二人でもある。加えて日向先輩は他の仕事も迅速に回すので、そりゃバイトの同僚としちゃ評価が低くなりようもないのである。

 

「っていうか、なんで出先でまでこんなこと考えてんですか」

「うーん……、職業病かなー? いい感じの店員さん見かけると、『お、負けてられないな』と思うし」

「いやプロか」

「咄嗟に店員の滑舌と姿勢確認してるキミも相当なもんだよ」

 

 なるほど。職業病はどっちもか。

 お互い本業は学生だってのに、悲しくなってくんな。実際に定職についた時にゃ、これよりヒドくなってそうなのも悲しみを助長する。

 

 まあこんな悲しい話はさておき、

 

「なんつうか。先輩、よくハンバーグステーキなんか頼めましたね」

「へ? なにいきなり。そりゃお腹空いてたし。ハンバーグステーキくんになんか問題でもあるの?」

 

 突然話題を変えた俺にキョトンとしつつ、首を傾げる先輩。

 別にハンバーグステーキくんに問題はない。とてもボリューミーで、腹が減ってる時には大変魅力的だと思う。俺としても普通に腹は減ってるし、肉系のガッツリしたもの食いたい欲もある。今の空腹事情だと、特に意識しないまま注文してたまである。

 

 ()()()()

 

「いやちょっと、あの映画観た直後に肉食う気にはならないっつうか。先輩そういうの気にしないんですね」

 

 つい先ほどまで観ていた映画を思い返して言う。

 俺たちが観たアレは紛うことなきクソ映画だったが、だからといって映像の印象が全くないというわけでもない。むしろストーリー性がクソすぎたせいで、マシに見える部分がより強烈な印象として残ってしまっている。

 

 具体的にはサメに食い殺される人間とか。

 クジラに潰されて赤い水たまりになった人間とか。

 画面占有率60パーセント超えのアカイロとか、その直後に出てきた得体のしれない料理とか。

 

「……風間くんさあ」

「なんです?」

「そーゆーの言っちゃうのどーかと思うよ! うっわぁ……、意識してなかったけど、そういえばそうじゃん……。食べてる最中に思い出したら、間違いなく食欲失せるわ……」

 

 うへえ、と嫌そうな顔をする日向先輩。

 信じられない、と非難してくる先輩だが、俺の方こそむしろアンタがどうなんだ、と言いたい。数分前まで観てた映画について、俺に言われるまで全く意識してなかったとか、普通に驚きな訳だが。

 

「……注文しなおします?」

「いや、それは店側に迷惑かかっちゃうから……。甘んじて食べる。なるべく人肉ハンバーグ思い出さないように食べるよ!」

 

 いや気持ちはわかるが口に出すな。

 色々思い出しそうになる上、他の客に聞こえたらどうすんだ。

 

「ホント、頑張る! 頑張るけど、でももし食べるのツラくなったら、風間くんのカルボナーラと交換してくれない?」

「んーふふふ。真っ平ゴメンですね」

 

 まさかの提案を切って捨てる。

 いや、なんで俺が肉系頼まなかったと思ってんだ。謹んでお断りさせてもらう。

 

「めっちゃ笑顔で断られた!? もとを糾せば、思い出させた風間くんのせいなのに!」

「いやぁ、もとを糾せばあの映画チョイスした日向先輩のせいでしょ」

「ぐっ、そういえばそうだった……!」

「じゃ、俺ドリンクバー取ってくるんで」

「完全に他人事じゃん!? は、薄情者ー!」

 

 そんなこと言われても本当に他人事だしな。

 先輩はなんか喚いているが、俺はのどが渇いたのでさっさと飲み物取りに行きたい。

 

 ああ、そうそう。

 

「ついでになんか取ってくるんで、先輩なにがいいですか?」

「そ、そんな微妙な優しさ見せられたって許さないからねっ! 鬼、悪魔、編集長ー! ツンデレ強面系イケメン! あと、みかんジュース取ってきてください」

「へいへい。オレンジジュースですね」

 

 よくわからん罵倒を吐き出す先輩の、最後のセリフ以外全スルーしてドリンクバーに向かう。

 あまり見ないラインナップに内心で少しだけテンションを上げながら、俺はなんやかんや無難に選んでしまったコーラとオレンジジュースを持ってテーブルへと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみに完全に余談だが、結局あまり箸の進まなかった先輩の代わりに、ハンバーグステーキくんの最後の二切れは俺が食った。




※別にデートではない。
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