先輩と後輩がダベってるだけ   作:ハトスラ

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※※※しがつばか※※※


If たとえばこんな終わりと始まり Ⅱ

 とある春の日。深夜。

 いい加減、縁も腐ってきた友人たちとの飲み会を終え帰宅した俺は、自室の前に妙なものが落ちていることに気が付いて足を止めた。

 

「…………は?」

 

 たっぷり三秒。

 それだけかかって出てきた言葉が、は行のたった一文字だったのはあまりに情けないが、いやでもしゃーないと思う。どこの世界に、自分ん家の玄関ドアに寄りかかって潰れている人間を想定して帰宅する人間がいるっつーんだ。

 

「あー……。なんだ、どうしたらいいんだ?」

 

 酔いが醒めるような感覚を味わいながらも、問題の人物に近づいていく。

 廊下の薄暗い照明ではわかりづらいが、シルエットというか様相から見るにどうやら女か。何故か俺の家のドアに寄りかかってうずくまっている。そのすぐ側には、多分女のバッグが落ちていた。

 強盗、暴力沙汰、性犯罪。いくつかの不穏な単語が脳裏に過ぎるが、ぱっと見でどうやら女に目立った外傷はなさそうだ。着衣も多少乱れてはいるが、着崩れの範囲内だろうとも思う。

 

「おい、おい。アンタ大丈夫か?」

 

 うつ伏せで倒れている女の肩に手を当てながら、軽く揺さぶってみる。

 布越しに感じる体温は、まだ温かい。触れた肩が上下しているから、ちゃんと呼吸もしているようだ。どうやら死体ってわけでもなさそうで安心する。

 いや、帰ってきたら家の前に死体ってとんだホラーなわけだが。まあ今の状況も軽いホラーには違いない。

 

「ん、うんん……」

 

 女が若干苦しそうな声を漏らして寝返りをうつ。

 その顔を見て、今度こそ本当に酔いが醒めた。

 

「お前……、桐原?」

 

 最後に見た姿より随分と大人びているが、間違いない。こいつは高校時代の後輩、桐原(きりはら)麗奈(れいな)だ。これで他人の空似だった場合は、状況含めてそれこそホラーな展開だが、さすがにそれはあるまい。

 っていうか、なんで高校時代の後輩が俺ん家の前で潰れてんだ。そもそも家の玄関ドアに寄りかかって潰れてる人間見るのだって珍しいだろうに、それが三年近く顔合わせしてない後輩とかどんな確率だよ。奇跡みたいな話だってのに、状況が謎すぎて喜べねえよ。あとこいつ酒くさっ。

 

「おい、起きろ。起きろ桐原。お前、何があった?」

「ふぇ……。あ、せんぱいだぁ」

 

 ふぇ、でもなければ、せんぱいだぁ、でもねーんだよ。

 まず起きて状況を説明しろ。こっちは事件性があるかもしれねえって、気が気じゃねえんだぞ。

 

 

 だってのに、この女は気の抜けた表情を、さらに安心したかのように歪ませて────、

 

 

「ねえ先輩。私、ずっと先輩のこと、好きだったんですよ」

 

 

 ────そんなことを宣ったのち、即座に寝落ちしやがった。

 

 

「…………過去形かよ」

 

 あらゆる感情がない交ぜになった俺の言葉に応える者は誰もなく。

 俺はため息をつきながら、これからどうすべきか頭を抱える羽目になった。

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 前世でどんな罪を犯したらあんなとんちきな場面に遭遇するのか。

 今生では真っ当に生きよう。なるべく罪は犯さない方向でいこう、と決心した邂逅から二日。

 そろそろ夕飯の準備でもするか、と思い立ったタイミングで、普段ほぼ鳴らないインターホンの音に呼び出された。

 

「あ?」

 

 思わず怪訝な声が出た。

 鳴らされたのがドア横の方のインターホンだったからだ。俺の住んでいるアパートはエントランスにも施錠がされていて、大抵の場合エントランス側のインターホンが鳴らされる。大体月1くらいで遊びにくる友人どもが、毎回無駄にインターホンを連打するので、エントランス側の音は耳にタコができるレベルで聞き慣れてしまった。

 今回鳴ったのは逆に耳慣れないメロディーで、だからすぐにドア横のインターホンだとわかったわけだが……。そこがよくわからない。ドア横のインターホンを鳴らせる相手ってことは、エントランスの鍵を開けて中に入れるアパートの住人ってことになるからだ。そして俺にアパートの住人との交流なんぞ……。

 

「お前かよ」

「第一声がそれっていうのは、流石に失礼すぎませんか?」

「なにしにきた」

「わぁい、辛辣ー。先輩そういう態度、人間としてどうかと思いますよー?」

 

 ドアを開けた先で、笑顔でイラつくという器用なマネをしているのは、つい二日前にまさにこの玄関で潰れてた後輩だ。肩には小さめのショルダーバッグ、手にはやや大きめの紙袋を下げているところを見るに、どっかからの帰りだろうか。

 いや、つーか、二日前に人間としての尊厳なげうってた女に人間性疑われたくはない。

 

「まあ先輩がアレなのは今更なんで、私も強くは言いませんけど」

「強く言えるような素行だったか、よーく振り返ってみろ。具体的には二日前」

「う……、それでですね!」

 

 あ、話逸らしやがった。まあ深く追及するほどでもないから別にいいが。

 

「今日はお詫びの品を。先輩にはご迷惑おかけしちゃったので」

「いらん」

「そう言わずに受け取ってくださいよ」

「詫び入れてほしくて世話焼いたんじゃねえんだよ。俺からは、二度とあんなクソみてえな潰れ方すんなってだけだ」

「それは気をつけますけど。でもでもそれはそれとして、お返しというかお礼というか。そういうのしないとモヤモヤしてやってられないんですよ!」

 

 そう言ってぐいぐいと紙袋を押しつけてくる桐原。いいっつってんのに、強引なやつだな。あとその紙袋、無駄に重そうだが何入ってんだ。

 

「いらねえから持って帰れよ」

「いーえ! そういうワケにはいきませんね! というか先輩用に購入しちゃったので、貰ってくれないと困っちゃうんです。あといい加減腕が疲れたのでホントに貰ってください、お願いします」

「はあ」

 

 半分はお前の都合じゃねえか。という言葉はかろうじて飲み込んだ。

 経緯はどうあれ、俺のために買ってきたというなら、素直に受け取っておいた方がいいのか。別にこんなもんが欲しくて、潰れたこいつをベッドまで運んだわけじゃあないが。

 

「いや重いな、おい」

 

 ズシリ、とした重みに紙袋の中身を確認すると、缶ビールが2ダースほど入っていた。350×24でざっくり8.4キロ? そら重いわ。

 

「お前……、俺が飲めない人種だったらどうする気だったんだ?」

「え? 先輩、お酒苦手なんですか?」

「いや別に」

「じゃあビールが苦手とか」

「いや?」

「全然問題ないじゃないですか。なんだったんです、今の質問……」

 

 結果的に問題なかっただけで、大事なことだと思うがな。俺がビール飲めないタイプだったなら、この2ダースはマジで処分に困るだけのもんだし。一応でも感謝の気持ちを込めた贈り物なら、最低限相手の嫌がらない物かどうかってのは、事前リサーチ必須だろうよ。

 

「ホントはデパ地下のお菓子とかも考えたんですけど、先輩お菓子系そんな食べないじゃないですか」

「……」

 

 訂正。こいつはこいつなりに考えた品を持ってきていた。

 菓子の類をあまり食わないってのは、高校時代の俺のイメージだろうが、まあ食の好みなんてそうそう簡単に変わるもんじゃない。砂糖の塊みたいなクッキーだの、食べるのに邪魔な装飾のされたケーキだのよりは、確かに今持ってこられたビールの方が遙かにマシだ。

 

「まあ適当に、風呂上がりにでも消費するわ」

 

 そう言ってなんとはなしに紙袋に目を落とすと、なにやら底の方に缶ビールではないものが埋もれているのに気が付いた。

 

「……タッパー?」

 

 がさごそと紙袋を漁って、目的のブツを取り出す。

 小振りのタッパーには、何故かぎっしりと金平(きんぴら)ゴボウが突っ込まれている。

 

「あ、それ。作り過ぎちゃったのでお裾分けです。おつまみ代わりにでもしてもらえれば」

 

 まあ確かに、金平ゴボウならつまみにならんこともないだろうが。

 それよりも、同じアパートに住んでる人間に『作りすぎちゃったのでお裾分けです』とか言われてオカズもらうとか、フィクション以外で存在するシチュエーションとは思わなかった。

 

「じゃあ用も済んだので、私はこれで。タッパーは洗って返してくださいね!」

「あ? ……おう、ってもういねえし」

 

 こちらの返事も待たずにそそくさと階段の方に消える桐原。

 フィクションっぽいシチュエーションに気を取られていたせいで反応が微妙に遅れたってのもあるんだが、そんな慌てていなくならんでも。最初に応対を面倒がったのは確かにこっちだったが、茶くらいは出してやったっつうのに。

 

 しかし、

 

「金平。金平ねえ……」

 

 タッパーの中身をまじまじと見つめて呟く。

 金平ゴボウ自体には特に思うところもないが、あの言い分だとコレはアイツの手作りだろうな……。他人の手作りって、なに入ってるかわかんねえから食いたくねえんだよなあ。

 

 うーん、と玄関先で唸ること数分。

 まあ、桐原のなら別にいいかと割り切ることにした。さすがにアイツなら妙なもの入れてないだろ、多分。

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

「コレ、返すわ」

「あ、どうもです。……金平ゴボウ、お口に合いました?」

「まあ悪くはなかったな」

「そこは嘘でも美味しかった! って言わないと。乙女の気持ちがわかってませんね」

「なんで押しつけられたものに対してお世辞言わなきゃならないんだ?」

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

「おはようございます、先輩!」

「あ? おう、おはよう」

「朝早くから何してるんですか?」

「みりゃわかんだろ。ゴミ捨てだよ。つーか、お前もその用事じゃねえのか」

「そうですけど、一応確認というか」

「その確認、意味あるか?」

「ないですけど。あ、先輩わたしのゴミ袋の中身とか覗かないでくださいね」

「なにが悲しくて他人のゴミ袋覗くんだよ……」

「いやいや! これ結構個人情報わかっちゃうみたいなんで! 変態さんとかゴミ袋漁るみたいですよ」

「いま俺はさりげなく変態扱いされたのか?」

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

「「あ」」

「えっと、おはようございます。先輩もおでかけですか?」

「……まあ、普通に授業受けに行くとこだな」

「私はアルバイトでっす!」

「そうか」

「先輩反応薄くないです? こういう時は『バイト先どこ?』とか聞いてみて、話を広げるべきだと思いますけど」

「……なんのバイトしてんだ」

「うわぁ、不服そうな顔を隠しもしない……」

「……」

「あー、待って待って! ごめんなさい行かないでくださいよぅ!」

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 ガヤガヤ、ざわざわ。平日深夜前だってのに、結構な繁盛ぶりをみせる居酒屋の一角で、適当に摘みながら人を待つ。

 店が広い、個室もある、料理がうまい、安い、常にそこそこ人が入っていて賑やか、と個人的には好条件の店なので、数年前に酒が解禁になってからはずっと行きつけだ。よくつるむ連中もここを気に入ってるようなので、我ながら良い店を見つけたと思う。

 

 そうやって一人飲みをして20分ほど経ったころだろうか。店の入り口に見知った顔を見つけて、俺は軽く手を挙げた。

 

「ありゃ、もう始めちゃってたか。遅くなってごめんね」

「いい、こっちが早く来すぎた」

「ケンちゃんは? 珍しく遅刻?」

「そもそも今回は呼んでねえ」

「え、そうなの? それはまた珍しいね」

 

 などと、こちらと軽くやりとりしながら着席した男は、近くを通りがかった店員を呼び止めると、「シャンハイピーチと茄子の煮浸しください」と手早く注文を済ませてこちらへと向き直った。

 

「やー、三月ももう終わるっていうのに寒いね。コート片付けられないよ」

「ああ、特に今日はな」

「ホントホント。これで花粉も飛んでるっていうんだからやってらんないよ」

「お前、花粉症だったか?」

「んー、今年デビューかもしれない。日中は目がかゆくてかゆくて」

 

 やだねえ、と男が笑ったタイミングでシャンハイピーチが運ばれてきた。

 

「はい、とりあえずカンパーイ」

「ああ、乾杯」

 

 ちん、と雑にグラスをぶつけ合う。こうしてコイツと飲むのは、玄関先で桐原を見つけた日以来だ。

 

「それで今日はどうしたの?」

「どうしたってなんだよ」

「いや、とぼけられても。ヒロくんが飲みに誘ってくるのも珍しいのに、わざわざケンちゃん呼んでないんだから、僕になんか用事あったんでしょ? さすがにそのくらいは察しがつくよ」

「……まあ、そうだな」

 

 さすがにわかるか、と内心で苦笑いする。

 

 目の前の男────城島(きじま)との付き合いは長い。中学からだからそろそろ10年くらいか。ケンちゃんこと大平(おおひら)なんぞとは幼稚園からの付き合いになるから、余裕で10年以上友人関係をやっていることになる。

 高校卒業後は進路が別れて会う機会も随分減ったが、それでも月に一度は二人そろって俺の家に遊びにくるし、大体二週間にいっぺんは大平が飲みに誘ってくる。そして三回に一回程度の割合で誘ってくるのは城島になり、その場合は飲み会ではなく食事会になりがちだ。

 

 まあともかく、城島と大平と俺の付き合いはもう随分長いが、遊びに誘ってくるのは大概向こうで、俺から誘うことはまずない。そして遊ぶ時は三人で、というのが不文律になりつつある、ということだ。

 

 その俺が、わざわざ大平だけ外して城島だけ呼び出している時点で何かあるのは透ける。我ながらわかりやすいといえばわかりやすいが、こう面と向かって指摘されると、ちっとばかし恥ずかしい。

 

「もう一回聞くけど、どうしたの?」

「……お前、一週間くらい前のこと覚えてるか? あの、俺の家の前の」

「ああ、自宅前にレイナちゃんが転がってたって話? そりゃ覚えてるよ」

「桐原だってことまで伝えたか、俺……?」

「そりゃ僕が知ってるんだから言ったんでしょ? なんで自信ないのさ」

 

 そうか……、そんなとこまで口走ってたか。自分が思ってたよりも動転してたんだな、笑えねえ。

 

「あの時はビックリしたよね。解散したと思ったら電話かかってきて、『家の前で桐原が死んでる』って。僕、本気で警察に通報しようかと思ったもん」

 

 とんでもねえ電話してんな、俺。後から振り返ると、自分のアレさ加減にちょっと死にたくなってくる。

 つっても、当時は本当にどうしたらいいかわからなすぎて、藁にもすがる思いだったんだ。飲み屋で城島たちと別れたのを心底後悔したのはあの時が最初で最後っつーか。大平が悪酔いして『風間ん家で飲み直すぞー!』とか言ったのを突っぱねて、城島に送迎を任せて、家に帰ったらアレだもんよ。城島が電話出てくれなきゃ、動揺しまくったまま真面目になにもできなかった可能性が高い。

 いや、動いた結果が『泥酔した後輩女子を部屋に連れ込んでベッドに投げる』だったワケだが……。あのまま放置よりはいいだろ、多分。誰かに見られたら俺の世間体が終わることになるが。

 

 ともかく、

 

「それはスマン。マジパニックだったみてえだ。……大平にはこのこと」

「言ってないよ。泥酔してたし、帰り道どころか飲み屋での記憶も途中からないんじゃない?」

「そうか」

 

 少し安心する。

 今日大平を呼んでない理由もそうだが、女関係の話題を出したとき、あいつは無意味に喧しすぎる。別に男女の色恋云々でなくたってそれっぽく騒ぎたてるので、あいつにこのことが知られてなくて本当によかった。

 

「えっと、それじゃつまり、今日呼ばれたのはレイナちゃん関係の話ってこと?」

「まあそうだな」

「女の子との揉め事かー。力になれるかわかんないよ?」

「言い方。別にそういうんじゃねえよ。ただちっと……、ええと、なんつーか」

「話を聞いて欲しい? グチみたいな?」

「そう、そうかもしれねえ。……いいか?」

「いいよ、別に。ヒロくんからそういうのって珍しいもんね」

「そうか?」

「そうだよ。まあほら、そうと決まったなら話して話して!」

 

 城島に促されるまま口を開く。内容は、まあここ一週間ほどであったことを順番に、という感じだ。

 金平持ってきたことだとか、ゴミ捨て場で一緒になったことだとか、出がけにバッタリ会ったことだとか、帰ってきたタイミングが被ったことだとか。

 

 一通り話して、改めて思ったことを告げる。

 

「多くねえか?」

「多い?」

「三年だぜ? アイツ俺らの一個下だから早くても二年として、それでもよ。二年同じ場所に住んでて、今までそこにいることすら知らんレベルだったのに、いきなりこの頻度は多くねえか?」

「ああ、なるほど。たしかに今までのこと考えると、急にエンカウント増えすぎではあるね」

 

 そう。二年間すれ違いもしなかったことの方が奇跡と言われればそうかもしれんが、それにしたって事実として出会っていないんだから仕方ない。生活リズムやら何やらが完全に違う生き物として、近所に住んでた。きっとそういうことだ。

 で、こないだついに出会ってしまったわけだが、これ自体はまあ。なんつーか、頭痛くなるような出会い方はしたものの、確率的にあり得なくはないだろう。二年同じ場所にすんでりゃ、そろそろ出会う頃合いだった、と俺は解釈している。

 

 でだ、じゃあ一回会ったからその後も頻繁に会うのかって言えば、答えはノーだろ。お互いの生活リズムが違うんだから、会うわけがない。もし頻繁に会うようになったとしたら、それはどっちかの生活リズムが変わったか、意図して会いに行ってるかのどっちかだ。

 

「つまりこういうこと? ヒロくん的には、レイナちゃんに付きまとわれてるんじゃないかって疑惑が浮上してきた、みたいな」

「言い方はアレだが、まあそうだ。金平持ってきた件は置いとくとしても、他はちょっと偶然では片付けられねえよ」

「そして困っている、と」

「困ってるは別に言ってねえだろ」

 

 そう言うと、城島はキョトンとした顔で首を傾げて、

 

「そうなの? じゃあこれなんの話?」

 

 なんて、そんなことを聞いてきやがった。

 

「なにって」

「特に困ってないなら、『前より頻繁に会うようになったなー』で終わりじゃない?」

「……どうすりゃいいのか、わかんねえんだよ」

「んん?」

 

 わからない、と眉を(ひそ)めた城島に、「自分で言うのもなんだが」と前置きして口を開く。

 

「多分、懐かれてんだと思う。なんつーか、高校の時の距離感?」

「うん。まあ、なんとなく想像できるよ」

「そうやってよ、先輩先輩ってこっちこられても、どう接していいのかって話。

 アイツ、ナチュラル距離が近いだろ? 高校時代でもどうかと思ってたが、大学生になってまでアレだとよ。彼氏だとか、好きな奴だとか心配とか勘違いするんじゃねーのかって」

「自分どうこうじゃなくて、レイナちゃんの対人関係の心配してるってこと?」

「まあそうだな。……いや、やっぱ俺の問題か。距離感のバグってる後輩と、どうやって付き合っていきゃいいのかわからん。周りに勘違いさせるのもアレだし、だからってアイツ突き放すのも違うだろ。どうするべきなんだって、まあここ一週間くらいな」

「ふーん、なるほどねえ」

 

 ぐっ、ぐっ、とシャンハイピーチを飲み干し、二杯目にカシスオレンジを注文。ついでに唐揚げを三つほど平らげてから、城島は実に軽い口調で言った。

 

「ヒロくんは、どうしたいの?」

「どうしたい?」

「そ」

 

 どうしたいか。改めて問われると、自分でもよくわからない。

 というか、とつぜん桐原と再会し、無邪気に懐かれているこの状況に困惑しちまって、そんなこと考えもしなかった。

 

「あのね。もし僕が言ったとおり、ヒロくんがレイナちゃんに付きまとわれてる────懐かれてるのが迷惑だって思っているなら、それはもう本人にそう伝えるべきだと思う。それか穏便にすませるなら、さっさと引っ越しして通報! とかね」

「おい待て。全然穏便にいきそうにないワードが聞こえたが」

 

 咄嗟のツッコミを微笑み一つでかわして、城島は続ける。いや、「ふふっ」じゃねーんだわ。

 

「でもそうじゃないんでしょ? レイナちゃんに会うこと。懐かれてること。それ自体は特に問題に感じてないんだったら、あとはもうヒロくんの気持ち次第じゃない?」

「……俺の気持ち?」

「『どうするべきか』なんてのはね、『どうしたいか』が決まってから初めて考えるものだと、僕は思ってる。だからまずは、レイナちゃんとどういう関係になりたいか、ってことを考えてみればいいと思うよ」

「どういう関係って……。お前、なんか勘違いしてねえか?」

「してないよ。けど、伝え方が悪いと勘違いさせちゃうかもね。言い直すよ。

 まずはね、『レイナちゃんと仲良くなりたいか、そうじゃないか』。その程度のことを決めるところからでいいんだ。それが決まってから初めて、『そのために何をすべきか』って段階でしょ」

 

 だから、ヒロくんの気持ち次第。と城島は繰り返し言った。

 

「……そうか。そうかもな」

 

 城島風に言うのなら、どうやら俺は最初の段階をすっ飛ばして考えてしまっていたらしい。

 なるほど。確かに、俺自身の気持ちが定まっていないのに、どの方向に行くべきかなんてわかるわけがない。他の人間はどうだか知らないが、俺にとって城島の話は妙にしっくりくる答えだった。

 

「僕はさ、レイナちゃんのこと好きだよ。高校の時の話になっちゃうけど、可愛いし素直だし、応援したくなる子だって思う」

「お、おう。急にどうした?」

「まあ最後まで聞いてよ。

 ……でも僕は、ヒロくんの友達だ。二人の内、どっちかしか応援できないなら、僕はヒロくんを取る。だからさ、まあまた『どうしたいか』が決まって悩んじゃうことがあったら、気軽に相談してほしいかなって。基本的にはヒロくんの味方をさせてもらうから」

 

 なんだそんなことか。

 

「今更言われなくても、お前のことは頼りにしてるよ。……にっちもさっちもいかなくなったら、そん時は頼む」

「そこはそうなるまでに頼ってほしいかなー!」

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 俺自身がどうしたいか。

 城島とその話をしてから、少し心が軽くなった気がする。今まで誰にも言わなかった内心を吐き出して楽になったからか、それとも悩んでいたことの前に『そもそも決めておかねばならないこと』を提示されて、錯覚でも当面の問題が先送りになったからか。そんなことはわからないが、あの日以来、俺の心は随分と凪いでいる。

 

 ふと、自宅近くのバス停に、この数週間で随分見慣れた顔を見つけた。向こうはどうやら、俺のことに気が付いていない。今なら気付かれずに離れることができる。もちろん声をかけることだって。

 

「よお、早いなお前」

「……っ!? ぁ、え、先輩? ビックリした、先輩じゃないですか。おはようございます」

「おはよう。なんでそんなビビってんだよ、お前」

「いや、先輩から私に声かけることほとんどなくないです? あといくら知り合いでも、背後からいきなり声かけられたらビックリしますって」

「お前の中で、俺はどんな薄情な生き物なんだ?」

 

 一応のツッコミは入れておくが、そう言われてみれば確かに自分から会話のきっかけになるようなことはしてこなかった気がする。少し癪だが、そう考えるとコイツの反応は妥当か。

 

「先輩、バスでお出かけですか?」

「まあそんなとこ。お前は? どこ行くんだ?」

「冷蔵庫の中身を補充しにスーパーへ。今日はなんと冷凍うどんが安いので!」

「ふーん……」

「関心! もっと関心を持ってくださいよ、自分から聞いてきたのに!」

 

 微妙に失礼なやつだ。関心はある。だが、それ以上に今は別のことに関心が向いてしまっている。

 

『レイナちゃんと仲良くなりたいかどうか』

 

 城島の言葉が、脳内でリフレインする。そんな簡単なことからでいいと、城島は言った。

 俺はコイツと仲良くなりたいんだろうか。確かめたくて、思わずこっちから声をかけてしまった。

 

 声をかけたら、短くてもいつものやり取りをしたら、わかった。

 

「桐原」

「なんです?」

「うちも食材きれてたわ。ついでだから一緒に行くか、買い物」

「…………へ?」

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

「あ、キャベツ安いですね。……でも一玉もいらないなー」

「わかるわ。一人暮らしだと、そんなに量いらないよな」

「ですです。ニンジンとかタマネギとかならまだなんとか消費できるんですけど、あと大根とか?」

「大根は一本だと難しいだろ」

「大根オンリーお味噌汁にして、入りきらない分は大根おろしにしちゃえば割といけますよ?」

「じゃあ大根も買うのか? なんか『広告の品!』とかシール貼ってあるが」

「使いきれなくもないってだけなんで、やっぱり丸々一本もいらないですね。あとこれ、別に安くない……」

「そうなのか? 俺には相場がわからん」

 

 む、と大根を見つめながら眉を寄せる先輩。

 相場がわかんないってことは、普段あんまり食材の買い出しとかしないタイプなんだろうか。私も最初の頃は全然食材の相場とかわかんなかったけど、まあ二年近く一人暮らししてれば慣れたものというか。私より一人暮らし歴長い先輩がそういうのわかんないのは、慣れるほど買い物に出なかったからとみた。

 

「お。モヤシ10円」

「やすーい! 3パックくらい買っちゃおうかな」

「……そんなに食うのか?」

「モヤシのお味噌汁とモヤシ炒め生活が始まるやつですね」

「なんかの修行か?」

「一人暮らしなら割とモヤシ生活当たり前じゃないですか?」

 

 そう言ってカゴの中にモヤシを放り込む私。横目で見れば、先輩も2パックくらいモヤシをカゴに入れてる。よーし、二人仲良くモヤシ生活とシャレ込みますか!

 

 

 ……って、そうじゃなくて! アレ!? 本当、なんでこんな状況になってるんだろうね!? 先輩と一緒にスーパーで買い物とか、そ、そ、そりゃ割と夢にまで見たシーンだと思うんだけど! でもほら、私そんなフラグ立てたっけ? 嬉しいけどね? 一緒に買い出しとか、恋人同士がやるやつみたいで嬉しいけども。でも心当たりがないよ。最近頑張って先輩に会えるように色々立ち回ってたけど、それだってこんな早く芽が出るとも思えないし。なんなら、高校通ってた時に比べたら全然一緒にいる時間足りないし。あの頃の先輩がどうにもならなかったのに、今の先輩があれっぽっちの接触でデレてくれるなんてあり得なくない? じゃあやっぱり先輩が買い物に行くタイミングで、私も偶然買い物だったってだけ? 偶然、偶然かあ……。いやでも、それはそれで運命っぽいな。っていうか、今日は完全に油断して、普段着も普段着なんだけどもっとオシャレな服着てくればよかったあぁぁぁあああ!!

 

 

「桐原」

「ふぁ、ひゃい!?」

「ひゃい? いや、お前どうした?」

「ど、ど、どうしたって、何がです?」

「上の空だったろ。寝不足かなんかか?」

「え、えっと、そうです! 昨日ちょっと夜更かししちゃって」

「まあお前もいい大人なんだし、言わなくてもわかってるとは思うが、ほどほどにな」

 

 そう言って、じゃがいもの選定に入る先輩。その様子は一見していつも通り。わかってはいるんだけど、こんなに意識しちゃってるのは自分だけで、なんかちょっとバカみたい。

 いや、でも! 頑張るって決めたもんね。それに今の状況は偶然だろうがなんだろうが、一歩以上の前進だと思うし!

 

「先輩」

「んー?」

「あの、わたし服どこか……」

「服?」

「いえ、なんでもないです! わー、もう新じゃがの季節ですねー!」

 

 うん! 頑張る! 頑張るけども、今の先輩に『今日の私の服どうですか?』はハードル高かったよ。デートで聞くならともかく、これ別にそうじゃないしね。

 

「バラ売りしてくれりゃいいのに、こいつも袋売りだな」

「新じゃがじゃなくても、基本的にじゃがいもは袋売りじゃないですか? 何個か一緒に入ってて、一人だと使い切るの面倒なやつ」

「……全部茹でて、夕飯にでもするか」

「えーっと、ふかし芋的な?」

「茹でてバターかけて食う。炭水化物だし主食でイケるだろ」

「ん、あれ? 今もしかして、夕飯は芋だけでいく的な話してます? オカズじゃなくて?」

「……作るのめんどくさいんだよ」

「まあわかりますけど」

 

 こうやって一人暮らしの若者たちは、栄養バランスの崩れた生活を過ごしていくんだろう。

 なんていうか、一人になって初めてわかる実家の凄さ。ご飯の他にオカズは最低でも2品以上あったもんなあ。

 

「先輩、普段からそんな生活してます? 主食さえあればいい、みたいな」

「悪かったな。お前ほど料理好きじゃねえんだよ」

「料理好きより寧ろ、健康な食生活のことを話してるんですけど」

「それだって結局、食費の兼ね合いと料理のレパートリー次第じゃねえか。料理できなきゃ、外食やら総菜に頼るんだし、そしたらもうまずはオカズより主食にいくだろ。そんで節約を考えて、献立が一つ減る」

「うわぁ……」

「なんで引いてんだよ」

「引いてませんよ。わかりすぎてツラいな、って思っただけです」

 

 実際問題、一人暮らしでの食費って割と死活問題というか。食費がかさむと色々ツラいし、でもお腹は減るから何か食べなきゃだし、そうするととりあえず主食いくのもわかるし。

 

「おひとり様用の食材、もっと安いのあればいいんですけどね。そしたら、節約のためにももっと料理頑張れるのに」

「ん? お前、普段から料理してるんじゃねえのか?」

「自炊で安く上がる時くらいですかね。こういうカット野菜とかって割高なんで」

 

 そう言って、あらかじめ4分の1にカットされたキャベツを手に取る。サイズは4分の1だけど、お値段は一玉の半額ちょい下くらいだ。コスパで考えると、全然サイズと釣り合ってない。

 

「先輩が言ってるみたいに、結局お総菜とか外食の方が安上がりだったりするんですよねー。そうなるとメチャクチャ安い食材使うか、日持ちするものを安いときに大量購入するしかない、みたいな」

「今日の冷凍うどんとかか」

「ええ。冷凍物安い時は助かりますよね、日持ちするんで」

 

 だからって、そんなものばかり食べてると、身体より先に精神が参ってくる。具体的には一週間連続冷凍うどん生活とか、味変しながらでも結構キツかった。

 だから定期的に、ストレス発散もかねてお値段気にせずに好きなもの作って食べたりもしてるんだけど……。

 

「ノーマルサイズの食材とかちゃんと使いきれるなら、自炊の方が安くなると思うんですけどねー。余らせて腐らせちゃうと、お金と食材の無駄ですし」

「まあそうだな。一人だとどうしてもな」

「ですよね。せめて二人なら……あ、そうだ!」

 

 ぴこーん、と、もの凄くくだらないことを思いついてしまった。

 

「二人で食材持ち寄って、ご飯作るとかどうです? 食費折半で、二人だから食材は使いきれるし、一人より二人の方がご飯美味しいですし!」

 

 なはは、と意識して作った笑顔で言う。

 もちろん冗談だ。付き合ってるならともかく、この提案はただの先輩と後輩の距離感じゃない。もしそういうふうになれたら嬉しいけど、そうなるには先輩との距離が一歩も二歩も遠すぎる。

 いつも通り一瞬で却下されて、『阿呆』の一言も添えられるやつだ。そしていつも通り私も笑って、『冗談ですよ』って言うやつ。

 

「そうだな、そういうのもいいかもな」

 

 そうそう。こうやっていつも通りに────、

 

「けど俺、お前ほどレパートリー多くねえからな。お前の負担のが大きいだろ」

 

 ────一瞬で却下を……?

 

「それでもいいなら、日にち決めてやってみるか」

「はい!?」

「……っ、急にデケエ声出すんじゃねえよ。ビビるだろうが」

「え、あ、ご、ごめんなさい。いや、でも……、え!?」

 

 アレ!? 私の勘違いじゃなきゃ、今の提案、先輩に受け入れられてない!? なんで!? 絶対却下すると思ってたのに! いや、今までなら絶対却下してたハズなのに!

 

「なんだその微妙な顔は」

「こんな可愛い後輩捕まえて、微妙な顔とは失礼ですね」

「容姿の話はしてねえよ」

「わかってますけど。いや、あの……、ちょっと混乱しててですね。一分、いや30秒くらい待ってほしいんですけど」

「別に構わんが?」

 

 なんなんだ、と首を傾げる先輩。

 なんなんだ、はこっちのセリフですよ! と叫び出したい私。

 

 え? これ私がおかしいの? 付き合ってもない男女が、お互いに食費出し合ってお料理作って食べるとか、普通の距離感じゃなくない? 少なくとも3年ぶりに再会した先輩と後輩の距離感じゃないよね。それとも先輩にとっては、別にそんなハードル高くもないことなのかな。それこそ、彼女さんとかとそういうことやってたり……。いや、もし彼女いるならそれこそこんな提案受け入れないでしょ! 他の男子はどうだか知らないけど、先輩はそういう人じゃないと思う! ってことは先輩は今フリー(暫定)ってことだよね、つまり今の状況って考えようによってはチャンスなのでは? 思いもよらない返答に混乱しちゃったけど、これは利用するしかないのでは!?

 

「……落ち着いたか?」

「はい。大丈夫です。余裕です、余裕出てきました。これはイケる」

「よくわからんが、良かったな」

「はい!」

 

 うん、そう。良かった。

 今度こそ頑張るって、そう決めたんだから。だからこんな冗談みたいな話だって、なんだって利用してやらなくちゃ。3年かけて自覚したこの恋心を、私はもうなかったことにはできないから。

 

「そういや牛乳きれてたな」

「お、先輩牛乳飲む派ですか」

「普通に飲むし、あれば便利だろ牛乳」

「たしかに。結構お料理にも使いますしねえ」

 

 そんな話をしながら乳製品コーナーに足を進めていく。

 とんでもない提案を受け入れたとは思えないほど、先輩の口調や態度がいつも通りで、私は内心で少しだけ頭を抱えてしまっていたり。

 

「しかし先輩もアレですよね。普段、人に距離感だなんだの言う割には、結構ガバガバな判定ですよね」

「あ?」

 

 もしかして────いや、ないとは思うけど、他の女の子とも似たような距離感でいるんじゃないか。提案を受け入れてもらえて嬉しいクセに、受け入れられたら受け入れられたで、面倒くさい考えがムクムクと育ってくる。

 ほんの数秒前に自分で否定したクセに、ただ先輩の対人距離が昔より緩くなってるだけじゃないか、なんて。

 

 そんな私の気持ちを知ってか知らずか、先輩はいつものように眉間に皺を寄せると、不機嫌な様子を隠しもせずに言った。

 

「誰の判定がガバガバだ。お前と違って、ちゃんと人を選ぶわ」

「ちょ、人が距離感バグってるみたいな言い方やめてくださいよ!」

「自覚ない時点で終わってんだよ……。ったく」

 

 はあ、といつもの────本当にいつも見ていた溜息の吐き方で先輩は言った。

 

「お前の話すアレコレ。言ったのがお前じゃなきゃ、受け入れてねえんだよ」

「え」

 

 思いもよらない言葉に立ち尽くす。

 それって。それって?

 

 先輩はもう何も言わずに、私を置き去りにして乳製品コーナーへ歩いていく。いつも通りの、少し人の心がわからない先輩。

 だけど、

 

「期待して、いいの……?」

 

 頑張ると決めた。

 好感度0からだろうが、マイナスからのスタートだろうが、なにがなんでも頑張って、納得いくまでやろうと決めた。

 だけど、そう。先輩も、もしかして私のことを意識してくれているの? 期待しちゃってもいいの?

 

 胸が跳ねる。

 割と絶望的、それこそ死にものぐるいでないと届かないと思っていたものが、手を伸ばせば届く場所にあるのなら。

 

 あ、ダメだ。嬉しくて泣きそう。

 

「おい、何してる。置いてくぞ」

「いやです。死んでもついて行きますから!」

 

 半ば本気で言い切って、先輩を追いかけて走り出す。

 

 いや、買い物一つでどんだけ悲壮な覚悟決めてんだよ。そんな先輩の呆れ顔も、今の私にとっては心を燃やす燃料になるだけだ。




※※※
『先輩と日直』が起きなかった世界線。
※※※


手作り苦手な風間は『先輩とクッキー』参照のこと
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