星の海と地上の海と   作:あおすな

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とりあえず妄想していたものを形にしてみました。
まだ試運転なので間違いとかあるかもしれません。
艦これと銀英伝クロスオーバー小説
登場人物:ヤン、電、霞


霞ちゃんとティータイム(仮)なのです!

 霞は小柄だが、朝潮型の中でも最も気が強い駆逐艦のうちの一人だ。例えば作戦中被弾すると、ダメージを受けたにもかかわらず敵に向かって罵声を浴びせる。演習で味方がミスをすると「ああっもう! 違うでしょ! こうやるのよ」と何かと口出しするのだ。だがそれは、見方を変えるとおせっかいなのである。(他の艦娘たちはそれをわかっているので、霞の口調がきつくてものけ者にすることは絶対にないのである。)

 そして彼女のそういった態度は、司令官であるヤン・ウェンリーに対しても例外でない。

「駆逐艦、霞、入ります! …ちょっと司令! また本が出しっぱなしよ! 出したら本棚に戻すって言ってるじゃない! ていうか司令官が寝っころがって本読まない!!」

「げっ。よりにもよってこんな時に霞が!」

司令室に入るなり、机やソファに本が重なっているのを見つけてヤンに注意した。その割に注意された方はソファに寝っころがって別の本を読んでいた。しかもケロっとした顔をしている。

「ふーん、昔の戦争の本読んでたのね」

「むかーしの戦争のデータから深海棲艦との戦闘に使えるものがあるだろうと思ってね。色々調べているところさ」

 ヤンが頭を掻きながら言う。霞はその辺りに開きっぱなしだった本を手にとってページを適当に捲った。

「か、霞ちゃん、それはまだ司令官がどれも読んでいる途中なのです。あとで電が片付けるからいいのです」

「あんたは甘すぎるのよ電。だいたいここにお客さんが突然来たりしたらどうするのよ」

 ヤンの初期艦娘であり秘書艦の電が困り顔でやってきた。おそらく部屋の奥のキッチンで紅茶を淹れるための湯を沸かしていたのだろう。エプロンをしていた。

「でも今日の来客予定はないのです! だ、大丈夫なのです」

「ふ〜ん、そう。で、そうそう用事なんだけれど。今日の開発任務、艦載機レシピで試していいかって。パイロットのポプランさんがそろそろもっと強い戦闘機に乗りたいって言ってるわ。工廠の人たちに聞いてきてって言われたから」

「そうかい。まあボーキサイトもたまってきたからいいか。それにしてもポプランめ、この間紫電改二開発できたから専用機にしていいぞって言ったばっかりなんだが」

「どうしても烈風に乗りたいんだって」

「ああ、まだあれうちじゃ出てないからね。試作品で終わった幻の戦闘機に乗りたいって全く贅沢なやつだなポプランは。いいよ、許可を出す」

「そう、じゃあ伝えに行くわ」

 霞はさっさと司令室を後にしようとした。だが電が、

「霞ちゃん、待つのです。ちょうど今お湯が沸いたのです! 紅茶を飲んでいくのです!」

「えっ、ちょ、なによ。あたしだって忙し…」

「いいからいいから、なのです。いいでしょう司令官!」

電は笑顔で霞の腕を引っ張って、ヤンの隣のソファに座らせた。

「そうだ霞、ちょっとくらい休んでいきなさい。電の淹れる紅茶はユリアンの次に美味しい」

「し、司令官がそう言うなら飲んでってもいいわよっ…」

 迷惑そうにしながら顔を赤らめている霞を見て、電は笑顔でキッチンへ行った。少し待つとポットとカップを持ってやってきて、その場で紅茶を淹れた。ヤンは嬉しそうにそれを口に含む。電もそれに続く。霞もどんな味なのかしら?とゆっくり飲んだ。えぐみが全く無く、風味の濃さもちょうどいい。カフェで出されたもののようではないか。

「うん、今日の紅茶も美味しいよ電」

「今日はいつもよりうまくいった気がする…のです!」

「ふ、ふーん…結構いけるんじゃない?」

「霞ちゃんも美味しいと思いますか? 良かったのです!」

「ま、まああたしが本気出せばもっと美味しいかもね」

もちろん霞はきちんと紅茶を淹れる自信などなかった。無理をして得意げに言ってしまったのだが、

「ようし! じゃ次回は霞に淹れてもらうとするか」

「それは名案なのです!」

「えっ! ちょっと何よそれ!」

 突然のヤンの提案に動揺する霞。電は困惑する霞に気づいているのかいないのか、目をキラキラさせている。

「霞ちゃんの紅茶、飲んでみたいのです!」

「ま、そのうちねそのうち! じゃっ私はこれで!」

 霞はまだ熱々の紅茶を飲み干すと立ち上がった。

「もうちょっとゆっくりしていっても大丈夫なのです」

「いいわ、また今度にする! 失礼しますっ。あ、あと開発の許可…ありがとう…ございます」

 去り際そう言うとさっさと出て行ってしまった。残ったヤンと電はその後もまったりティータイムを楽しんでいた。

「霞ちゃん、慌てすぎなのです」

「まああれで照れ屋さんだからね」

「司令官さすがです、よくご存知なのです」

 

 廊下を早足で歩く霞。少し顔が赤い。

(舌火傷した…入渠したら治るのかしらこれ…)

 あと、紅茶の淹れ方を練習しなくては…あの二人のほほんとして見えて記憶力はいいから!と霞は自分の言ったことを後悔していた。

 

<完>

 




お読みくださりありがとうございました。
またネタが浮かんだら書きたいです。
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