fate/brave gunfighter   作:ひもきゅうり

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感想が書かれたなら書かないわけにはいかないなあ

例によって即席レトルトフリーズドライなので手抜きかもしれぬ


一章・二節

 「そんなのおかしいよ!」

 

 のび太は声を荒げてそう叫んだ。間違っていることを間違っていると素直に指摘することは意外と難しい。大人になると特に飲み込まなければならない、我慢しなければならない理不尽というものは自然と増えていく。しかし、のび太はそれは違うとはっきりと口にする。それは彼が子供だからではない、彼が誰かのために怒ることの出来る優しい人間だからだ。

 

 「よいのです。私は私の結末に対して誰かを恨むことは決してありません。私は私の信じるままに、主の声に導かれ道を進んだのです」

 

 「でもそんなの間違ってるよ! ジャンヌちゃんはみんなのために戦ったのに!」

 

 「あなたはとても心優しいのですね。ですがいいのです、全てはすでに起こってしまったこと、もし主が今からでも別の道を用意してくれたとしても、私は一切の迷いなく同じ道を進むでしょう」

 

 話は平行線だった。決してその行いが正しい物ではないと主張するのび太だったが、相手は全てを受け入れていると言う。それも当然の事であったかもしれない、のび太が話している相手はジャンヌ・ダルク、神の声に導かれるままに戦い、そして命を落とした聖女である。彼女の意見を曲げることはきっと一筋縄ではいかない。

 

 「お二人ともその辺りにしましょう。のび太さんの言うようにジャンヌ・ダルクの最後は決して正しいものではなかったかもしれません、しかし残酷な話ですがそれはもう過去に終わってしまった事です。それよりも今現在の問題に目を向けましょう」

 

 のび太達はフランスの地を回っている最中にサーヴァントであるジャンヌに出会っていた。彼女が言うには今のフランスは竜を率いる魔女に蹂躙されているとの事だった。

 

 「ノビータの言うことは凄くよくわかるけど、マシュの言う通り、今は竜の魔女について考えよう」

 

 「マスター、でも……」

 

 「大丈夫、私だって同じ気持ちなんだもの、だから全部終わってから二人でお説教したあげよう。なんでもかんでも受け入れちゃだめだよって」

 

 「……分かったよ」

 

 「よし、それなら今は竜の魔女だよね。なんでもジャンヌが生き返ってフランスに復讐してやろうとしてるとかだったかな?」

 

 「はい、フランスの民達は皆そのように言っていました。しかしそれはおかしいのです。竜の魔女が本当に私であったなら救国に身を捧げた私は決して復讐などと言ったことは考えない筈です」

 

 「じゃあきっとジャンヌのフリした誰かがやってるんだ。ゆるせん、とっちめてやる!」

 

 「先輩の言う通りだとして、なぜ魔女はわざわざジャンヌ・ダルクのフリをする必要があるのでしょうか?」

 

 「分かんない! けどきっと悪いこと考えてるに違いないよ!」

 

 「いえ、まあ犯人が人理焼却に加担していると考えると確かに良い事をしているわけではないでしょうが……」

 

 「よしじゃあ決まり! とにかく竜の魔女に会ってみて一発とっちめた後になんでジャンヌのフリしてたのか聞いてみよう!」

 

 「なんとなくツッコミどころが満載な気がしますが、概ねの進路としてはそれほど間違っていないでしょう」

 

 立香は魔女に一発当てる準備運動と言わんばかりに見様見真似でシャドーボクシングを始めた。彼女達の進路をまとめると、右ストレートでぶっとばす真っ直ぐにいってぶっとばすであった。これは頭の悪いのび太にも一回で理解出来た。

 

 「よし、暗くなってきたし今日はそろそろ休もう!」

 

 「しかし、折角方針が決まったのにノンビリしていていいのでしょうか、こうしている間にも竜の魔女は……」

 

 「ダメだよマシュ、休む時はしっかり休まないと。明日頑張るために今日はご飯を食べてちゃんと寝る、じゃないとどこかで倒れちゃうからね。というわけでレッツキャンプターイム!」

 

 「キャンプ! それなら、キャンピングカプセル!」

 

 マスターが音頭を取ると、のび太はポケットから道具を取り出した。見た目は一本鋭い角の生えた小さなボールだった。のび太はそれの角の部分を地面に突き刺した。傍から見るとこれからゴルフでも始めるのかといった風であった。しかし、地面に刺さったそれは少し間を空けて、一気に大きくなった。角の部分は柱となって辺りの木々と同じくらいの長さになり、その柱によって大きく膨らんだボール部分が支えられていた。

 

 「すごーい! なにこれ!」

 

 「えっと、これはキャンピングカプセルっていってあの丸い部分が部屋になってるんだ。柱のところがエレベーターになっているからそこから登ってみて」

 

 「なるほど仕組みは分かりませんが超高性能テントということですね」

 

 「凄いですね。未来にはこんな便利な物が発明されるのですか」

 

 「皆の分もすぐに出すね」

 

 のび太は同じ物を更に三つ取り出すと同じように地面に突き刺した。

 

 「有難いのですが、サーヴァントとなったこの身には睡眠は不要です。私は外で見張りをしていましょう」

 

 「ダメだよジャンヌ、寝なくていいだけで寝れないわけじゃないんでしょ? だったらしっかり寝ないと、あったかい布団でぐっすり寝る、こんな楽しい事他にはあんまりないよ?」

 

 「しかし、寝込みを襲撃されないとも限りません……」

 

 「もー、ノビータなんかいい方法ない?」

 

 「うーんっと、あ! これを置いて置こう、気配アラームとおもちゃの兵隊!」

 

 のび太はポケットから警備員のような形をした道具と、兵隊の姿をしたおもちゃの人形のような道具を取り出した。

 

 「こっちが気配アラームで怪しい人が近くに来たら教えてくれるんだ。それでこっちがおもちゃの兵隊、命令しておけば怪しい人が来た時に戦ってくれるよ」

 

 「グッド! これでジャンヌもゆっくり寝れるね! 安心したらお腹空いちゃった、マシュー、ハンバーグ食べたい」

 

 「先輩には申し訳ありませんが、そういった手間の掛かる食糧の持ち合わせは残念ながらありません」

 

 「ええー、僕もカレー食べたかったのに……、まてよ、だったらこれがあるじゃないか! グルメテーブルかけ!」

 

 のび太が次に取り出したのは何の変哲もないテーブルかけのような道具であった。お誂え向きのテーブルが無かったのでのび太はそれを地面に敷いた。

 

 「ちょっと小さいかな、だったらビッグライト!」

 

 のび太は今度は懐中電灯のような道具をポケットから取り出した。それは普通の懐中電灯のように光を発した。のび太がその光を地面に敷いたグルメテーブルかけに向けると、瞬く間にグルメテーブルかけが大きくなった。

 

 「これでよし! さあみんな座って座って!」

 

 「これはレジャーシートのような物でしょうか?」

 

 のび太がレジャーシートのようにしたグルメテーブルかけの上に座ると、他の皆もそれに倣って座った。

 

「ふふふ、僕はカレーライス!」

 

 全員が座ったのを確認したのび太がレストランで注文するかのように声を出すと、テーブルかけからまるで生えてきたかのように本当にカレーライスの乗った皿が現れた。加えてそのカレーライスはまるで出来たてかのように湯気を上げていた。

 

 「すごいすごい! じゃあ私はハンバーグ! あ、ご飯セットで!」

 

 マシュとジャンヌが在り得ない物を見る目で、カレーを見つめている横で順応力の高い立香はのび太に倣って注文した。するとカレーライスと同じようにハンバーグの乗った鉄板が現れた。鉄板は熱せられたばかりといわんばかりにハンバーグの肉汁を弾け飛ばしていた。次に注文通りご飯が現れ、さらには味噌汁まで付いていた。当然どちらも出来たてのように湯気が出ている。

 

 「味噌汁もついてるなんて気が利く! マシュとジャンヌは何にするの?」

 

 「なるほど、仕組みは分かりませんが、頼めば好きな物が出てくるということですか。では私は先輩の国の天ぷらという物を食べてみたいです。あ、私もご飯セットでお願いします」

 

 「ジャンヌは?」

 

 「いえ、私には食事も不要ですので……」

 

 「ダメだよ! みんなで一緒に食べないとおいしくないよ! ジャンヌが食べないなら私だって食べないからね!」

 

 「いえ私は……」

 

 なおも断ろうとするジャンヌに立香は不満そうな顔で少しだけ涙目になった。それをみたジャンヌは諦めた。

 

 「そうですね、では何かおすすめの物をお願いします」

 

 二人の注文が終わるとマシュの前には注文通りの天ぷらの盛り合わせとご飯に味噌汁、ジャンヌの前にはたっぷり具材の入ったシチューとパンのセットが現れた。

 

 「よし、それじゃあみんなで、いっただきまーす!」

 

 立香が音頭を取り、みんなが料理に手を伸ばした。

 

 「ハンバーグ熱い! おいしい! 最高!」

 

 「このカレーおいしいけど辛口だった! みずー!」

 

 「なるほど、天ぷらとは揚げ物あるにも関わらず意外とあっさりとしているのですね」

 

 みんなが料理の感想を口にしている中、ジャンヌだけはゆっくりとシチューを口に持って行った。

 

 「おいしい……」

 

 ジャンヌはその味に驚いた。生前はシンプルな料理ばかりであったが故、沢山の具材の入った複雑な味のシチューに感動すら覚えた。

 

 ジャンヌはふと顔を上げた、立香は熱い熱いと言いながらも手が止まることなく食事を勧めている、のび太は辛いと言いながら慌てて水を口に流し込んでいる、マシュは慌てずゆっくりと一つ一つの食材の味を噛みしめながら食べている。みんなが異なった食事風景だったが一つだけ共通点があった、それに気が付いたジャンヌは思わずつられてしまった。

 

 みんなが笑顔であった。

 

 「皆で食べると楽しいでしょジャンヌ!」

 

 「ええ、とても!」

 

 ジャンヌには不安なことが幾つもあった。竜の魔女の正体やフランスの事、それらの事を考え焦る気持ちもあったが、今は、今のこの楽しい時だけは誰にも気兼ねなく過ごしたいと、ジャンヌはそう思った。




「あったかいふとんでぐっすり寝る!こんな楽しいことが他にあるか。」
by昼寝の世界記録保持者

「I need plenty of rest in case tomorrow is a great day...」
by世界一有名なビーグル犬


尚、眠いため続くかは未定の模様
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