――――狩るか狩られるか。
――――どちらがハンターでどちらが獲物なのか。
それが分かるのは、どちらかの弾丸が標的を捉えた時のみ。
後悔意見陳述界の舞台である時空管理局地上本部が襲撃を受けた。
警備システムは外部からの不正アクセスとそれらを操作する人員が直接狙われた事で完全に沈黙。警備に当たっていた局員達もガジェットドローンの軍勢が放つAMFに苦しめられ負傷者が続出し劣勢に立たされている。
地上本部周辺の空域では襲撃犯の一味らしき戦闘機人並びに魔導師、航空機型ガジェットドローンと航空魔導師部隊との愛度で戦闘が勃発。
そして地上本部の地下区域においても同様で――――……
「ギン姉ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
長い長い通路をローラーブレード型デバイス<マッハキャリバー>で疾走していた機動6課所属スバル・ナカジマは姉の名を呼びながら、まったく勢いを消す事無く目的の場所へと躍り出た。
実の姉からの救援要請、その発信地点である吹き抜けの地下空間に件の姉の姿は影も形も存在しなかった。
「ギン姉ぇ、どこにいるのか返事して!」
『気を付けなさいスバル!また襲撃犯の仲間がどっから襲ってくるのか分かんないんだからね!』
スバルの相棒、ティアナ・ランスターから警告の通信。<マッハキャリバー>の様な高速移動できる『足』や飛行魔法が使えない彼女は上官である高町なのはに抱えられて若干遅れながらも向かっている最中だ。
「でも、でもギン姉の姿がどこにもないの!」
『落ち着いてスバル!ともかく私達が追い付くまでその場を動かないようにね!絶対だよ!』
「わ、分かりました」
とはいえスバルの心中は全く穏やかではない。まさにミッドチルダにおける管理局の象徴である地上本部に対しての大規模な襲撃、しかも相手は母親を殺した張本人かもしれないともなれば、浮足立ってしまうのも仕方のない事だった。
各所での戦闘の余波でスバルが今居る空間も僅かながら振動が届いていた。空気中に舞い散っている粉塵もその都度震えを感じ取っている。辺りの様子からして、この空間でも戦闘が行われたのは明らかなのだが。
居ても経ってもいられずもはや挙動不審なレベルでじれったそうに足踏みをし、唸り声をあげ、半分涙を浮かべながらキョロキョロと周囲を見回し――――
「あっ、あれって、まさか……!」
「スバル!」
『それ』を発見するのと、ようやくティアナを抱き抱えて通路を飛んできたなのはが吹き抜け空間に到着するのは同じタイミング。
追いついたかと思えばいきなり何かを見つけてまたも止める間も無く駆け出した相棒の姿に苛立ちを覚えるティアナだったが、射撃手として鍛えられた視力によってすぐさまスバルが何を見つけて動いたのかその理由を発見してみせた。
それは、拳大のコンクリートに挟まれて垂れ下がる藍色のリボン。
「アレは、ギンガさんの……」
彼女のトレードマーク。最初に感じたのは、『何故あんな所に?』という疑問。
アレがこの空間にあるという事はギンガがこの空間に居たという事の証明になるが、ならばリボンの持ち主であるギンガ本人は何処へ行ったというのか。何故リボンだけがあんな所に置いてあるというのか。そして襲撃を受けている状況に於いて考えられる可能性は――――
ティアナの思考速度は所属当初からスバル達フォワード勢の指揮官として立ち、なのはやフェイト達上官全員からもお墨付きを受けるほど速く優秀だ。故に、リボンが置かれている意味をなのはより先に即座に弾き出す事が出来た。
だがその間に、スバルはリボンが触れれる距離にまで近づいてしまっていた。
必死の形相で叫ぶ。
「ダメよスバル、今すぐその場から離れて!!」
「えっ」
もう遅い。ティアナとなのはには何も出来ない。それほどの間も置かず事態は起きた。
空間中を震わせる銃声が轟き、ティアナとなのはが見ている前で飛来した弾丸がスバルの胸元に命中した。
驚愕に目を見開く2人が見届ける事が出来たのは、着弾の証に着弾部周辺のバリアジャケットの破片が四散する中スバルがもんどりうって大きく仰け反る瞬間までだった。その直後、周辺に散乱する瓦礫の影に隠されていた発煙弾が起動し、周囲が白煙に包まれたからである。
濃厚な白煙の向こう側に生じる新たな影。突然現れては煙のベールの向こう側をすぐさま横切り、スバルの身体を抱えるやそのまま通り過ぎ去る。その素早さと誤射への警戒から2人は1発も撃つ事が出来なかった。
白煙が消え去る頃にはスバルの姿も消え去っていた。残されたのは結局誰にも触れられる事無く垂れ下がったリボンのみ。
やはりあのリボンは罠だったのだ。恐らくは、狙撃するには絶好の位置に敵を誘き寄せる為の。
「スバ――っ!」
後を追いかけようと1歩だけ踏み出しはしたものの、そこから先に進む事はティアナには出来なかった。吹き抜け空間に立ち尽くす今の自分はあまりにも無防備過ぎる。このまま飛び出せば確実にスバルの二の舞……!
「ティアナ、隠れて!」
「っ!りょ、了解!」
上官の警告。思考を働かせて行動した訳でもなく、無防備に己を敵の目に晒す危険から生存本能が逃れようと勝手に身体を動かした。足がもつれそうになりながらもなのは共々上階部分を支える柱の陰に身を滑り込ませる。
たっぷり数秒間もの時間を使って出来る限り荒馬のように跳ねる心臓の鼓動と炎天下に放り出された飼い犬並みに騒々しい呼吸を整えると、僅かに片目だけ柱から覗かせた。
――――――見える範囲に敵影無し。潜んでいるのか、既に離脱したのか。
「(ううん。多分、きっと、敵はまだ何処かに隠れて私達を狙ってる!)」
何となく、本当に何となくだが、ティアナにはそう確信出来た。上官の顔を見てみると、向こうも大きく頷いてレイジングハートを一部の隙なく構えてみせた。
声で居場所を悟られないよう、肩同士が触れ合うぐらいの近さでありながら念話でやり取りを交わす。
『スバルが心配なのは分かるよ。だけど今は不用意に飛び出す事は出来ないの。それはティアナだって理解してるよね』
『はい、分かっています!』
『なら安心だね。それで敵の正体なんだけど、多分だけど相手は廃棄都市区画で私とフェイトちゃんを撃ったのと同じ人だと思うんだ』
なのはの推測にティアナは驚きを隠せない。距離にして2kmオーバー、そんな遥か彼方から見事飛行中のなのはとフェイトを狙撃し見事直撃してみせた狙撃手が私達の敵だというのか。
撃墜には至らなかったらしいものの(その時の出来事については隊長勢により厳しい緘口令が敷かれているので別の犯人グループを相手にしていたフォワード陣に詳細は伝わっていない。1度スバルが2人に直接聞いてみた事があるが、フェイトは何故か涙目になりなのはに至っては『少し、頭冷やそうか』モードに変貌したのでスバルの首根っこを引きずって緊急避難する事態に陥った)、超長距離狙撃を成功させた敵の存在を知らされた時、ティアナは驚愕と畏怖に襲われたものだ。
気配は全く感じられない。だが間違いなく狙撃手はこの場に存在し、自分と敬愛する上官を狙っているのだ。既に相棒はその毒牙にかかり、狙撃された挙句連れ去られてしまった。
そんな現実を再認識して思わず歯噛みしてしまう。年頃の女性らしく潤いに満ちた唇に、強く噛み締められた歯が食い込んだ。
敵狙撃手が動きを見せる気配はない。まだ待つべきか、こちらから仕掛けるべきか。どちらが正しい?
『ティアナ、オプティックハイドとフェイク・シルエット、同時に発動とか出来る?』
『はい、一応は。ですけど両方を同時に発動させるとなると、キャロのブーストが無いとあまり多くのフェイク・シルエットは作れませんよ』
『構わないよ。相手の反応を見たいのと、この場から離れるだけの時間を稼ぎたいだけだから。サーチャーは私が飛ばすから、囮のフェイク・シルエットに向かって相手が攻撃したらどこから飛んできたのかサーチャーで探って相手の姿を見つける。この作戦で行くよ』
是非もない。ティアナも遅かれ早かれその手を考えていただろう。なのはの作戦は現在自分達が取れうる中では最善の選択だった。
『援軍は要請しますか?』
『忘れたのティアナ。私達が援軍なんだよ?皆自分達の持ち場だけでも手一杯だろうし、下手に呼び寄せてもスバルみたいに1人ずつ狙撃される可能性が高いよ』
『つまり私達だけで何とかしなきゃいけないって事ですか……』
『怖い?』
『……はい、正直。こんな敵を相手にするのは初めてですから……』
『そうだね、実を言うと私も怖いよ。でも怖がって隠れてるだけじゃスバルは助けられない。だったら行動しないとね。頼りにしてるよティアナ』
『――――はい!行くわよ、クロスミラージュ!』
まずはオプティックハイドを発動させると、発動者であるティアナと移動時同様彼女を背後から抱き抱える体勢を取ったなのはの姿が掻き消えた。続けざまにフェイク・シルエットで今度は寸分違わぬ2人の幻影を生み出す。
ティアナの腰辺りに両手を回したなのはは「レイジングハート」と微かに呟き、複数のサーチャーを生成。移動用の飛行魔法に専念する為サーチャーからの情報処理はレイジングハートの人工知能(AI)に一任する事にした。サーチャーは吹き抜け中に散開し敵と思われる対象の探知を開始。
『行きますよ!』
ティアナの合図と共に2人の幻影が柱の影から飛び出した。そのまま吹き抜け1階部分を横切る形で走り抜けていく。同時になのはは飛行魔法を発動させ衝撃や激しい動きに弱いオプティックハイドが解除されないギリギリの速度で近くのエスカレーター乗り場を通り上の階へ向かう。足音や大小様々な破片を蹴り飛ばして敵に位置がばれないようにする為の配慮だ。
吹き抜け空間に身を晒したなのはとティアナの幻影はそのまま反対側の柱の部分まで辿り着き、やがて限界を迎えて消滅した。
2階部分の障害物に身を潜める本物のなのはとティアナ。インテリジェントデバイスの助けを借りつつも幻影魔法の維持にそれなりの魔力消費と情報処理を費やしていたティアナは若干息を切らしながら上官の方を見た。
『どうでしたか!』
『ダメ、撃ってこなかった。囮だと気づいてたのかそれとも別の理由があるのかは分からないけど、まだ居場所は分からない』
サーチャーは空間中を飛び回りながら各階を探索していく――――
――――――危なかったな、とトゥレディは声に出さず呟いた。
クアットロの繰り出す幻影相手に真偽を見分ける観察眼を磨いていなければあのまま狙撃し、結果自分の位置を見抜かれていたに違いない。
そんな間一髪の所で正しい判断を下せて安堵の溜息を胸中に吐き出していた彼の直上を、なのはの放ったサーチャーが通り過ぎていった。
今のトゥレディは仰向けに寝転がり専用ライフルを抱き締めるという姿勢のまま、<インビジブルコート>の効果により完全に床と一体化していた。もちろんライフル自体にも<インビジブルコート>と同様の迷彩機能が組み込まれているのでライフルの存在のみ浮いて見える、などという下らない姿も晒されていない。
それでも、すぐ目と鼻の先を敵が放ったサーチャーが通り過ぎていくという展開はトゥレディが動揺するには十分な内容だ。ゼストやルーテシアの協力も得て対サーチャー対策は万全に施してはいたし、心臓に悪い状況で無意識に興奮して大きく跳ねだした心臓もすぐさま体内の機械によって沈静化させる事が出来たとはいえ、一瞬だけ強くなった心臓の音や呼吸音を気付かれやしなかったかという不安は完全には抑えきれない。
目前をサーチャーが通り過ぎていくまでの数秒間、トゥレディは呼吸を忘れていた。もしかしたら心臓の収縮すら自分で止めていたかもしれない。ともかくサーチャーはトゥレディを探知する事無く数m先までふよふよと今居る階の奥に消えていく。
なのはとティアナがどうやってトゥレディを見つけ出す気なのかはこれで判明した。
ならばこちらは2人の作戦を逆手に取らせてもらうとしよう。
「………」
仰向けに寝そべった姿勢のままメインアームのライフルではなく護身用(サイドアーム)の拳銃を<インビジブル・コート>の内側から抜き出す。
見る人が見ればサイレンサー付の大型拳銃にもよく似ているそれは、エネルギー弾を発射する点を除けば実銃同様極めて小さな発射音で標的を射抜く事が出来る。
片手で照準し、たった今通過していったサーチャーを破壊した。
途端に階下の一画にて2人分の気配が膨れ上がるのが感じ取れた。敵を感じ取って興奮するのは良いが、不用意に反応するのはいただけない。一帯のサーチャーもトゥレディの居る周辺目指してあちこちから集まってくるのが分かる。俯せになって素早い匍匐前進、今居た地点をよく見渡せるポジションへ移る。
サーチャーを破壊した地点周辺の大部分を見渡す事が出来るポジションに辿り着くのと同じタイミングで、急速に近づきつつあった気配が移動を止めた。
姿は見えないが間違いなくこの場に居る……そんな感覚をあの2人も敏感に察知して動きを止めたに違いない。それに伴い2人の気配も急速に萎みつつあるが、大体の見当はつく。どうも自分と比べて気配を消すのに慣れていないのが分かったが、それでも技量や判断力は優秀だからやりずらい。
恐らくはあのエレベーター乗り場周辺。そこから頭だけ出して周辺の様子を探っているようなイメージ。向こうもティアナのオプティックハイドによって姿を隠しているから肉眼でまともに探し出すなんて真似は非常に難しい。
ほんの少し、僅かな瞬間でもいいから迷彩に綻びが出るなりなんなりしてくれたら話が早いのだが、そんなミスを当てに出来るような相手でもないのは重々承知。
炙り出そうにもサーチャーが集まっているこの状況で攻撃を行えば即居場所がバレるし、あの位置は射角が悪い。確実に命中させる状況を作り出されない限り発砲は厳禁だ。せめてもう少し狙いやすく距離のあるポジションに移る必要があるだろう。
内心で舌打ち。こうなる事を想定しておくべきだった。相手の能力と思考を把握した上で『自分だったらこうする』と行動を先読みし続ける事を忘れていたのが失敗の原因。
戦闘の場に選ばれたこの空間も問題といえば問題だ。障害物は多くそれなりに広くはあれどやはり屋内、自分の弾が届く距離は敵からも届く。となると2人の能力を踏まえると手数では圧倒的にこちら側が不利。今度こそ『確実に当てれる状況』を作り出さなくてはこちらの負けだ。
狙撃姿勢を解除すると、猫科の肉食獣の様に軽やかな身のこなしで足音1つ立てずなのはとティアナに決して悟られる事無くその場を離れていった。隠密行動は狙撃兵の必須技能である。
――――場が悪いのであれば、自分にとって有利な狩場を作り出せば良い。
そして彼は、捕らえた後密かに隠しておいたスバルの元へ向かう。
実の所、ここまで時間をかけて相手をしようとは考えていなかった。
自分達は襲っている側だしチンクの護衛という割り当ての仕事は接敵したギンガを捕虜にしてチンクが回収していった時点で終わっていた。こうして残っているのは一応他の姉妹達の退却の援護という理由を付けてはいたが、実際には地上本部内に潜入したメンバーは既に脱出済みだ。撤退しようと思えば、いつだって出来る。
なら何故、未だこうしてなのはとティアナの相手をしているのか―――――
他にもやりたい事が出来たから、と表現する他無い。
目的を見つけたならば例えどんな事をしようとも、例えどんな手段を取ろうとも――己が許せる範囲で――達成してみせるのがトゥレディという男なのだ。
それが聞こえてきた時、なのはとティアナは幻聴か周囲から響いてくる戦闘の余波の聞き間違いかと一瞬耳を疑い。
そして、もう1度聞こえてきた呻き声の主がスバルであると悟った瞬間互いに顔を見合わせた。声は少し筒だが次第に音量が増しつつあり、エコーがかって空間中に響いているせいでどこから聞こえてくるのか把握しきれないがそれでも聞き間違いでも幻聴でもない。正真正銘スバルの声だ。
『ティアぁ……なのはさぁん……」
「スバっ、むがっ!?」
『駄目だよティアナ声を出しちゃ!』
口を手で塞がれたまま抗議の視線を向けるティアナだがなのはの方が正しいとすぐさま理解し抵抗を止めた。
その間にもスバルの声が、生者を道連れにしようと手招きする幽鬼の様にどこからともなく聞こえ続けてくる。その度にティアナの心はざわめき、大声を上げて探し回りたい衝動を抑え込むのに貴重な精神力の大部分が裂かれる。
なのはの方もティアナに負けず劣らずスバルの元に駆け付けたい思いに駆られていたものの、名匠の作る刀剣の如く経験によって鍛え上げられた強靭な精神構造により経験の浅い部下よりも幾分冷静さと思考能力は保たれていた。
故に、自分の名をを呼ぶスバルの声が自分達を誘き寄せる為の罠であると見抜く事が出来た。
『落ち着いて。これはきっと罠だから。スバルを囮にして私達を誘い出そうとしているに違いないから、迂闊に動いちゃダメだよ』
『……分かっています。ですけど………!』
『ティアナの気持ちは私にも分かるよ。だけどだからって飛び出すようじゃ相手の思うツボだから冷静に――――』
遠くから聞こえるスバルの声の様子が変わる。
『えっ、ちょ、ちょっと、何をする気なの?』
「スバル!?」
「ダメっ、まだ飛び出しちゃダメ!」
今度こそクロスミラージュを構えて飛び出そうとしたティアナを必死に静止させた。だがスバルの異変になのは自身心中穏やかでない事は、ティアナの肩を掴む彼女の手にこめられた痛みを感じるほどの握力が示していた。
敵の手によって大切な仲間が、教え子が。危害を加えられようとしているにもかかわらず動く事が出来ない事への無力感と絶望。胸の奥に生じる自分への、それ以上の相手に対する怒り。
負の感情に突き動かされそうな己の身体。必死に堪える。必死に耐える。
『や、やだっ、助けてっ、ティアぁ、なのはさんっ!!!』
――――それも、自分の名を呼ぶスバルの懇願が聞こえてくるまでの話だった。
同時に敵の探知からスバルの捜索に切り替えていたサーチャーが捕らえられた部下の居場所を知らせてくる。
「――――ティアナ、私が囮になって動き回るからその間にスバルを助けに向かって!」
「了解!」
なのはは吹き抜けへと飛び出すや飛行魔法で急上昇した。急激な動きとティアナから離れてしまったせいでかけられていたオプティックハイドも解除されてしまったが、今のなのはは目立つのが目的だ。
ティアナはオプティックハイドを維持し続けたまま出来る限りの速さでなのはからデバイスに送信されてきた位置情報を元に囚われのスバルの元を目指す。一刻も早く助け出さなくては。
「さあ、どっからでも撃ってくればいいよ!」
覚悟を決めてレイジングハートを両手に握り締める。また全裸にしたいんだったらやってみればいい。裸の1つや2つ幾らだって見せてやる。そうなのはは覚悟を決め――――……
※音声のみでお楽しみください
『ヘソだしスバルっぱいハァハァ(*´Д`)』
『だめぇ、だめだよぉ!そんな先っぽくりくりされたらぁ…!はにゃっ!?こねるのもダメェビリって、ビリってでんきが流れるよぉ!……そんな、だめっ、すりすりしないでなでなでするのもだめだから!ひゃう、だから揉まないでこねこねしないでってばおまたが、おまたにまでびりびりきちゃうから!ひぎぃ!らめぇあかちゃんみたいに吸わないでヤダヤダビリビリきちゃうの、こんなの初めてで耐えられなひぃっ!?………ぅえっ、やらやらやらやらそこだけはダメだからお願い、ティアにも触られたことないのに、そこだけは、いまそこ触られたらもうがまんできなくな―――――――ひゃあああああああああああああっ!!!?』
ぷしゃああぁぁぁっ………
「…………」
「…………」
人間、本当に予想外な出来事に直面した時はどんな反応をすればいいのか分からなくなるものである。
2人の場合も例外ではなかった。ただし、顔だけはどんなに恥ずかしい目に遭った時よりも真っ赤に紅潮していたが。
「……なのはさん、アイツにファントムブレイザー100発ぐらい食わせてやりたいんですが、 か ま い ま せ ん ね ! 」
「許可するの!私も丁度リミッターなしの全力全開エクセリオンバスターを撃ちたくなってきた所だったし!」
やめてください地上本部が崩壊してしまいます。
果たしてトゥレディの運命やいかに!?
当時書き終えた時の感想:直接描写してないからセーフ!