不器曜とヨーソローな日常   作:水無月 楓

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お待たせ致しました。11話でございます。それからひとつお知らせが。千歌ちゃんの一人称を千歌にさせてもらいますね。私と千歌が混在して何となく嫌だったので。でもって一応すべての話で確認は致しましたが、読んでいて「私」となっていた場合ご報告をくださると嬉しいです。

それでは本編をどうぞ!


11話 サブタイトル思いつかないしもう本編に沿ってなくても別にいいんじゃね?

「海だー!」

 

曜と千歌は海を見るやいなや砂浜に向かって走り出す。

 

「ちょ、待てってば」

 

「榎本くんも大変だね」

 

隣にいる梨子が話しかけてくる。

 

「大変?」

 

「そう、大変。曜ちゃんにいつも振り回されてない?」

 

「どうだろうな。振り回されてる時もあれば逆に振り回してる時もあるような……」

 

「曖昧だね」

 

「振り回されたところで何も問題は無いからな。あんまり意識したことないな。むしろ曜と一緒に入れるなら何されてもいい……みたいな?」

 

曜が俺を振り回すのは今に始まったことじゃない。実際小さい頃何度も振り回されたし、はっきり言って死にそうになったことも多々あった。今じゃもう懐かしいいい思い出だ。

 

「曜ちゃんのことになると目が本気になるね」

 

「ノーコメントで」

 

「ふふ、さ、行きましょ榎本くん」

 

「おう、……あ、梨子」

 

「ん?」

 

「その水着可愛いぞ」

 

俺が梨子の水着を褒めると梨子は顔を赤くして「バカっ」

と小さく言ってきた。梨子も可愛いな反応が。

 

 

「よし、ビーチバレーやろう」

 

千歌が突然こんなことを言い出す。

「ビーチバレー?道具とか持ってきてないぞ」

 

「大丈夫だよ。曜ちゃんがしっかり持ってきたから。ね!」

 

「ヨーソロー!優真のバッグの中に入ってるよ」

 

「え?バッグ?」

 

曜が指差すバッグを開けるとそこにはたしかにビーチボールと自動空気入れが入っていた。

 

「やたら荷物が重いと思ったらこれがあったからか」

 

「榎本くんは着替えた時に気が付かなかったの?」

 

「いや、俺は家で着替えてきたからバッグを開けてないんだよ」

 

俺は外で準備をするのがあまり好きではないので基本的に家で準備をして外出先では最小限の準備をするだけの状態にする。ここでよくやらかすのは家に着替えを置いてきてしまうことだ。俺も小さい頃あったなぁ、家にパンツを置いてきてしまったこと。帰りはどうしたっけか。

 

「それじゃあ優真くん。頑張って空気入れておいてね。私たちは海で遊んでるから」

 

「いや、俺も海に入りたいんだけど」

 

「優真」

 

「……はい」

 

「よろしくね」

 

曜はウインクすると千歌と梨子を連れて海に向かう。

 

「それはずりぃよ曜。……可愛すぎるって」

 

俺はボールに空気を入れ始めた。

 

 

「出来たみたいだね」

 

「まぁね」

 

空気入れ始めて約5分が経過していた。曜の優しい心遣いなのか自動空気入れを入れてくれたおかげで作業自体に苦はなかった。どちらかと言えば辛かったのはこの日差しだ。

 

「あ、そうだ曜」

 

「ん?何?」

 

「日焼け止め塗ったか」

 

「え?まだ塗ってないけど」

 

「じゃあ、今から塗ろう。その肌に傷がついたら俺が俺を許せなくなるんだ。だからよろしくな」

 

「よろしくなって。あとせっかく遊びに来たんだからそんな殺伐した空気を出さないでよ」

 

「何なら俺が塗ってあげようか?」

 

「…っ!?いいよ。じ、自分でやる」

 

曜とそんな話をしているとあとから千歌と梨子がやってくる。

 

「曜ちゃんどうしたの?」

 

「優真が日焼け止め塗れーってうるさいから」

 

「お肌は大事にしないとダメだよ曜ちゃん」

 

梨子は日焼け止めを取り出し曜に渡す。梨子はお肌とか大事にしてそうだな。

 

「千歌も千歌も」

 

千歌も梨子に日焼け止めを請求する。というか日焼け止めって遊ぶ前に塗るものじゃないの?

 

 

「ではこれよりAqours対抗ビーチバレー大会を行う」

 

「Aqours対抗?ビーチバレー大会?」

俺は色々な疑問を浮かべながら立っている。

 

「あ、ちなみに負けたチームは買ったチームにお昼奢る事ね」

 

「は?ちょっと待て千歌。異議ありだ」

 

「なあに?これから始まるところだよ?」

 

「俺の目がおかしくなければ俺のチームが誰もいないんだが」

 

「そこは男の子だからさ。バランスを考えて」

 

「いや、関係ないだろ」

 

「それじゃあスタートー!」

 

曜はにっこにこの笑顔でボール叩く。

 

 

「イェーイ勝った勝った!」

 

「流石に辛いな。うん」

 

俺は地面に膝まつく。試合は接戦になっていた途中まで。しかし途中から曜たちの胸とかにね。意識が。

 

「優真、途中から急に弱くなっちゃったけどどうしたの?」

 

「お願いします。何でもするのでそれは聞かないでください」

 

「?……ハッ、そっか優真も男の子だもんね仕方ないね」

 

「その反応だと最初から仕組まれてたな」

 

「けどそうゆうのは家に帰ってからね」

 

「そう言うこと言わないの」

 

俺は曜に優しくチョップする。曜は頭を抑えて「イタッ」と言う。

 

「もうっ!……私喉乾いたから自動販売機で何か買ってくるね」

 

「おう、分かった。お昼何がいい?」

 

「う~ん。……焼きそば!」

 

「了解」

 

俺はその場から立ち上がり千歌と梨子にも食べたいものを聞いて海の家に向かう。

 

 

「すみません。焼きそば4つお願いします」

 

「はいよー」

 

店の奥から聞いたことのある声が聞こえた気がする。

 

「気のせいか」

 

そんなことを思いながら焼きそばを待っている。しばらくして焼きそばが出てきた。

 

「はい、焼きそば4つ……って優真じゃねーか」

 

「ん?」

 

目の前には見知った顔がいた。

 

「えっと……」

 

やばい名前が出てこない。

 

「俺だよ俺」

 

「オレオレ詐欺か!と言うか航平がなんでこんなところにいるんだよ」

 

「俺の名前がようやく出てきた。お前親友の名前を忘れるなんてどうなんだ?」

 

そのライトノベルあるある主人公には使えない心を読む力が欲しいよ。と言うか勝手に人の心を読むな。

 

「忘れたことはすまんな。仕方が無いだろ?お前が前回登場したのは6話。ゴールデンウィークの前の時だぜ?多分読者もああ、こいつねってなってたと思うぞ?」

 

なお、作者は存在は覚えていたが、肝心の名前を覚えていなかった。※実話

 

「メタすぎるだろ。俺も出番無くて割と悲しかったんだぞ」

 

「お前の裏事情は知らねーよ。それよりどうしてここにいるのかって話だ」

 

「色々なアイドルのグッズとかライブとかいってたら金がなくなっちまってな。バイトをしようかと」

 

「いつも通りで何よりだわ」

 

そいや、アイドル好きって言う設定あったね。

 

「お前はなんでここに?」

 

「曜たちと遊びに……」

 

「なにィィィィィィィッ!お前をどうしてそれを俺に言わねぇ」

 

航平は俺の肩を大きく揺さぶる。

 

「だから忘れてたんだって」

 

覚えてても呼ばないと思うけど。

 

「おい、お前のことだ。曜さんの他に誰がいるんだ?」

 

「え?えっと……まず曜だろ。それから千歌もいるな。それから梨子がいる」

 

「よし、お前後で……」

 

航平がそこまで言うと後ろの厨房の方から声が聞こえる。

 

「おい、高梨。こっちの手伝い頼む」

 

「え?あ、はい。それじゃあな優真」

 

そう言うと厨房の奥の方に歩いていった。

 

「…………何だったんだ?」

 

俺はそう口にしてその場をさった。

 

 

「ただいま~」

 

「あ、おかえり優真くん」

 

「あれ?曜は?」

戻ってきた俺は

 

「曜ちゃん?てっきり優真くんと一緒だと思ってたんだけど」

 

「いや、自販機で飲み物買うって」

 

「大丈夫かな?」

 

梨子が心配そうに言う。確かに梨子の言う通り心配だ。

 

「ちょっと探してくる」

 

俺は買ってきた焼きそばをおいて曜を探しに行く。

 

 

「どこに行ったんだ?変な人たちに絡まれてなければいいけど」

 

そんなことを考えながら曜を探す。

 

「ん?あれって」

 

「ちょっとどいてください」

 

「そんなことを言わずに俺たちと遊ぼうぜ」

 

「他の人と来てるから嫌だって言ってるでしょ!」

 

そこには曜と複数人の男がいる。俺はすぐさま曜の所に駆け寄る。

 

「すみません。ちょっと失礼しますね」

 

「あ?」

 

俺は数人の男を退けて曜の手を取ってその場を去ろうとした。

 

「おい、ちょっと待てよ」

 

その時だった。一人の男が俺の肩に手を置いて言う。

 

「おい、ちょっと待てよ。そこの女は今から俺たちと遊ぶ所だったんだが。つーかお前誰だよ」

 

「誰?」

 

俺は考える。こうゆう時は素直に彼氏ですって言えばいいのか?でもそう言ってもキレてくるに違いない。俺が怪我をするのは構わないが曜に傷でもつけたら元も子もない。

 

「う~ん」

 

「?」

 

男達は悩んでいる俺を見て頭にハテナを浮かべる。

 

「…………おい、聞いてんのか?」

 

「正義のヒーロー?……いや、違うな。じゃあ曜の王子様?……いや、自分で王子様って。死にたくなるわハハハ」

 

「……何言ってんだこいつ」

 

俺の謎の独り言によって男達の謎はさらに深まるばかりだ。

 

「……ねぇ、ねぇ、優真。どうしたの?」

 

曜も疑問に思ったのか俺の手をしっかり握りしめながら問いかけてくる。

 

「いや、こうゆう時ってなんて言えばいいんだ?」

 

「え?普通に彼氏です。とかでいいんじゃないの?」

 

「あ、そうなの。それは意外だった。そんなことを言っちまうと喧嘩売ることになるかなって思ったんだが」

 

俺と曜が話していると

 

「テメェのその態度がウザイんだよ!」

 

一人の男が殴りかかってくる。

 

「やめとけって既に110番はしてある」

 

俺はその拳を避けて言う。

 

「そんなのすぐには来ないだろ!」

 

「だからあらかじめ早くから呼んであったよ」

 

「ちっ、クソガキが。逃げるぞお前ら」

 

俺がそう言うと男達はそそくさに逃げていった。いやぁ、愉快や愉快。

 

「曜大丈夫か?何もされてないか?」

 

「う、うん大丈夫だよ。助けに来てくれてありがとっ!」

 

曜はそう言うと俺に抱きついてくる。

 

「俺が曜から離れちゃったからこんな目に。ごめんな。これから常に曜の隣にいるからな」

 

「ゆ、優真が悪いわけじゃないよ?」

 

「そ、そうだよな。あまりにも可愛すぎる曜がいけないんだよな」

 

「可愛すぎるって。恥ずかしいよぅ」

 

「愛してる曜」

 

「私も愛してる優真。……それよりも110番したんでしょ?あの人たちはどうするの?」

 

「110番?してないよ。デマに決まってるじゃん。それ喧嘩強くねぇからさ」

 

「そ、そうなんだ。あと喧嘩はしちゃダメだよ?優真に傷が出来ちゃったらどうするの?」

 

「いや、俺が傷ついても曜さえ傷つかなければ……」

 

「優真が傷ついたら私も傷つつくの!分かった?」

 

「そ、そうなのか」

 

曜に言われて俺は改めて曜に大事にされているんだなと感じた。自分も大事にしてかないと曜にまた怒られちゃうな。

 

「さ、優真。千歌ちゃんたちの所に戻ろっ!」

 

「ああ、そうだな」

 

俺と曜は千歌たちのいるところに歩いて向かう。しっかりと手を握りしめて。




取り敢えず海編は今回で終了です。次回は何とか早く出します。と言っても先に曜ちゃん生誕祭のお話を書くのでまたしばらく期間が空いてしまうかも知れません。曜ちゃん生誕祭の話は一回書いたけど没になりました。まぁ、この話はその時に。では、また次回!

ニエルさん高評価ありがとうございます。

高評価、感想等お待ちしております。
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