不器曜とヨーソローな日常   作:水無月 楓

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とても分かりづらいですが、曜ちゃん生誕祭のお話です。こちらは時系列的に少し前の4話~5話の間の話としていますのであらかじめご了承ください。

生誕祭であろうが普通に話数を振ります。


12話 あれ?これ普通に話数振ったら時系列分かりづらくならね?

「優真おはヨーソロー!!」

 

まるで2話と同じような掛け声と同時に俺は曜に起こされる。俺は体を起こして目の前にいる女神に朝の挨拶をする。

 

「おはよう曜」

 

「もうっ、起きるの遅いよ優真」

 

「そうは言ってもな曜。俺には6時間の睡眠時間が必要なんだが」

 

「もう7時間寝てるよ?」

 

曜にそう言われてふと時計見ると時刻は午前七時すぎを指していた。

 

「よし、分かった。今から着替えるから下で待っててくれ」

 

「うんっ。早くしてね」

 

そう言って曜は扉を閉めてドタドタと足音を立ててリビングに向かう。

 

「さて、着替えますか」

 

俺はベットから降りて再び時計に目をやる。今日は4月17日。つまり曜の誕生日だ。

 

 

着替えを済ませリビングに入るとそこにはエプロン姿の曜がいた。

 

「ふむ……」

 

「どうしたの優真?」

 

「いや、いつ見ても曜のエプロン姿は可愛いなって」

 

「えへへっ、そうかな?」

 

「うん。可愛い。これが見れるのも曜の彼氏である特権だな。その姿他の男には見せるなよ?」

 

「え?う、うん。分かった。見せるつもりはないけどね」

 

「いやぁ~やっぱり曜は分かってんな抱きしめていい?あとキスしよう」

 

「今はちょっと無理~」

 

「まぁ、まぁ、そう言わずに」

 

「ちょ、待って待って危ないからー」

 

 

 

「もうっ!包丁持ってる時に来たら危ないじゃん」

 

曜に頭を叩かれてからはや数十分。俺の頭には大きなたんこぶができていた。

 

「俺は悪くない」

 

「またそう言う」

 

「曜が可愛いのがいけないんだ!」

 

「か、可愛いって……。そんなこと言われても……えへへっ」

 

「……フッ、チョロいな」

 

曜には聞こえないようにその言葉をボソッと呟く。

 

「と、とにかく包丁持ってる時は危ないからダメだよ」

 

曜は手を腰に当てて俺に怒る。そんな曜も可愛い。

 

「アイアイサー!」

俺は敬礼のポーズをしながら答える。

 

 

「さ、優真早く早くぅ!」

 

「待て待て鍵はしっかりしめないと」

 

俺はバッグから鍵を取り出し、家の鍵をしめる。そして曜の手をしっかりと握る。

 

「さ、行くか。誕生日デートに」

 

「うん!まずは……」

 

 

「ここっ!」

 

曜について行って到着したのはテレビでもよく見る浅草雷門だ。

 

「わぁー、本当にテレビで見るところだね」

 

「テレビで見るのと違ってたらそれはそれで問題だけどね」

 

「そうだね」

 

曜はそう言うと自分のバッグからカメラを取り出す。

 

「優真優真。一緒に写真撮ろ?」

 

「おう、いいぞ。でもどうやって撮影するんだ?」

 

「何とか二人でできないかな?」

 

「やってみないと分からんな」

 

俺がそう言うと曜は俺の腕に抱き着いて、もう一方の腕でカメラを持って手を伸ばす。

 

「う~ん、よく考えたらこれってスマホとかでやるんじゃないのか?」

 

「ハッ!?そっか」

 

曜はてへっと言いながらスマホを取り出す。

 

「全くいつもいつも可愛い仕草しやがって」

 

俺は曜の頭を撫でる。曜は目を細めて嬉しいそうにする。

 

「えへへっ。……それじゃあ撮るよ!」

 

「おう」

 

そう言って曜はシャッターボタンを押してシャッターを切る。

 

 

続いてやってきたのはとあるパフェ屋。なんか俺、今すごくレポーターみたい。もしかして俺レポーターに慣れんじゃね?

 

「優真?どうしたの?」

 

「何でもない。早く入ろうぜ!」

 

俺は曜にそう言って店の中に入っていく。考え事すぐに顔に出てしまうのか、それとも曜が俺の事を分かりすぎて隠しててもバレるのか。どちらにしても曜に嘘つくことができんな。

 

「今日はいっぱい食べちゃうよ!」

 

「お腹を壊さなくて、俺の財布が破産しない程度にしておくれ」

 

「うんっ!」

 

そう言って曜はおすすめのパフェを頼む。俺もコーヒーを一緒に頼む。

 

「お待たせしました」

 

店員さんのその声で運ばれてきたパフェは曜曰く新商品らしく、中にはたくさんのミカンが入っている。

 

「それにしてもすごい量だな。本当に大丈夫か?」

 

「大丈夫大丈夫!この曜ちゃんにかかれば余裕だよ」

 

曜はそう言ってパフェを口に運ぶ。

 

「そうかい」

 

俺はそんな曜を見守る。曜は喜んでくれているみたいで何よりだ。そう言えば四月と言えばあいつも……

 

「んっ……」

 

そんなことを考えていると曜が俺の目の前でパフェをチラつかせる。

 

「俺は大丈夫だって曜が食べな」

 

「いいの。優真にも食べてほしいの!」

 

「いや、でも今日は曜の誕生日祝いに……」

 

「私の誕生日祝いなら、私の言う事聞いてよ。……優真にも食べてほしいのっ!……ダメかな?」

 

曜は上目遣いでこちらを見てくる。そんな目で見られたら断れないじゃないか。

 

「わ、分かった」

 

そう言うと曜はパァっと表情を輝かせる。そして

 

「ふふっ、優真。はい、あーん」

 

「あ、あーん」

 

「どう?」

 

恥ずかしくてはっきりした味がわからん。それでもみかんの甘酸っぱさを感じることが出来た。

 

「ああ、すっごく美味しい」

 

「良かった。ねぇ、ねぇ優真。私にもあーんして」

 

「分かった。恥ずかしいなこれ。……はい、あーん」

 

「あーん。んん、美味しっ!」

 

その後もお互いにあーんをしながらパフェを攻略していった。周りの年齢層が高くて正直助かった。

 

 

「ねぇ、ねぇ優真。ここに寄ってもいい?」

 

そう言って曜が指差したのは、人の多い大通りからはずれた落ち着いた雰囲気が特徴の食器屋。

 

「おう、いいぞ」

 

そう言って俺たちは店の中に入っていく。

店の内装も落ち着いた雰囲気を出していて変な圧迫感がない。

 

「それにしても曜。こんな店いつ知ったんだ?」

 

「えっとね、この間千歌ちゃんと果南ちゃんと一緒に遊んだ時?」

 

「何故に疑問系?あと知らないうちに遊んでたのか」

 

「うん。優真がいなかった時に」

 

「道理で見たことある皿があるなと思った」

 

「ここで買ったからね。優真も何か欲しいのあったら言ってね」

 

「そうだな。ゆっくり見て回るか」

 

俺と曜はゆっくりと店内を歩き始める。もちろんしっかりと手を繋いで。

 

「どれもいいものだな。…………ん?」

 

しばらく歩いていると後ろの曜が動きを止める。俺は振り向き曜に話しかける。

 

「どうしたんだ?いきなり止まって」

 

「優真これ」

 

そう言って曜が指差した商品はカップル用のマグカップだ。

 

「このマグカップがどうしたんだ?欲しいのか?なら一個買って帰ろ……」

 

「違くてそうじゃなくて」

 

違う?これが欲しいんじゃないのか?

 

「えっと……その……ね。せ、せっかくだし優真と一緒の……お揃いの物が欲しいなぁって」

 

なんだそうゆうことか。

 

「そうだな。じゃあ、2つセットで買うか」

 

俺はそう言ってマグカップを二つ手に取る。

 

「ま、待って……」

 

「ん?どうしたんだ?まだ何かあるのか?」

 

「え、えっとね。ひとつは私が払うよ」

 

曜は顔を赤くしながら言う。

 

「いやいや、曜の誕生日だし、ここは俺が」

 

「いいの。私も払う。…………だってそうした方が夫婦みたいじゃん」

 

「え?ごめん。最後の方聞こえなかった」

 

「なんでもない。なんでもないよ!とにかく半分は私が出すから」

 

曜は慌てて俺の背中を押す。

 

「分かった分かったから」

 

そうして俺たちはそのマグカップを買った。

 

「さて、帰るか」

 

「そうだね」

 

そう言って店の扉を開けて外に出る。空を見ると今にも雨が降りそうな天気だ。

 

「今にも降りそうだね」

 

「これは早く帰った方がいいかな」

 

そう言って駅方角を探す。すると俺の目には一人の女性が目に映る。その女性の髪色は赤く、曜に負けないほどの美女。それはもうテレビで見たことあるような。その女性は俺の存在に気がつくと……

 

「……あっ!」

 

やべっ、目が合った。

 

「曜。走るぞ駅まで」

 

「え?ちょっといきなり待ってよ」

 

俺は曜の手をしっかり握り、その女性とは正反対の方向に逃げるように走る。

 

「ちょっと、待ちなさいよ」

 

俺はそんな女性の声を無視して走る。

 

 

 

「はぁ、はぁ疲れた」

 

駅についた俺たちはベンチで少し休憩をしていた。どうやら走ったおかげで何とか女性から逃げられたみたいだ。

 

「もう急に走らないでよ。マグカップ割れちゃうかもしないじゃん」

 

「悪い悪い。でも何とか無事だったから」

 

「もうっ!」

 

腰に手を当てて怒っている曜は、全然怖くない。むしろ可愛かった。

 

 

「そう言えば優真」

 

「ん?どうした」

 

「さっきのお店で私たち以外のマグカップも何か買ってたみたいだけど何買ったの?」

 

「なんだ。気づいてたのか。ま、まぁ、親父たちが欲しいって言っててな送ってやろうと思って」

 

「世界中旅してるのに?」

 

「旅してても困るものは困るんだ」

 

「へぇ~」

 

「悪い、すぐに戻ってくるからここで待っててくれ」

 

「分かった」

 

俺はコンビニで先程買ったお皿を送るために手続きを済まし、再び曜と帰路をたどる。

 

「あ、曜」

 

「?どうしたの?」

 

「誕生日おめでとう!」

 

「もうっ!言うのが遅いぞ!……でもありがとっ、優真」

 

曜はそう言って俺の腕に抱き着いてきた。




実は始めはもっと曜ちゃんのサプライズパーティーとかを書きていたんですが、書いてる途中にこれ曜ちゃんとイチャイチャできてねーじゃんと感じたため没になりました。結果的に今回のようなお話にまとまりました。
次回は前回の予告通りにお送りします(その前にGS出すかもしれないけどね)。

高評価、感想等お待ちしております。
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