不器曜とヨーソローな日常   作:水無月 楓

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本編とGSが別だと分かりづらいので一緒にしちゃいました。ごめんなさい。内容は一切変えておりませんので一度見た方ももう一度見た方も見てください?本編の裏話。主に曜ちゃん視点で書いてみています。本編と一緒に読むと面白いかもです。

~注意~
こちらはGSとなっておりますので、連載中の不器曜とヨーソローな日常と一緒に読んでもらえると嬉しいです。出来るだけこちらだけでも理解できるように作りますが話の進行上本編を読まないと分からない部分も出てくると思います。その時はあしからず。


ガールズサイド(GS)
GS1話 私の気持ちだよ!


「う~ん」

 

私渡辺曜はメールのトークページを開いたまま、かれこれ1時間、その場から動かなかった。トーク相手は小さい頃からずっと一緒にいた幼馴染榎本優真くん。

 

「明日で最後のチャンスかもよ?どうする渡辺曜」

 

私は彼の事が小さい頃から好きだった。いつも隣にいて、いつも私のワガママを聞いてくれて。私には彼がいない生活が考えられなかった。それほど彼は私にとって大切な存在、大切な人だった。けど……

 

「私たちは明日で卒業しちゃうし、優真くんがどこの大学に行くかも知らない。このままじゃ一生後悔するぞ渡辺曜」

 

先程から自分で自分の名前を呼んで自分の気持ちと相談する。が、彼と一緒いたいと思うと同時に彼に思いを告白したら今の関係も失くなってしまうかも知れない。そう考えてしまう。そうなってしまうのが怖い。

 

「優真くんは私のことどう思ってるんだろ?やっぱりただの幼馴染かな?」

 

いつもならここで考えるのをやめていたと思う。けど今日はそうはいかなかった。だって…………。

 

「あれ?」

 

ふと携帯を見ると誰かから電話が来ていた。考え事してたから全く気づかなかった。

 

「もしもし」

 

私は携帯を手に取って電話をかけ直す。

 

『もしもし曜か?』

 

「優真くん?そうだよ。というか私の電話にかけたんだから私しか出ないよ」

 

『それは分からんだろ。曜は可愛いから誰かに誘拐とかされそうだし、ノリでついていきそうだし』

 

「さ、流石について行かないよ!優真くんの中で私ってどんな人間なの?」

 

『とにかくヤムチャしそうだよな。そんで後で後悔したりする』

 

「そんな事ないよ?というかヤムチャ?」

 

『ヤムチャは気にするな。そんでな曜。ちょっと話したいことがあるんだ。だから明日の卒業式後に体育館裏に来てくれないか?最後にいいたいことがあるんだ』

 

「え?」

 

最後。その言葉が私の心をさらに苦しめる。

 

「う、うん。分かった」

 

「それじゃあ、また明日な。おやすみ曜」

 

「う、うん。おやすみ優真くん」

 

そう言って私は通話を切る。最後の話したいことってなんだろう。お別れの言葉?それとも……。私は考えることをやめた。

 

「……明日も朝早いし早く寝よ」

 

そう言って私は布団に入る。

 

 

「よーちゃん!!」

 

「千歌ちゃんどうしたの?」

 

「うん。曜ちゃん今日ずっと考え事してるみたいだったからさ千歌気になって」

 

「だ、大丈夫だよ千歌ちゃん。心配かけたみたいでごめんね」

 

「そっか。でも考え事はぜーったいしてるよね?」

 

「そ、そんなこと」

 

「もう千歌には分かるよ。もう何年曜ちゃんの幼馴染やってると思ってんの?さ、千歌に話してごらん」

 

千歌ちゃんはそう言って椅子に腰を下ろした。ああ、やっぱりすごいな千歌ちゃん。完全に私の負けだ。

 

「実は……」

 

私は千歌ちゃんに今の私の気持ちをしっかり伝えた。

「曜ちゃん。それは早く伝えないと!」

 

「で、でももしかしたら優真くんに迷惑がかかるかも知れないし……」

 

「迷惑なわけないじゃん。優真くんに今日呼ばれたって事はそう言うことだよ」

 

「で、でももしかしたら………」

 

「ああ、もうめんどくさい。曜ちゃんよく聞いてね」

 

「え?う、うん」

 

私は千歌ちゃんの目を見る。

 

「優真くんは、ここ最近はずっと曜ちゃんの方を見ていたんだよ?」

 

「なんで千歌ちゃんそんなこと知ってるの?」

 

「さ、さぁ?何でだろうねぇ」

 

「千歌ちゃん?」

 

「まぁ、まぁ曜ちゃん。私の事は一旦忘れて。ね?」

 

「う、うん。でもずっと優真くんに見られてたんだ私」

 

「ってことは間違いなく曜ちゃんのこと好きだよ優真くん」

 

「そうかな。そんなことないと思うんだけど」

 

「そんなことある。優真くんの考えてることなんて見て分かるよ。と、言うわけで今すぐ体育館裏に行く!」

 

「え!?ちょっと待って千歌ちゃーん」

 

私は千歌ちゃんに押されながら体育館裏に向かった。

 

 

●〇●

 

私は曜ちゃんと別れてふとさっきの会話を思い出す。

 

「優真くんは、ここ最近はずっと曜ちゃんの方を見てたんだよ?」

 

「なんで千歌ちゃんそんなこと知ってるの?」

 

私が言ったことに曜ちゃんが反応する。私はやばいと思って話を逸らそうとする。

 

「さ、さぁ?何でだろうねぇ」

 

「千歌ちゃん?」

 

言えるわけないよ。わたしが優真くんのこと……好きだったってこと。それを言えば曜ちゃんは優しいからきっと私に気を使ってしまう。

 

「まぁ、まぁ曜ちゃん。私の事は一旦忘れて。ね?」

私は曜ちゃんにこの気持ちがバレないように話を誤魔化す。

 

少しだけど曜ちゃんに勇気を上げることができたかな。頑張ってね曜ちゃん、私の分まで。それにしても……

 

「私も曜ちゃんみたいに誰かと一緒に幸せに過ごしたいな」

 

大学生になったら優真くんに紹介してもらおっと。優真くんとは大学も同じみたいだ……し。

 

「あれ?」

 

私はひとつ重大なミスをしていたことに気づいた。

 

「確か曜ちゃんは「も、もしかしたら優真くんと2度と会えないかも」って言ってたよね」

 

このことから私はひとつの結論に至った。

 

「やばい。曜ちゃんに優真くんとは同じ大学だよって言い忘れてた」

 

曜ちゃんのことばっかりで優真くんのことをすっかり忘れたよ。私はどうしようと考えたが、私が考えることなんてできるはずもなく

 

「ま、いっか。なんとかなるよね。そこは曜ちゃんを信じよう!」

 

「何を信じるの?千歌ちゃん」

 

「わわ、梨子ちゃん」

 

「さっきから1人でブツブツ言ってて変だよ?」

 

「あはは、気にしない気にしない。……そう言えば梨子ちゃんは大学は音楽大学だっけ?」

 

「うん。私はピアニストの道を歩くことにしたから」

 

「そっか。大変だね梨子ちゃんも」

「私が自分で決めたことだもん。大変だけどしっかりやらなきゃね。でもこうしてこの道を歩けたのは千歌ちゃんたちAqoursに出会ったからだよ」

 

「うう、梨子ちゃーん」

 

「わわ、どうしたの千歌ちゃん」

 

「私も梨子ちゃんたちと一緒にやれて良かったよ」

私は梨子ちゃんに抱きついて言った。

 

 

〇●〇

 

「はぁ~」

 

千歌ちゃんに早く行けって言われたけど、やっぱり怖くてトイレに逃げ込んでしまった。鏡を何度も見て自分の顔をチェックする。

 

「何やってるんだろ私。優真くんはきっと外で待ってくれてるはずだよね。私も行かなくちゃ」

 

私はそう思い足を動かす。一歩一歩が重く感じる。その重い足で走りながら私は考える。優真くんに私のこの気持ち伝えられるかな?ずっと私のそばにいてくれるかな?そんな事ばかり考えてるうちに体育館裏に着いた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 

すぐそこには優真くんがいる。私は呼吸を整えて、覚悟決めて彼の前に出る。

 

「ごめんね優真くん。待った?」

 

私は彼の目を見て言った。

 

「いや、俺も今来たところだ」

 

彼はそう言っていたが寒さで少し手が赤くなってる。嘘でもこんなことを言ってくれる彼が私は好きだった。

 

「で、どうしたの優真くん」

 

私はドキドキしながら彼に聞いた。ここでの返事が私の人生を変えるかもしれないから。

 

「あ、えっと、その…………。く、クラスは良いのか?」

 

「え?うん、大丈夫だよ。優真くんは良いの?」

 

「俺か?俺は大丈夫だ。だからここにいる」

 

「あはは、そうだよね」

 

会話が続かない。いつもならもっと長く話せるのに。

 

「な、なぁ、曜……」

 

静かな沈黙の中、彼が口を開く。

 

「ん?どうしたの」

 

私も覚悟を決め口を開く。彼にこの気持ちがバレないように。

 

「曜。俺はお前のことが好きだ!」

 

「…………」 

 

「だからさ、曜がもし良ければ、……俺と付き合ってください!!」

 

彼は頭を下げて右手を差し出してくる。私は彼が言った言葉が何か理解出来なかった。嬉しくて、まだ彼とたくさんお話ができると思って。

 

「…………」

 

言葉が出なかった。彼は必死に答えを待ってる。

 

「やっと言ってくれた」

 

「え?」

 

ようやく出た言葉は小さくて彼に届かなかった。私はもっと彼に届くように声を出して言った。

 

「やっと言ってくれた。私も優真くんのこと好きだよ」

 

私は嬉しくて涙が出てきた。最後の最後まで私はダメだな。こんな顔したら彼を悲しませるだけなのに。

 

「本当か?」

 

「何?もしかして振られると思った?」

 

涙を拭いで私はニシシと笑う。

 

「べ、別に思ってないし。曜なら絶対オッケーしてくれると思ってたし」

彼は顔を真っ赤にして言った。こうしてからかうと面白いな。 

 

「嘘だー。優真くんそれは嘘でしょ」

 

ダメだな私。時々自分の気持ちにセーブがかかって本当のことが言えない。私の中でもっとからかってやれという気持ちが高くなる。

 

「う、うるさいなー。曜だってさっき、「やっと言ってくれた」って言ってたじゃねーか。曜こそ俺に告白される自信あったんじゃねーのかよ」

 

「なっ……」

 

調子乗ってからかってると逆にからかわれた。別に自信があったわけじゃない。ないけど卒業式に呼び出されたら期待はしちゃうよ誰だって。

 

「なっ!?ち、違うもん。そんなことないもん。私はここに呼ばれたから告白されるんだって思っただけだもん」

 

「ほぉー。最後の別れを言われるとは思わなかったのかよ」

 

またからかわれた。彼の言ってることは別に間違いではないので言い返せない。けど1つだけ言い返せることがある。それは……

 

「最後の別れ!?そんなの私が言わせないもん!」

 

そう。私が彼を手放すわけが無い。ずっと一緒にいてもらうんだもん。私がそう言うと彼は頬を緩めてニヤニヤと笑う。もしかしたら私も今、気づかないうちに嬉しくて頬が緩んでいるのかもしれない。

「何ニヤニヤしてるのー?」

 

「いや、曜はやっぱり可愛いなって」

 

「ふふ。何それ」

 

ああ、恋人関係になっても私たちの関係は大きく変わらないんだな。けど1つだけ大きな変化が欲しい。恋人だから言えることを。

 

「ふぅ、……これからもよろしくね優真」

 

彼を初めて呼び捨てにして、ずっと言いたかったよろしくを伝えることが出来た。私は彼に抱きついて笑顔で言った。




曜ちゃん視点で考えるとハッピーエンド。千歌ちゃん視点で見るとバッドエンドみたいになってしまった。大丈夫、千歌ちゃんもしっかりハッピーエンドにしてみせるさ。だってGSだもの。今回は本編に沿ってますが、本編にはない部分のお話もここで書きたいと思っています。

メインは本編と言うことでこちらの作品は不定期中の不定期ですのでよろしくお願いします。

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