不器曜とヨーソローな日常   作:水無月 楓

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お待たせしました。4話です。言ってることもやってることも現実とは遠くかけ離れてます。


4話 主役よりキャラが強いってどうなんですか?

「曜ちゃんに優真くん。遅いよー」

 

遥か遠く……でもなかった。数十メートル先から聞き慣れたあの声が聞こえた。俺はその子に向かって挨拶をする。

 

「おはよう千歌」

 

「おはよー優真くん、曜ちゃん」

 

「うん。おはよー千歌ちゃん」

 

今日は大学の入学式。いよいよ俺のキャンパスライフが始まるんだな。

 

「むぅー」

 

「な、なんだよ」

 

「別に。ただ曜ちゃんと仲良く手を繋いできて羨ましいなぁーって思っただけ」

 

「なんだ?嫉妬してんのか千歌?」

 

「し、嫉妬!?べべ別に嫉妬なんてしてないよハハハ。ただ大学生活で千歌もこんな風に慣れたらなぁって思っただけだし!」

 

「嫉妬じゃねーか」

 

「千歌ちゃん大丈夫だよ。きっと千歌ちゃんにもいい出会いがあるよ」

 

「曜ちゃんに言われるとなんか勇気が……」

 

「まぁ、千歌も相当な美人だからな」

 

「ゆ、優真くん……それは」

 

実際千歌も含めてAqoursのメンバーはみんな美人だ。もちろん曜が一番だけど。

 

「むぅー。ゆ・う・ま」

 

「いだだだだ……痛い痛いから曜」

 

左手が尋常じゃない力で掴まれ俺は涙目になる。

 

「……ふん!」

 

「そ、そんなに怒らないでよ。もちろん曜が一番だよ?ね?だからそんなに怒らないで」

 

「そんなこと今更言っても遅いよ」

 

「優真くんって時々他の娘にナンパするよね」

 

「はぁ!?ナンパはしねぇよ!ま、まぁ曜が知らずの他人だったらナンパしてるかもしれねぇが……」

 

「はぁ、千歌はもう呆れたよ。曜ちゃん行こー」

 

「そうだね。帰ったら覚えといてね優真」

 

「ちょっ、ちょっ、待って待って」

 

この後曜を説得するのに数分かかったのはまた別のお話です。

 

 

「さ、帰ろッ優真!」

 

「お、そうだな。そいや、家の冷蔵庫の中に食材が何も無かったから帰りに買って帰ろう」

 

「おー。今日の夕飯はハンバーグだー」

 

勝手に決められちゃった。まぁ、曜が作るハンバーグは高級料理店に負けないくらい美味しい。

俺たちは家の家事を分割かつ交代しながらやっている。

今日の夕食の担当は曜なので、夕飯のメニューは曜に一任しよう。……画面の前の諸君。俺が料理出来ないと思った?残念、昔、曜に地獄のように料理を叩き込まれたので出来るのだよ。

「あのー、すみません」

 

俺と曜がその場から立ち去ろうとしたその時、後ろから声を掛けられる。

 

「はい?何ですか?」

 

「そ、その……渡辺曜さんですよね?」

 

「……はい。そうですけど」

 

これまたいつもの光景。何時だかも言ったが曜は以前スクールアイドルをやっていた為、声をかけられることが多々ある。今日もこれで何件目か。まぁ、何が言いたいかと言いますと……挨拶してくる人が来る度に俺は後ろから刺されるんじゃないかとドキドキするわけですよ。

 

「俺、Aqoursのファンなんです。もし良かったらサインをお願いします」

 

「え?ええ、まぁ、いいですけど…」

 

曜は色紙とペンを受け取るとスラスラと自分の名前を書いていく。

 

「はいっ!」

 

「ありがとうございます。もし良ければこの後一緒にお茶でも」

 

怖っ。初対面でお茶に誘うんかい。怖すぎだろ。いや、それよりもそれはおれが許さん。

 

「い、いえ。これから用事があるので私はこれで」

 

「そ、そんなこと言わずに」

 

曜は俺の後ろに隠れる。服を掴まれてるだけなのにすごい震え。そりゃそうか。

 

「あのー、彼女困っているのでナンパはやめてもらってもいいですか?」

 

「ナンパじゃないですよ。ちょっとお話をしたくて」

 

「ナンパじゃねーか」

 

ヤベっ、ついつっこんじまった。

 

「あ、それより渡辺さんの彼氏さん?」

 

「…………そうだけど」

 

「やっぱり。あの彼氏さんもご一緒でいいのでお願いします」

 

「…………」

 

本当に怖いこの人。出来れば関わりたくないのだが、土下座をして本気でお願いしてくるのでまわりの視線が冷たい。俺は曜の方を見ると涙目になって俺を見て来る。うん、相変わらず可愛い。

 

「はぁ……」

 

俺は再びお願いしてくる彼を見る。

 

「分かりました。少しだけね」

 

「本当ですか!?ヤッター」

 

彼はうるうる嬉しそうな目でこちらを見て来る。これ言っちゃあれだが……。こっち見んな。そのテンプレは曜だから許されてるんだからな。

 

 

 

「以上で宜しいでしょうか?」

 

「はい」

 

所変わって学生の憩いの場サイ〇リヤ。俺たちは注文を終えて改めて彼に向き合う。

 

「で?何の用だ?こんな所まで呼んで」

 

「実は俺Aqoursのファンなんです」

 

「それさっき聞いた」

 

「なら良かった。それででして俺たち同じ年じゃないですか。だからもし良かったらお二人とお友達になりたいなぁーとか思ったり」

 

「俺は構わないが……」

 

俺は隣にいる曜に視線を向ける。まだ少し怖いのか涙目になっている。

 

「大丈夫だよ曜。いざと言う時は警察を呼べばいいし、俺だってここにいるから」

 

「う、うん」

 

曜は俺の手をとると指を絡めて手を繋いできた。

 

「あ、あの警察呼ばれると困るんだけど」

 

「俺たちは友達になってもいいが曜には手を出すなよ」

 

「アイアイサー。そいや、名前言ってなかったな。俺は高梨航平だ。よろしく」

 

「航平か。俺は榎本優真よろしくな」

 

その後は航平が色々な話をしてくれた。特にアイドルについてはやたらと熱く語ってきた。曜はと言うと俺たちを気にもせずデザートをたらふく食べていた。太らないといいけど……。

 

 

「ふぅ~食べた食べた」

 

「そんなに食べたら体にも悪くなるぞ」

 

「大丈夫だよ。この曜ちゃん、そんなに弱く体を作って来た覚えはありません!」

 

「そうかもしれないが、何が起きるか分からないからな」

 

「ダイジョーブ。いざって時は優真が何とかしてくれるでしょ?」

 

なんでそんな自信があるんだよ。まぁ、曜が体調崩したら俺の体が壊れようとも曜を元気にするのでありがち間違ってはいないのだが。

 

「さ、優真。早く食材買って帰ろ!」

 

「ああ」

 

曜は俺の左腕に自分の右腕をクロスさせて引っ張る。引きずられないように俺も小走りで曜の後を追う。

 

 

「着いたー」

 

俺たちは以前に来たショピングモールで食材の調達に来ていた。俺たちは基本的に買ったものはほぼ一週間の内に使い切ってしまうので毎週買いに来ないと缶詰め生活になってしまう。

 

「ねぇねぇ、このミカンいい感じじゃない?」

 

「お?そうだな。しっかりしてそうだ。一個くらい買ってくか」

 

「賛成ー」

 

俺はミカンをカゴに入れた。そして忘れてはいけない挽き肉。今日はどうやらバーゲンらしいので買っていこう。曜もハンバーグだ!って言ってたし。

 

「ねぇねぇ、ちょっとお菓子コーナー見てきてもいい?」

 

「ああ、分かった」

 

曜は笑顔でお菓子コーナーに向かった。そんな曜がまるで子供みたいでまた可愛らしい。

それから俺は必要な食材をどんどんカゴに入れて行き、曜もお菓子コーナーから戻ってくると俺の食材調達を手伝ってくれた。

 

「ねえ、優真」

 

「おん?」

 

「こうして見ると私たち夫婦みたいだね」

「あ、ああそうだな」

ここに来て俺たちは少し恥ずかしくなった。けれど不思議と嫌な感情は全くなく、むしろこうして曜とずっといれられてすごく幸せだった。

 

「私ね、優真が告白してきてとっても嬉しかった。ずっと好きだったけどそれを優真に言うのが怖かった。今までの関係がすべて壊れて二度と優真と話せなくなってしまうんじゃないかって」

 

「…………」

 

俺も全く同じ気持ちだった。告白を決意した時からもし失敗したらを考えてしまう。けど、俺はそれを今この場では言わなかった。言わなくても曜は分かっていると思ったから。

 

「だから優真……これからもずーっと私を見ててね」

 

「あたりめーだろ。というかここで言われると恥ずかしい」

 

「そうは言っても優真もいつもいつもここでってタイミングで可愛いとか言ってくるじゃん」

 

「事実だからしゃあないだろう」

 

「じゃあ、私のさっきの言葉を事実だからいいでしょ?」

 

「う、うんまぁ……」

 

俺たちはお互い文句を言い合って買い出しを終わらせた。

 

 

「そいや、曜。お菓子コーナーでなんかいいものあったのか?」

夕食も食べ終わり俺たちは今リビングのソファでテレビを見てひと休みしていた。

 

「ふふふ、じゃーんこれ」

 

「ポッキー?」

 

「その通りだよ優真」

 

「まさかポッキーゲームをしようと言うんじゃ」

 

「なんで分かったの!?」

 

なんでって定番だろ。ポッキーを見たらさ。

 

「曜がやりそうだったから」

 

「そんなことないよ?」

 

「いや、曜はすぐ発じょ「わーわー」……分かった?」

 

「全然分からないよ。もういい!」

 

ちょっとからかいすぎたな。これは早く機嫌を直してもらわないと困るな。こうゆう時の曜は頑固だし。

 

「ごめんごめん。許してくれ」

 

「やだ。許さない」

 

「それだと困るな。どうしたら許してくれる?」

 

「私とポッキーゲームやって」

 

「いいぞ」

 

「それで私が勝ったら何でもひとつ言うこと聞いてね」

 

「俺が勝ったら?」

 

「うーん。じゃあ、明日の夕食は私が作るよ」

 

「賭けが釣り合っていない気がするがまぁ良し」

 

「ん。んんん(はい。優真)」

 

「おう。何言ってるか分からないけど」

 

俺は曜が差し出してきたポッキーをくわえる。

俺たちはお互いに少しずつゆっくりポッキーを削っていく。しばらくすると目の前には曜の顔が。お互いの息がかかる距離まで来た時にはお互い顔を赤くしていた。

 

「んっ……っ……んん//」

 

ポッキーはとっくに無くなって気が付くと俺はゲームそっちのけでキスをしていた。

 

「んっ……ぷは……」

 

曜が口を離して俺たちは久しぶりの呼吸をする。

 

「曜が先に離したからこのゲームは俺の勝ちだな」

 

「うう、キスはずるいよ」

 

「嫌じゃなかっただろ?」

 

「う、うん」

 

「じゃあ、約束通り明日はお願いね」

 

「分かった。分かったから優真もう1度キスをしよ」

 

そのあとも俺たちは時間を忘れるほど長いキスをしていた。




ちょっと航平くんキャラ強すぎ。そして優真くんと曜ちゃんは毎回毎回キスしすぎって書いてて思ってたり。それでも俺は二人にどんどんキスしてもらうように書きますけどね。

次回は果南ちゃんの誕生日の日に投稿しまーす。(予約済み)

東雲ぬこさん、高評価ありがとうございます


高評価、感想等お待ちしております。
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