※明らかにおかしな部分があったので修正しました。
「なぁ、お前はゴールデンウィークとやらは何して過ごすんだ?」
「俺か?何も決めてないな」
「なら俺と遊ぼうぜ!曜さん誘ってさ」
「却下っ!」
東京に来て早くも1ヶ月が過ぎた。一日が長く感じることは多々あるが1年、1ヶ月が長く感じることはあまり無い。でもって気がつけば明日からゴールデンウィークと言われるものが来る。
「まぁ、まぁそんなに嫌がらずに」
「お前と一緒に居ると捕まる気がするから嫌だ」
「お前の中の俺の評価はどうなってるんだよ」
俺の隣にいるアイドルストーカー否アイドルファンこと航平は俺の返答にツッコミを入れてくる。
「ストーカーとかストーカーとかストーカーとか」
「全部ストーカーじゃねーか」
「10段階評価で言ったら0だ」
「それじゃ11段階評価なんだが」
おっと、それはうっかり。まぁ、こいつに対しての第一印象はあまり良くないのには変わりないけど。
「そいや、お前はゴールデンウィーク何するんだ?」
「それさっきの俺の質問。……何って決まってんだろ。アイドルのライブとかグッズを買いに行ったりとかするに決まってんだろ!」
「お前に聞いた俺が馬鹿だった」
人の趣味についてどうこういうつもりはないが、流石についていけん。 けれど特に予定も無い俺にとって航平のような自分の趣味に向き合う時間を楽しみにしている人は本当羨ましいと感じた。
「ただいまー」
「おかえり優真!!」
扉を開けて我が家に入ると奥からエプロン姿の曜が笑顔で出迎えてくれた。今日も可愛いよ曜。
「ただいま曜。夕飯でも作ってたのか?」
「うん。優真がいなくて淋しかったんだよ?」
「それは悪かったな」
俺が曜の頭をワシワシと撫でると曜を目細めて嬉しいそうにしてくれる。
「ん……。えへへ、ありがと」
曜はそう言うと早く上がりなと言ってスキップしながら家の奥へと行った。俺もあとに続いた。
部屋に入ると香ばしい匂いがした。
「じゃーんっ!!曜ちゃん特製の愛のこもった肉じゃがだよ」
「おおっ!!」
出てきた肉じゃがは出来立てでもくもくと煙を舞っている。
「いっただっきまーす!!」
「どう?」
俺は肉じゃがをパクッと一口食べる。少し熱くハフハフしながら食べると口に広がる味の染みたジャガイモ。そして柔らかい肉が俺の頬を落とす。
「すげー美味しい」
「本当!?やった。優真に美味しいって言ってもらえた」
曜は笑顔で喜ぶ。曜の料理はいつも美味しい気がするが曜の嬉しいそうな顔を見るとそんなことは言えない。
「ねぇねぇ優真」
「ん?どした?」
「あーんして?」
「ほいっ」
「あーん。…………んー美味しいっ」
「そりゃ良かった。俺が作ったわけじゃないけど」
曜はジャガイモを咀嚼し終わると箸でジャガイモを持って言った。
「優真にも。はい、あーん」
「ん?あーん」
「どう?美味しい?」
「……ああ、すごく美味しい」
その後も曜の美味しい肉じゃが等を美味しく頂きました。
「ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした」
そう言って曜は俺にお茶を差し出してきた。
「サンキューな」
「ねぇ、優真。ゴールデンウィークってなんか予定ある?」
「いや、家でゴロゴロしてるだけだが?」
「そっか。じゃあさ明日ここにデートしない?」
そう言って曜が出してきたのは2枚の割引券。というかこの作品割引券の登場多いな。
「どうしたの?」
「いや、何でもない。で、デートだっけ?俺はいいぞ」
「本当!?やったー!!」
俺が承諾すると曜はパァっと表情を輝かせた。
「休日なのにすごい人」
という訳でおはようございます。私こと榎本優真は現在新宿駅の前で突っ立っております。理由は曜を待っているからだ。え?一緒に住んでるなら一緒に来ればいいじゃんって?俺もそう思ったのだが曜がどうしてもと言うのでここで待ち合わせってことで話がついた。
「お待たせ優真。待った?」
「いや、今来たところだ。と言うか曜は俺が出ててった所みただろ?」
「もう、今日はそうゆうこと言わないの。私だって好きな人と待ち合わせって言うのやってみたかったんだから」
「わ、悪いな」
「もうっ!………行こ?」
そう言って曜は自分の手を差し出してきた。
「そうだな」
俺たちはお互いの指を絡めて手を取り離さないように強く握りしめた。
『葛西臨海公園。葛西臨海公園』
「着いたー!!」
新宿駅から約40分。ようやく目的地の葛西臨海公園駅に到着した。俺たちは駅を出て葛西臨海水族園を目指す。
昨日曜が出してきたチケットはこの葛西臨海水族園の割引券だった。
「ここだな」
「わぁーすごいね」
「ああ、本当にすごいな」
入口に入ると壁には水が流れ、その水は滝になって綺麗に落ちていく。
「楽しみだね優真」
「そうだな。だから迷子になるなよ」
「ちゃんと優真と手を繋いでいるから大丈夫だよ。優真こそこの手を離さないでね」
「離すわけないだろ」
チケットを買って俺たちは水族館の中に入る。ちゃんと使ったよ割引券。エスカレーターを降りると周りは暗くなっていき、本当に水の中に入っていく感じがした。
「わぁーすごい。いっぱいいるね優真」
「そうだな。小さい魚から大きいのまでいるのな」
この水族園は園内は広く、展示の数も多い。じっくり見て回るには相当な時間が必要である。展示方法はいたってシンプルで、あまり装飾などはされていない。しかし俺たちを海の世界に引きずり込んでくれる。どうやら今いるのは2階にまで続いているメインの水槽らしい。
「優真はどの子が好きなの?」
「俺か?俺は曜」
「魚について聞いてるんだよぅ」
「悪い悪い。そうだなイルカとかマグロとか結構好きだぞ」
「そう言えば小さい頃からイルカ好きだったね。私と千歌ちゃんがどんだけ大変な思いをしたことか」
曜が行っているのは高校生の時にAqoursのPVを撮るために行った淡島の水族館のことだろう。俺と果南姉ちゃんがイルカを見たら軽く1時間はその場から動かずにいた。
「そんなにか?1時間見てただけだぞ?」
「1時間も見てたの間違いでしょ?おかげでPVを撮りに来たのに終始二人を止めることで一生懸命だったんだから」
「そんなこと言われましても夢中になってしまったものは仕方がない。それを言ったらダイヤさんだって……」
そこまで言うと曜は俺の唇に指を立てて言った。
「いい?優真。今日に限っては私のことしか話しちゃダメだよ?他の娘の話するのはダメ」
「お、おう。任せとけ」
「フフ、さっ、次に行こっ!」
曜は笑顔を見せると俺の左腕に自分の右腕を絡めて引っ張る。
「ちょ、ちょ、待っててば」
俺は若干引きずられながらあとについて行く。
「可愛いね」
「そうだな。こんな所にいて暑くないのか?」
「優真じゃないんだから」
「なんで俺なんだよ」
現在俺たちはペンギンたちが展示されている場所にいる。
「そう言えば曜はどの動物が好きなんだ?」
「うーん私かぁ。……やっぱりうちっちー!!」
「セイウチってことか?」
「セイウチも好きだけどやっぱりうちっちー」
「あ、うん」
ダメだ。うちっちー病に取り憑かれてる。セイウチじゃないのね。あくまでもうちっちーなのね。
「でも海の生き物はみんな好きだよ?私も一緒に泳ぎたいなぁって思うもん」
「曜なら本当にやりそうで怖い」
「やらないよ流石に」
「そうか?あ、でも水槽に入って餌をあげてる曜なら見たいな」
「入ったら優真に手を振ってあげるね」
「それはすごく恥ずかしい俺が」
俺は恥ずかしくなって空を見上げると
「あれ?」
曜がなにかに気がついたのか声を上げた。
「ん?どうしたんだ?」
俺は曜に視線を戻すと曜はペンギンを指さしている。
「あのペンギンこっちみて何か言ってるよ?」
「ほんとだ。なんて言ってんだ?」
俺たちは耳を立てて聞くが何を言ってるか分からない。
まぁ、至極当たり前なことなんだけど。
「何言ってるか分からないな」
「人間とペンギンだもん」
俺はもう1度よくペンギンをみる。
「あれ?」
「どうしたの優真?」
俺はペンギン見てあることに気づいた。
「あのペンギンのお腹にハートがないか?」
「あ、本当だ」
こちらを見ているペンギンのお腹にはハート型の模様らしきものがたしかにあった。
「あれを見ると何かいい事でもあるのかな?」
「お兄ちゃんたち知らないのかい?」
曜と話していると隣からこの水族園の飼育員方が話しかけてきた。
「知らない?」
「あのペンギンと目が合ったものは恋人と結ばれるって言う噂があるんだよ」
「そんな噂が……」
「君たちカップルだろ?なら運がいい。きっと君たちもその内結ばれるはずだ」
そう言うと飼育員の方は歩いて行ってしまった。
「…………」
「…………」
俺たちはお互い無言のままずっとそのペンギンを見ていた。曜と結ばれる。それはつまり結婚という意味だよな。考えてないわけではなかったけど改めて考えるとニヤけてしまう。出来たらいいなぁ。曜が相手なら。
「……ゆ、優真はさ、わ、私と、その、け、結婚出来たらなぁとかさ、か、考えてるの?」
「あ、ああ。曜と結婚してずっとそばにいたなって考えてる。けどまぁ、ゆっくり行こうぜ。焦ってもしたかないしな」
「うん、待ってるよずっと優真が迎えに来てくれまで」
曜は顔を赤らめながら言った。
その後は特に何事も無く俺たちは水族園を後にした。
びっくりした。まさかの前編と後編に分けることになるとは。ちなみに今回出てきた葛西臨海公園は例のネズミの国の近くあります。本当にペンギンがたくさんいるのでダイヤさんのようにペンギンが好きな人、マグロが好きな人はぜひ行ってみてください。なかなか落ち着く良い場所ですよ。
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