不器曜とヨーソローな日常   作:水無月 楓

8 / 18
大変長らくお待たせしました。8話です。ゆっくりと自分のペースを取り戻していきたいと思います。

何気にタイトルが過去にないほど短い……


8話 純白なみかんフロート!!

「ねぇねぇ優真」

「ん?どうしたんだ?」

 

6月のよく晴れた日、俺の嫁候補の渡辺曜が言った。

 

「買い出しに行こっ!」

 

「そいや、今日だったな」

 

ここ最近は雨が続いててあまり買い物に行く気が起きなかったが今日は晴天だし久しぶりに外に気晴らしと行きますか。

 

「そんじゃ、行こうか」

 

「うんっ!」

 

俺たちは外出の準備をして外に出る。

 

 

「それにしてもよく晴れてるな」

 

「ほんとだね。昨日はあんなに降ってたのに」

 

「時期としては梅雨だからなしょうがない」

 

「そうだね。今日はたくさん買って帰ろう!」

 

「あまり買いすぎるなよ?」

 

「今更その心配するの?」

 

「こうゆう時の曜って調子乗って買いすぎるところがあるからな。まぁ、そこが可愛いところだけど」

 

「そ、それじゃあ私が子供みたいじゃんか」

 

「そうだな」

 

俺がそう答えると曜は顔を真っ赤にして「もうっ、知らない」と言って俺より早いスピードで歩きはじめた。

 

これ以上怒らせると流石にまずいと思ったので俺は曜の話しかける。

 

「よ、曜?わ、悪かったって。何か買ってあげるから許してくれない?」

 

「…………みかんフロート」

 

曜は立ち止まってボソッと呟いた。

 

「みかんフロート?」

 

「みかんフロート買ってくれたら許してあげる」

 

「よしきた。早く買いに行こうぜ曜」

 

「それと…………」

 

「それと?」

 

「手、繋いで?」

 

曜は自分の右手を差し出しなから言った。なんだかんだ言ってきっと寂しかったのだろう。以前果南姉ちゃんと約束したからな。曜の笑顔を奪わないって。もし奪ったらみかん100個送るって。処理するの大変だろうな。あ、残ったら善子に送ればいいか。きっと嫌な顔して喜ぶぞ。

 

「優真?どうしたの?そんなにニヤケて」

 

考えてた事がつい顔に出てたみたいだ。

 

「いや、何でもない。こうして曜と手を繋いで嬉しいだけ」

 

「私も嬉しいけど、そんな顔したら私まで変な風に見られちゃうよ」

 

「悪い悪い」

 

俺たちは再び歩き出した。

 

 

「お待たせしました。みかんフロートです」

 

「はい、私です」

 

「ごゆっくりどうぞ」

 

「……優真は何も頼まなかったの?」

 

「ん?ああ、俺は別にいらないから。気にせずゆっくりしてくれ」

 

「もう、私は優真と一緒にゆっくりしたいのに」

 

曜はみかんフロートを食べながら言った。

 

「それはなんか悪い事をしたな」

 

「あ、そうだ!」

 

曜は何かを思いついたのか、再び店員さんを呼んだ。

 

「すみません。ストローをもう1本ください」

 

「かしこまりました」

 

「ストロー?今の曜の加えてるのじゃダメなのか?」

 

「それじゃあダメなの」

 

「どうして?」

 

「どうしても」

俺は曜が言った言葉の意味がよく分からなかった。そしてしばらくするとストローがやってきた。そして曜は俺に向かってこんなことを言ってきた。

 

「はい、これで一緒に飲めるね」

 

「そうだな。……?一緒に?」

 

「そう、一緒に。私は優真にも飲んでほしいの!」

 

「いや、でも……」

 

「優真は飲んでくれないの?」

 

曜は目をウルウルさせながら言ってくる。そんな目をされる困る。

 

「わ、分かったから。ちょうど俺も欲しかったところだし」

 

「ホントっ!?」

 

曜はパァっと表情を輝かせると嬉しそうに笑顔を見せてくれた。

 

「じゃあ、はい、どうぞ」

 

「お、おう。ありがとな」

 

曜に差し出されたストローを加えてみかんフロートを味わう。みかんフロートはこの体を冷やしてくれてとても美味しかった。

 

「どう?ああ、美味しいな」

 

「でしょ!私もっ!」

 

そう言って曜は自分のストローでみかんフロートを味わう。

 

『あっ!!』

 

俺の目の前には曜の顔がある。そりゃあ当たり前のことだ。普通は一人で飲むような小さなコップに二人でストローをさして飲んでいるのだから。

 

「なんか、こうゆうのも慣れてきたね」

 

「そんなこと言って、顔真っ赤だぞ曜」

 

「なっ!?優真は私より真っ赤だよ」

 

「えっ!?マジで?」

 

「嘘っ!というか自分の顔がどのくらい赤いのかなんて見ないと分からないよ」

 

「うっ……」

 

考えてみたらそうだよね。曜をからかってやろうと思ったら逆にからかわれた。俺はみかんフロートを飲もうとするが

 

「あれ?」

 

「私が全部飲んじゃった。てへっ」

 

曜はペロッと舌を出して言った。

 

「みかん……フロート」

 

「元々私が頼んだんだよ?」

 

すみませんお支払いするのは俺なんですが。

 

「さ、行こってなんで優真泣いてるの!?」

 

「くうっ、くっ、うっ泣いて……なんか……ないよ?」

 

「そんな涙流しながら言われても困るよ」

 

泣いてなんかないよ?泣いて……なんか。その後俺が泣き止むまで……いや、平常心に戻るまで時間がかかったのはここだけの話。

 

「すみません」

 

「はい?」

 

俺たちが店を見て歩いていると店の店員に話しかけられた。

 

「今、ウエディングドレスのポスターを作るための写真を撮りたくてですね、お二人さんはカップル方ですよね?」

 

「はい、そうですけど」

 

「もし良かったらお写真を撮らせてもらっても。ウエディングドレスの試着もできますよ」

 

「ウエディングドレスかぁ~」

 

曜は目をキラキラさせている。まぁ、女の子の憧れですもんね。よく分からんけど。

 

「曜がいいなら俺はいいぞ」

 

「ほんとっ!?」

 

「ああ、曜のウエディングドレス姿見たいしな」

「うんっ!!ありがとっ!」

 

曜は俺に抱きついて言った。

 

「当たってる当たってるって曜」

 

「お二人共ラブラブですね。さ、さ、こちらへどうぞ」

 

「あ、はい」

 

俺たちは店員さんの後を付いていった。

 

「はい、それでは彼氏さんはこっちの部屋へ。彼女さんはあっちの部屋にお願いします」

 

「分かりました」

 

俺たちはお互い別々の部屋でそれぞれ着替えを行う。

 

「それにしても曜のウエディングドレスか。めちゃくちゃ綺麗で可愛いんだろうな」

 

着替えを終えた俺は曜を待っていた。

 

「お、お待たせ優真」

 

「お?大丈夫だ……ぞ……」

カーテンが開き出てきたのはウエディングドレスを着た曜。俺はその姿に見とれて言葉が出なかった。

 

「ど、どう……かな?」

 

「よし、曜。今すぐに結婚式を挙げよう!」

 

「ふぇっ!?ゆ、優真恥ずかしいよう」

 

しまった。あまりの可愛さについ言葉が先走ってしまった。ついこの間のデート(6話の)で焦っても仕方がないとか言ったような気がするがこの際なんでもいいや。

 

「わ、悪い。それにしても本当に綺麗だな。まるで人形みたいだ」

 

「あ、ありがと。優真もその姿、か、かっこいいよ」

 

「お、おう。ありがとな」

曜は顔を赤くして言った。その格好でそんな事言われると照れるぜ。

 

「では、お二人共。お写真を撮るのでそちらの席に座って貰っていただいてもよろしいでしょうか」

 

「はい。分かりました」

 

俺たちは店員さんの言う通りに座り写真撮影を終えた。

 

 

「お二人共どうもありがとうございました!」

 

「いえいえ、僕たちもこんな貴重な体験をさせてもらってありがとうございました」

 

「あ、そうだ。これもし良かったらどうぞ!」

 

「これって?」

 

「先程撮った写真です。記念にどうぞ」

 

店員が出した封筒を受け取り、中身をみるとそこには確かにさっき撮った写真が1枚入っていた。

 

「いいですか?」

 

「当たり前ですよ!これからも彼女を守って上げるんですよ?」

 

「当たり前ですよ。任せください!写真ありがとうございますね」

「いえいえ、こちらこそ」

 

そう言って俺たちは本来の目的である買い出しを達成するために歩き出した。

 

「それにしてもやって良かったな」

 

「うん。ちょっと恥ずかしかったけど」

 

曜は顔を赤くしてえへへと笑いながら言った。

 

「次に曜のウエディングドレス姿を見るのは結婚式!」

 

「うん、待ってるね。……ポスターか。私たちの写真があの店の前に貼られるんだよね。そう思うとやっぱり恥ずかしいなぁ」

 

言われてみればそうだった。ん?てことはまてよ?あの店の前に毎日通えば、毎日ウエディングドレス姿の曜が見られるのでは?自分の姿も毎日見えちゃうけど。そしたら俺毎日あそこの店の前常連客になろう。そうしよう。あ、写真貰ったからいつでも見れるのか。

 

「どうしたの?優真」

「いや別に何も。ただこの写真とかポスターがあればいつでも曜のウエディングドレス姿が見れるのかと思った……だ……け」

 

俺としたことが気づかなければ良かったことに気づいてしまった。ポスターはみんなが見れるもの。つまり曜もみんなに見られる。そんなことを考えてしまった俺は曜を自分の方に寄せた。曜を誰にも渡さないように。

 

「どうしたの?」

 

「な、何でもないです」

 

「今日の優真、変だね」

 

その後は何事なく買い出しを終えた。

 

 

「よし、帰るか」

 

「そうだね」

 

「あれ?……雨降ってる」

 

外は先程までの青空とは打って変わって今にも雷がなりそうだ。

 

「曜。ここで待ってろ。傘買ってくる」

 

「う、うん」

 

俺は傘を求めて再び店内を歩き回る。

 

「悪い、待たせた」

 

「ううん。大丈夫だよ。それよりなんで一本しかないの?」

 

「1本しか売ってなかったから仕方なくな。ないよりはマシだろ?」

 

俺は傘を広げて曜に差し出す。

 

「優真は?」

 

「俺は大丈夫だから曜使いな」

 

「ダメっ!風邪ひいちゃうでしょ」

 

そう言って曜は俺の袖を引っ張る。

 

「分かった分かったからそんなに引っ張るな」

 

「えへへっ」

 

曜は笑顔でこっちを見た。今日も笑顔が輝いてるぜ!

 

 

 

「ねぇ、ねぇ優真。この写真どこに飾ろうか?」

 

「そうだな。玄関とかどうだ?」

 

「玄関?どうして?」

 

「毎朝あれ見ると一日元気になれるから」

 

「そ、そっか。じゃあ置いてくるね」

 

そう言うと曜は例の写真が入ってる写真立てを持って玄関に向かった。俺は曜を見届けてると1本の電話が入ってきた。




察しの良い方はお気づきだと思いますが、この不器曜とヨーソローな日常のGSを作りました。この本編に入れようか迷ったのですが、恐らく私も読者様も時系列で迷子になると思ったので別枠として作りました。もしお時間がありましたらそちらもどうぞよろしくお願いします。

また、お気に入り100件を達成してうれしい限りです。皆さんどうもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

湯婆婆さん、ふくまる@のんたぬきさん高評価ありがとうございます。

高評価、感想等お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。