それでは9話のスタートです!
「あら~ユウくん久しぶりね。元気にやってた?」
「毎回毎回その呼び方何とかなんないのかね」
「まぁ、まぁそんな固いことは言わずに」
玄関を開けると入ってきたのは世界を飽きることなく旅する人。別の言い方をするならば俺と曜を同居させた主犯でもある俺の親父たちだ。
「つーか、昨日の電話で「明日の21時くらいに行くからねぇ~」って言ってきたのに、なんで予定時刻の1時間も前に来るんだよ!まだ20時ですけど!」
「何を言っとる。五分前行動が常に大事だろうが」
「流石に迷惑なので1時間前ではなく、せめて30分前とかにしてくれませんかね」
さて、何故このような状態になっているか。それは昨日のある出来事からお話しなければならない。
買い出しから帰って来て俺の携帯に一本の電話がきていた。
「ん?誰からだ?」
携帯を開くと相手はどうやら俺の親のようだ。何の用だ?こんな時間に。
「もしもし」
『もしもし、ユウくん?元気にしてた?』
「いきなり騒がしいな。今何時だと思ってるんだ!」
無意識にツッコミを入れてしまったが俺の親は世界を旅してるので俺と同じ時間にいるとは限らない。
『何時って今は夜の八時よ。私たちがいないあいだに時間も読めなくなったの?』
「いや、読めるわ。ん?八時?」
俺はふと時計を見る。時計の長い針はちょうど12を過ぎていた。そして短い針はほぼピッタリ8を指している。
「同じ時刻ってことは今は日本にいるのか?」
『ええ、いるわよ?そうそう明日の21時くらいにあなたの家にお邪魔するからよろしくねぇ~』
「おい、ちょ……」
その瞬間に通話は終了した。
とまぁ、これが昨日の出来事。一言でまとめるとただの迷惑。
「それより優真。曜ちゃんはどこにいるんだ?挨拶しないとな」
「曜ならリビングにいると思うけど」
「あら、じゃあお邪魔するわね~」
そう言うと身勝手な二人は靴を脱ぎ、リビングに向かう。
「はぁ、なんか疲れた」
何となく。ただ何となく。これだけでは今日は終わらない気がした。
「あら~曜ちゃんも大きくなったわね」
「本当に。優真には勿体無いくらいの美人さんになったな」
「そ、そんなことないですよ」
リビングに戻ると俺の両親と俺の嫁……じゃなくて俺の彼女である渡辺曜がいた。曜は顔を真っ赤にして何か言っている。
「あ、そうだユウくん。これを冷蔵庫に入れて置いて」
「なんで?」
「海外で買った珍しいジュースよ。冷やしとかないと」
海外の珍しいジュースって。海外を疑ったりする訳では無いが正直怪しい。
「大丈夫よ。私達も一本飲んだから」
「そうゆうことじゃねーよ。というか心読むな」
「ホント、ユウくんは言葉遣いが荒いんだから。曜ちゃんも大変でしょ?」
「そこで私に振るんですか?」
曜はえっとと、視線を左右に動かしながら言う。
「そ、そんなことないですよ?ゆ、優真はいつも優しくしてくれますし、私のこと大事にしてくれてますよ?」
改めてこんなことを言われると恥ずかしい。曜は顔を真っ赤にして言う。
「あら~そうなの」
「優真、お前にしてはやるじゃないか」
「どうゆう事だおっさん」
「照れるなって」
もうやだ家の親は本当に。俺はこの話を逸らすために話題を変える。
「そいや、そこの二人さん。あの椅子に座りなさい」
「椅子?どうして?」
「いいから」
俺は二人を座らせて彼らの前の椅子に座る。
「聞きたいことがある」
「あら~私たちの旅のお話かしら?それともあなたの結婚式のこと?」
「けけけ、結婚式!?」
「落ち着いて曜。結婚式のことは聞くんじゃなくて話す方だから。奴らのペースに惑わされるな」
「え?あ、そっか。……恥ずかしい」
曜は手で顔を隠す。家の両親にペースを持ってかれたら負けだ。俺はなんとしてもこの二人から曜を守らなければならない。しかし曜の可愛い所を見せてくれたから今回の事は無かったことにしよう。
「それで聞きたいことって何だ優真」
「ああ、今のこの状況の事だよ」
「状況?」
「どうゆうつもりで俺と曜を同居させたんだ?」
「そんなこと決まってるじゃない。あなた一人で暮らせるとは思えず心配してたのよ。そしたら曜ちゃんも東京の大学に通うって言うじゃない。二人が付き合ってることを聞いたからもう一緒に住んでもらって二人で幸せな家庭を作ってもらおうって渡辺さんと意見があってね」
「それで同居ってわけか」
「そうゆうこと。まぁ、同じ大学に行ってることまで知らなかったけどね」
「やはりお前達が関わっていたのか。まぁ、そうだよな曜の両親はそんなことやる人じゃないもんな」
「あ、そうだ。俺達今日泊まるところがなくて困ってたんだ。優真、今日はここで止まらせてもらうぞ」
「は?……ちょっと待て」
「優真、大丈夫?」
「心配するな曜。これ聞いたら目の前にいるヤツらを帰らせるから」
「いや、別に無理やり帰らせなくても……」
曜が何か言ってるが俺は目の前の二人を追い出すことで頭が一杯だった。
「どうゆう事だよ」
「いや~もうユウくんもいなくて家なんて必要ないと思って売っちゃったのよ」
こいつらの思考回路はどうなってるんだ?家が必要ないって。ホームレスじゃねーか。
「バカだな。なんで売っちまっただよ?」
「だから必要ないから」
「死ぬまで世界を回るつもりか!」
「さぁ~それは未来の私たちに聞いて」
ホントこいつら。自分の身が危険だという自覚はないのか。
「だから泊めてくれと言ってるんだ」
「却下。帰ってください。さようなら」
俺は二人を押して玄関から追い出した。息子として恥ずかしいぜ、本当に。
「ちょ、ちょっと優真。ほんとに大丈夫なの?」
「ん?大丈夫だ。あんなんでは死なないから。何とかするだろ」
「そうだといいんだけど」
「気にしたら負けだって。さ、喉乾いたしさっき貰ったジュースとやらを飲もうかね。曜はいるか?」
「え?う、うん、いる」
「了解」
俺は冷蔵庫から2本の缶を取ってひとつを曜に渡す。
「ほいっ」
「ありがとう」
俺たちは蓋を開け、中を飲む。
「なんだこれ?」
いざ飲んでみるとみかんの酸っぱい酸味を感じた。がそれよりもなんとも言えない苦味が襲ってくる。これはジュースではないと思って缶を見ると
「カシスオレンジ?……ってこれお酒じゃないか」
俺はすぐに曜にこのことを知らせるが
「曜。これはジュースじゃなくてお酒……」
「え~な~に?どうしたのゆうま~」
遅かった。手元の携帯が揺れる。メールだ。そのメールを開くと
『ユウくん頑張ってね~。曜ちゃんに無理はさせちゃダメよ♡』
してやられた。ここまで全てあの二人の手のひらの上だったのかよ。せっかくやつのペースに飲み込まれずに曜を守れたのに最後の最後でやられた。
「けいたいじゃなくてさ~わたしをみてよ~」
「ストップストップ落ち着け曜」
「わたしはおちついてるよ~?」
そう言いながら曜は俺に抱きついてくる。俺はバランスを崩し後に倒れる。俺は曜に両手を押さえつけられる。
何とか離そうとするが、スクールアイドルや普段の筋トレをしている曜の力は想像以上のものだった。それはもう、
「えへへ~、ゆうまとキスしちゃうもんね~」
「ちょ、ちょ、んっ……」
俺はどうする事もできず、曜にディープキスをされる。
「んっ……んちゃ……」
「んっ……ちゅっ…………ぷはっ」
なんだよ。可愛すぎるだよ曜。
「ぁんっ……んぐっ……れろっ、むちゅっ……」
「んっ、れろっ……んちゅっ、んぁん……」
気づけば俺は夢中でキスをしていた。
しばらくしてお互いの口が離れる。
「はぁ、はぁ、ゆうま。えへへ~」
「…………曜」
俺は曜の頭を撫でる。普段ならここで終わっていただろう。しかし酔っているせいか曜が俺の理性をさらに吹き飛ばすような一言を言ってきた。
「ゆうまのここ……つらそう。わたしがらくにしてあげようか」
「えっ!?」
今とんでもないこと言われた気がする。いいのかこんな感じでやっても。だが先程のキスと今の爆弾発言によって俺の理性は全滅していた。
「楽にしてほしい……かな」
「うん、……ゆうま、いま、らくにしてあげるね」
曜は俺の腰より下に行って、俺のズボンを下ろそうとする瞬間……
「あれ?曜」
曜は酔ったまま寝てしまった。
「すぴー、……優真……好き……」
「俺も曜のこと好きだよ」
俺は少し残念な気持ちと可愛らしい曜の寝顔を見れて嬉しい気持ちのふたつを感じながら曜の頭を撫でた。
次の日には曜はすっかり元通りになり、昨日のことは覚えていなかった。
少しやりすぎたと思ってる。反省はしてない。さてさて、次回からみんな大好き夏イベントの始まりです。
たくさんのネタを用意してありますのでご期待ください。そろそろAqoursのメンバーにも出てもらうと思います。
Frekeさん高評価ありがとうございます。
高評価、感想等お待ちしております!