無双のその先へ   作:人間性の苗床マン

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ドーモ。皆=様、お久しぶりです。ユマサアです。

久々の無双更新!

他作品クロス一回目(一章目)は問題児シリーズ!

正直、耀ちゃんのキャラが安定してない感丸出しです。泣ける。

取り敢えず書き上がりましたので投下します。

それでは、ゆ っ く り し て い っ て ね


終焉の人類最終試練
THE FATALIS WAR GAME


人類最終試練(ラストエンブリオ)の魔王、アジ=ダカーハ討伐から数ヶ月。

 

箱庭は騒がしき平穏を取り戻し、修羅仏神やそれに属する者達、その下で加護を受けギフトゲームに参加しそれぞれのコミュニティに貢献する者が元気に、しかしながらも殺伐にその生を謳歌していた。

 

ただし、アジ=ダカーハを超える史上最凶最悪の人類最終試練(ラストエンブリオ)がこの神々の箱庭に降臨するまでは、の話だったが……

 

 

┼┼┼┼┼─────

 

 

そんな、平和が崩れ落ちる数刻前、『旧アルカディア同盟』の主格である『ノーネーム』本部───

 

「なぁあにやってやがるんですかァ!この問題児様方ァ!!」

「ヤハハハハッ!向こうがケンカ吹っかけて来たんだ!相手してやんなきゃ向こうに悪いだろ?」

 

笑いながら目の前で土下座する聖銀鎧集団を弄り倒した上で桃髪のうさ耳少女に反省の欠片もない言い訳する金髪の少年、逆廻十六夜。

 

「そうよ黒ウサギ、向こうが売って私たちが買った喧嘩よ?正当性は勿論、報酬もこんなに」

 

そう言って、明らかに箱庭下層では見かけない希少鉱物を含む財宝の山を指差す赤いドレスの少女、久遠飛鳥。

 

「苦労サギ、まだ慣れてないの?」

「イントネーションに悪意を感じますし慣れてたまりますかァ!これを!」

 

ここぞと黒ウサギと呼ばれた少女を名前と状況で煽る、物静かな雰囲気の少女、春日部耀。

 

コミュニティ『ノーネーム』の主力メンバーである。

 

神霊級の恩恵(ギフト)を砕く上に、山河を砕き、その上で星を叩き割る圧倒的な火力に、武器による攻撃を無効化する獅子座の太陽主権を所有した規格外第一人者、逆廻十六夜。

 

神霊の先祖返りにして、その恩恵である制限なき《威光》を持ち、最高峰の希少鉱物である《神珍鉄》をもって精霊たちが作り上げた、純血の龍の一撃さえ防ぐゴーレム『ディーン』を含む様々な恩恵武装を所有する少女、久遠飛鳥。

 

『旧アルカディア同盟』所属であった春日部孝明の娘にしてアルカディア同盟の正当な後継者であり、神獣や幻獣などのあらゆる生命の力を混成し、己の力、武器とする恩恵《生命の目録》とその副作用であるキメラ化を防ぐ、魔王ディストピア由来の恩恵《ノーフォーマー》を所有する少女、春日部耀。

 

そして、軍神、月神、日神の三天から恩恵を授かり、月の兎の種族特性である最高位の恩恵《審判者権限》を所有し、一度飛鳥を救うために煉獄に落ちかけるも帝釈天より神格を授かり転生を果たしたこのコミュニティのツッコミ役兼苦労人である努力家少女、黒ウサギ。

 

彼らは未だ大半が幼子であるコミュニティを支え、人類最終試練アジ=ダカーハを討伐するに至った英雄達。

 

そんな彼らに、再び──

 

「もう!そんなことをやっている、と…?箱庭中枢から連絡?珍しいって、え?」

「どうした?黒ウサギ?」

「箱庭外界から干渉!?一体何者が……っ!?」

「空が、赤く……?」

「黒い契約書類(ギアスロール)……オイオイ、こんな時にかよ!?」

「ま、魔王だ!!魔王が現れたぞ!!」

 

絶望が、舞い降りた。

 

 

─────────────────────────────────────────

 

ギフトゲーム名

“THE FATALIS WAR GAME”

 

・プレイヤー一覧

箱庭全域のあらゆる生命体(コミュニティ問わず)

 

・プレイヤー側 ホスト指定ゲームマスター

人類からの選出であれば誰とも問わない

 

・ホストマスター勝利条件

プレイヤー側の人類に値するものの全滅

あらゆるプレイヤー側の生命の根絶でも可

 

・プレイヤー勝利条件

一、ゲーム盤上の戦争を人類が生き残っているという条件を満たした上で終結し、星杯(スーニアスター)を獲得せよ。星杯は最も力のあるものの前にて顕現する

尚、ホストマスター側の種族の討伐は許可されるが、その他の種族の殺害はプレイヤー側には許されない

 

二、ホストマスターの神髄の謎を暴け

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

 

“戦神アルトシュ”印

 

─────────────────────────────────────────

 

「人類の生存が条件……?まさか──ッ」

「間違いねぇ、これは人類最終試練のゲームだ……ッ」

「こんな短い期間で二度も!?」

「しかもプレイヤーは箱庭全域、つまり一層の神々も参加するってこと……?」

「ということは天軍(ヤツラ)も出張ってくるってことか……!」

 

その瞬間、周囲の光景が捻れ始める。

 

「なに!?」

「これは……ゲーム盤への移動!?」

 

切り替わる視界、十六夜たちは小高い丘の上に立っていた。

 

紅く染った雲、そこに空いている大穴から紅く燦然と輝く月が辺りを照らす。

 

瞬間──

 

 

 

閃光

 

 

 

目の前に一つの渓谷が出来上がった。

 

 

 

閃光

 

 

 

視界の端にあった山が揮発した。

 

 

 

閃光

 

 

 

海と見紛う湖が跡形もなく消し飛んだ。

 

 

「は?」

 

 

目の前に燃え盛るナニカが重力に従い落下してきた。

 

その物体、否、燃え盛るその威容(・・)こそは……

 

「純血の、龍種……」

 

そして、それは上空を睨めつけ息だえ骨を遺し灰となる。

 

その上空を通るは、否、重なるように堕ち行くそれは。

 

「戦艦、なのか……?」

 

そして、月明かりを遮るように影が舞う。

 

その背に影を湛えた一対の白翼を生やした天使のような集団。

 

そして、ソレらの向かう先を見ると何時からそこに現れたのか。

 

陸と見紛う樹木のようにも四角い箱のようにも見える、青い光を湛えた砲台の要塞が、鯨のような遠吠えを発しながら空を翔る。

 

それは、その世界は───

 

 

 

 

 

───完全無欠に、滅んでいた

 


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