それだけが気がかりです
だって…
ただ異世界で黒鍵を使いたい、そんな想いが
事の始まり…
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「伊藤幸奈様、大変お辛い事ですが、
貴女は先程、不幸にも死んでしまいました」
…死んだ
白い部屋の中、私は目の前の天使のような
見た目の女性に改めて実感させられる
私は再び、死んだ時を思い返す-
…時期は夏休み入りたての昼前
私はいつも通りの道を通り、
いつも通りの駅のホームで電車を待つ
夏休み言えど部活あり
私は弓道部の午後練のために
洗い立ての道着と愛用の弓を持って
間もなく来る電車を
音楽を聞きながら画像巡りして時間を
潰し待つ
夏休みとあってか、家族ずれが多く、
御機嫌にはしゃぐ子供達に、
ベビーカーで眠っている赤子もいる
この駅は若干電車側に傾いているので
親御さんには気を付けて欲しいところ
そんな楽しげな声の響く中に、
「はぁ…四郎も士郎も格好いいなぁ…」
小さな声で思わず漏れでる心の声
私はFateをこよなく愛している
弓道部に入ったのも士郎の影響
本当に菌糸類様様である
そして、とある二つの画像に
夢中になる
「黒鍵…使ってみたいなぁ…でも
干将・莫耶も捨てがたい…
…いっそ、黒鍵をこの形にしてみたり?」
それは型月界の聖堂教会御用達
黒鍵と
士郎の扱う夫婦剣
干将・莫耶
ゼロで麻婆神父が黒鍵をオーバーエッジに
した場面を思いだしながら考察する
例えば、黒鍵を自由に、変幻自在に
出来ればどうか
そうすれば、強度はかなり劣るが
干将・莫耶はおろか、
カラドボルグの真似事も可能
そうなればどれ程万能か…
…まぁ、どれも空想の推測に過ぎないけどね
「…もしもそんな事が出来たらなぁ…」
そんな想いに浸る中、
事は起きた
「わぁ‼」そんな驚いたような声が側で
響き、ドサリと落ちる音
みればはしゃいでたこの一人が
車線に落ちたようだ
そして無情にも
「…間もなく、~~~行き電車が
参ります。黄色い線の…」という放送
下で泣き出す子供
必至に助けようと降りようとして、
他の人に止められている親御さん
……何を思ったか、いや、何も無い
それを見ていた私は、自分までも車線に
降りた
目視で電車が見える
私は子供を掴むと、思いっきり
上に投げた
子供はホームの上に向かって落ちて行った
恐らく誰か受け止めてくれるだろう
私が安堵してしまったその一瞬
その一瞬の油断が、私の見える光景を
思いっきり横に殴り飛ばした-
「…すみません、あの…
あの子はどうなりましたか?」
もし私に未練があればそこだ
女性は優しく微笑み私に告げる
「無事ですよ、貴女の投げた後、
他の方々がしっかり受け止めました」
それを聞き、安堵する
自身の身で最後に幼い命を
救う
これ程名誉な死に様はないだろう
そう想い更けていると、
女性は私に声をかける
「それで、これからのお話ですが
勿論、このまま再び地球に生まれるも
天国へ行くも自由ですが…
異世界に、その身で転生する気は
ありませんか?」
「…詳しく」
「実は、魔王の進行や
モンスターに苦しめられている世界が
ありまして、そちらで死んでしまわれた
多くがその世界で生まれ変わるのを
拒否してしまい、人口不足で…
なので、こちらで死なれた方々を
そのままそちらへ送っているのです
勿論ただでは送りません
言語サポート等は此方でしますし、
更に特典として一つ持って行きたい
ものを持って行けるのです」
私は思わずおぉ…と感銘する
と、そこで一つ質問
「あの、服を変えたいのですが…
それも特典に含まれますか?」
「…場合によります
例えば、死ぬ時に持っていた衣服であれば、
今の貴女の服と交換します」
なるほど、それは朗報だ
ジャージならまだしも、
流石に制服でとか馬鹿げている
「じゃあ、私の道着と取り替えて
ください」
すると、一瞬服が淡くひかり、
いつもの道着姿になっていた
「では、改めて…
さぁ!選びなさい!異界に挑みし者よ!
貴女の求めし物を!」
その宣伝文句のような台詞を叫び、
女性は多くの紙を下に並べる
それは今までの特典が載ってるようで…
「…この中以外でも良いですか?」
「あ、はい勿論」
確かにめぼしい物の数々
しかし私の求める物は違う
それは…
「…じゃあ、
無限に出せて、自由自在に形を変えれる
黒鍵…でお願いします」
「…えっと、黒鍵とはピアノの…?」
「いえ、剣の方です、型月の」
「は、はぁ…あの、具体的な説明を」
そんなわけで…私は自分の考えうる
限りの方法を説明した
まず、黒鍵を無限に自由に出せる事
自身の意思で手の中は勿論、
王の蔵の真似事も可能というもの
次に、黒鍵の形を自在に変えること
刀身は勿論、柄に至るまでに、だ
これにより、扱い状投擲特化な
黒鍵を斬撃にも運用出来る物に
最後に投擲必中
私だって素人
本来投擲運用のこの武器を使うのは至難
故に投げた時のみ必中とした
おまけに身体強化
少し上乗せしてくれれば良いとして
以上を話すと女性は少し戸惑い
しかし再び微笑み
「分かりました、身体強化は別として、
その他の意見は受諾しました
…では、貴女にこれを」
女性の手の上には、
銀製の小さな十字架のネックレスが
恐らく特典を形に表したのだろう
これを装備する限り、黒鍵は
使い放題…
「では、そちらの門の前に
…貴女のこれからに、祝福を…」
私はネックレスを首にかける
そして示された門の扉を開き、
門の先へ、歩いていった-
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始まりの街 アクセル
「ほおおぉぉ…!」
それはまさにファンタジー世界
見るもの全て今の地球では見られない
物からそもそもない物まで、
少し探索しただけで見るもの全てに
目が輝く
そして辺りを見ると、鎧姿の人達が
ちらほらと
私は巡っていると、恐らく同じ
日本人か、それらしき人がいたので
声を掛けた
「すみません、あの、彼等は…?」
「ん?…あぁ、もしかして君、
こっちに来たて?」
「はい、さっき来たばかりで…
よければ、色々教えてくれませんか?」
「おう、いいぜ
俺はサトウカズマ、気軽にカズマと
呼んでくれ」
「カズマさん、ですね
私はユキナと言います」
カズマさんのおかげで、カズマさん達が
冒険者であることやギルドの事など、
大まかながらこの街について
教えて貰った
そして私も冒険者として登録すべく、
カズマさんとギルドに向かった
「ここが、ギルド…」
中は、昼過ぎだと思われように騒がしく、
冒険者達が酒を飲んだくれていた
すると、カズマさんが指を指し、
「あっちで冒険者登録が出来る
けど、登録料が出るから特別に
その分出してやるよ」
「そんな!?何もそこまで…」
「良いって事よ
その代わり、今度酒でも奢ってくれよ?」
「!はい、必ず!」
カズマさんからこの世界の現金、
エリスを貰い、登録街の列に並んだ
やがて自分の番になり
受付の前に
そして登録料を支払うと、
自身の情報を紙に記していく
「はい、イトウユキナ様ですね
では今から冒険者カードをお作りしますので、
そちらの水晶に触れて下さい」
これがいわゆる、初期ステータス決めだろう
私はおそるおそる、水晶に触れた
すると水晶が淡く光り、下のカードに
記録していく
やがて光り終えた所で手を離すと、
カードを受付の女性が手に取る
「ステータスは…どれも平均値より高い
ですね…って、幸運がカズマさんと
いい勝負じゃないですか!?」
その声に隣でカズマさんが
お?っと言っていたが
特に気にす…
「…へ?」
「俺と並ぶ幸運とはやるじゃないか、
どうだ?このあと一勝負ポーカーでも」
「いや、それはいいですけど、
どうしてここに?」
「そりゃここまで案内したんだ、
その相手のステータスぐらい知りたい
もんだろ?」
…そんなものだろうか?
そして受付の女性が
「このステータスなら、中級職まで
選べますね…って、ん?
何でしょうこれは…?」
すると、見せてくれたリストの中
上級職に一つだけ黒塗りの物が
私がそれに触れると黒塗りされたのが消え、
そこには…
『アーチャー・オルタナティブ』と
記されていた
「!?これは、一体…?」と悩む受付嬢
隣で状況を纏めようとして
驚き顔のカズマさん
そして…
「…あの、これでも良いですか?」
状況を考えるのを即座に止めた私がいた
結果、私は先程の職になった
未だ理由は分からないが、
何かしらが働いた事だけは確かで…
「…考えても仕方ないかな…まぁ、でも…」
これから、私の異世界生活が始まる…
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次回 初クエスト!
異世界初のクエスト
黒鍵の真価はいかに?!