異世界なのにうちわ職人になりました。   作:柊彩

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作者は思った。
「うちわとちくわって似てるな。」
…本編に全く関係ありませんでした。


設定ブレブレなようですよ?

おれは最近気づいたことがある。

それは……小学生は最高だぜっ!

 

…はっ!?夢か。なんかお巡りさんが仕事を放棄した世界の夢を見ていた気がしなくもないが俺の性癖ではないと信じたい。にしても昼寝をしてしまうとは、よほど疲れているのか…?

 

と、膝のあたりでくすぐったい感覚がある。見るとサラサラの緑の髪、そして、隣ですやすやと寝息を立てている髪の主は天使…じゃなかった、魔力のないはぐれドラゴンの子供だ。といっても人型の状態なのでどう見ても小学生の女の子にしか見えない。状態変化というのは魔力を介さない、ドラゴン種の有する種能力なのだ、と親父の部下ドラゴンが言っていた。俺のさっきの夢もこの子が原因だろうか?なんとけしからん!…まぁ許しちゃうけど。

 

「ふふ、お父さん…。」

幸せそうに笑いながら、そう呟く。

家族愛に飢えていたこの子は俺とかぐやという環境で抑えていた感情を爆発させていた。端的に言うとめっちゃ懐いた。

 

お父さんか…。まだ俺20にもなってないんだけどな。でも、可愛いからいっか。

 

「…あんた、傍から見た時の事考えたことある?」

突然、めっちゃ冷めた声が聞こえた。

 

声の主は南極ペンギンもびっくりの氷点下な視線を俺に向けていた。

 

傍から見た時だって?考えているに決まっているじゃないか!狭い作業場!狭いオフトゥン!そして俺にくっついてすやすや眠る幼女!それを見て笑っている俺!

 

……うーん……、ギルティ。

 

 

「ま、あんたの性癖に文句つけるつもりは無いけど。その子も一応ドラゴンなんだからね?」

「うっ。わかった。」

時々かぐやがエロ本を見つけた時の母親みたいな生暖かい眼差しを俺に向けてくるのはなんなのだろうか。

 

やれやれと、ため息をつき、貯水槽に向かう。最近作業が滞り気味だ。このままじゃ納期日に予定数出せるかどうか…。

 

『ふしはだけ』を終え1本の長方形の棒になった竹を、『割き』と『揉み』という柄から先の部分を枝分かれさせる作業に入る。

竹を専用の小刀で穂の先端10センチほどの切れ込みを等間隔に40本ほど入れ、その竹を手で3回ほど折り曲げる。これによって竹の繊維に沿って切れ込みが伸びていく。力加減を間違えると折れてしまうため少し気を使う。

これを終えると初めて柄の先に扇型の細く枝分かれした、うちわの骨の原型が出来上がる。

 

次に『穴あけ』。穂と柄の境目ほどに、専用のきりを用いて鎌を通すための穴を開ける。鎌とはうちわの穂の部分の両端の骨でそれ専用に弓竹を作っている。ここでも力加減を間違えると柄が割れてしまったりするのでここでも注意が必要だった。

 

それぞれに小刀を用いて、鎌を削る『鎌削り』、柄の最終工程の『柄削り』を終える。

 

いよいよ『骨』の最後、『編み』と『付け』の2大工程(自称)だ。

 

『編み』は鎌、つまり穂の端の弓竹に糸を通し、そこを起点に40本の穂先に糸をクロスさせながら編んでいく。そうして対岸の鎌まで一気に糸を織り込む…のだが。

「遅い…っ!」

独り言が口から溢れる。編みの工程に速さは必要ない。だが、どうしても思ってしまう。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、と。

 

自分の頬を叩き、邪念を取り払う。作業に余計な考えはいらない。ただひたすら、竹のみを、竹のみを。

 

 

「何やってるの?」

「んー?お父さんはいま仕事しているんだよ。」

 

作業モー ドになった俺の意識に干渉してくるとは!この子は悪魔かサキュバスか?いいえ、天使です。(錯乱)

 

「私も手伝うー!」

うっ、笑顔が眩しい!俺にはとても…抗えないっ…!!

 

「止めてやれっ!」

ズビシ!と、快音を響かせ、俺の頭に衝撃が走った。 見るとかぐやが残念な子を見るような目で俺を見ている。

 

「私生活であんたがロリコンだろうとなんだろうと構わないけど。仕事まで疎かにしてどうすんのよ。」

なんも言い返せない…!

「ごめんね、これはお父さんの仕事だから。お母さんと遊んでてねー。」

「う、お母さん…」

 

どうやらかぐやは苦手らしく俺に怯えた小動物の視線を向けてくる。すごい罪悪感。

 

「あと、私はそこのロリコンの夫としてのお母さんじゃなくてその子の母親ってだけだからそこんとこちゃんと教えときなさいよ?」

え、そこいる?こんなあどけない少女になんてドロドロしたもの見せる気なんだ!まぁドラゴンだけど。

あ、コラかぐや。子育てが面倒だからって部屋に入るんじゃない。

「…バカ。(ボソッ)」

部屋に入る前何か言っていた気がするがよく聞こえなかった。2文字だったような気もするが。死ねとかそこらだろうか。機嫌悪そうだったしスイーツでも買ってきた方がいいだろうか。

 

「お父さんっ…」

 

うっ、そんな目で見つめられたら俺は…俺は…!

 

させてあげるしかないじゃないですか。

 

「じゃあ見ててね。ここをこうして。」

付けは難しすぎたので彼女に教えたのは貼りの作業の『貼立』。本当はここでも俺のうちわ魔法を織り込む必要があるが後からどうにかなる…はず。

 

穂とのりに魔力を送り込み、魔力回路を繋ぎ、のりを穂につけ、地紙を貼り付ける。むれなく、気泡なく。

 

「こんな感じかな。」

完成例を彼女に見せる。

「お父さん、これ、魔法入ってるの?」

「…?うん、入っているよ。お父さんはうちわ魔法っていう魔法なんだよ。うちわに魔法を埋め込むんだ。」

「魔法を…うめこむ…?」

彼女はそこで何かを考えているようだった。悩む姿も可愛い…、あれ?おれロリコン化してね?

「お父さん、私に魔法使ってくれませんか?」

「…はい?」

「私にお父さんの魔法使ってみて。」

「え?ええと、お父さんの魔法はうちわにしか効果がなくて…。」

自分で言ってて悲しくなってきた。

「お願いです!」

なんでそこまで言うんだろ?まぁいいや。別に何も起きないし。

 

彼女の手を握る。うーん、役得。じゃなかった。炎魔法の属性のうちわ魔法を送り込む。もちろんこれはうちわにしか効果はない。生物などに出しても魔力が流れるはずがない。

 

…だが。

「魔力が…!」

繋いだ手からたしかにうちわ魔法の魔力が彼女に流れていた。

「これは…!?」

「お母さんがね、教えてくれたの。私は魔力がないけど、魔法が無いわけじゃないって。受諾魔法とか言ってた。誰かの魔法をその人の魔力と一緒に受け取れるんだって。」

かぐやが?あいつはいつ…?

「あ、、蘇生魔法…。」

あの時かぐやは気づいたのか。なんで教えてくれなかったんだろう。

「えへへ。これで私もお父さんを手伝えるね。」

満面の笑みでこちらを見る。

 

どうやらスイーツを買う理由が増えたようだ。




いきなり設定変更とかブレブレだろとかお思いの方々。
コレがリアルだ!
…すみませんウソです考え不足でした。あと名前…泣

うちわの工程。これでとりあえず今までのと合わせて『骨』作りは出したはずです。動画とネット知識ですが。僕の乏しい語彙力よりもこれは動画を見てもらった方が圧倒的にわかりやすいですね。
https://youtu.be/olIUslC6mv0 ⬅分かりやすかったです。
(作者は考えるのをやめた。)

とりあえず書いておきます。

★割(わき)…作業その5。小刀で穂先から10センチほどの切れ込みを等間隔に35-45本ほど入れる。

★もみ…作業その6。割で入れた切れ込みを竹を折り曲げることで柄まで伸ばしていく。2、3回ほど左右に折り曲げる。

★穴あけ…作業その7。穴あけ用のきりを使って鎌と呼ばれる弓竹を通すための穴を節に開ける。

★鎌削り・柄削り…作業その8、9。小刀で鎌を細くしたり、柄を削ったりする。柄はこの時完成である。

★編み…作業その10。鎌に糸を通し、そこを起点に穂を糸でクロスさせながらあんでいく作業。動画では超早かったです。(小並感)
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