清滝一門の長男   作:Rokubu0213

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箸休めに銀子の話を一つ。


銀子にときめく盤王

盤王戦第一局に勝利した俺はその勢いのまま三連勝を達成して盤王戦防衛を果たした。

 

心地よい疲労感を感じながら家へと帰って来た。

 

 

「ただいま。」

 

 

ここ最近はただいまと言って部屋に入ることが当たり前になった。それが俺にとってはとても嬉しいことだったりする。

 

 

「お帰りなさい。ご飯は桂香さん作ってくれてるから食べて。」

 

 

銀子は簡単な話をすると再び棋譜並べを再開する。

 

銀子との二人暮らしは、風呂上がりの銀子を見て理性を保つのが大変なこと以外は基本的に何の問題もなく生活できていた。

 

 

ひとつ、飯の問題を除いて。

 

 

 

最初は銀子が住まわしてもらうお礼にと、ご飯を作ってくれたが、大量のソースで真っ黒なお好み焼きという名の、ダークマターが出てきたのを見て、銀子を怒らせないように丁寧にお断りして、それ以来俺が簡単な料理を作ったりコンビニ飯で賄うようになった。

 

しかし盤王戦期間中は体調管理も大事だと、桂香さんが提案して盤王戦期間中は桂香さんが料理を作ってくれることになった。それを銀子に伝えた日から銀子に2日間完全に無視されたのはまた別の話である。

 

 

盤王戦も今日で終わりなのでまたしばらく桂香さんのご飯が食べられないなぁ。

 

桂香さんの絶品お好み焼きを食べ終えてそんなことを考えていると棋譜並べをしていた銀子が急に立ち上がった。

 

 

「もう寝るのか?おやすみ。」

 

 

俺が話しかけても銀子はその場に立ったままである。

不思議に思って銀子のいる方をみると、銀子と目が合う。

 

いつもよりも顔が赤いしなんか睨まれてるし・・・なんか怒らせるようなことしたかなぁ

 

 

銀子は無言で俺の隣の席に座る。そして椅子を俺の方に近づけた。

 

 

「ち、近いんだけど。」

「・・・」

 

 

銀子の息遣いが聞こえるほど密着していて俺はドギマギする。

 

銀子は子猫がじゃれつくように額を胸にすりつけてくる。

 

 

「!?ぎ、ぎ、銀子!?なにしてんの!?」

 

 

昔は将棋で負けるとよく俺の腰に顔を埋めてきたけど、それは銀子が小学生低学年の時のこと。

 

銀子の髪からシャンプーのいい匂いがして、俺の理性が飛びそうになる。

これ以上はまずい。

 

 

「ちょっと、ごめん銀子。」

 

 

俺は銀子を強引に引き剥がして距離を取る。

 

 

「あ・・・。」

 

 

銀子の顔が切ない顔になる。

 

 

「ごめん銀子・・・乱暴して。」

「私も少し変だった、ごめん。」

 

少しというかかなり変だったけど・・・

 

 

「・・・」

「うっ・・・」

 

 

気まずい沈黙が流れる。

 

 

「ど、どうしたの?」

「最近会えてない。」

 

 

確かに最近お互いに公式戦が続いて一緒にいる時間は少なかった。

 

 

「寂しかった。」

 

 

銀子は蚊の鳴くような小さい声で言った。

 

 

「銀子・・・」

 

 

そういえば昔の銀子はめちゃめちゃ寂しがり屋だったっけ・・・

 

 

俺が修学旅行に行った時も俺に会いたいって一晩中大泣きして、桂香さんを困らせたって聞いた。

 

 

微笑んで銀子の頭に手を乗せて軽く撫でてあげる。

 

銀子は恥ずかしそうに俯いている。

俺が手を離すと、銀子は悲しそうに俺を見た。

 

「・・・もう・・・ちょっと。」

「う、うん。」

 

 

頭を再び撫でると今度は嬉しそうに俺を見つめてきた。

 

 

「フフッ」

 

 

その笑顔に思わず見惚れてしまう。

 

 

「おめでとう・・・お、お兄ちゃん。」

 

「えっ・・・」

 

 

驚いて思わず銀子の顔を見つめてしまった。

 

 

「も、もう寝る。」

 

 

 

銀子は顔を真っ赤にして、和室に行ってしまう。

 

 

その日は目を瞑ると銀子の顔が浮かんでしまい眠れない夜を過ごした。

 




銀子みたいなクーデレな女の子に甘えられたい!!

こういう話は需要あるんだろうか・・・

次回から真面目に原作に戻ります。
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