あいちゃんが急に話を変えて来た。
聞きたいことなんだろう?
「なに?」
「おじさんと空先生ってお付き合いしてるんですか?」
「「はぁ!?」」
予想外の質問に驚く。
「な、なんでそう思ったの?」
「はい。この前おじさんが和室からお菓子を取って来た時、部屋の中を覗いちゃったんですけど、そこに空先生の制服があったり、……明らかに女の人の部屋だったので。」
覗かれてたのかぁ……
「勝手にお菓子食べたの……?」
銀子が睨んでくる。
この状況で怒るとこそこ!?
「私応援します!!」
あいちゃんが目を輝かして言ってくる。
「いやだから、勝手に話進めないで!?」
「おばさんとおじさんが結婚すれば師匠の周りの女の人を一人減らせるし……!」
あいちゃんまた何を計算しているの……
「だから俺と銀子は兄妹みたいなものだから!全く恋愛感情とかないから!?」
「えっ!?……本当ですか……?」
あいちゃん全く信じてくれない。
「なっ!そうだよね銀子?」
銀子にも応援を頼む。
「……そうよ。私達に恋愛感情なんて全くないわ。」
やっぱ無いよね……
わかってはいたがこうやって実際に言われると凹む……
あと銀子足の裏つねるの止めて、めっちゃ痛いから、今にも発狂しそうだから……
「ふーん。つまりあなたは今、付き合ってる人はいないのね。なら私がその立場頂こうかしら。」
黙って話を聞いていた天衣ちゃんが妖しい笑顔で俺に近寄ってくる。
お互いの吐息が触れ合うくらいに密着してきて、耳元で妖しく囁く。
「この前の仕返しよ。」
マイナビのことまだ根に持ってたのかよ……!?
「え!?天ちゃん、おじさんのこと好きだったの!?これは大チャンス!天ちゃんを師匠から離せる……!」
あいちゃんの腹黒演算がまた開始している……
「……ダメ!!、絶対にダメ!!」
ここまで無言で俺の足をつねっていた銀子が普段からは想像もできないような大きな声で言った。
銀子の方を見ると、唇が微かに震えて目尻には涙がたまり、今にも泣き出しそうな顔ををしている。
「「……」」
いつもの銀子からは想像できない姿にあいちゃんと天衣ちゃんは驚いて無言になっている。
俺にとっては子供の頃によく見た光景。
俺に将棋で負け続けると子供の頃はよくこうなっていた。
こうなった銀子を慰めるには方法は一つしかない。
俺は隣にいる銀子の頭を優しく俺の膝へと誘導する。
銀子は最初は少し抵抗したがすんなりと俺の誘導に従う。
「あの、……おじさん。すいません……」
「銀子のことは大丈夫だからね。今日は、一旦帰ってくれる?またいつでもうちに来てくれていいから。」
「はい。」
「……なんか悪かったわね。」
あいちゃんと天衣ちゃんは反省しながら帰って行った。
部屋で二人きりになり銀子の頭を撫でながら優しく話す。
「いつもの銀子らしくないじゃんか?天衣ちゃんもお前をからかうためにやったってすぐわかったでしょ?」
「だって、だってぇ。」
銀子が子供みたいに泣きじゃくっている。
「ほらもう泣き止んで。」
「八一だけじゃなくて……お兄ちゃんまで取られちゃう……」
「どういうこと?」
銀子はひたすら泣きじゃくる。
そしてポツリと再び話し始めた。
「私のこと……好き?」
「……」
銀子からの問いかけに心臓が跳ね上がる。
「えっと……」
これはどういう意味だろうか。
いやもうわかってるこれはそういうことなのだろう。
目の前の女の子は大事な可愛い妹……だったはず、でも俺たちも成長してもう昔とは立場も考え方も違う。
昔から俺を兄としたってついて来てくれて、ちょっと甘えすぎなところもあったけど、そこがまた可愛くて、今は昔ほど素直に気持ちを表現しなくなった、でも根本は変わらなくて、寂しがり屋な……
そんな銀子のことが俺は……
「好きだよ。」
「えっ……!?」
「大事な家族だもの。」
「……そ、そうよね。ありがとう……」
銀子は一瞬顔を輝かせたがその顔はすぐに曇った。
ゴメンな銀子。俺はまだ銀子のことを大事な妹、保護対象としか見れない。
あいちゃんはこれから八一の周りにいる女性をどんどんおじさんに紹介(押し付け)するお節介な親戚になります。
今回銀子とオリ主がくっつきそうになりましたがまだくっつける気はありません。