もののけの子 作:雪谷
『雪よ、ぬしは言霊使いだったか』
言霊と言えば妖怪のサトリを思い出すけど、私は人間のはずなのでピンとこない。このサトリすら
「言霊使いですか?」
『強い言葉の力で森羅万象なるものを操るのじゃ』
「すごいですね!でもこれで空の神様にお返しができるので嬉しいです!」
森羅万象とは強く出た。
私自身に特殊な異能が備わっているのであれば、空の神様のために使おうとなんの躊躇いもないけれどその前に私のことを調べる必要があるかもしれないな。
『そうかそうか、では夕餉としよ』
「はい!」
子猫サイズの空の神様を肩にのせて、お喋りしながら帰る。道中山菜を摘みながらもし明日、
次の日、朝の散歩と昨日の復習を終えたあと、私は本職さながらの設備を設えてあるデスクに向かっていた。
何をしているかと言うと、クラッキングである。クラッキングとはコンピュータネットワークに繋がれたシステムへ不正に侵入したり、コンピュータシステムを破壊・改竄するなど、コンピュータを不正に利用すること(これは犯罪のため良い子たちは絶対にまねをしないように)。
ここは青の祓魔師。ならば原作知識を知っている理由を作らなければ、いつか墓穴を掘ると思った。
それに私の特殊技能のこともあるので、あちらさんの弱味とかほしい。片っ端から機密をコピー&痕跡抹消。
……こんなやわな構成で大丈夫なのかこの組織。
カリカリカリ
「!、今行きます!」
私の住む別荘は3階建てで、1階は壁をぶち抜いたワンフロアで50畳…よりはひろいかも。ここは主な生活スペースとして使っている。
だからたっぷりとした白の天蓋付きベットやカウチ、猫足のテーブルにロッキングチェアや暖炉、生活用品などがある。
2階は主に本棚が占拠していて、あるのはソファと給湯室もどきだけ。あと客間もこの階にある。
3階は屋上に続く階段がある。あとは趣味嗜好を楽しむための物などがところせましと積んである。ちなみにデスクもここだ。
と、説明はここまでとして急いで空の神様を入れて差し上げなければ!
「どうぞ、空の神様」
『うむ』
パタン
「……っておい、俺は無視か!?入れてくれよ!」
そう叫んで勝手に入ってきたのは藤本獅郎。ちょっとムカついたから顔めがけて濡れタオルをぶん投げた。
「おじさん、それで汚れ払ってから入ってね」
「ったく、可愛くねぇガキだな」
さて、ご飯にはまだ早い時間だ。しかしこの頃冷えてきたから空の神様にホットミルクをだす。猫舌でも問題ないように適温にしてある。
『ありがとうの』
「いいえ、どうぞこの敷物を使ってください」
『おお、暖かじゃ』
「おじさんは向かいの椅子ね」
とりあえず食卓テーブルに皆でつく。
(気持ちの差が対応の差か……)
「さて、ご用件は?」
「……はぁ、ここに来たのはお前のことについてだ」
この山の悪魔たちを祓いに来たというならば徹底抗戦の構えだ。情報戦線では負ける気がしない。
詳しく聞くと、後になって零二にバレたらしくギャン泣きされた両親は私を連れ戻そうとしたが、何故か山の別荘にたどり着けないので助けを求められたそうだ。
思っていたより幼稚な内容で助かった、だが。
「一つ言っておくけど、私は既に勘当されてる身なの。ネットで確認して私の情報のロックと改竄の制御もしてあるし」
「ハ?」
「どうやっても私は戻らない。痕跡も残らないように彼処にいた情報は全て消したもの」
手を組んで肘をたてそこに顎をのせた。気分は碇ゲンドウである。
「情報の破棄は得意だ」
「コエー、なにこのガキコエー!あーもー、わかった!白鳥家がここに入れないのは呪いとして処理、そして解除は白鳥家の汚職のせいなのでどうしようもないと言うことにする」
「おじさんの物分かりが良くてよかった。そうでなかったら国籍抹消してやろうかと」
「あー!あー!コエーこと言うなって!!冗談に聞こえねぇ」
おじさんをからかうのはとても楽しい。そのあとこれからのことを話し合って、いつのまにか昼になったなので昼食を振る舞ってあげることにした。
『ぬしの飯はいつも美味よ』
「ありがとうございます!」
「うちの料理番よりうまいな」
『当たり前じゃ、雪は良き子ゆえ』
(こいつら親バカとマザコンに見えてきた)
ご読了ありがとうございます。