もののけの子   作:雪谷

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能ある鷹は爪を隠すが捨て子は研ぎ澄ます

 あれから1ヶ月がたった。

 

 その間はひたすらこの世界の知識を、不正に入手または発信して情報屋として活動している。

 

 この世界、私が前いたところよりインターネット系の技術があまり進んでないから今のうちに集めてしまうことにした。私に盗めなかった情報はなかったし、へまをして捕まることもなかった私の技術からすると赤子の手をひねるより簡単であくびがでてしまう。

 

 私は前のところでも表と裏の境目にいる、ある意味一番ヤバイ奴等と一括りにされながら生きていたからこんなの目を瞑っていたって完璧にこなせる。

 

 話は変わるが、実はこの家地下室があってその入り口はなんとベットの下。最近発見したので、中を整理して金庫を発見。

 

 何と中には白鳥家やその他大手企業などが不正の限りを尽くした証拠が入っていた。それを綺麗にファイリングして、その横にこの世界の暗黒面全般が分かる書類をしまった。

 

 それいがいの私の生活スタイルは変わっていない。

 

 朝の散歩をして、ご飯食べて、クラッキングして、空の神様が来たら訓練。

 

 しかし最近は藤本獅郎がたまに遊びに来るようになった。年齢に合わせた教材と玩具を持参して。

 

 子供のおもちゃってすごいね、初めて遊んだんだけど意地になって遊ぶくらいには楽しい。でもこれって精神が体に引っ張られているからなのだろうか?

 

 だって空の神様は一緒に遊んでくれるけど、藤本獅郎は生暖かい目で眺めてるだけだから。

 

 今も私が積み上げている大量の積み木に頬を引きつらせながらも、どこかその目は生暖かい。すこしイラっとしたから聞かれたくないであろうことをつついてみようと思う。

 

 

「そうだおじさん、白鳥家の件はかどってるの?」

 

「ああー、それなぁ」

 

 

 どこか疲れたように息を吐くおじさん。白鳥家はかなり姑息で意地汚いし、おじさんの思いもよらない凶悪さもある家だ。

 

 その白鳥家が私をさがして祓魔師まで動かした。それを納得させるための汚職の証拠はつかめたのだろうか?

 

 

「巧妙に隠されていて日本支部の奴等はお手上げ。どこで拾ったのか子飼いの祓魔師もいて、使い魔も追い払われる」

 

「ふーん」

 

「ふーんってなぁ、はっきり言って息詰まってるってのに呑気なやつ。それに時間もないってのに」

 

 

 この様子じゃあいつ白鳥家が強行してくるかわからない。しょうがないか。

 

 遊んでいた積み木の城3mを片付ける。

 

 そしてベットからあまる布団をめくって、カモフラージュの武器入れをよけた。

 

 

「うわ、何コレ?デリンジャーにガトリング、ライフルと手入れ一式に改造もできそうだな……消音もあるし、こんな凶悪なものどうした?」

 

「空の神様にもらったり、報酬の代わりでもらったり」

 

 

 かごに入れておいただけだから、普通に見られてしまったけど普通の人は使えないようになってると言うと、あちこちさわって弾がないことに気付いたようだ。

 

 

「それは特殊だから私専用なんだ」

 

「成る程、グリップと銃身も強化してあるようだが……」

 

「対人のせんも考えて、衝撃に強くした」

 

「えげつな」

 

 

 話ながらピッキングを終える。

 

 

「お前……」

 

 

 何か犯罪者を見るような目で見られてるけど、気にしない気にしない。今更だし。

 

 地下へ続く階段を降りて暫く。2、3階分は降りた頃やっと部屋へたどり着いた。

 

 換気口以外温度を左右するものはないので、地下ゆえとても寒い。息が白む。

 

 ここは上の階より広くつくってあり、4対1に区切られており手前の方が狭い。狭い方は所謂地下牢となっており、折檻用の道具と見張りのための机と椅子のみ。

 

 

「おい、おい!なんじゃこりゃあ……」

 

「そう思うよねぇ、私も一回しか使わなかったけどさ、血の跡がしつこくて使いもんにならんの」

 

「待て」

 

「その人、殺人鬼だったから、空の神様に言って神隠ししてもらったんだけど」

 

(それ以前にどうやってここまで?)

 

 

 何やら考えている様子のおじさんをほおって、奥に進んで行くと様々な実験道具と祓魔師のための本などが、ところ狭しと並んでいた。

 

 

「ここは単に私が集めたものだから問題ない。ルミノール反応なら私の物しかでないと思う」

 

「お、Sランクの聖水じゃんこっちは銃弾?いや栄養剤と麻酔弾か」

 

「漁るな」

 

 

 一声かければ不満そうに少し離れた距離をつめてきたので、さらに奥に進みキャスター付きホワイトボードを置いてある壁際までつくとおじさんは不思議そうにこちらを見下ろした。

 

 

「このワケわからん論理が証拠になんのか?」

 

「これじゃない」

 

 

 そう言ってホワイトボードを避けた。




ご読了ありがとうございます。

一話ごとの文字数が短めなので、なかなか話が進まないことがあると思いますが気長に眺めていただければと思います。
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