友人が能天気な紅白饅頭なんだがキレても良いか? 作:オティンティン大明神
特別編 1年B組 引合石くん!
雄英高校に合格した俺はショートと共に学校へと向かったのだが、どうやら俺とショートは別のクラスらしく俺がBでショートがAに行く事になった。
「……昼休み行くから」
クラスが離れる事により危惧していた事態が発生しそうになっていた為、笑いながらそれを止める。
「アホ。この際友達作りでも頑張ってみろ、凝山時代を思い出せ。だいたい何とかなる筈だ」
そう言いながらデコピンを1発かましてやると此方をジト目で見ながら頷くショートが出来上がった、そんなショートに手を振り俺はB組へと入っていく。憧れの高校生活、大和もショートもいない。恐らくの俺のフィーバータイムでモテモテな時代が眼前で待っている。この扉を開けば、俺の楽園が待っているんだ。
「おはようクラスメイト諸君! 俺の名前は引合石! 今をときめく至高の大天才であり!世界が羨むちょーイケメン! よろしく頼むぞ! 」
扉を開けながら自己紹介をかまし教室を見渡す。その瞬間、俺の視界に理解し難い光景が広がっていた。
「ハハハハ! やぁ君もB組かい!? 僕は物間寧人、これから僕達でこの雄英に新たな風ヴォッ……!?」
「……まーたコイツみたいな濃いキャラが来たのか。あたしは拳藤一佳、よろしく」
俺のテンションについてきながらも尚それを凌駕する逸材、そしてそれを手刀で抑えるツッコミ役の女子。
「うーん……心にガシッっとくるね! 良いね! グワーッときてガーッと盛り上がってきたよ! 」
なんか擬音で喋る奴に
「朝から元気良さそうだな! そういうの俺好きだぜ! 俺は鉄哲徹鐵、よろしくな! 」
熱血系の熱い奴。他にも厨二病の体現者とかキノコの擬人化とかリアル美女と野獣の野獣がいたりした。後、ついでにボンドマンもいた。一通りのキャラは把握した、取り敢えず一言で纏めさせてもらおう。
「……いけるぞお前ら! お前らとなら天下を撮れる! 中学時代に引けを取らぬ奴らばっかりだ! 」
「いや。別に天下取るつもりないから」
少々野暮なツッコミが入ったが全く気にならない、一緒にいればキレキレのツッコミに成長するだろう。その時をゆっくりと待とう。クラスを見渡す、そして俺は自分の幸運に涙した。
こんな逸材が集まる環境が凝山以外にあっただろうか、涙が止まらない。コイツらとなら絶対に退屈しない学校生活が送れる。俺が先導しなくとも絶対に楽しい展開が待ってるに違いない。
一人一人性格の濃さが俺好み。叫ばざるをえない、神がいるなら感謝する。俺をここに入れた事を。
「最っ高だB組ィィィィィッ! お前ら最っ高だァァァッ! 俺達なら雄英に伝説を築き上げれる! この俺が言うんだから間違いない! 」
伝説と聞いてまっくろくろすけがソワソワし始める。そして急に褒められたクラスメイト達の目に悪感情は宿っていない、困惑と喜悦。それが目に見えた。
いける、そう確信し俺は声を張り上げた。
「ここにいる俺達はまだヒーローの卵! だが! 俺達はあの最難関の壁を通り抜けたエリートの中のエリート! つまりこの時点で俺達は優秀だ! 」
そう、俺達は優秀だ、当たり前の事だがこれを言い張るのは大切な事だ。人間ってのは褒められるのが基本的に大好きな生物だ。特別な事情を除いて褒められて嫌な奴はいない、だからこそ俺の賛辞に皆が耳を傾けていた。本心から放たれる言葉には力がある。だからこそ俺は言葉を続ける、これから始まる伝説の為に。
「自分の力に自信がない奴がいるかぁ!? いないだろう! なぁ鉄哲!?」
恐らく熱血系であろう鉄哲徹鐵、彼にそう言えば返す返事は決まり切っている。
「あったりまえだ! 俺達は自分に自信があるしやれば出来ると思ってる! だからここに居るんだろうが! 」
100点満点の回答に俺は満面の笑みを持って返事を返す。素晴らしい馬鹿だ、こういう系の馬鹿は非常に好ましい。
「生きる伝説オールマイト! 彼はここで様々な伝説を創り出した! 俺達ならその伝説を超えられる! いや超える! 俺達が超えるんだ! 」
オールマイトを超える。その言葉に端の方で倒れていた物間がピクリと動いた。今のところ、このクラスで俺はお前を1番評価している。お前なら俺達を先導して面白い方向へと導いてくれる筈だ。信じてるぞ。
「俺達B組ならどんな壁だって超えられる! 目指すは体育祭! 表彰台にクラス種目! 全てを俺達で染め上げるんだ! 」
俺が掲げた目標を考えたのか聞いていた者達の目の色が変わる、空気はもう完成した。後は突き進むだけだ。
「お前らァァァッ! 伝説に成りたいかァァァッ! 誰もが羨むスーパーヒーローになりたいかァァッ!? 」
言葉の返答は咆哮で返された。一人一人の熱の篭った声、それを超える声で俺は再び叫ぶ。熱を絶やさないように。
「声がちいせぇ! お前ら天下を取りたいかァァァッ! 」
俺の叫びをかき消す咆哮がクラス中を響き渡った。叫んでいない者もいるが、それにしろ全員の目が上昇志向に満ち溢れ、留まることを知らないと語っている。良く見れば倒れていた物間も立ち上がって吠えていた。最高かよお前ら
「俺達の伝説はここから始まる! どんな辛い事も悲しい事も俺達が一致団結すれば超えられる! 行こうぜ皆!ここが俺達の……」
「ヒーロー『うるさい』……ごへっ!」
文字通り空気が叩き壊される音がした、教台に頭を叩きつけられ意識が一瞬だけ吹き飛ばされる。誰だ!空気をぶち壊した馬鹿野郎は!
「先生が入りずらそうにしてるじゃない。ほら皆も落ち着いて席に座る座る! 」
そう言われ横をみれば大きな巨体を隠して入りずらそうにしている先生の姿があった。申し訳ない、けど良いところだったんですので許して下さい。
空気をぶち壊した下手人。拳藤一佳はそう言いながらクラスメイトにキリキリと指示を出していく。
おのれ……あと少しだったのに
「大丈夫か引合!? 」
「物間か……俺はもうダメだ、正直テンションガタ落ちだ。ヤツの物理的なツッコミで半分燃え尽きた」
俺を揺さぶる物間へそう返事を返す、というかここで俺の所に来るとかお前ほんと面白い奴だな。
「なんだと……!? おのれ…… 暴力の化身めッ! 」
「駄目だ物間……奴に逆らうなッ! 力によるツッコミに俺達は適わない。奴は俺達に対する絶対的な抑止力、つまりはこのクラスの防衛装置なんだ……ガハッ! 」
まっくろくろすけが俺の言葉にソワソワしだし、ポニーテールツッコミ美少女が顔を真っ赤にして俺達を睨み付けるが俺は心を鬼にして言葉を続ける。彼女には素晴らしいツッコミ役になれる才能がある、俺はその才能を引き出す手伝いをしなければならない。
「拳藤一佳……まさかそんな存在だったとは……ッ! 」
俺の言葉にノリながら拳藤へと視線を向ける物間。さてはコイツ他人弄るの大好きな生物だな?
俺もだ。
「物間……栄光を……掴め。俺の代わりにB組の皆と共に伝説を築きあげるんだ」
「任せろ……僕が君の代わりにB組の皆と伝説を掴む! 」
そろそろ席に座ろう。と小声で物間に言いアイコンタクトで了承を得る。へんな劇をやっていた俺達に顔を真っ赤にした拳藤が襲い掛かる。が、その瞬間に俺達は蜘蛛の子を散らすように席に座り先生が入るのを待つ。
「拳藤さん! 早く席に着いてください! 」
「そうだよ! 全く……暴力に支配されているのかい君は? 」
俺達の有難い言葉に拳藤の身体が幽鬼の如く揺れる。その瞬間、俺の意識は何処かへと吹き飛んだ。
「……あー……入っても良いか? 」
「どうぞ」
「……イレイザーの言う通りに引合はAにすべきだったか? 」
これは俺達B組が伝説を築き上げる物語の序章、拳藤を煽ったり物間を虐めたりA組を煽ったり青春を楽しんだりする俺の人生の1ページだ。
書いてて楽しかった()
好評なら短編になる可能性があります(なるとは言っていない)