友人が能天気な紅白饅頭なんだがキレても良いか?   作:オティンティン大明神

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まーた削って削って削ってこれ。短くてさっさと読めるのが好きなのに
これから頑張るから許して


個性把握テスト下

「えー先程緑谷さんが素晴らしい成績を出しましたが…彼が無個性だと言い張っていた爆豪さん。何か意見は御座いますでしょうか?」

 

「…んだありゃあ。あり得ねぇ」

 

「…駄目です。俺の話がまったく聞こえていません。半分壊れたラジオです」

 

緑谷がボールを天より高くかっ飛ばした直後。彼が無個性だと言い張っていた爆豪くんに今の心境をお聞かせ願おうかと思っていたらかなりショックだったらしく、茫然自失。ブツブツと何かを呟いていた。背中を叩いてもうんともすんとも言わない。大丈夫かコイツ?

 

「先生…まだ動けます!」

 

「コイツ…!」

 

そんな爆豪を尻目にどんどんと現状は進んでいき、指を真っ赤に膨れ上がらせた緑谷が涙目で先生に虚勢を張り、先生もその姿を見て、何やら驚いたような顔をしていた。

 

「指…折れてね?」

 

「指が膨れ上がっているな…入試の件といい。不思議な個性だ」

 

ここまで入試入試言われると入試で緑谷は一体何をしたのかが気になってくる。

 

「そう言えば…緑谷って入試で何やったんだ?」

 

「あぁ…君はあの試験会場にいなかったのか。彼は0点ギミックに襲われている受験者を助ける為に、あれに立ち向かい顔面を吹き飛ばしたのだ」

 

「おー…中々男気があるな」

 

飯田によると、緑谷はあの巨大ロボットに立ち向かい顔面を吹き飛ばしたらしい。さっきの投げる姿を見るに筋力増強系の個性なのだろうか。俺以外にアレを倒した奴がいるとは思わなかった。これは思わぬライバル登場かもしれないな。

 

「ただ…その代償に手足が折れていたみたいだが」

 

「個性発現したての赤ん坊かな?」

 

前言撤回、アレを倒す為だけに手足を犠牲にしてたら何の意味もない。普通個性が発現したら使いこなせるように訓練するのが当たり前だろう。俺も訓練してここまで自由に動かせるようになったんだ。まさか人生で一度も個性を使った事がない訳がないし。

だが、現実問題目の前で指を真っ赤に膨れ上がらせた緑谷がいる。これはつまりそういう事なのかもしれない。

 

「指が腫れ上がってるのは…そこに力を集中させたからか」

 

「確かに…入試の時と良い、それなら納得が出来る。身に宿る個性があまりにも強力故に、彼は今まで個性を使う事がなかったのかもしれない。それ故に個性を扱いきれず自傷してしまう…と」

 

「多分だけどな。余りにも身体に負担が掛かる個性だから親が使わせたくなかった。だが、今回の入試に受けるに当たって使う必要が出来、自分を省みず個性を使った」

 

我ながら中々に筋が通っていると思う。名探偵引合を名乗っても良いのではないだろうか。

 

「…親御さんも彼が個性を使うのには心配しているだろうな」

 

「緑谷がヒーローになりたいんだから仕方ない」

 

「…彼が個性を使いこなせるようになったその時、初めて彼の実力が見れるということか」

 

飯田がそう結論づけ話を終わらせる。指先だけであのパワー、それをノーリスクで使いこなせるようになれば俺もドン引きするくらい強い個性になるだろう。

今はただの自爆特攻だから何とも言えないけど。

 

「どーいうことだ!こらワケを言えデクてめぇ!」

 

「うわぁぁぁぁ!」

 

隣から爆音が聞こえそちらを見ると爆豪が緑谷に向かって特攻をしかけていた。あの個性を見て特攻するとか返り討ちで殴り殺されるぞお前。

 

「落ち着け爆豪」

 

流石に超パワーに殴り飛ばされてミンチより酷いのは見たくないので茫然自失となっていた時に触れていた爆豪の背中を-に俺の真下の地面を+にして引き寄せる。

 

「─ァ?身体がこれ以上進まねぇ!?これをやってんのは…テメェか糞端役!とっとと解除しやがれ!」

 

「命の恩人に失礼だなお前。あの威力見て特攻するとか自殺志願者でもやらないぞ」

 

両手から爆発音を出し空を浮く爆豪。俺が引き寄せてるというのにそこから動かないという事は抵抗出来てるという事だ。もっと出力をあげるべきか?

 

「…ガァァァッ!」

 

「結構出力高いけどまだ拮抗するのか…ッ!」

 

中々に強情な爆豪に頭を悩ませていると俺の個性が突然解除される。それと同時に爆豪も個性を使えなくなったのか音を立てて地面に落下する。先生が個性を解除したんだろう、流石先生だ。出来れば爆豪が動き出した瞬間に止めて欲しかったけど。

 

「…二度も三度も俺に個性を使わせるな!」

 

「俺はドライアイなんだ!」

 

そんな先生のカミングアウトに、目を使う系の個性でドライアイは大変そうだと少し同情した。

 

「時間が勿体ないからさっさと次、準備しろ」

 

その言葉に動き出すクラスメイト達。因みに次は尻尾を持った少年だったらしく、尻尾でボールを横薙ぎに吹き飛ばしていた。

 

「指、大丈夫?」

 

「うん。なんとか」

 

ボール投げで∞の記録を叩き出していた麗日という少女が緑谷を心配そうに接する。思わず嫉妬しそうになるのを堪え、緑谷を睨む爆豪に話し掛けに行く。何やら緑谷に思う所があるようだ。

 

「…そろそろ落ち着いたか?」

 

「有り得ねぇ…どういう事だ?アイツに個性はなかった筈」

 

「…駄目だこりゃ」

 

俺の存在に気付いてないのか、ただ緑谷を睨み続ける爆豪。そんなに緑谷に個性があったのが嫌だったのだろうか?謎が深まるばかりである。

 

その後も俺の個性が使える競技しかなくやはり俺の個性が万能であるという証明がされた。女神の方が万能で有能?そうだね。あれを越える万能な個性は存在しないと思うよ。

 

「─んじゃパパっと結果発表」

 

「ドキドキするな轟!」

 

「夜嵐。静かにしろ」

 

「すいません!」

 

夜嵐が先生に注意されていると峰田が顔を真っ青にして俺に話し掛ける。一体どうしたというのか。

 

「ヤベェよ引合。緑谷の成績に誤魔化されてるけど…オイラの成績も反復横跳び以外酷いんだよぉぉ!」

 

「このままじゃ最下位かもしれねぇ!」

 

小さな声で悲鳴をあげる峰田の肩を優しく叩き返事を返す。短い間だったけど楽しかったよ。

 

「除籍になっても、元気でな」

 

「嫌だァァッ!オイラは絶対に最下位にはならない!プロヒーローになって女の子にモテるんだぁぁっ!」

 

無心で祈り始める峰田を無視して先生の話は続く。

 

「トータルは単純に各合計種目の評点を合計した数だ。口頭で説明するのは無駄だから一括開示する」

 

「除籍は嫌だ除籍は嫌だ除籍は嫌だ除籍は嫌だ除籍は嫌だ」

 

峰田が祈る中、先生の機械から結果が空中に投影される。そして結果が投影された瞬間

 

「因みに除籍は嘘な」

 

「君らの実力を最大限に引き出す為の合理的虚偽」

 

「「はぁぁぁぁぁっ!?」」

 

「…良かっ…た」

 

とんでもない爆弾が先生の口から落とされ、クラスメイトを困惑の渦に叩き落とした。

あっ、峰田が安堵で白目を剥いた。

 

「あんなのウソに決まってるじゃない。考えれば直ぐに分かりますわ」

 

女神が困惑するクラスメイトを見て呆れたように言い放つ。いきなり個性把握テストとかやらすからマジでやると思ってました。流石は女神、俺が分からなかった事に平然と気が付ける。

俺も見習わなくてはならない。

 

「そゆこと、これにて終わりだ。教室に戻ってカリキュラム等の書類に目を通しておけ」

 

「…その前に緑谷はリカバリーガールに傷を治して貰ってこい。後、引合はここに残れ、少し話がある」

 

「以上。解散」

 

その言葉で思い思いに動き始めるクラスメイト。グラウンドに残るように言われた俺に峰田が良い笑顔で話し掛けてくる。

 

「除籍になっても、元気でな」

 

絶対ならんわ。土下座して靴の裏舐めてでも回避してやる。

 

「─取り敢えずお前に聞きたい事が」

 

「取り敢えず土下座するので許してください」

 

「待て、いきなり土下座するな。俺が土下座を強いる鬼畜教師と思われるだろうが」

 

グラウンドに残された俺は即座に土下座を敢行した。母ちゃん直伝『困った時は土下座しろ。正し連発するな』だ。俺の綺麗な土下座に困惑したのか、先生は止めるように言う。

こちとら除籍があるかもしれないのに土下座を止められる訳がないだろうが…ッ!許してもらえるまで土下座するぞ!

 

「いや、お前の事を除籍処分にするつもりはない」

 

「─先生。話とはなんなのでしょうか?」

 

「…変わり身早いなお前」

 

処分されないなら土下座をする必要はない。結局何の用なのだろうか?

 

「ボール投げの件だが、何故制御を手放した?」

 

何故手放した?それはドデカイ記録を

叩き出す為以外に存在する訳がない。

 

「そりゃボール投げの成績を出す為ですけど」

 

「…俺はあの時、お前に何と言った?」

 

確か…

 

「『取り敢えず円から出ずに記録が出たら何でも良い。さっさとしろ』でしたっけ?」

 

「そうだ。お前はそれでどうした?」

 

「凄い記録出す為にぶっ飛ばしました」

 

「…テストで確信つかない事をする馬鹿が何処にいる?」

 

「あっ」

 

確かにその通りだ。最下位が除籍になるテストであんな事をする必要がない。自分のコントロール出来る全力で問題ない。注目されたいからと言ってあそこまでする必要はなかったのだ。

 

「…既に成績が出てるからもう記録にはならんが、コントロール出来る限界で投げてみろ」

 

そう言われ投げ渡されるボール。もう一度投げろと言われたら投げるしかない。地面を-にボールを-にして反発させる。今度は完璧にコントロールを利かせ天までかっ飛ばし、ちゃんとグラウンドに落とす。

 

「良し…お前も教室に戻れ」

 

「どのくらい飛びました?」

 

「記録にならないものを知る意味はないだろ。大人しく教室に戻れ」

 

「うーす」

 

言われた通り諦めて教室に戻ろうとする。すると先生が何かを思い出したように俺に話しかけてきた。

 

「ところでなんだが…お前の両親は今どうしてる?」

 

「…確か父ちゃんが一般商社のサラリーマンで母ちゃんが専業主婦してますけど」

 

「…ヒーロー業をしてるわけではないんだな?」

 

何を言っているんだこの教師。俺の親がヒーローな訳ないだろ?

 

「両親二人とも無個性なんでヒーローになれる訳がないっす」

 

今時珍しい無個性の両親がヒーローになれるわけがない。何をどうしてヒーロー業をしていると思ったのか。

 

「…そうか、引き留めて悪かった。さっさと戻れ」

 

「うーす」

 

その言葉を最後にグラウンドを後にする。こうして俺の一日目の学校生活は幕を閉じた。明日からの授業が楽しみだ。




──???side

「…似てましたよ、彼。まるで昔のあの人達の生き写しだ」

「相澤くん…やはり、私は彼に合わせる顔が」

「しっかりして下さい。ここまで合理的じゃない事をしたんですから、貴方も覚悟を決めて下さい」

「彼は貴方と両親の関係を知らないみたいです。その意味が分からない貴方ではないでしょう」

「分かってるのだが…どうしても」


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