友人が能天気な紅白饅頭なんだがキレても良いか?   作:オティンティン大明神

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戦闘訓練 チーム分け

「出来た…これこそ俺の最強のコスチュームであり最強の武器」

 

被服控除。それは入学前に『個性届け』と『身体情報』を提出すると学校専属のサポート会社が素敵なコスチュームを用意してくれる素敵なシステム!

 

「素材は…伸縮性抜群で耐久性が高いのが良いな。後…手の甲の部分にちょっとしたギミックを」

 

「なーに小学生みたいにウキウキで描いてるのよ。ちょっとお母さんに見せなさい」

 

「キャー!痴漢!変態!エッチ!」

 

要望を添付する事で便利で最新鋭のコスチュームが手に入る!

 

「あー…なるほどなるほど、流石は私の息子。考える事がド畜生だわ」

 

「戦いに勝つためのコスチュームなんだから、この考えは当然じゃね?」

 

人のコスチュームの要望を覗き見した母ちゃんがそんな事を言い出す。コスチュームに見た目とかどうでも良いだろ。ヒーローは絶対に勝たなくちゃならない、その為の戦闘服なんだから。後、自分の息子をド畜生とか言うのはどうかと思う。イケメン天才で可愛い愛息子をそんな扱いとか酷くない?

 

「まぁ…がんばりなさい。色々と」

 

そうしてコスチュームは俺の要望通りに送られてきた。制服から体操服に着替え、送られてきた指抜きグローブを手に装着する。素晴らしい着け心地、これで俺は完璧、今の俺は無敵だ。

先程貰ったオールマイトのサインを見て気分も高めてきた。俺は未来のプロヒーロー、絶対に負けない。

 

「始めようか有精卵共!」

 

グラウンドβにクラスメイトが集まりオールマイトが高らかに宣言をする。

 

「戦闘訓練の始まりだ!」

 

雄英高校ヒーロー科に入学して、初めてのヒーロー基礎学の始まりだ。

 

「良いじゃないか皆!カッコいいぜ!」

 

このグローブの良さが分かるとは流石はオールマイト。最高のヒーローは観察眼も一味違う。

 

「ムム!?」

 

クラスメイトを眺めたオールマイトは何かを見つけたように一人を凝視すると、噴き出すのを堪え始める。一体誰を見て笑ったんだ。

 

「おい。見ろよ引合…女子のコスチューム」

 

「素晴らしい…特に八百万のコスチュームが最も素晴らしい。あの為なら死ねる」

 

「分かる」

 

親指を立てながら話し掛けて来る峰田に同意を返し、そのまま熱い握手を交わす。

このクラスの女子は皆美人だ。そんな彼女達がコスチュームに纏う姿は美麗の一言につきる。特に女神のコスチュームは素晴らしい、遠慮なく開いた胸元。大きく露出された足、肩から全部見える腕。思わず凝視したくなるその全てが、黄金比で作り上げられている芸術。現代に産まれた女神そのものだった。

 

「…その気持ち、良く分かるぜ」

 

俺と峰田が頷き合っていると突然横から同意が飛んでくる。

 

「引合だっけ?昨日ボールかっ飛ばしてたよな。俺は上鳴電気、よろしく」

 

そう言いながら話に入る上鳴電気。こんなに気さくに話し掛けてくるが俺には分かる、コイツは俺の不倶戴天の因敵。大和と同じ臭いがする、つまりコイツはチャラ男でモテ男だ。

 

「すまん、モテ男を見たら地面に埋めたくなるんだ。本当にすまん。後で埋める」

 

「待て待て待て!埋めるな!落ち着け!」

 

目の前にいるのはイケメンでチャラ男でモテ男。つまり俺の敵、お前とは必ず争わなければならない時がくる。ならば先に埋めるのが合理的だろう。

 

「三人とも!今は授業中だぞ!ところで先生!ここは入試の演習場ですがまた市街演習を行うのでしょうか!?」

 

挙手をしながら俺達を注意し、オールマイトへ質問をする飯田。コスチュームがロボットみたいで中々カッコいい、ロボットは男の浪漫だ。

 

「いや!今回はその二歩先に踏み込む!屋内での対人戦闘訓練さ!」

 

「ヴィラン退治は屋外で見られる事が多いが…統計で言えば、屋内のほうが凶悪ヴィラン出現率は高いんだ!」

 

「監禁、軟禁、裏商売。このヒーロー飽和社会…」

 

そこで一回区切り、オールマイトは声色を変えて説明を続けた。

 

「真に賢しいやつは室内…闇に潜む!」

 

「これから君達にはヴィラン組とヒーロー組に分かれて」

 

「2対2の屋内戦を行って貰う!」

 

基礎訓練もなしにいきなり屋内戦を行うという言葉に驚愕が走る、だがオールマイトが言うのだ。必ずそこには今の俺達の計り知れない理由がある。

 

「基礎訓練もなしに?」

 

「その基礎を知る為の実践さ!」

 

カエル顔のクラスメイトの言葉にオールマイトがそう説明する。なるほど基礎を知る為の実践、流石はオールマイトだ。

 

「た、だ、し。今回はロボットをぶっ飛ばせば終わりという訳ではない!」

 

そう言い区切ったオールマイトにクラスメイト達から質問が襲い掛かる。

 

「勝敗のシステムはどうなりますか?」

 

勝敗のシステムの説明を求める女神。

 

「ぶっ飛ばせばいいんスか?」

 

取り敢えず敵はサーチアンドデストロイで良いのかと聞く馬鹿豪。

 

「また相澤先生みたいに除籍とかあるんですか…?」

 

怯えた顔をしながら問う者。

 

「分かれるとはどのように分かれれば良いですか!?」

 

馬鹿真面目な性格らしく、チーム分けの方法を聞く飯田。と皆が口々にオールマイトに質問をする。これにはオールマイトも堪えたらしく、顔を天に向け腕を震わせ

 

「ウーン…ッ!聖徳太子!」

 

関係ないが聖徳太子は10人の話を聞けたらしい。これはもう殆ど個性ではないのだろうか?

 

「では設定状況の説明だ!『ヴィラン』がアジトに『核兵器』を保有し!ヒーローはそれを処理しようとしている!」

 

中々ユニークな設定だ。アメリカの映画でありそう…というか絶対あるな、こんな設定の映画。主人公オールマイトで。

 

「『ヒーロー』は制限時間以内に『ヴィラン』を捕まえるか『核兵器』を回収する事!『ヴィラン』は制限時間以内まで『核兵器』を守るか『ヒーロー』を捕まえる事!」

 

勝利条件はお互い同じらしい。だけどこれはヴィランの方が圧倒的に有利だろう。取り敢えずヴィラン役をしたい。

 

「コンビ及び対戦相手は…くじだ!」

 

「適当なのですか!?」

 

おもむろにクジの入った箱を取り出すオールマイト。何処に置いてたんですかそれ。

 

「プロは他社の事務所と急造チームを組む事が多いらしいから…つまりそういう事じゃないかな?」

 

「そうか…先を見据えた計らい…失礼しました!」

 

全身緑色のスーツを纏った緑谷から説明を受け、納得したように頷く飯田。これで全員がルールを把握した、なら次は

 

「いいよ!さぁ始めよう!一人ずつクジを引いてくれ!」

 

チームメイトを決めるくじ引きの時間だ。

 

「──オイラと八百万は同じチーム!残念だったな引合!」

 

「…手を出してみろ。その時お前を壁の染みにしてやる」

 

「へっ!脅迫が怖くて痴漢が出来るか!」

 

簡単に現状を説明しよう。峰田が女神と同じチームになった。もしも峰田が敵となったらその時は真っ先に峰田を行動不能にしてやる、絶対にだ。

 

「あぁ。君がチームなのか」

 

「そういう君はボール投げで面白い投げ方をしていた尻尾少年」

 

「尾白猿夫、今回はよろしく。後…君の方が面白い投げ方をしていたと思うけど」

 

「フハハこやつめ」

 

俺のチームは尻尾を持った少年、尾白猿夫。長いので尾白と呼ばせて貰おう。

 

「運が良かったな尾白。コスチュームを着た今日の俺は強い、そりゃもう向かうところ敵なしレベルで強い」

 

「…普通の体操服に甲に出っ張りのある指抜きグローブを付けてるようにしか見えないけど?」

 

そういう尾白こそ普通の柔道着を来ているだけだと思うが機嫌が良いので追及しない事とする。運が良かったな尾白少年。

 

「ただの指抜きグローブに見えるだろこれ?チームメイトには教えておこう。耳貸せ」

 

そう言いながら尾白の耳元に口を近づけ他の人に聞こえないように話す。

 

「 ──ってわけだ。どうだ?」

 

俺のスーパー指抜きグローブの性能を聞いた尾白は口元をひくつかせ

 

「…えげつなっ!」

 

と、失礼な事を言い放った。解せぬ、誰もが称賛するスーパー指抜きグローブなのだが何が不満なのだろうか?




引合石 コスチューム

指抜きグローブ
伸縮性抜群で耐久性あり
謎のギミックあり(尾白ドン引き)
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