友人が能天気な紅白饅頭なんだがキレても良いか?   作:オティンティン大明神

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カービィの新作が出ましたよ!
出ましたよ! やったね!
つまり更新が遅れるね! 大変だ!


ウソの災害や事故ルーム 1

USJ、それは大人と子どもの夢を叶える楽園の地。ハリ〇ッドの超大作映画をモチーフとした大興奮のライドや人気キャラクターのショーのが楽しめるアミューズメントパークだ。

 

「すっげー! USJかよ! 」

 

赤髪の少年、切島鋭児郎が興奮を抑えきれずに叫ぶ。彼等の目の前には崩壊したビル群、遠く広がる水域、土砂崩れに巻き込まれた家屋。その他、ドーム状になった場所が幾つかあり、その光景を例えるならば災害の見本市。

ありとあらゆる災害を再現したこの場所は、何も知らない者が見ればテーマパークと思わせる程の壮大さがあり。切島の言葉はここにいる者達の総意を代弁していた。

 

「これが倍率300倍、雄英高校の資金力……ッ! 俺の家が何十件入るんだ!? 」

 

そう絶句するように呟くのは、皆様お馴染み引合石。彼が目の前の光景を見て思った感想は皆とは少し違ったらしく、広大な敷地と自分の家を比べ、雄英の資金力に驚愕していた。

 

「ウチなんて何百件入るか分からんで!? 」

 

そんな引合の呟きに麗日お茶子の同意が入る。興奮と驚きの入り交じった声色で語られるそれには説得力が大いに感じられ、自分の家の方が多く入ると宣言していた。つまりは貧乏自慢である、奴隷の鎖自慢と殆ど変わらない。ある意味聞いている者に切なさを感じられる言葉であった。

 

「……言うほど大きいでしょうか? 」

 

そんな二人の声に八百万百の独白が掻き消される。もしもこの声が彼等に聞こえていたとしたら、彼女は世間知らずのお金持ちのお嬢様として認知されていただろう。

 

「水難事故や土砂災害、火事……etcと。ありとあらゆる事故や災害を想定し僕が作った演習場です」

 

機械音に似た声が響き渡る。彼等が声の主を見れば、そこには宇宙服に似たコスチュームを身に纏い、表情の見えない存在がそこにいた。

 

「スペースヒーロー13号! 災害救助で目覚ましい活躍をしている紳士的なヒーローだ! 」

 

「わー! 私好きなの13号! 」

 

重度のヒーローオタクである緑谷出久が即座に目の前の存在が何者なのか把握し、13号のファンである麗日が喜びの声をあげた。

 

「どのような災害現場でも対応出来る……その名も」

 

「 U ウソの

S 災害や

J 事故ルーム!」

 

((USJだった!! ))

 

USJ。それは夢を叶える楽園の地、だがこの雄英においてUSJとは、災害救助を学ぶ為の施設の名前を指していた。

 

1-A USJに到着する。

 

突然だが、引合石はお小言が嫌いだ。正確には大人に説教や正論を言われる事が嫌いなお子様なのだが、圧倒的自分主義な彼がそれを認める事は性格を矯正しない限り未来永劫あり得ないだろう。

 

「超人社会では個性の使用を資格制にして一見成り立っているように見えます。しかし一歩間違えれば用意に人を殺せ……」

 

(ながい……)

 

彼は長い話が嫌いだ。正確には淡々と、眠気を誘う話し方が嫌いだ。中学時代、問題児として教師に認識されていた彼はその辺の問題児が可愛く見えるレベルで問題児だった。

 

(……つまり周囲の安全に気を付けて個性を使いましょうって事だろ。周囲を気にせず使う馬鹿なんていないし……)

 

そんな事を思う引合の脳裏に複数の馬鹿が思い浮かぶ。このクラスにおいて馬鹿みたいな個性の使い方をしている存在が複数いる。1人は、自分と同じオールマイトオタクであり個性を使えば骨が折れる男。緑谷出久だ。

 

(あっ……緑谷がいたわ。アイツ個性使ったら骨折れるし、馬鹿みたいな出力しか出せないみたいだからアイツは気を付ける必要があるか)

 

そしてもう一人は先日の戦闘訓練でビルを壊した男、爆豪勝己。不機嫌そうに先生の説明を聞く彼を確認した引合は、心の中で溜息を吐く。

 

(あぁ……爆豪もキレたら何するか分からないか。だとしたらこの長ったらしいだけの説明にも意味が出来るか)

 

だとしても自分には無関係、そう引合は結論つける。普通ならばプロヒーローの有り難いお言葉なのだが、分かりきってる事を言うなという幼稚じみた思考回路を持っている彼からすればただ長いだけのお小言。

 

「相澤先生の体力テストで自身の秘めてる可能性を知り、オールマイトの対人訓練でそれを人に向ける危うさを体験したと思います」

 

(あっ女神可愛い。信仰しよ)

 

故に彼が先生の話を半分聞き流し八百万の方をチラ見するのは仕方のない事なのだろう。

 

……仕方ないのか?

 

「……引合、ちゃんと聞け」

 

「うっす! 勿論13号先生の話を一言一句逃さず聞いております! 」

 

「……言ってみろ」

 

「『相澤先生の体力テストで自身の秘めてる可能性を知り……』」

 

「……聞いてるなら良い」

 

彼は無駄に器用である。どんな事でもこなそうと思えばこなす事が出来る。故に彼は教師から問題児として要注意扱いされていたのだ。故に話を聞き流しながらも内容を理解するという理解不能な行為が出来るのは当然の事であり、その事を付き合いの短い相澤が理解出来ないのも当然の事だ。

 

(女神のおっぱい触りたい……でも手を出したら女神が悲しむ。女の子にエッチな事をして泣かせたら母ちゃんに関節バキバキに折り殺される。詰んでる)

 

(……何故でしょう。少し悪寒を感じますわ)

 

相澤消太は知る事となる。引合石の特異性、その問題児っぷりを。凝山中学の教師から『えっ……轟君は理解出来ますが引合君が合格ッ!? 本当に良いんですか!? あっ……いえいえ別にあの子に問題がある訳じゃないですよ!? むしろ色々と優秀ですし……勉強だってちゃんと取り組めば良い成績を出しましたし』と、しどろもどろに教師に言わしめたその意味を。

 

そして……その機会は直ぐに訪れる。

 

「……ご清聴ありがとうございました」

 

「ブラボォォッ! おおぉッ! ブラァァァボォォォォッ! 」

 

13号が話し終え、真面目の申し子飯田天哉が溢れんばかりの感嘆の声をあげ拍手を打ち鳴らす。生徒達が拍手を打ち鳴らす中、相澤はこれから行う授業の流れを考えつつ大広間へと視界を移す。

するとUSJの中央、大広間で黒い靄が姿を現した。プロヒーローとしての経験が即座に相澤の脳内を駆け巡る。あれは侵入者、ヴィランであると。

 

「総員一固まりになって動くな! 」

 

相澤の怒号とも呼べる声に皆が驚いたように反応する。そんな中、引合は鋭い声で八百万へと話し掛けた

 

「八百万。急いでフラッシュバン出してくれ! 」

 

「えっ……えぇ! 分かりましたわ! 」

 

引合の言葉に反射的に反応した八百万がフラッシュバンを創造し引合へと渡す。

 

「しかし……これを一体……」

 

「先手必勝! 『対策せずに正面きって来る奴が馬鹿なんだよ』シュートッ! 」

 

「引合さんっ!? 」

 

八百万の言葉を受け流しながら引合は相澤が見ていた方向へと身体を向けフラッシュバンを個性を使い、黒い靄に向かって反射させた。

 

「チッ! 全員、目と耳を塞げ! 」

 

突然の引合の奇行に相澤は舌打ちを隠さず全員に指示を促す。混乱しながらも即座に相澤の指示に従う生徒達。

 

「どこだよ……オールマイト…ってなんだこれ……ッ! 」

 

黒い靄から百鬼夜行を彷彿とさせるヴィランの軍勢が現れる。その中で中心にいた男の足元にフラッシュバンが着弾する。

その瞬間、目が焼きつかんばかりの閃光と世界を揺らす爆音が大広間を包み込む。

 

「「グアアァァァァッ! 」」

 

突然の極光と爆音にヴィランは悲鳴をあげる。特に自分の真下に着弾した男は音と光に堪えられず意識を失う。

音と光が収まり、目を開いた彼等の目に映ったのは目を押さえながらのたうち回る哀れな者達の姿。

 

「先手必勝、戦う前に勝つ。この手に限る」

 

呆然と目の前の惨状を眺める生徒達の中、引合は計算通りだと言わんばかりに何度も頷き、八百万へ更なる兵器を要求した。

 

「さーって八百万。止めの睡眠ガスを一つ」

 

「渡しませんからね!? 」

 

「えっ……何で? 」

 

色々と言いたい事はあった。

 

即座に反応したのは上等だが、何故周りを気にせずあんな行動を取ったとか。

 

理解したのなら現状を周りに伝えようとは思わなかったのかとか。

 

自分が投げた物が何なのか理解しているのなら周りにそれを伝えるべきだとか。

 

「引合……一つだけいいか? 」

 

「なんです? 即座に敵を無力化したこのイケメン天才引合石君にお褒めの言葉でも? 」

 

どうだ。自分はやってやったぞと言わんばかりの引合の顔を見て、相澤は自分の中で切れては駄目な部分がプツリと切れるのを感じた。

 

なんだこの問題児は……

 

「上手くいって良かったが……やるならやるとちゃんと言え! 」

 

「フフフ。まぁ、とうぜ……あっいったァ!? 」

 

眼前の問題児の頭を全力で殴り、相澤は皆に指示を出す。

 

「13号!殿は俺に任せて、お前は学校へと連絡を取りつつ生徒を避難させろ! お前らは13号の指示に従いここから離れるんだ! 」

 

突然の事に理解出来ず混乱する生徒達だが、相澤の鶴の一声でハッとして指示に従い動き出す。そんな中、頭を殴られ悶絶していた引合が待ったを掛けた。

 

「いっつぅ……いや、ここはショートの個性でアイツらの足を奪う事の方が……」

 

「尾白! この馬鹿を引き摺ってでも連れていけ! 」

 

「分かりました! 」

 

太い尻尾で引合を拘束し、尾白が13号の後を追う。混乱する現場。相澤はゴーグルを装着し、臨戦態勢を取る。

 

「……やはりこうなったか。流石は僕の教えを受けた子、死柄木弔では彼を相手するのは分不相応だったという事か」

 

黒い靄の中から女が姿を現す。整った顔に黒い長髪。ふと、相澤は目の前の存在に既視感を感じるが、気のせいだと結論を出す。

 

死柄木弔と呼んだ男を黒い靄の中へと放り投げた女は、辺りを見渡し溜息をついた。

 

「折角……オールマイトに逢いに来たというのに、本人がいなくては話にならないじゃないか。黒霧、取り敢えず子ども達を散り散りにしろ」

 

「分かりました……それで、彼はどうなされるつもりで? 」

 

女に黒霧と呼ばれた黒い靄は、丁寧な口調で返事を返す。

 

「あの子は特別だ。時間稼ぎにしかならんだろうが、脳無を三体配置させた場所に放り込んでおけ」

 

不穏な会話を続ける二人の言葉を聞き、相澤は昨日のマスコミの一件はコイツらが絡んでいると察した。故に、目の前の存在を逃がす事は出来ないと腹を括る。

 

「僕は……目の前の雑魚を念入りに捻り潰す」

 

底冷えするような女の目が相澤を射抜く。歴戦のプロヒーローである相澤ですら思わず後ろへと下がってしまう程の眼光、これと似た目を見た事がある。あの既視感は気のせいではない。

この瞬間、その考えは確信に変わった。

 

緊張感が両者の間を支配する。1秒が永遠に感じられる中、黒霧と呼ばれた黒い靄を纏ったヴィランが空高く飛翔し、13号達が向かった出入口へと動き出す。

 

それが二人の開幕の合図となった。




死柄木弔君OUT
変な女の人IN

一体誰なんだ……?

追記
スタングレネードとフラッシュバンって同じものでしたね……優しい人から訂正が来たので直しました。
ありがとう見知らぬ優しい人!

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