友人が能天気な紅白饅頭なんだがキレても良いか?   作:オティンティン大明神

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さっさとUSJ終わらせたい引合を書きたいギャグやらせたい馬鹿を暴れさせたい(禁断症状)

──地獄のようなUSJから数日が過ぎたとかでスキップしたい。えっ?ダメ?あっはい分かりました
もう少しシリアスが続きますが……それでも良いと思う奇特な方はお付き合い下さい

あぁ……ギャグが書きたい(禁断症状)



ウソの災害や事故ルーム 4

 

悲鳴が鼓膜を震わせる。

眼前に広がる凄惨な光景、日常を侵食する圧倒的な悪意の前に少年はただ、震える事しか出来なかった。

 

「──君のせいだ。君が自分の身を犠牲にしなかったから彼は死ぬんだ」

 

絶望が視界に飛び込む、一体何処で間違えたのだろうか。あの時、逃げる選択肢を取らなかったから?それとも、今日学校を休まずにUSJに来てしまったから?それとも無個性の自分が『ワンフォーオール』を継承してしまった事?

 

「──だずげでぇ……だずげでぇくれぇ……死にたくねぇ……死にたくねぇ」

 

助けを求める目をしていた。逃れられない死の恐怖から救いを求める目をしていた。ヒーローならば助けなければならない。ヒーローならば。

 

「彼を助けたいならこう言えば良い『彼の代わりに僕を殺せ』と、その言葉に僕は従おう」

 

魔王の嘲るような声が少年の耳を穿つ。魔王は全て理解している、少年が分不相応な力を得たただの非力な子どもだという事実、この場で声を出せない現実を。

 

「『オールマイト』ならばこの程度の危機、笑って打破出来ただろう」

 

魔王は嗤う、震える事しか出来ず、目の前で助けを乞う存在に救いの手を差し伸べられない非力で凡百、小さな少年を。

 

「ヒーローとは助けを求める声に答えるのが仕事ではなかったのかな? どうするヒーロー? 君は彼を助けないのか?」

 

「お前達お得意の『自己犠牲』出来るものならやってみろよ」

 

その言葉を聞いても少年が口を開く事はない。ただ震え、地獄のような時間が過ぎ去るを待つ事しか出来ないのだ。

 

「既に四肢を砕いてある。この哀れなヴィランはこれから始まるゲームの説明の為に死ぬ」

 

死ぬ、その言葉に少年の胸が締め付けられる。自分が声に出さないから目の前の男は死ぬ。怖くて立ち向かえない自分のせいで誰かが死んでしまう。

 

「……聞くな、緑谷。お前のせいじゃない。全ては目の前の奴が……」

 

そんな声を掻き消すように魔王は笑う。聞いた者全てに不快感を感じさせるような下卑た声を大広間に響き渡らせる。

 

「ハハッ……ハーハッハッハッ! これはお笑いだ! 僕のせい? 僕はちゃんとチャンスを与えているだろう? それを無為にしてるのは彼自身だ! 」

 

震える少年の目を覗き込み魔王は話を続ける。

 

「自分の命と相手の命を天秤に載せ、自分の命を選ぶ卑怯者。分不相応な力を手に入れて自分が特別だとでも錯覚したか? 」

 

「手に入れた力が特別でも、お前は特別でもなんでもない。何処にでもいる、ヒーローにすらなれない凡百の存在だよ」

 

その証拠に、お前は目の前の命すら救えない。そう言わんばかりに少年の眼前で一人の男の命が奪われようとしていた。

 

「───ッ! 見るな! 緑谷! 」

 

横から聞こえる声に従おうとするも瞼を閉じる事も首を動かす事も出来ない。そんな少年の姿を見て、魔王は楽しげに笑った。

 

「四肢と胴体を反発させれば身体は千切れる。馬鹿でも分かる、当然の道理だ」

 

鮮血が舞う。力を失った肉の塊が地面へと転がり、断片から血液を流す。苦悶の表情のまま絶命した男の目が少年を射抜く。

 

「───ッ! 」

 

恐怖が少年の身体を支配する。死体は何も語らないと宣う者がいるが、少年はそれが真実ではないと身を持って理解した。

 

その目が語ってたのだ

何故、助けてくれなかったのかと。

何故、見捨てたのかと。

 

俺を助けなかったお前なんて死んでしまえば良いと。

 

「さて、ゲームを始めようか」

 

 

魔王の試練が始まる。

 

 

「ルールは簡単。君達が死ぬか、それよりも先にオールマイトが駆け付けてくれるかだ 」

 

魔王は二人に語る。

 

「僕が10数える、それまでに君達のどちらかが声をあげろ。分かってると思うがあげなければ両方とも殺す」

 

「声をあげた者は自分の四肢の好きな場所を選べ、その場所を僕が圧し折る。あぁ……同じ場所を二回選んでも良いよ。その代わり、その部分を引きちぎるけど」

 

「待て」

 

楽しそうに語る魔王にイレイザーヘッドは待ったをかける。その声に答えるように無言になり、言葉を促した。

 

「参加者は俺だけにしろ」

 

その言葉を聞き。魔王はイレイザーヘッドの目の前に立ち、歪んだ笑みのまま吐き捨てた。

 

「 駄 目 だ 」

 

「チッ! 」

 

瞼を開く事が出来ないイレイザーヘッドですら、魔王の表情が理解出来たのか吐き捨てるように舌打ちをする。その様子が楽しいと言わんばかりに魔王は言葉を続けた。

 

「これは君の矜恃と後継者の心を圧し折る為のゲームなんだ。それなのに後継者が参加しないだなんて話にならないだろう? 」

 

「後継者。先程、君のせいで人が死んだが……また君は見捨てるつもりかい? 」

 

眼前の死体の眼が睨みつける、人が死んだ。他の誰でもない自分のせいで。

 

「──ヴェ」

 

喉の奥からこみ上げる嫌悪感に耐え切れず少年は嘔吐する。吐瀉物が服を汚し、その苦い味が口の中を支配した。

 

「黙れオールフォーワン! 貴様が殺したんだろうが! 緑谷。こんな奴の声に耳を傾けるな。お前は何一つ悪くない! 」

 

「彼は助けを求めていた! 後継者が身代わりになれば彼の命は助かっていた! ならば彼を殺したのは誰だ!? 」

 

「貴様だろうがッ! 貴様の戯れに付き合わされて死んだんだ! 」

 

「薄汚い人殺しが! オールマイトさんが来た時が貴様の本当の最後だ! 」

 

イレイザーヘッドの言葉を聞いた魔王は笑う。心底愉快げに、無知を笑う愚者のように。

 

「……何が可笑しい」

 

「忘れたのかいイレイザーヘッド? 君の師匠達とオールマイトは確かに僕を打ち倒した、魔王として認めざるをえない。彼等は勇者だ」

 

「だが……勇者達は力を失った。君の師匠達は僕に力を奪われ、オールマイトは生涯残る大きな傷を負った」

 

故に、断言しよう。今の僕なら彼等を赤子の手を捻るように殺す事が出来ると。

 

この場に他の者がいたとしたら妄言だと鼻で笑っただろう。平和の象徴、オールマイトを殺せる訳がないと。だが、この場において魔王の言葉を妄言と笑う者はいない。

 

「イレイザーヘッド、君は彼等の個性の恐ろしさを理解している筈だ。二人で一つ、相反する個性を持った者達、その個性を奪った僕の恐ろしさを理解していないとは言わせない」

 

「もう一度言おう、君達はオールマイトが来るまでの暇潰し。そして……話は終わりだ」

 

その言葉を最後に魔王は数を数え始める。数が0に近づく事に少年の身体は震えを増していく。そんな少年にイレイザーヘッドは語り掛けた。

 

「──緑谷、これから何があっても絶対に声をあげるな」

 

「持っていけオールフォーワン! 俺の腕を! 」

 

その瞬間、イレイザーヘッドの残った片腕があらぬ方向へと曲がった。

 

悪夢は終わらない。

 




悪夢終わって(懇願)
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