友人が能天気な紅白饅頭なんだがキレても良いか?   作:オティンティン大明神

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区切りがめっちゃ良かったので短いです



ウソの災害や事故ルーム 5

生徒を守る、それが教師としての使命

市民を守る、それがプロヒーローとしての使命。

 

故に、相澤消太は己を死地へと追い込む。全ては子供達を守る為に、自分がここで死のうが彼に一片の後悔はない、それがヒーローと呼ばれる者としての使命なのだから。

 

『消太ァ! どんな時でも笑えってんだろうが! なにぃ……? 辛い? しんどい? なら倍の苦しみを味わせてやるよオラァ!』

 

『ヒーローが笑わずに市民が笑える訳ねぇだろうが! 大切なのは逆境でこそ笑う事! どんな戦い方でも良い、絶対に勝て! 卑怯上等! 俺がいるから皆が笑える! そんなヒーローが1番強いって事を忘れんなよ! 』

 

(……生徒を安心させなければならない。怯える子ども達の心に安心を与えなければならない)

 

「ハッ。この程度で俺の矜恃を圧し折れるとでも思ったのか? 魔王と恐れられた奴にしては随分やる事が小さいな」

 

虚勢を張る、痛みなぞ知った事ではない。奴はオールマイトが来るまでの暇つぶしだと言った。生徒を一人逃がしたと、黒霧と呼ばれるヴィランは言っていた。つまりこれは我慢比べ。授業をするより、ヴィランを捕まえるよりも簡単な仕事だ。

 

「吠えたなイレイザーヘッド。後、足の二本しかない事を理解している筈だ」

 

「さて、カウントダウンといこう」

 

数字が0へと近付く中、隣にいる緑谷へと語り掛ける。オールマイトの後継者、新たな平和の象徴。そんな少年は今、恐怖と絶望の真っ只中にいる。

 

「大丈夫だ緑谷。先生を信じなさい」

 

『絶望の中でこそ、光り輝くものがある。 オールマイトの奴が良く言ってる言葉だ。お前も、何時か絶望に陥る事があるかもしれない。そんな時こそ』

 

(Plus Ultra それを乗り越えてこそヒーローは光り輝く)

 

「持っていけオールフォーワン!俺の足を! 」

 

激痛と共に足の骨が折れるのを感じる。残り1本、正確には5回、まだいける。まだ笑っていられる。

 

「……まだ笑うか。イレイザーヘッド」

 

「当然。逆境で笑うのもヒーローの仕事だ」

 

何時も通りの笑みを浮かべる、どんな状況でもヒーローは笑わなければならない。

 

「──せんせぇ……」

 

「大丈夫だ緑谷。静かにしていろ。次、声をあげたら除籍だ」

 

『プロヒーローにとって一番大切な事? そうね……あの人も同じ事を言うと思うけど』

 

(『決意』を抱き続けろッ!この先、どんな状況になっても生徒達を守り抜く覚悟を! )

 

カウントが0へと近付く。残ったのは片足のみ、これを使うと次に待ち受けているのは四肢との永遠の別れ。本来ならば緑谷に頼み、この場を凌ぐのが合理的な考えなのだろう。

 

 

そんな合理的、クソ喰らえだ。

 

 

「残り一本……持っていけッ!」

 

四肢は砕け、次は別れの時間。

 

「……後継者。何故声をあげない? 君は震えるだけなのか? その力を持ち、君は動く事すら出来ないのか? 」

 

「ひっ……ぼっ……ぼくは……」

 

「黙れオールフォーワン。俺の矜恃を圧し折るんじゃなかったのか? 」

 

折れるものなら折ってみろ。俺の矜恃を

 

「命と矜恃、どちらを取るかと思えば……君は矜恃を選ぶか。不合理だ。理解が出来ない、ワンフォーオールの継承者達に彼等、そして君。君達は自己犠牲を自らに強いる異常者なのか? 」

 

理解に苦しむと吐き捨てられた言葉を聞き、イレイザーヘッドは笑う。その声を聞き、魔王から発せられる威圧感は更に強くなる。

 

「──何が可笑しい? 」

 

「生憎、その不合理を貫き通す事で俺達ヒーローは毎日の飯を食べてるからな。これを貫き通せない奴はヒーローを辞めるべきだと俺は思っているよ」

 

「……その不合理を貫くせいで君はここで死ぬ。それでも矜恃を貫くのか? 」

 

相澤消太は笑う、全ては生徒の心と身体を守る為に。

 

「そうだ。俺はプロヒーローであり教師でもある」

 

「生徒を守るのは教師である俺の仕事だ」

 

決して矜恃を曲げるつもりはない。と、不退転の意思を魔王へと見せ付け。抹消ヒーローイレイザーヘッド 相澤消太は笑った。

 

「10」

 

その瞬間、カウントが再開される。数字が0へと近づいていく中、相澤消太は緑谷に語り掛ける。

 

「……良いか緑谷。決して声を出すな」

 

「こんなザマになってはいるが……俺はヒーローでありお前らの担任だ」

 

「お前の命は俺が守る。だからもう少しだけ我慢するんだ」

 

「1」

 

カウントが遂に1を告げた。

 

「何処でも好きな所を持っていけ! オールフォーワン! 」

 

最後のカウントを掻き消すように、緑谷の悲鳴が相澤の耳に響き渡る。訪れるであろう想像を絶する苦痛を覚悟した瞬間。

 

全てを掻き消す爆音と共に、USJが揺れた。

 

「……ゲーム終了、か。やるじゃないかイレイザーヘッド。矜恃と後継者の命、両方とも守れたぞ」

 

USJに声が響き渡る。瞼が開かず姿が見えないが、声だけで分かる。その存在を、声だけでこの人になら全てを任せられると思わせる安心感を。

 

「 私 が き た ! ! 」

 

(遅すぎるんですよ……オールマイトさん)

 

平和の象徴。降臨す

 




【朗報】引合登場まで残り僅か
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