友人が能天気な紅白饅頭なんだがキレても良いか? 作:オティンティン大明神
朝の陽の光が窓を染め上げ、すっかり街に染まった鳥達が朝を知らせるように一日の労働を始める。時計を見れば短針が9を指していおり、これがゲームや漫画の中であれば「やっべ! 遅刻遅刻!」と主人公がバタバタと動いている事だろう。
「……なんだ9時か……まだ寝れるな」
部屋の主は眠たそうに眼を擦り、また眠りにつこうとする。そして飛び起きるように立ち上がり悲鳴にも似た絶叫を上げた。
「あーっ! やべぇガチ遅刻じゃねぇか! やべぇやべぇやべぇ! 」
その瞬間クローゼットがひとりでに動き出し、中から制服が部屋の主の元へと飛び込んでいく。下着だけで眠っていたのかそのまま飛び込んできた制服を着てひとりでに開く扉から下にいるであろう母親の元へと駆け出していく。
クローゼットがひとりでに開いたり制服が飛んだり扉が触ってないのに開いたりとまるでポルターガイストを彷彿とさせる現象だが、これは全て彼の個性が為せる技、所謂才能の無駄遣いそのものでもある。
「母ちゃん! ごめん今日朝飯いらないから! 」
「引合、制服を着て何処に行くつもりなんだ? 」
「そりゃ学校に決まっ……ん? 」
居間にいるであろう母親にそう言いながら靴を履き。個性で玄関を開き大空へと飛翔しようとした瞬間、個性が使えなくなった事実に気が付いた。
そして気付く、自分に声を掛けたのは母親でも父親でもない。だが、自分はこの声の主を知っている。
「……なんで相澤先生が家にいるんですかねぇ? 」
「……事件の後の家庭訪問みたいなものだ」
包帯まみれの、古代エジプトの墓にありそうな姿となっていた先生を見て成程、と納得した瞬間。居間の方から母親の声が響く。
「石ーッ! あんた今日学校休みでしょうが! それに先生もさっきこられたんだしさっさとこっちに来なさい! 」
「キメるわよ!」
「「すぐ行きます! 」」
キメるという死の宣告に慌てて居間へと駆け出していく。慌てていた引合は自分と同じように自分の担任が慌てて居間へと向かった事実に気付いていなかった。
今日は臨時休校だ。
「消太も大変なのねぇ……そんなミイラマンになって。困った事に手を突っ込んでしまったら直ぐに誰かに相談しなさいね? 聞くだけなら今の私でも出来るから」
「あっ。コーヒーで良いかしら? 」
「いえ……大丈夫です」
包帯越しからでも分かる。苦虫を100匹同時に噛んだような悲痛に満ちた表情で背中越しに話し掛ける母さんの言葉に返事をする相澤先生という珍しいものを俺は見た。
「マジで何しに来たんすか先生」
「……先日の事件の件だ。お前が大暴れしたUSJの一件だよ」
何故か小声で話し合う俺達。背中越しに聞こえてくるコーヒーメーカーの音と母さんの楽しそうな声に嫌な予感を感じつつ、俺は菓子置きにおいてあったサルミアッキを舐める。
「はー……なるほど、つまり俺は無実ですね。あっ、先生もいります? 」
俺がサルミアッキを差し出すと先生は一言礼を言いながら口に含む。
「先生も好きなんすねサルミアッキ。これが好きなのって家くらいだと思ってましたよ」
「……慣れてしまったら癖になったと言うべきか、まぁ好きになったな」
舐めれば目も覚めるし、合理的だと言う相澤先生。日本に片手で数えるくらいしかいないであろうサルミアッキ好きがまさか自分の担任だとは思わなかった。
「前にショート……轟にサルミアッキをあげたら半泣きで俺を睨んできた事があるんですよ。それっきり他人にはあげなくなったんですけど、先生はイける口なんすね」
因みに大和にくれてやったらアイツは次の日に激辛カレーを俺にプレゼンしてきた、マジで悪気はなかったんだ。許して欲しい。
「……即刻そのテロ行為をやめろ。慣れてない奴にこれは劇薬だ」
「美味しいんすけどねぇ」
ボリボリとサルミアッキを噛みながら次のを食べ始める。何故か諦めたような顔で此方を見る先生に首を傾げ、俺は話を続けた。
「んで……家庭訪問なんですけど、俺ほど真面目で成績優秀でイケメン天才な奴もいないんでもう帰って貰っても良いんですよ? 次があるんじゃないんですか? 」
「安心しろ。時間ならたっぷりあるから話ならゆっくり出来るぞ」
うわーい引合くんすっごい嬉しいなー
そうだろう? 存分に話してやるからな
と、キャッキャッウフフフフ。真顔で和気藹々な俺達の元に母ちゃんがコーヒーを持って此方に来る。空気が張り詰めるのが分かる、何故か先生も緊張していた。
なんか分からんが流石母ちゃんだ。
「……それで家庭訪問だったかしら? 先生はうちの子をどう思っていますか? 」
直球どストレートな言葉に先生が震え上がる。何故震えるのかさっぱり分からない『ぶっちゃけオタクの息子さん問題児ですよHAHAHA! 』と言ってしまえば死ぬのは俺だけなのに、そんな事を考えていると徐に母ちゃんに抱き寄せられる。突然の抱擁に混乱してると母ちゃんは言葉を続けた。
「……正直に言うと色々と教育を間違えた感はあります、けれどこの子の根っこの部分は昔から何一つ変わってません。これだけは私達の生命を賭けられます」
「えっ……? いきなり何言ってんの? 」
突然父ちゃんと母ちゃんの生命を賭けられた俺は困惑するしか出来ず、しかも親から教育間違えたと直球で言われ少々落ち込む。
「聞きなさい……石。貴方は人を殺す事をどう思いますか? 」
「……? そりゃ犯罪だと思うけど」
人を殺したら犯罪者。馬鹿でもわかる事だと思うけど。
「……言い方を変えます。貴方は人を殺しますか? 」
「母ちゃんと父ちゃんが殺されたら地の果てまで追い掛けて犯人は絶対に殺すけど……他の事で殺そうとは思わない」
いきなり何を言わせているのか。現状がさっぱり理解出来ず、俺は思うがままに言葉を発する。その度に先生が凄い顔をしているが、俺は先生の目の前で母ちゃんにハグされているのだ。正直いっぱいいっぱいだ。
「……なんで私達を殺されたら相手を殺すの? 」
「……家族だから? 」
家族は絆であり宝。だから守りたいと思うし、それを傷付けられて我慢出来るとは俺は到底思えない。怒りで我を忘れる自信がある。
「……なら大丈夫ね! 私達すっごい強いから! 石が100人いてもまだ勝てるわ! 」
「うん。知ってる」
そりゃ、俺をしばきあげれる父ちゃんと母ちゃんが俺より弱い訳が無い。というかなんか変な技術を持ってる父ちゃんと母ちゃんが負ける姿が想像出来ない。
「……紬さんは変わりませんね。甘くて、残酷です」
そう言いながら寂しそうに笑う先生。そんな先生を見て母ちゃんは笑いながら言葉を続ける。
「例え、何かを失っても私は私のまま。貴方にも教えたでしょ? 」
「「根っこさえ変わらなきゃ生き方は変わっても生き様は変わらない」……って覚えてるじゃない」
パチクリと目を広げ驚く母ちゃんと笑う先生を見て疑問点が生まれる。
この2人……やけに仲が良くないか?
その時、俺の脳内で電流が走る!
生徒の親と教師のイケナイ恋! 禁断の恋に走る2人! それを知り激怒する夫! 怒りのままに教師の前で嫁を×××!
「……石がなんか顔真っ青にして震えてるんだけど。何を考えているのかしら? 」
「彼の考えている事は予想出来ないので……なんとも」
駄目だ……家庭崩壊の危機がまさかこんな所で来るなんて。どうすれば良い、どうやって先生を埋めれば……
「…… 裏山? ドラム缶? 」
「やだ……この子ったら何処に死体処理するか考えてる。何をどうすればそうなるのかしら 」
俺が死体処理方法を考えていると頭部に鈍い痛みが走り、現実へと意識が浮上する。
「───ッ! 何すんだよ母ちゃん! 」
「馬鹿みたいに変な事を考えないの。どうせ禁断の恋とか考えてたんでしょ? avの見すぎよ、というかアンタの性癖じゃないでしょそれ。アンタの性癖は『幼馴染とイチャイチャ』とかそんな感じでしょ」
「!?!!?!?!?!? 」
色々言いたい事はある。なんで俺の脳内を読めたのかとか、なんで俺の性癖を知っているのかとか。しかも知っていたとして何故先生の目の前で言うのかとか。
自分の顔が熱くなるのが分かる、いっそ殺してくれ。
「安心しなさい。消太はアンタのおしめも変えた事があるんだから、今更性癖の1つや2つ知った所で気にしないわよ」
「!?!!?!?!!!?!?!? 」
「あの……紬さん。その程度にしてやって貰わないと引合の奴が限界なんですが……」
突然の教えられる事実に俺の脳が追い付けずショート寸前になる。 相澤先生が俺の性癖を知って、先生は俺のおしめを変えた事があって……つまり。
「つまり……先生は俺の兄さんって事なのか? 」
「……落ち着け、血は繋がってないし俺に親はちゃんといる。俺の親はお前の親じゃない」
俺にそう言いながらコーヒーを飲む先生、心なしか手が震えているのは気の所為ではないのだろう。
「あら? 私達は貴方の事を息子同然の存在だと思ってるわよ? 」
あっコーヒー吹いた。
なんかお気に入りと感想とかしおりとかすっごい事になってました(歓喜)
ありがとうごさいます!貴方のお気に入りと感想で作者の自己顕示欲が満たされます!って訳で今回の記念で何か1話限りの話を描きたいと思います
こんな引合がみたいとか
性別変更したらどうなるのか?
凝山のヤベー奴らがヴィラン堕ちしたら?
あんな展開、こんな展開、みたいのがあったら教えてください。活動報告で募集します。
感想で言うのはNGらしいので活動報告によろしくお願いします
Q.もしも要望がなかったら?
A.作者がアカウント作って無理矢理出します()
こんな悲しい事件を起こさない為に!皆様の清い意見をお願いします!(選挙並感)