友人が能天気な紅白饅頭なんだがキレても良いか?   作:オティンティン大明神

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スマブラ族になるので暫く更新はないです

リドリーで運送屋さんをしてる人を見つけたらオティンティンと握手!


ちょっとした間話

 

これは体育祭よりも前。彼等が自身の栄光を掴む為に修練を重ねていた2週間の内の一幕、とある少年が何時もの如く、思いつきと短絡的思考回路から産み出された発想を現実のものとする際のちょっとした小話である。

まぁ、この時点で一つ言えるとするならば

 

「おっす心操。明日普通科の奴らに話したい事が出来てな、少し頼めるか? あぁ……なぁに。俺にとってもお前らにとっても、楽しい楽しい話だよ」

 

大体引合石のせいである。

 

体育祭前日、ヒーロー科 1ーAにとある噂話が入り込んできた。雄英高校は複数の学科によって分けられている、ヒーローを目指す少年少女が日々、己を磨く。雄英高校の花形ヒーロー科。ヒーロー科から落ちた者達が入ると揶揄される普通科、己の技術力を磨き更なる発明の為に日夜研究に勤しむサポート科、そして経営戦略から経営学、様々な事を学び未来の経営者となるべく勉学と実務に励む経営科。

 

ヒーロー科 サポート科 普通科 経営科。これらの4つをもって学科は形成されている。何故この場をもって学科の説明をしたか、それに対する回答はとある少年の一言をもって説明させてもらう。

 

「『ドキドキ!体育祭順位トトカルチョ! 』……んだそりゃ! 誰が始めてんだよそんな事! 」

 

教室に間の抜けた声が木霊する。明るく快活な声色が疑問1色に染まり、持ち前の優れた容姿は胡乱とした顔でその言葉の真意を問うた。そしてその声の主に対する回答はなんとも明瞭としておらず、自分にも詳しい事は分からないと匙をなげながら言葉を続けた。

 

「いや……俺もわかんねぇだけどさぁ、なんか普通科とか経営科とかサポート科の一部生徒達の中で流行っているらしいぜ? こんな紙を渡されてな『お前に食券だいぶ掛けてんだ。だから勝てよ』って言われたわ」

 

しょうゆ顔の少年はそう言いながら金髪の少年へと自分が持っていた紙を見せるように机の上にへと置いた。

 

そこに書かれていたのはヒーロー科の生徒達の名前、彼等が持つ個性の概要、そして何らかの倍率。この紙を見ていた金髪の少年、上鳴電気は自分の倍率を見て目を見開き驚愕を隠せないと言わんばかりに叫んだ。

 

「んなっ! 96倍ィ!? しかも峰田に関しては180倍じゃねぇか!? 」

 

そんな上鳴の悲鳴にしょうゆ顔の少年、瀬呂範太は肩を竦めながら話を続けた。

 

「ウチのクラスで一番倍率が高いのは青山の192倍だな。というか数人以外の倍率が凄い事になってやがる」

 

そう呑気に話す瀬呂の言葉を聞き上鳴は待ったを掛けるように声を荒らげた。

 

「ってかこんな事やっていいのかよ!? 先生に言うべきだろこんな事! 」

 

賭け事なんかやっちゃ駄目だろ、そう声を大にする上鳴の言葉を聞き瀬呂は笑った。それは愉悦でも歓喜に満ちた笑みではない。疲れ果て、自分の手に負えないものに対する諦めの笑み。いわゆる死んだような顔というものであった。

 

「……俺だってこれを聞いた後、急いで相澤先生に話したさ。そしたらなんて言ったと思う? 」

 

ゴクリ。そう自分の喉が鳴る音を聴き、上鳴はその言葉の続きを待った。神妙な態度の上鳴を見ながら瀬呂は言葉を続けた。

 

「『校長先生からは……生徒の自主性に任す。が結論で、俺からはこれでお前らにやる気が出るなら幾らでもやれ、が結論だ。ルールもきっちりと定められ、掛けられる上限金……いや食券も子どもの小遣い程度。ぶっちゃけ遊びみたいなもんだ……だが、まぁ。こういう遊びはあんま表沙汰にするなよ』だとさ」

 

「適当過ぎんだろ雄英高校! どんだけ自由なんだ! 生徒の自主性に任せ過ぎだ! もう少しちゃんとさぁ! 」

 

「俺もそう思う。だけど……冷静に考えれば、ぶっちゃけこれ、色々と学べるシステムなんだわ」

 

ツッコミマシーンと化した上鳴に瀬呂が言葉を掛ける。そんなこんなで彼等が漫才に似た何かを繰り返していると、そんな彼等の様子が気になったのか、1人の少年が彼等の元へと近付いてきた。

 

「よっす二人とも! 何やってんだ? 」

 

「うぇっ!? いやー……ちょっと2人でお話してたんだよ! なぁ瀬呂! 」

 

「ん? まぁ……そうだな? 」

 

重力に逆らうかのような幾重にも鋭利に尖らせた赤い髪がトレードマークの少年、切島鋭児郎。そんな彼が2人の様子を見て何やら楽しそうな事をしていると感じ取ったのか、自分も混ぜて欲しいと言わんばかりの態度で二人のもとへと駆け寄って来た。いきなりの登場に困惑し急いで誤魔化そうとする上鳴、彼の直感と良心が普遍的で善性である切島にこれを見せるのを躊躇わしたのだ。

 

「なんだよー! 気になるじゃんか!少しくらい教えてくれたって良いだろ!? 」

 

自分の肩に腕を回し、そう笑顔で問いかける切島に対して上鳴は瀬呂へと視線で助けを求める。そんな上鳴を見た瀬呂はヤレヤレ、と言わんばかりに先程隠した紙を切島にこれでもかと言わんばかりに見せつけながら話し出した。

 

「切島は見ての通り80倍、ついでに俺は56倍だ。まぁ……今、1年全体で流行っているらしい遊びみたいなもんだよ」

 

「へぇー……これって、やってもいいのか?」

 

「相澤先生から聞いたがOKらしい。後、これを見て精々をやる気を出せとも言ってたな」

 

真剣に紙を見る切島を見て、上鳴に疑問と怒りと困惑が混じった顔で見詰められた瀬呂は笑い、言葉を続けた。

 

「まぁ……これを見る限り俺達が優勝する事はまずないと思われてる、正直ムカつくな。絶対に優勝してやろうぜ」

 

「……だな! どうやら俺が勝つって思っている奴も結構いるみたいだし絶対に負けられんねぇよ! 」

 

紙から目を離しそう意気込む切島。その様子に安心したようにホッと胸を撫で下ろす上鳴、そして、瀬呂は冗談交じりに飯田には絶対に教えられないと笑いながら話し、彼等もそれに同意しながら紙に書かれてある倍率と名前を眺める。

 

「ってかさ……轟と夜嵐ヤバくね? 倍率1倍切ってんだけど」

 

「爆豪は3.5倍か……というか引合の倍率が61倍なんだが、アイツが俺よりも倍率高いとか嘘だろおい。掛けられるなら今から俺と引合に掛けてぇよ」

 

「食券は500円分の食券を最大10口。つまり10枚までか……後、賭けるのはもう締め切ってるみたいだ。皆が誰が勝つか予想しているのを見るのも案外面白いな! 」

 

やんややんやと語り合う男3人。何やかんやいっても彼等も男の子、他人に決められた格付けでも案外楽しんで見れるのだ。爆豪のような他人の意見など知った事ではないという剛毅さは普通の人は持ち合わせていないのである。

 

「おはよう三人とも! 今日も良い天気だな! 」

 

「おっす飯「「だァァァッ!」」だ? 」

 

そして、そんな話し合いは1人の少年の声によって掻き消される事となる。糞真面目が人の形を持って産まれてきた飯田天哉、彼にこの紙の存在を見られるのは少々不味い所の話ではない。ぶっちゃけた話、かなり不味い。これを知れば即座に怒り狂い先生へと上告し、それが駄目ならば教育委員会へと意見を出しに行くだろう。

そしてそれに気付いているのかいないのか、分からないが切島は平然と朝の挨拶を交わした。残った2人、上鳴と瀬呂の行動は余りにも素早いものであった。

「あああああ! 」

 

瀬呂が紙を潰すように握り。紙で球体を作り出し、勢い良く遠くへと放り投げる。

 

「あああああ!? 」

 

そしてそれを見た上鳴は紙に向かって駆け出し危なげなく掴み取ると、そのまま教室の外へと姿を消す。

 

「ああああぁああ!? 」

 

そして彼等の様子から現状を理解した切島が驚愕を隠さない顔色で上鳴の後を着いて行くようにこの場から駆け出した。瀬呂も挨拶を済ますと駆け出すようにこの場を後にする。

 

いきなりの彼等の奇行に困惑を隠しきれない飯田。脳の処理が現実に追い付いた瞬間、大声で3人の名前を呼びながら彼等の後を追い掛けた。

 

「三人とも! 校内で走るのは校則違反だぞ! 」

 

そんな少しズレた事を言いながら教室を後にする飯田、教室に沈黙が訪れる。そして、そんな教室の中で今まで声を発していなかったのか、1人の少年が声をあげた。

 

「192倍……キラメキが止まらないね!☆ 」

 

その少年の言葉は優雅を常とする彼らしくなく、動揺と悲しみに揺れていたのをここに記しておく。

 




トトカルチョ 1ーA
轟 夜嵐 1倍以下
爆豪 飯田 八百万 5倍以下
その他 10倍以上
青山 峰田 100倍以上


経営科、普通科男子とヒーロー科のとある畜生が始めたらしいトトカルチョ。詳細は至って謎だが、体育祭が終わり、数日後から一週間分のA組の昼食代が全て支払わているという珍事が発生したらしい
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