友人が能天気な紅白饅頭なんだがキレても良いか? 作:オティンティン大明神
『シヴィー! 第一関門で結構な時間が経ったが誰一人超えた者なし! 誰かあの怪獣大決戦止めろよ! また大氷壁が産み出されて消し飛ばされたぞ! 』
『第一関門を超えるには最前線で戦う2人を何とかする必要があるからな……現状、最前線の轟と引合、その後方に爆豪に夜嵐、緑谷と八百万。更にその後方にその為大勢と言った所か……さて、これからどうなるか 』
職員席が今世紀最大の危機を迎えていても時間は無慈悲にも進んでいく。スクリーン上に映る光景を見ながら実況を行うプレゼントマイクとイレイザーヘッドが眼前に広がるある種の地獄絵図を分析し、観客達はその声を聴きながら超弩級とも呼べる戦闘風景に目を焼かれ、只々彼等の姿を見詰めていた。
『飛び込めば地獄! 飛び込まねばそこで終わり! 超えるべき壁がそこにある! さぁさぁ気張っていけ一年坊! なんか勝手に壁になって盛り上がってる引合を超えろ! 』
マイクの実況と共に最前線から遥か後方にいた集団が前へと走り出す。彼等は1年A組、前線で争い続ける彼等と同じクラスの者達だ。第一関門に対する新たな挑戦者にマイクは声を張り上げ、イレイザーが無言で見詰める。
『第一関門に新しい挑戦者達の登場! さぁ、この仮想ヴィランの群れにどう出るチャレンジャー! 』
新たな登竜門へと挑戦者達に試練の壁は質量を持って襲い掛かる。サイズ的には人間台の仮想ヴィランが挑戦者達を迎え入れんと言わんばかりに放たれた。
「近接戦闘タイプは突っ込んでくるのをぶっ壊していくぞ! 」
重力に逆らう赤髪のヘアスタイルの少年が鬨の声を上げ放たれる仮想ヴィランを硬化させた肉体を持って粉砕する。そして、その声に答えるように他の者達も何度も放たれる仮想ヴィランへと立ち向かい
「おうよ切島! 行くぞ尾白! 」
砂糖を飲み干し超パワーを得た拳と
「ああもう!やるしかない! どうにでもなれ! 」
鍛え抜かれた尾を振るい敵を蹴散らす。1人では太刀打ち出来ない質量だが、他者と協力すれば超えられない量ではないと仮想ヴィランを迎え撃つ3人。
だが、仮想ヴィランが襲い掛かるのは眼前だけではない。登竜門に踏み出せば、縦横無尽に飛び回る鋼鉄の群れが相手になる。流石は雄英高校が誇る財力と言えば良いのだろうか、宙を縦横無尽飛び回る鋼鉄の塊の数は正しく想像を絶する。小、中、大、特大と仮想ヴィランは選り取りみどり。それらが全て縦横無尽に宙を舞うのだ、この光景を地獄と呼ばずになんと呼ぶか。
己が肉体を持って進んでいく者達の眼前、左右、後方。これら全てから仮想ヴィラン、サイズ的には人間台の小と、それより少し大きい中程度のサイズだろうか、それらが彼等へと襲い掛かる。
固まって行動する彼等を一網打尽にすべく襲い掛かる鉄の群れ。だが、前へ前へと進んでいく3人はそれらに対応するつもりは毛頭ない。
「キラメキが止められないよ!☆ 」
左方から放たれる仮想ヴィランを青く煌めく光線が穿つ。腹部から光線を放ち、顔を青くしながらも軽やかに笑う少年の姿を確認した鳥頭の少年は、右方から襲い掛かる仮想ヴィランを見据え、己の影であり武器となる存在へと迎撃命令を出した。
「……迎え撃て、ダークシャドウ」
「アイヨ! 」
ダークシャドウと呼ばれた影は眼前に存在する仮想ヴィランへと両腕を振り被り、立ち塞がる全てを文字通り粉砕していく、愛嬌のある声とは裏腹に、放たれる一撃は正しく凶悪そのもの。
「ヤッテヤッタゼ! 」
「良くやった。そのまま左方を警戒しつつ迎撃しろ」
「フミカゲ! マカセロ! 」
前方、左方、右方とくれば勿論後方からも仮想ヴィランは襲い掛かる。そして、それに対応する者は
「あああああ!無理だって!オイラだけじゃ無理無理無理!なんとかしろよ上鳴ィ! 」
泣きながら頭部から無限に生えてくるもぎもぎを投げ続けていた。
というか、峰田実だった。
「しゃーねーだろ!? 俺の個性じゃロボショートさせるだけでこの状況を打破出来ねーし! ああ来たァ! 」
迫り来る仮想ヴィランを見て顔を絶望に染め上げ、間の抜けた悲鳴をあげる少年達。そんな少年達の元に救いの女神が現れる。
「危ないっ! 」
その言葉と共に放たれる酸性の水撃。ドロリとした溶解液が仮想ヴィランの全身へとかかり、少年達の眼前で半分に溶けた仮想ヴィランが力尽きるように地面へと落ちた。
「瀬呂!梅雨ちゃん! お願い! 」
襲い掛かる仮想ヴィランへと溶解液を放ちながら声をあげる少女の声を聞き、両生類に似た顔の少女としょうゆ顔の少年は同時に動き出す。
「瀬呂ちゃん。上鳴ちゃんを任せても良いかしら? 」
「りょーかい! 出来る男、瀬呂さんの良い所を見せる時が来たなっと! 」
瞬間、峰田の身体は長い舌に絡め取ら蛙吹の元へと宙を舞う。それと同時に射出されたテープが上鳴の胴体に巻き付き瀬呂の元へと引き寄せられた。
「やべー!マジで助かった! センキューな! 瀬呂! 」
「感謝より行動で示してくんね? ほら、最前線のアイツらをお前の個性で」
「あの場に俺一人で行けってか!? 死ぬ死ぬ死ぬ! 」
漫才をしながらも先へ先へと走る瀬呂と上鳴。そして、蛙吹の胸を触ろうとして舌ビンタをかまされ足元に放り捨てられる峰田。後方から襲い掛かる仮想ヴィラン、それを溶解液でカバーする芦戸。
「やっば……これキッつい 」
溶解液を掛けられば問題ないのだが、ひっきりなしに宙を舞いながら襲い掛かる仮想ヴィラン達を一人で相手取るのは彼女には少々問題があるしく、顔を苦渋で歪めながら必死に後方へと溶解液を放ち続けていた。
「後方のカバーは任せてくれ! 」
その言葉と共に、脹ら脛のトルクから煙を吹かす少年が仮想ヴィランの一体を一蹴する。トレードマークたる眼鏡がキラリと輝き、その姿を見た芦戸は溢れんばかりの笑みをもって言葉を放った。
「来てくれたんだ! サンキュー飯田! 」
「飯田君だけちゃうで! ウチもおる! 」
互いが互いをカバーし合い彼等は少しづつ前へ前へと進んでいく。そんなA組の姿を後方から眺めていた者達の内の1人が最期の確認をするべく声を上げた。
「ねぇ物間。確認したいんだけど、あっちに向かってドガーンとドギカゴーンって感じでブッパなせば良いんだよね?」
「そうそう吹出、そんな感じで良いよ。使い方はさっき聞いたし僕の方も多分なんとかなるかな? 」
それじゃあ手筈通りに。と物間と呼ばれた少年は会話を纏め、周りにいるクラスメイト達へと声を掛けた。
「あそこで大暴れしてる憎きA組の奴らに僕らの存在を見せ付けてやろうじゃないか! 行こうB組! 」
その言葉に肯定の意を示すクラスメイト達の先陣を切るべく物間は吹出と共に個性を発動する。
瞬間、戦場を割くように巨大な擬音が2列飛び出した。その擬音は0点ヴィラン、いや大氷壁すら凌駕する質量を持ち、宙を舞っていた仮想ヴィラン達を粉砕していく。
混迷を極める第一関門。A組とB組、彼等が登竜門へと足を踏み込む事で状況はどのように変貌していくのか。
「(ああああああ! ヤバイヤバイやばい! 武器が足りん! 一気に大半消し飛んだ! )」
「……余所見する余裕があんのか、石? 」
「される方が悪いんじゃね? (おっほぉぉぉぉ! らめぇぇぇ! 手数がたりないのぉぉぉ! 死んじゃう! 武器が尽きちゃう! )」
内心で悲鳴をあげる馬鹿の心知る者おらず、第一関門が超えるのも近いかも知れない。
体育祭辺りでの吹出個性使用シーンがなかった為、火力だけは合同演習を参考にしています()
というかB組が何処まで出来るか分からないんだが? 助けてママーン!