スロウスタートアップ!   作:naogran

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入学式から数日が経った星尾高校。

花名「はぁ・・・」

一之瀬花名は席に座って一息した。すると後ろから。

たまて「おはようございまーす!はなちゃん!」

クラスメイトの百地たまてが元気良く挨拶した。

花名「おはようたまちゃん。」

栄依子「おはよう。」

優輔「おはよ〜す。」

クラスメイトの十倉栄依子、千石冠、億崎侑李、佐野優輔、浪江貴之、松原美鈴が集まった。

栄依子「朝から元気ねたまは。」

たまて「栄依子ちゃんは朝から気怠げですね~。」

栄依子「とうとう来週から普通に授業が始まると思うと・・・」

侑李「分かるわ〜。やる気が出ないよ〜・・・」

優輔「そうか?俺は何とも思わないけどな。」

たまて「でもでも、水曜はスポーツテストですよ!」

貴之「おお!そうだった忘れてた!」

花名「スポーツテスト・・・」

冠「運動苦手?」

花名「うん・・・あんまり。」

美鈴「私も運動苦手だなぁ〜。」

優輔「女の子を全力で追い掛け回してる癖に。」

たまて「私は動くの大好きなので楽しみです!スポーツテスト!」

栄依子「たま、常に動いてる感じあるもんね。」

侑李「確かに。変な事になりそうかもね。」

たまて「う・・・そんな人を挙動不審みたいに~!」

栄依子「うふふ。けど運動神経良さそう。」

貴之「そうだな。たまは何時も動いてるからな。」

たまて「いや~普通ですよ。去年の成績もB判定でした。」

栄依子「あらそうなの?私もBだったな~。」

美鈴「私はCだったなぁ〜・・・」

貴之「おい。」

栄依子「かむは足速かったよね?」

冠「うん。速い。でも長距離だと体力が続かなくて去年の成績は結局真ん中くらい。」

たまて「かむちゃんも普通ですね。」

美鈴「可愛いな〜冠ちゃん。」

花名(去年・・・)

たまて「はなちゃんはどうでしたか?」

花名「私もBだったような・・・」

優輔(ん?)

たまて「では我ら普通四天王ですね~。」

貴之「8人普通だから八天皇だな。」

優輔「何だ八天皇って?」

花名(中学浪人してたなんて言える訳ないよ・・・)

彼女は中学浪人と言う過去を抱えていた。


STEP2「うんどうのはぁはぁ」

花名が何故中学浪人になったのか、それは1年前の事だった。

 

とある病院。

 

葉月「先生どうなんでしょうか?」

 

医師「そうですね・・・おたふく風邪ですね。」

 

おたふく風邪に掛かってしまった花名。

 

花名「おたふく!?」

 

葉月「あらまぁ。花名掛かってなかったんだっけ?」

 

医師「まずは検査してみないとだけど・・・学校はしばらく休んでもらう事になるね。」

 

それを聞いた花名が絶望した。

 

医師「おたふくはね・・・大人になってから掛かるとちょっと厄介なんだよね。感染する病気なので1週間から・・・」

 

花名「えーーー!?あの!私!明日受験なんですけど!!」

 

医師「それは・・・まぁ・・・」

 

葉月「諦めるしかないわよね。」

 

花名「っ!?」

 

 

 

 

 

 

その後花名は、部屋で眠った。

 

花名『翌日からすぐ高い熱が出て、それからの事はよく覚えてない・・・卒業式が終わって全ての高校の受験が終了して、その日を待ってたかのように私のおたふく風邪は完治した。』

 

そう。彼女は受験前日におたふく風邪に掛かってしまったのだった。これが切欠で浪人になってしまった。

 

 

 

 

 

 

完治されてから数日が経ったある日。花名がリビングの隅で泣きじゃくってた。

 

花名「うっ・・・うっ・・・」

 

葉月「ほっぺの次は目が腫れるわよ~。」

 

花名「だってだって!どうすれば良いか分かんないんだもん!皆高校生になるのに私だけこんなんで!」

 

葉月「開き直って時間を有意義に使いなさいよ。中学浪人なんて中々出来ない経験よ。」

 

花名「しなくて良いですそんな経験!」

 

葉月「自己紹介の時・・・拙者浪人でござる!って言えるわよ?」

 

花名「いらないよそんな持ちネタ!」

 

悲しんでる娘に対して、母親はかなりポジティブ。

 

花名「来年も学校行きたくない・・・お外にも出たくない・・・」

 

葉月「バカな事言わないの。」

 

花名「だって、来年になったら友達皆先輩になっちゃって・・・私は皆の後輩になっちゃって・・・同級生も皆後輩で私だけ先輩で・・・」

 

葉月「先輩後輩ややこしいわね。」

 

花名「友達だって出来る訳無いし・・・兎に角もうお外にも学校にも行きたくない!引き篭もりになるの!」

 

泣きじゃくる花名に、葉月がある提案を話した。

 

葉月「花名。志温ちゃんって覚えてる?今年大学を卒業してね。お祖父さんのアパートの管理人してるの。花名。そのアパートで一人暮らししなさい。」

 

花名「え!それって引き篭もりはこの家にはいらないって事ですか・・・」

 

葉月「そうじゃなくて。花名の事知らない人ばかりの環境ならやり直しが出来るでしょ?もう一回受験生からやり直すの。少しだけスタートが遅れたと思って。ね?」

 

花名「・・・うん・・・」

 

これが切欠で、花名は従姉の志温が管理してるアパートで一人暮らしする事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在に戻り、アパートで晩御飯を食べる。

 

志温「来週から午後も授業あるでしょ?お弁当作りましょうか?」

 

花名「え!良いの?」

 

志温「勿論。そう言うの好きだから。」

 

花名「志温ちゃん・・・」

 

志温「花名ちゃんって、好きなキャラクターとか居る?」

 

花名「キャ・・・キャラ弁じゃなくて良いよ!」

 

志温「うふ。お楽しみに。」

 

 

 

 

 

 

そして翌日の学校。たまてが教室の後ろの黒板に花名の名前を書いた。

 

たまて「はなちゃんって、花の名前って書いて花名なんですね。」

 

花名「うん。よくかなちゃんって間違えられる。」

 

優輔「あるよなぁ。名前間違えられるの。」

 

たまて「う~ん残念。」

 

花名「え?」

 

たまて「かなちゃんだったら私のたまてと併せて・・・かなえたまえと言う素敵なユニットが爆誕すると思ったのですが。」

 

貴之「アイドル目指したいのか?」

 

美鈴「かなえたまえ・・・可愛いユニットになりそう!」

 

たまて「はなですと〜・・・はなれたまえ!」

 

花名「!」

 

優輔「おいたま、花名が可哀想だろ。」

 

たまて「あはは。冗談ですよ。はなちゃん。」

 

そう言って花名を抱き締めた。美鈴がウキウキしながら見てる。

 

花名「た・・・たまちゃん・・・?」

 

たまて「よしよし。はなちゃん、良えんやで~。」

 

美鈴「やっぱり百合・・・良いわね〜。」

 

優輔・貴之「・・・・・」

 

引いてるこの2人。

 

栄依子「ほらほら。はなれたまえ。」

 

侑李「見事な使い方。」

 

栄依子「花名が苦しそうでしょ。」

 

花名(花名って呼ばれた・・・)

 

栄依子「あ、ごめん。どさくさで呼び捨てしちゃった。」

 

花名「ううん・・・全然大丈夫。」

 

栄依子「じゃあこのまま花名って呼んで良い?私も栄依子で良いから。」

 

花名「う、うん・・・」

 

冠「これでクラス全員コンプリート。」

 

優輔「何がコンプリートだ?」

 

冠「栄依子の呼び捨て。」

 

花名「え!入学してまだ1週間も経ってないのに?」

 

優輔「栄依子、凄えコミュ力・・・」

 

 

 

 

 

 

昼になり、中庭で弁当を食べる。優輔と貴之以外はハンケチに座ってる。

 

栄依子「お待たせしました~。この学校の購買、パンの種類がすっごく多くて悩んじゃった。」

 

貴之「そうなのか。」

 

たまて「やや!それは厚い情報ですね!私は明日パンにしてみますかね〜。ん?」

 

冠がでかい弁当を出した。

 

たまて「かむちゃんのお弁当でっかいですね。」

 

優輔「おせちかよ。」

 

花名「冠ちゃんそれ全部食べるの!?」

 

冠「このくらいは余裕・・・なんだけど・・・食べるの遅くて完食出来ないから、良かったら皆も一緒に食べて・・・」

 

たまて「それは切ない・・・」

 

美鈴「冠ちゃん、無理しないでね?」

 

 

 

 

たまてが弁当を開ける。

 

花名「わぁ!」

 

栄依子「これってたまのお手製?」

 

花名「え?」

 

たまて「栄依子ちゃんよく分かりましたね~。実は私は百地家の料理番でして。」

 

貴之「料理上手だったのか。」

 

優輔「女子力高っ。」

 

美鈴「お嫁にしたい。」

 

優輔・貴之「黙れ。」

 

花名「たまちゃん凄ーい!」

 

たまて「そんな事ないですよ〜。はなちゃんはいとこさんと二人暮らしでしたよね?お弁当はいとこさんが?」

 

花名「あ・・・うん。」

 

栄依子「アパートの管理人してるんだっけ?いとこさん。」

 

花名「うん。料理上手でご飯も作ってもらって・・・」

 

栄依子「料理上手な管理人さんか~。何かロマンを感じるわね。」

 

侑李「私も感じるわ〜。」

 

たまて「一体どんなロマン弁当なんでしょ~。」

 

栄依子・侑李「ね~。」

 

花名「普通だよ。普通のお弁当・・・」

 

蓋を開けると・・・

 

 

 

 

 

 

ハート型のおかずが沢山あった。

 

 

 

 

 

 

栄依子「え!何何このお弁当!?」

 

たまて「もしかしてそのいとこさんとお付き合いしてるんですか!?」

 

花名「ち・・・違!そもそも志温ちゃんは女の子・・・」

 

たまて「大丈夫ですよ私達祝福しますから~。」

 

美鈴「おめでと〜花名ちゃ〜ん。」

 

後ろから冠が花名の背中を叩いた。

 

冠「ふっ。」

 

そしてドヤ顔。

 

花名「その笑顔は何!?」

 

優輔「おいお前ら、花名の話を聞けよ。いとこさんは女の人?」

 

花名「う、うん。志温ちゃんって言うの。」

 

優輔(志温ちゃん?)

 

貴之「でも、花名を凄く大事に思ってるからハート型にしたんじゃねえのかな?ハートには恋愛以外にも、思いやりの意味も込められてるからな。」

 

花名「・・・志温ちゃん・・・」

 

 

 

栄依子が水筒に入ってる飲料をコップに注いでた。

 

たまて「おや?何ですかそれ?」

 

栄依子「スープ。妹が栄養偏るからって持たせてくれて。」

 

美鈴「妹ちゃん居るんだ。」

 

たまて「おお!妹ちゃん優しい!」

 

栄依子「名付けて・・・妹汁。」

 

優輔・貴之「ブッ!」

 

花名「妹汁って・・・せめて妹スープとか・・・」

 

たまて「それもどうかと思われますよはなちゃん。」

 

侑李「新手の下ネタ?」

 

栄依子「うーん・・・妹汁だと妹から分泌された何かっぽく聞こえるけど。」

 

貴之「何だよ分泌された何かって・・・」

 

栄依子「妹スープだと妹をそのまま煮込んだみたいに聞こえるわね。」

 

優輔「豚骨スープみたいに言うな・・・」

 

栄依子「まぁまぁ。一杯どうぞ。」

 

たまて「では・・・」

 

スープを飲んでみる。

 

たまて「妹汁美味!はなちゃんも一口!」

 

花名「うん・・・はぁ・・・美味しい・・・」

 

美鈴「私も飲ませて。・・・美味しい〜!」

 

たまて「栄依子ちゃんのまだ見ぬ妹を感じさせる味わいですね!」

 

優輔「何だよそれ・・・」

 

たまて「ではでは妹汁のお返しとして・・・はいあーん。」

 

栄依子「あーん。」

 

おかずを栄依子に食べさせた。

 

栄依子「う~ん美味しい!流石たま!」

 

たまて「はなちゃんもどうぞ。」

 

花名「あ、ありがと・・・わ~ほんとだ!」

 

貴之「何だろう、この微笑ましい光景は。」

 

美鈴「感服ですね〜。」

 

貴之「鼻血出てるぞ。」

 

花名「たまちゃん料理上手!」

 

たまて「えへへ〜、なまら照れますなぁ~。」

 

優輔「なまらって北海道かよ。」

 

栄依子「嬉しい〜。実は私ずっと憧れてたのよね。たまの手料理。中学の調理実習の時、何時もたまの居る班から特別良い匂いがしてきたのね。侑李も覚えてる?」

 

侑李「あ、それ私も覚えてる。」

 

栄依子「何時かこの子の味見をしたいってずっと思ってたのよ。」

 

たまて「まうごつ照れますなぁ~。」

 

花名「お・・・お料理の話だよね・・・?」

 

優輔「まうごつって熊本弁かよ。」

 

たまて「でも栄依子さんの妹さんもすっごくお料理上手じゃないですか!今お幾つなんですか?」

 

栄依子「14歳。今年中3。」

 

たまて「と言う事は受験生ですか。」

 

栄依子「そうなのよ。同じ学校に入りたいって言っててね。」

 

たまて「お~!妹汁が後輩汁に!」

 

栄依子「そうそう後輩汁。」

 

貴之「何だよ後輩汁って。」

 

優輔「また新手の下ネタか?」

 

栄依子「でもね。夜遅くまで勉強してるのに妹汁を毎日作るって聞かないのよ。体調崩さないか心配で・・・」

 

花名「ほんとだよ!」

 

突然花名が大声で言った。

 

栄依子「は、花名?」

 

花名「今から受験に備えて努力してるのは素晴らしい事だと思います!でもね!受験にはまず体力!だけど健康でも安心しちゃ駄目なんだよ!どんな出来事が潜んでるか分からないんだからね!」

 

栄依子「え・・・?」

 

花名「その辺り肝に銘じておくように!」

 

栄依子「は・・・はい。伝えておきます・・・」

 

侑李「花名いきなりどうしたの?」

 

花名「ご・・・ごめん~・・・」

 

侑李「大丈夫?」

 

たまて「いや~、はなちゃんの受験に掛ける熱い思いが伝わりましたな~。ね。かむちゃん!」

 

花名「冠ちゃん?」

 

冠はずっと弁当を食べてる。

 

たまて「そう言えばさっきから一言も喋ってないのでは?」

 

栄依子「お食事中のかむは無心なのよね~。」

 

美鈴「へぇ〜。」

 

冠「う・・・」

 

突然顔が真っ青になった。

 

花名「あ!喉詰めてる!」

 

優輔「冠!?」

 

美鈴「冠ちゃん大丈夫!?」

 

背中を叩く。

 

貴之「飲み物を誰か!」

 

たまて「妹汁!妹汁を~!」

 

栄依子・侑李「じゃなくてお水~!」

 

 

 

 

 

 

その日の夜のアパート。

 

花名「志温ちゃん。お弁当ありがとう・・・」

 

志温「いえいえ。美味しかった?」

 

花名「うん。とっても。でも・・・ごめんなさい!折角ですがお付き合いは出来ません!」

 

志温「え・・・?えぇ~!?」

 

 

 

 

 

 

水曜日。スポーツテストの日。

 

女子更衣室。

 

たまて「1日授業無しって最高じゃないですか~。」

 

栄依子「週1ぐらいでやってくれても良いのにね。スポーツテスト。」

 

侑李「それは流石に無理でしょ。」

 

美鈴「それだったら私干からびるよ〜。」

 

たまて「そんな頻繁にテストされたら調べ尽されちゃいますよ。」

 

栄依子「そうね。余す事無くね。」

 

たまて「いやらしいですな~。」

 

侑李「いやらし過ぎるでしょ。」

 

花名(皆運動が得意な訳じゃないって言ってたよね・・・私は運動苦手だけど・・・一緒に居ても目立たずに済みそうかな・・・)

 

 

 

 

男子更衣室。

 

優輔「スポーツテストかぁ。」

 

貴之「腕が鳴るな〜。」

 

優輔「美鈴の奴、中学のスポーツテストで筋肉痛になってたよな。」

 

貴之「あ〜あったな〜。けど女の子を追い掛ける時は痛みすら無いって言ってたな。」

 

優輔「どんな基準だよ彼奴の体力は。」

 

 

 

 

 

 

スポーツテストテスト。グラウンドで持久走。

 

花名「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

持久走でビリになってしまった花名。物凄く疲れ果ててる。

 

優輔「花名・・・?」

 

そしてようやく走り切った。

 

たまて「はなちゃん!大丈夫ですか!?」

 

花名「だ・・・だい・・・だめ・・・」

 

たまて「大駄目です!最初に持久走は失敗だったんですかね・・・」

 

栄依子「この前スポーツテストの話になった時普通って言ってたよね?この状態で普通って言い切ったの逆に凄いなって。」

 

たまて「ああ。成る程。」

 

侑李「言えてるかも。」

 

花名「3人共酷い・・・」

 

美鈴「花名ちゃん、向こうで休も?」

 

花名「う、うん・・・・」

 

 

 

 

休憩する。

 

花名(中学校の頃はそれなりに普通だったんだけどな・・・)

 

たまて「どうしましたか?」

 

花名「中学校卒業してから、全然運動してなかったからこんなに体力落ちちゃったんだな~って。」

 

たまて「そんな一月で落ちちゃいますか?」

 

花名「あ・・・だよね!そうだよね!あはは・・・」

 

優輔(・・・)

 

ホイッスルの音が聞こえた。

 

冠「あ。ソフトボール投げ始まる。」

 

花名がゆっくりと立つ。

 

たまて「立てそうですか?」

 

美鈴「無理しないでね?」

 

花名「う、うん・・・大丈夫・・・」

 

すると冠が花名の横に立った。

 

花名「冠ちゃん?」

 

冠「掴まって。」

 

花名「ありがとう・・・」

 

肩を貸してくれた。歩き出した瞬間。

 

花名・冠「わ〜〜〜〜〜!!」

 

滑って斜面を滑り落ちてしまった。

 

貴之「花名!?冠!?」

 

美鈴「大丈夫!?」

 

 

 

 

ソフトボール投げ。

 

クラスメイトの椿森幸が投げる。

 

女子生徒「14mでーす!」

 

千尋「去年より伸びてた〜。」

 

榎並先生「次、十倉。」

 

次は栄依子の番。力一杯ボールを投げる。

 

女子生徒「7mでーす!」

 

榎並先生「次、佐野。」

 

栄依子「コントロールが良いのよ私。」

 

次は優輔の番。

 

優輔「よっと!」

 

力一杯投げた。

 

女子生徒「15mでーす!」

 

優輔「こんなもんか。」

 

榎並先生「次、一之瀬。」

 

次は花名の番。ボールを投げたが、真上に投げてしまって、ボールが頭に当たった。

 

優輔(運動神経悪い芸人かよ・・・)

 

 

 

 

次は走り幅跳び。

 

たまて「はい!」

 

全速力で走り、ジャンプして着地した。

 

 

 

 

次は貴之の番。

 

貴之「おっと!」

 

たまてよりちょっと超えた。

 

 

 

 

次は花名の番。

 

花名「あうぅぅ・・・」

 

着地したが、バランスを崩して倒れた。

 

 

 

 

たまて「大丈夫ですか花名ちゃん?」

 

真秀「凄ーい!」

 

周「小さいのに速ーい!」

 

50m走に速い生徒が居た。

 

 

 

 

冠だった。俊足で他の生徒を追い抜いた。

 

 

 

 

美鈴「冠ちゃん速!」

 

優輔「もう追い越しちゃったよあの子。」

 

 

 

 

グラウンドの蛇口場。

 

花名「うぅぅ・・・」

 

すると横から。

 

周「ねぇ千石さん!今の50m凄かったね!陸上部入らない?仮入部でも良いからさ!あ、まずは見学からでもどう?」

 

クラスメイトの大谷(あまね)から陸上部のスカウトを受けてる冠が居た。

 

花名(陸上部からスカウトされてる冠ちゃん凄い・・・!)

 

周「千石さんのその足は才能だよ!県大会でも良い成績狙えると思うの!ねぇ、中学生の時何の部活入ってた?」

 

冠「あ・・・あの・・・」

 

泣き出してしまった。

 

冠「え、栄依子・・・侑李・・・」

 

栄依子「はーい。」

 

侑李「来たよー冠ー。」

 

もう来た。

 

周「あ、栄依子、侑李。」

 

侑李「ヤッホー周。」

 

栄依子「ごめんね。この子すっごく人見知りだから。」

 

冠「ちょ、ちょっとびっくりしただけ・・・」

 

周「ご・・・ごめんねびっくりさせて・・・」

 

真秀「もう周は!いきなり来てわーわー言われたら困るでしょ!」

 

クラスメイトの小鹿野真秀(おがのまほ)が周に注意した。

 

冠「今日は・・・栄依子と侑李来てくれた・・・」

 

栄依子・侑李「?」

 

 

 

 

 

 

体育館でシャトルラン。

 

美鈴「もうダメ・・・」

 

優輔「いや去年より多く走ったぞ。」

 

貴之「それで、花名はと言うと・・・」

 

花名は疲れ果てながら走ってた。

 

たまて「はなちゃ~ん!頑張った!よく頑張りましたよ!」

 

疲れた花名を膝枕で休ませた。

 

侑李「くっ・・・!はぁ・・・」

 

握力を測ってた侑李。

 

侑李「花名、握力で終わりよ。」

 

花名「お、終わり・・・」

 

握力計を持って力を振り絞って握る。

 

栄依子「えーと・・・右26。平均だ。」

 

たまて「やりましたね!普通の成績です!」

 

花名「普通・・・」

 

たまて「はい!普通です!」

 

花名(普通・・・良かった~!輝かしい普通の成績も残せたし辛く苦しかったスポーツテストもこれで終わり!今は体が軽〜い。)

 

 

 

 

 

 

すると何かが身体中に走った。

 

 

 

 

 

 

花名(あ・・・)

 

そして倒れた。

 

花名「あ・・・足つった・・・」

 

冠「はな?」

 

栄依子「どうしたの大丈夫?」

 

たまて「私、保健室で湿布貰って来ます!」

 

侑李「待ってたま!私も行く!」

 

湿布を取りに行く。

 

花名「あ・・・ありがとうたまちゃん・・・侑李ちゃん・・・」

 

たまて「良いって事ですよ!」

 

侑李「困った友達を放っておけないしね。」

 

花名「たまちゃん・・・侑李ちゃん・・・優しい・・・」

 

たまて「あ!アイスの自販機を発見しました!」

 

花名「あ、あれ・・・?」

 

 

 

 

アイスの自販機を発見した。

 

たまて「おお!学校内に存在してますよ!アイスの自販機!」

 

花名「あの・・・湿布・・・」

 

侑李「私が取って来るよ。待ってて。」

 

保健室へ向かう侑李。

 

優輔「アイスの自販機かぁ。」

 

貴之「学校にもあるんだな。」

 

栄依子「ストロベリーチーズケーキ。」

 

アイスを購入。

 

たまて「早~!もう折角学校でアイスが食べられると言うのに~!お2人共情緒がないですね~。まず一句詠んでからでも。」

 

貴之「何で一句?」

 

美鈴「一句?えっと・・・」

 

優輔「乗るな。」

 

花名「いたたたた!」

 

たまて「またですか!」

 

栄依子「癖になってるみたいね。」

 

優輔「腓返りか?」

 

花名「うん・・・」

 

侑李「お待たせ花名。湿布貰って来たよ。」

 

湿布を花名の足に貼る。

 

侑李「これで大丈夫。」

 

花名「侑李ちゃんありがとう・・・」

 

たまて「そう言えばおばあちゃんから聞いたのですが、腓返りはバナナやキウイを食べると良いそうです!」

 

冠「こむら?」

 

栄依子「バナナ・・・」

 

自販機を見ると、バナナチョコミントがあった。

 

栄依子「バナナチョコミントハワイアンってのがあるけど。」

 

たまて「それです!」

 

バナナチョコミントを買って、花名に食べさせる。

 

たまて「ささ。ぐいっとどうぞ。良えんやで。」

 

花名「え?あ、うん・・・」

 

バナナチョコミントを食べる。

 

たまて「どうですか?治りましたか?」

 

花名「たまちゃん・・・バナナが良いってこう言う事じゃないと思う・・・」

 

たまて「何と。」

 

花名(後これ不味い・・・)

 

 

 

 

榎並先生「うわ。もうこれ見付けたのか。」

 

 

 

 

優輔「榎並先生。」

 

榎並先生「凄いな。お前らアリか?」

 

栄依子「アリって・・・」

 

美鈴「私はバイオリン弾いてます。」

 

優輔・貴之「アリとキリギリスか。」

 

榎並先生「何見てんだよ。」

 

栄依子「先生は何買うのかな~って。」

 

たまて「大人だからラムレーズンとかですか?」

 

侑李「何買うの〜先生?」

 

榎並先生「増えたよ・・・何でも良いだろ別に。」

 

バナナチョコミントを買った。

 

栄依子「!」

 

たまて「!」

 

侑李「!」

 

花名「!」

 

美鈴「!」

 

優輔「!」

 

貴之「!」

 

冠「ぺろ。」

 

榎並先生「さっさと食って帰れよ?」

 

7人「は〜い。」

 

たまて「バナナチョコミントハワイアンを買って行きましたね。」

 

栄依子「先生も足つってるのかしらね・・・」

 

侑李「それは無いでしょ流石に。花名、足は治った?」

 

花名「あ・・・うん。もう大丈夫。」

 

たまて「それは早速バナナ効果が~!それでは午後のスポーツテスト張り切ってやりましょ~!」

 

花名「まだやるの!?」

 

優輔「待て待てたま。さっき先生が食って帰れよって言われただろ?」

 

たまて「あれ?」

 

その後全員着替えた。

 

 

 

 

 

 

下駄箱。

 

花名「も~。たまちゃんの嘘付き~。」

 

たまて「あはは。午前で終了でしたね〜。」

 

花名「たまちゃんったら、酷いな〜。」

 

美鈴「何で笑顔で言ってるの?」

 

そこに遅れた冠が来た。

 

栄依子「かむ。遅かったじゃない。」

 

冠「お待たせ。」

 

たまて「はっ!かむちゃん生足じゃないですか!?」

 

何と冠が生足になってた。

 

冠「ん。もう帰るだけだし。」

 

優輔「まさかの生足・・・」

 

貴之「おいおい・・・」

 

たまて「良いですね生足!新鮮で!」

 

美鈴「生足の冠ちゃん、良いね!」

 

栄依子「何でそんなテンション上がってるの・・・?」

 

たまて「え!分かりませんか!?普段タイツの子が生足になってる!そのギャップが良いんですよ!」

 

美鈴「皆も分かるでしょ?」

 

栄依子「う~ん・・・ごめん分かんない。」

 

侑李「私も分からない。」

 

優輔「分からなくも無いが・・・」

 

貴之「分かりたくない。」

 

たまて「例えばですよ?私が普段から全裸で生活している裸族だと仮定しましょう!それがある日突然制服を着たら!?そのギャップに興奮しませんか!?」

 

栄依子「いや・・・理解から更に遠のいた。」

 

優輔「何で裸族なんだよ。」

 

貴之「普段から裸族ってアカンだろ。」

 

たまて「はなちゃん分かりませんか?」

 

しかし花名は笑顔のままだった。

 

たまて「あ、ダメだこの人。」

 

冠「たまの裸には興奮しないって話?」

 

たまて「そんな話でしたっけ?」

 

栄依子「ほら裸でも生足でも良いから帰りましょ。」

 

侑李「ダメでしょ。」

 

優輔「自転車取りに行かなきゃ。」

 

たまて「生足ー!」

 

 

 

 

 

 

その日の夜のアパート。花名は笑いながら晩御飯を食べてる。

 

志温「・・・美味しい?」

 

花名「んふふふ~。」

 

志温「おかわりいる?」

 

花名「んふふふ~。」

 

志温「学校で何か楽しい事でもあったの?良かったわね。」

 

花名「んふふふ~。」

 

志温「そう言えば明日はお弁当いるのよね?」

 

花名「あ・・・それなんだけど志温ちゃん。」

 

志温「大丈夫。お友達に誤解されないようにしとくから。」

 

花名「ごめんね志温ちゃん・・・」

 

志温「良いのよ。はなちゃんが面倒臭いのはこの1年で分かってるから。」

 

花名「・・・」

 

毒舌発言された。

 

 

 

 

 

 

翌日の昼。花名がギクシャクしながら中庭に来た。

 

たまて「お茶を運ぶからくり人形さんの趣がありますね~。」

 

冠「風流。」

 

優輔「筋肉痛か?」

 

花名「うん・・・全身筋肉痛で・・・春休みの間に体鈍ってて・・・」

 

栄依子「一体どれだけ自堕落な春休みを過ごしたらそんな事に・・・」

 

たまて「まぁまぁ。いとこさんの愛妻弁当でも食べて元気出しましょう!」

 

花名「だからそんなんじゃないって・・・」

 

弁当の蓋を開けると。

 

たまて・栄依子「っ!!」

 

 

 

 

 

 

ハート形のおかずにヒビが入ってた。

 

 

 

 

 

 

たまて・栄依子「は・・・破局!?」

 

花名「し・・・志温ちゃ~ん!」

 

優輔「面白いいとこさんだね。」

 

貴之「個性ありそうだな。」

 

「END」




         キャスト

     一之瀬花名:近藤玲奈
     十倉栄依子:嶺内ともみ
     百地たまて:伊藤彩沙
       千石冠:長縄まりあ
      億崎侑李:白石晴香

      佐野優輔:塩野瑛久
      浪江貴之:内田雄馬
      松原美鈴:伊藤美来

      京塚志温:M・A・O
      榎並清瀬:沼倉愛美
     一之瀬葉月:日笠陽子
       大谷周:芳野由奈
     小鹿野真秀:貫井柚佳
     中村千奈美:木村珠莉
     関根ももか:篠田みなみ
      今井千尋:巽悠衣子
        医師:深川和征
        教員:島袋美由利

次回「なみだのぽろぽろ」
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