スロウスタートアップ!   作:naogran

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ある朝のとあるお屋敷。ここは冠の家である。冠は部屋でぐっすり眠ってる。

冠「栄依子・・・侑李・・・」

彼女は夢を見た。




それは、栄依子と侑李との初めての出会い。最初は戸惑ったが、段々と遊ぶ事が増えた。




???「にゃ〜。」

冠「ん・・・?栄依子・・・?侑李・・・?」

飼い猫の「なごみ」と「すごみ」が冠を起こした。冠は起きて、なごみとすごみを優しく撫でた。

冠「おはよ。」


STEP5「かむりのふわふわ」

季節は夏に入った。

 

たまて「衣替えですよー!イエーイ!」

 

美鈴「ヤッホー!」

 

星尾高校では夏服に衣替え。

 

優輔「朝からテンション高えなおい。」

 

花名「朝からアイス・・・」

 

たまて「衣替えですからね~。」

 

美鈴「衣替えだからね〜。」

 

貴之「はいはい。」

 

たまて「花名ちゃんもアイスいかがですか?ほら一口!」

 

花名「えぇ~・・・」

 

たまて「二口!いや三口!遠慮せんでも良えんやで~!」

 

美鈴「どう?優輔と貴之もアイス食べる?」

 

優輔・貴之「いらん。」

 

栄依子「衣替えだからアイスって意味分かんないわよ。」

 

そこにアイスを持った栄依子と侑李が来た。

 

花名「栄依子ちゃんに侑李ちゃんまで・・・」

 

貴之「お前もアイス持ってんのかい。」

 

侑李「栄依子に付き合わされちゃって。」

 

たまて「いや~でも、冬服から夏服って軽くなり過ぎてちょっと不安になりますよね~。」

 

花名「あ~分かる。何か足りてないような気がしたりね~。」

 

たまて「ですです〜!」

 

美鈴「だよね〜。」

 

すると冠が登校した。

 

栄依子「あ。おはようかむ。」

 

侑李「冠おはよう。」

 

たまて「かむちゃんおはよ〜!」

 

花名「おはよ〜。」

 

美鈴「おはよう冠ちゃん!」

 

優輔「よう冠。」

 

貴之「おはようさん。」

 

すると冠が、栄依子と侑李をジッと見詰める。

 

侑李「冠どうしたの?」

 

栄依子「どうかした?お腹空いた?」

 

冠「空いてない。ぺろ。」

 

アイスをペロと舐めた。

 

侑李「どうしたの冠?何かあったの?」

 

冠「あのね・・・スカート履いて来るの忘れた。」

 

花名・たまて・栄依子・侑李・美鈴「え?」

 

優輔・貴之「は?」

 

花名「えぇ~!!??どどどどうしよう!?」

 

優輔「何でスカート履いてないんだよ!?」

 

貴之「ってか良く来れたな!?」

 

栄依子「ありゃ~。衣替えだからって身軽になり過ぎよ。」

 

優輔「何呑気に会話してんだよ!」

 

冠「何かスースーするのは、タイツ履いてないせいかと思ってた。」

 

侑李「って言うか普通即座に気付くはずよ?」

 

たまて「成る程~。これからはかむちゃんの生足を毎日拝めるって訳ですな~。眼福眼福!」

 

美鈴「至福至福!」

 

花名「皆!どうしてそんなに落ち着いてるの!?」

 

貴之「慌てるもんだろ普通!」

 

たまて「花名ちゃんと侑李ちゃんと優輔君と貴之君が皆の分も全力で慌ててくれるから、ですかね。」

 

優輔「ツッコミを人任せすんな。」

 

花名「だ・・・だだだってその下はパパパパパン・・・」

 

たまて・美鈴「ツー!」

 

花名「なんだよ!」

 

栄依子「え~。そんな事言ったら私達だってこの下には・・・パンツだけだし。」

 

花名「え・・・?」

 

優輔「何だこの会話・・・」

 

貴之「聞きたくねえ・・・聞いちゃったけど・・・」

 

花名「そしたらスカート履かなくて良いって事なの?それともパンツ履かなくて良いの?」

 

侑李「ちょっと花名?」

 

たまて「花名ちゃん!パンツはおやつに含まれませんからね~!」

 

優輔・貴之・侑李「遠足みたいに言うな!」

 

栄依子「まぁほら。パンツ履き忘れた訳じゃないしね。」

 

冠「・・・大丈夫!」

 

花名「あ・・・あのでもやっぱりまずいのでは?困るのでは?これからとか・・・帰りとか・・・」

 

貴之「痴漢とかされたらヤバいぞ・・・」

 

栄依子「かむー。ほら体操着。」

 

冠「ん。」

 

体操着のズボンを履く。

 

冠「すちゃ。」

 

履いてドヤ顔した。

 

侑李「何そのドヤ顔?」

 

花名「え・・・あれ?これで終わり・・・?これだけで済んじゃうお話・・・?」

 

たまて「済んじゃうお話ですね~。」

 

美鈴「済んじゃったね〜。」

 

花名「え?そう、なのかな・・・?」

 

侑李「いや普通は大問題でしょ。」

 

栄依子「花名は色々考え過ぎなのよ。もっと気楽に、ね。」

 

花名「栄依子ちゃん・・・うん。」

 

たまて「それにしても、どうしてスカート忘れたんですか?」

 

優輔「そうだそこが問題だ。」

 

冠「それは・・・」

 

栄依子「ん?何何?」

 

たまて「あ!さては薄着の栄依子ちゃんにときめいてしまったのですね!あるある~!」

 

栄依子・侑李「無いでしょ。」

 

たまて「いや~だって栄依子ちゃん中学の時も校内で生写真とか売られてましたし~。」

 

花名「え~!?」

 

美鈴「生写真!?見たいそれ!」

 

優輔・貴之「バカたれ。」

 

侑李「たま、良く覚えてるわね。」

 

たまて「これがその時の写真ですよ!」

 

封筒に入ってる栄依子の生写真を見せた。

 

栄依子「何でそんなの買ったのよ・・・」

 

たまて「卒業記念プライス!80%オフと言われてつい。」

 

優輔「安く売り過ぎ・・・」

 

栄依子「当人の知らない所で投げ売りされて・・・」

 

たまて「でも勢いで買ったものの、特に必要無いので。かむちゃんに差し上げます!」

 

冠「あ・・・ありがとうたま。」

 

たまて「っ!・・・にこうてーい!にこうてーい!死ぬ!キュン死ぬ~!」

 

美鈴「良いな〜たまちゃん〜。私も冠ちゃんからお礼言われた〜い。」

 

栄依子「かむ。どうするのそんなの・・・」

 

冠「お父さんとお母さんに見せたら喜ぶから。額に入れて飾ると思う。」

 

侑李「何で額縁?」

 

栄依子「かむのお家で私ってどう言う扱いなの・・・?」

 

封筒を開けて生写真を見る。

 

冠「栄依子。これ栄依子?」

 

生写真を栄依子に見せた。

 

栄依子「・・・うん。私ね。」

 

たまて「紛う事無き栄依子ちゃんですね。」

 

侑李「この頃の栄依子懐かしいわ〜。」

 

美鈴「萌え袖の栄依子ちゃん可愛い〜!」

 

花名「栄依子ちゃん、中学校の時はヘアピンしてなかったんだ。」

 

たまて「ヘアピン付いててなかったから分からなかったのでは?」

 

栄依子「そんなにも重要なパーツなの?ヘアピンって・・・」

 

たまて「ヘアピンは栄依子ちゃんの体の一部なんですね。」

 

栄依子「体の一部って・・・じゃあたまもリボンは体の一部ね。」

 

 

 

 

 

 

一方その頃アパートでは。

 

志温「あら。おかえりなさい万年さん。」

 

大会「う、うむ・・・ただいま。」

 

志温「今日も買い物に?」

 

大会「はい!近頃は最寄りのコンビニだけでは飽き足らず!この辺りのコンビニは全て制覇しました!何と5km先のコンビニにも行けるようになったのですぞ!」

 

志温「おめでとうございます!だけど・・・コンビニエンスの意味からどんどん遠ざかってるような・・・」

 

コンビニエンスとは、便利・好都合と言う意味である。

 

大会「ん、ん〜・・・」

 

志温「あら。」

 

 

 

 

 

 

その頃学校では。花名がアイスを買ってた。

 

花名「売り切れてた奴、補充されて良かったね。」

 

冠「うん。」

 

優輔「もう学校のアイスがブームになってるな。」

 

貴之「そんなに人気なのか?」

 

 

 

 

4人はアイスを食べながら廊下を歩く。

 

花名「あ・・・あのね冠ちゃん。」

 

冠「ん?」

 

花名「さっきずっと何を考え込んでたの?」

 

優輔「ずっと栄依子をジッと見てたけど。」

 

冠「・・・あの写真。去年見た栄依子と違う。」

 

貴之「去年の栄依子と違う?」

 

冠「うん。商店街ですれ違った。髪が長くて栄依子そっくりの子と。でもあの写真の栄依子は髪短いし違う。」

 

花名「あ。そう言えば・・・私も商店街の本屋さんで栄依子ちゃんに良く似た人にすれ違って・・・」

 

優輔「そう言えば俺も。この前ショッピングモールで栄依子そっくりの女性を見た。」

 

貴之「優輔も?」

 

優輔「ああ。」

 

花名「人違いかと思ったけど、そっくりさんでも居るのかな?」

 

冠「分からない・・・でもあの時会えたから・・・」

 

花名「ん?」

 

優輔「冠?」

 

冠「何でも無い・・・」

 

 

 

 

その頃栄依子達は。

 

栄依子「あ!先生!」

 

後ろに振り向くと榎並先生が立っていた。

 

榎並先生「何だ?」

 

栄依子「あれ?何で下だけジャージ?」

 

侑李「何時もはスカートのはずなのに。」

 

榎並先生「今日から衣替えだし、少し気合い入れて来たんだが、学年主任に注意されてな。」

 

美鈴「ありゃりゃ〜。」

 

たまて「へぇ〜、そんな事が〜。」

 

栄依子「な~んだ。先生がどんな粗相をしたのかわくわくしてしまったじゃないですか~。」

 

榎並先生「お前の期待してるような事は断じてねーよ。」

 

栄依子「あはは。そんな期待なんて・・・まさかおもら・・・」

 

言ってる途中に榎並先生に止められた。

 

榎並先生「黙れ。ま、お前らも気を付けろよ。そろそろ風紀検査もあるからな。」

 

侑李「そう言えばそうだったね。」

 

栄依子「は〜い。」

 

たまて「風紀検査で下着検査までする学校もあるらしいですね!」

 

榎並先生「ご苦労な事だな。」

 

たまて「栄依子ちゃんがっつり引っ掛かりそうですね~。」

 

栄依子「え〜?」

 

榎並先生「何?お前そんなに凄いの?」

 

栄依子「いやそんな。別に・・・」

 

榎並先生「どれ。」

 

ナチュラルに栄依子のスカートの中を見た。

 

榎並先生「この程度なら大丈夫なんじゃねーか?」

 

栄依子「あ・・・そうですか。ですよね〜・・・」

 

侑李「先生、何ナチュラルに覗いてんの?ってか栄依子、その目は何?」

 

女子生徒「榎並先生ー!」

 

榎並先生「ん?何だ?」

 

呼ばれた榎並先生が女子生徒の方へ行った。

 

美鈴「ん?栄依子ちゃん?」

 

栄依子はその場で崩れてしまった。

 

侑李「ちょっと栄依子?大丈夫?」

 

 

 

 

しばらくして花名と冠と優輔と貴之が戻って来た。

 

冠「ん?」

 

花名「ど・・・どうしたの栄依子ちゃん?」

 

優輔「何時も元気なお前に何があった?」

 

たまて「4人の居ない間に超必殺技が出まして!栄依子ちゃんのメンタルゲージが激減しました!」

 

貴之「あ、栄依子の横のメンタルゲージが低下中。」

 

冠「なでなで。なーでなでなで。」

 

栄依子を撫でる冠。するとメンタルゲージが徐々に回復し始めた。

 

貴之「メンタルゲージが回復中。」

 

優輔「何だこれ?」

 

たまて「おお!メンタルゲージが復活して来ました!」

 

花名「ゲージって何・・・?」

 

冠「よしよし。よしよし。よしよし。よーしよしよし。」

 

全回復した栄依子が冠を抱いた。

 

たまて「お~!」

 

美鈴「栄依子ちゃん復活ー!」

 

花名「え!?え!?何!?」

 

侑李「冠に癒されたのね栄依子。」

 

 

 

 

 

 

放課後。

 

たまて「帰りにコンビに寄って行きませんか!?」

 

優輔「唐突過ぎるなたま。」

 

たまて「新作のアイスが出たらしくて!」

 

花名「朝食べたよね・・・?」

 

貴之「まだ食うのか?」

 

たまて「いやいや!学校のアイスと外のアイスでは全然違いますよ!ハレとケって奴ですな!」

 

 

 

ハレ(晴れ・霽れ)とは、儀礼や祭り、年中行事など普段の生活とは違う「非日常」を表す。

ケ(褻)とは、対して日頃の生活である「日常」を表す。

 

優輔「この説明いるか?」

 

細かい事は気にしちゃダメだよ?

 

 

 

花名「は、晴れ時計!?」

 

侑李「ヤッホー。」

 

美鈴「お待たせー。」

 

冠「花名。」

 

花名「冠ちゃん?」

 

冠「体操着返すの忘れた。」

 

たまて「あ!栄依子ちゃん今日は急いで帰ってしまいましたからね~。」

 

花名「用事あるんだっけ?」

 

冠「返さなきゃ。」

 

たまて「しかしここで返してしまえばかむちゃんはパンツだけに・・・」

 

冠「行きは平気だったし問題無い。」

 

花名「駄目~!!」

 

優輔・貴之「止めろー!!」

 

たまて「栄依子ちゃんは商店街へ行くのだそうで、追い掛けますか?」

 

美鈴「追跡ですか?」

 

たまて「はい!」

 

花名「冠ちゃん、商店街行って・・・」

 

冠「うん。」

 

 

 

 

7人は栄依子を探す為、商店街へ向かう。

 

たまて「成る程成る程~。栄依子ちゃんのそっくりさんですか~。」

 

花名「うん。私も冠ちゃんも優輔君も目撃してるんだよ。」

 

たまて「それはもしや、ドッペルゲンガーと言う奴ではないでしょうか!?」

 

花名「え・・・えと・・・ドッペゲルンガー・・・?」

 

たまて「ドッペルゲンガーですよ!ほらあの東北の妖怪の!」

 

花名「妖怪・・・!?」

 

冠「自分とそっくりの存在。」

 

侑李「簡単に言えば、影武者ね。」

 

花名「影武者・・・?」

 

冠「もう1人の自分が現れるのは良くない報せ。」

 

たまて「我が街に覇王は2人もいらぬ!って感じでしょうか。」

 

花名「覇王!?」

 

冠「もし栄依子本人とドッペルゲンガーが出会ったら・・・」

 

花名「で・・・出会ったら・・・」

 

冠「どちらかが死ぬ。」

 

花名「死ぬ~!?」

 

冠「それが・・・里の掟!」

 

花名「里の!?」

 

美鈴「アイエエエエエ!?」

 

たまて「里の掟には逆らえませんね~。」

 

花名「え・・・栄依子ちゃんが妖怪と影武者と覇王と里の掟に殺される~!?」

 

たまて「いや花名ちゃん。ちょっとは疑いましょうよ。」

 

花名「嘘なの・・・?」

 

冠「少し本当。」

 

花名「ええ!?」

 

優輔「少しだけかよ!」

 

たまて「まぁ都市伝説みたいなものですよね〜。」

 

冠「それより返さないと。」

 

花名「あ・・・栄依子ちゃん!まずいよ彼処はドッペルゲンガーが出た場所だよ!」

 

本屋へ入って行く栄依子を発見した。

 

冠「ドッペルゲンガー。」

 

花名「栄依子ちゃん!今助けるから!」

 

 

 

 

本屋。

 

花名(居た・・・)

 

栄依子を発見した。すると冠が飛び出した。

 

たまて(やや!?)

 

花名(冠ちゃん!?)

 

優輔(飛び出したぞ!?)

 

栄依子「ん?」

 

すると栄依子が冠に気付いた。

 

侑李(あれ?あの子・・・)

 

冠「栄依子?」

 

栄依子「・・・はい。栄依子です。」

 

花名・たまて・美鈴・優輔・貴之「ええーーー!?」

 

???「どうしたの?皆そろって。」

 

何と後ろにもう1人の栄依子が現れた。

 

花名「え、栄依子ちゃんの・・・ドッペルゲンガー!?どうしよ〜!」

 

たまて「い・・・今こそ私達魔法少女コンビの力を活かす時ですよ!」

 

花名「はなれ~!」

 

たまて「たまえ~!」

 

巫女姿になってもう1人の栄依子を祓う。

 

美鈴「どうしよう!?栄依子ちゃんが2人居るなんて!」

 

優輔「噂が本当になったのか!?」

 

貴之「これは一大事か!?」

 

するとその時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

侑李「光希じゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花名・たまて「え?」

 

優輔・貴之・美鈴「光希?」

 

光希「あ、侑李さん。」

 

侑李「ここで会うなんて偶然ね!」

 

美鈴「え?光希って、栄依子ちゃん侑李ちゃんどう言う事?」

 

栄依子「紹介するわね。この子は・・・」

 

光希「妹の光希です。」

 

花名・たまて「え?」

 

優輔・貴之「い、妹さん?」

 

何と栄依子そっくりの妹さんの十倉光希(とくらみき)だった。

 

 

 

 

カフェで訳を話した。

 

栄依子「ははは。まさかドッペルゲンガーなんて居る訳無いじゃない。」

 

光希「少し前から参考書を探していまして。今日は姉さんに助言をお願いしたのです。」

 

花名「それであの時本屋さんに・・・」

 

たまて「そっくりさんとは妹汁さんの事だったんですね~。」

 

優輔「汁言うな。」

 

花名「妹さんの事すっかり忘れてたよ。」

 

優輔「侑李は知ってたんだな。」

 

侑李「当たり前よ。私栄依子の幼馴染みだもの。」

 

優輔「あ、ごめん忘れてた。」

 

栄依子「結構前だからね。みっきの事話したの。」

 

光希「いえ。光希です。」

 

たまて「ほうほう。みっきさんとな。」

 

光希「光希です。」

 

貴之「冷静なツッコミ。」

 

冠「何でさっきは栄依子って・・・?」

 

光希「はい。それはですね・・・場の空気的にそう名乗った方が正解かと思いまして。」

 

栄依子「うん。それ多分間違ってる。」

 

光希「成る程。勉強になります。」

 

優輔「ノリが良い妹さんだな。」

 

栄依子「かむも私達間違える程に似てる?」

 

冠「うん。小学校の頃の栄依子に似てる。」

 

栄依子「あぁ・・・髪型かな。」

 

光希「そう言えば姉さん小学校の頃は長かったですね。」

 

侑李「そう言えばそうだったね。」

 

冠「うん。後・・・去年の今頃栄依子の事見掛けた。」

 

 

 

 

 

 

去年の商店街。冠が下校途中に栄依子そっくりの妹の光希を見掛けた。

 

冠『え、栄依子!』

 

すると光希に電話が来た。

 

光希『はい。・・・あ、そうです。』

 

冠『あ、あの・・・』

 

光希『はい、星尾高校。ええ、その学校です。』

 

声を掛けようとしたが、一瞬にして見失ってしまった。

 

冠『星尾・・・高校・・・』

 

 

 

 

 

 

そして現在。

 

冠「その時に見たの中学生の栄依子だと思ったんだけど。」

 

栄依子「それがみっきだったと。」

 

光希「光希です。」

 

優輔(そのみっきってのは何だ?言うだけで危ない感じがするんだが・・・)

 

貴之「優輔、お前がこの前ショッピングモールで見た栄依子も・・・」

 

優輔「多分光希さんだな。髪が長かったし。」

 

冠「あの写真と違ってたから・・・」

 

栄依子「そっか。だから写真見て変な反応してたのね。」

 

冠「うん。」

 

栄依子「でも、それだと高校入って私の事見た時違和感あったでしょ?」

 

冠「高校デビューって奴なんだと思ってた。」

 

侑李「高校デビューって・・・」

 

栄依子「でもかむの方は小学校の時と全然変わってなくて、びっくりしたわ。」

 

冠「むー。前にもそれ言ってたけどそんなに!?」

 

栄依子「うん。焦がれるあまりに幻が現れたのかと思った。」

 

すると冠が栄依子に惚れた。

 

侑李「あ、惚れた。」

 

冠「えい!えい!」

 

ポカポカ叩く。

 

栄依子「いたいいたい・・・」

 

冠の頬を触れる栄依子。

 

栄依子「ねぇかむ、もしかして私が居るかも知れないから、うちの学校受験したの?」

 

冠「うぅ・・・」

 

侑李「図星ね。」

 

栄依子「全く・・・学校名出したからってそこに行くとは限らないでしょ?私と侑李が居なかったらどうするつもりだったの?こんな人見知りの子が。」

 

冠「な・・・何とかなる・・・」

 

侑李「為せば成る的な?」

 

栄依子「なるかな~?」

 

冠「なった・・・もん。」

 

すると冠が栄依子に抱き付いた。

 

冠「栄依子。あのね、今日の朝栄依子の事考えててスカート忘れた。」

 

栄依子「私の事?」

 

冠「ずっとね・・・ずっと・・・会いたかった・・・また会えて・・・嬉しかった。」

 

栄依子「うん。」

 

冠「ちゃんと会えて・・・」

 

栄依子「うん。かむ、ありがとう。」

 

冠「ありがとうは私の台詞・・・」

 

栄依子「え~。私でしょ?」

 

冠「違う。私。」

 

栄依子「あはっ、違う。私でしょ?」

 

冠「違う。私。」

 

栄依子「違う。私。」

 

冠「違う!私!」

 

栄依子「違う。私。」

 

冠「違う!私!」

 

 

 

 

 

 

たまて「うぅ~・・・ええ話や~!」

 

美鈴「もう私泣いちゃうよ〜!」

 

光希「はい。勉強になります。」

 

栄依子「いや何がよ・・・」

 

たまて「ぶぴー。妹さんがうちの学校の名前出したのが今に繋がったんですよ~・・・絡み合う2つの運命の歯車・・・」

 

栄依子「絡んだらダメなんじゃないかな?」

 

優輔「・・・・・」

 

貴之「何か俺も感動しちまった。」

 

優輔「貴之?」

 

侑李「あの2人が幸せそうで何よりね〜。」

 

優輔「侑李?あ、あれ?俺が可笑しいのか・・・?」

 

たまて「しかし、かむちゃんの居た学校って幼稚舎からのエスカレーターなんでしょ?」

 

冠「うん。」

 

たまて「親御さん、よく許してくれましたね外部受験。」

 

冠「栄依子が居るかもしれないって言ったら、すぐ賛成してもらえた。頑張っておいでって。」

 

栄依子「え?だからかむのお家でどう言う扱いなの私って・・・」

 

美鈴「恋人関係?」

 

優輔・貴之「アホか。」

 

光希「私も来年受験しようと思ってるんです。頑張ります。」

 

花名(受験!?受験生の人が私なんかと一緒に居たら縁起悪くないかな・・・一緒の空気吸ったせいで浪人の呪いに侵されたりなんかしたら・・・)

 

トラウマスイッチがONになって息を止めた。

 

たまて「花名ちゃん?何で息なんか止めてるんですか?」

 

花名「く・・・空気をね・・・」

 

光希「成る程。高校生ともなると空気を読むと言う行為が単なる慣用句に留まらないと言う訳ですね。体現してしまうとは。勉強になります。」

 

花名「けほけほ!」

 

空気止め過ぎて噎せた。

 

たまて「花名ちゃん!」

 

光希「成る程。勉強になります。」

 

花名「違うと思うよ・・・」

 

貴之「光希さんどんだけ勉強熱心なの?」

 

美鈴「良いね勉強熱心の子!私萌えちゃった!」

 

貴之「お前はもう黙ってろ!」

 

冠は栄依子に抱き付いて、嬉しくなってる。

 

優輔「侑李、あの2人結構仲睦まじくなってどう思う?」

 

侑李「栄依子と冠が仲良くなってるならそれで十分よ。それに、あの2人との関係も見守って行きたいしね。」

 

優輔「そ、そうか・・・」

 

 

 

 

 

 

翌日。冠が登校途中。

 

花名「冠ちゃんおはよう!」

 

冠「ん。おはよう。」

 

途中で花名と会った。

 

優輔「よう冠、花名、おはよう。」

 

冠「おはよう。」

 

花名「おはよう!」

 

途中で自転車に乗った優輔と会った。

 

冠「あ。猫。」

 

優輔「猫だ。」

 

途中で猫を発見。

 

花名「可愛い~。おいでおいで。」

 

手を伸ばすが、猫は逃げた。

 

花名「・・・」

 

優輔「逃げちゃった・・・」

 

冠「栄依子が猫懐かせるの得意。」

 

花名「そうなんだ。」

 

優輔「どんだけ凄いんだよ栄依子は。」

 

花名「凄いね栄依子ちゃん。」

 

冠「うん。」

 

ドヤ顔した。

 

優輔「何だそのドヤ顔?」

 

花名「猫だけじゃなく、冠ちゃんも栄依子ちゃんや侑李にすっごく懐いてるんだね~。」

 

冠「え!?」

 

花「え・・・?あ・・・あの・・・ごめんね・・・何か・・・」

 

冠「う、ううん・・・」

 

すると風が吹いた。

 

優輔「ん?冠どうした?」

 

冠「あ、スカートまた忘れた。」

 

花名「えええーーー!?」

 

優輔「またかよ!!??」

 

しかし冠は笑った。

 

「END」




         キャスト

     一之瀬花名:近藤玲奈
     十倉栄依子:嶺内ともみ
     百地たまて:伊藤彩沙
       千石冠:長縄まりあ
      億崎侑李:白石晴香

      佐野優輔:塩野瑛久
      浪江貴之:内田雄馬
      松原美鈴:伊藤美来

      万年大会:内田真礼
      京塚志温:M・A・O
      榎並清瀬:沼倉愛美
      十倉光希:楠木ともり
      女子生徒:岡咲美保

次回「うなぎのぬるぬる」
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