人は死に、どこかで人はまた生まれる。だが、死んだ人はどこに逝くのか、誰も分からない。なぜ、霊魂や霊体が彷徨い、生体に助けを求めるのかも、未だに分からない。本当に存在するのか。多くの謎が、数多の世界を謎に支配されている。
D.D.は、自分の望むままにシャーリーを力付けたいために、ある場所に来ていた。そこは、ナイトメア開発研究所。ブリタニア本国と繋がりはあるが、さらにEUや中華連邦とも繋がっており、幾多の種類のナイトメアのデータがここにある。
「シャーリー・フェネット様のナイトメア開発、順調に進んでおります。D.D..閣下」
開発担当であり、ブリタニア本国のナイトメア研究のロイド・アスプルントや、後に黒の騎士団のナイトメア開発に携わるラクシャータと並ぶ、謎のナイトメア開発研究所の担当、名はネガ・ミステスルと云う。彼は今、各地のナイトメア開発研究所のデータに割り込み、シャーリーのナイトメアへデータを流している。
「ネガ、いよいよ始まるぞ。お前もまた、私の力となってくれた無二の友だからな」
「ご心配なく。あなたとの契約を破ることはしませんよ。フェネット様も同じことを思うはずです」
ネガはシャーリーのナイトメアのチェックへ急ぐ。ネガもまた、シャーリーにナイトメアを与えるのを楽しみにしていた。同じ死を経験した同情なのか、あるいは、研究者としての血が騒ぐのか。それは彼しか分からない。
「ナイトメアの名は、アヴリエル、と云うのか。シャーリーはこれに乗らざるを得ない。未来の友の死を救うのならば、未来を変えようとするならば、これが必要だからな」
D.D.は、天使のように輝く、虹色のナイトメアを見上げる。これこそ、世界を相手にするに相応しいナイトメア。過去と未来を行き来し、時の流れを知っているからこそ、死を経験した者たちが作り出す、歴史を容易に変える部隊の誕生が目の前にある。
シャーリーは、ゼロの登場を待ちながら、別の場所で別の仮面を被り、服装に着替える。ゼロとは違う、金色の仮面と天使のような服装。ゼロが無を意味するならば、シャーリーの存在は歴史に光をもたらす正義とも悪とも取れない姿。正義と悪が両立している世界で、別の悪や正義はいらない。だとすると、シャーリーは歴史を変えるに相応しい存在として立ち上がるのだ。
「ルル、本当に悪へと身を染めるなら、私はスザクくんとも組まない。ゼロとなるあなたを私の手で殺します」
シャーリーは用意しておいた車に乗り、スザクがゼロから去るところから、行き着く先へ先回りすることにした。スザクをこれ以上、苦しめるわけにはいかない。スザクを先に無罪放免にして、ナイトメアのランスロットに乗せれば、ルルは一つの苦しみから救われ、スザクも苦しまなくて済む。ゼロのルルーシュに救われるまでは、苦しいだろうが、そこは我慢して欲しい。
「刑務所までお願い。枢木スザクの刑務所に」
『分かりました』
目には、ギアスで操られている赤い円状の瞳になっている。犯罪の絶えない世の中だ。心を読めば、誰が悪さをしているかなどすぐ分かる。
刑務所の門兵にもギアスを使い、中へ入る。シャーリーは仮面を取り、スザクを悪人に陥れた関係者を次々に記憶の改ざんや心を操作していく。
「これですぐに解放される。後は、私のお父さんを安全な地域に転勤させて、あの悲劇から救わないと。ナリタ連山の前日じゃ間に合わないもの」
シャーリーは車に乗り、ひとまず着替えられる場所まで行く。待てよ、スザクは。いや、気にしなくていい。
私は着替えて、学校の生徒会で平然と見ていればいいのだ。前のように、驚いた顔をしながら見ていれば。