仮想の世界の地球や人類は、たくさんの人々が死に、たくさんの人々が愛し合い、たくさんの人々が戦争に巻き込まれる。戦いや愛は、人類の宿命なのか、切っても切れない流れがある。これは、全て予言なのか、滅亡か繁栄か。これは、その中に渦巻いている中にいる人々だけが、その世界を変えることができるかもしれない。
ゼロの登場とスザク奪還救出で、学校中が噂で持ちきりだった。スザクは学校に転校手続きをして入ってくるだろう。そして、生徒会にルルの話で入るだろう。こればかりは、避けて通ってはいけない。スザクが生徒会入りすることで、後の黒の騎士団の盾にもなり、ニーナさえ大人しくさせれば、騒ぎが大きくならずに収まる。
その後、コーネリアやユーフェミアが毒ガス事件の際に、ルルーシュによって殺害された当時の総督に変わり、次期総督として現れた。スザクはすぐに無罪放免とされ、バトレーは本国へ送還。ジェレミアは辺境伯の地位を剥奪され、コーネリアのかなり下の兵力に落とされた。
ゼロの登場が、世界中を大きく変え始めた。コーネリアを狙い、ゼロは動き始める。スザクは相変わらず、コーネリアの直属から外れ、シュナイゼルの直属として、別部隊として置かれ、今回の戦場には配置されていなかった。
この結果、ゼロの攻撃は全てコーネリアに読まれ、毒ガス事件と同じ配置に惑わされて、ゼロの敗北が明らかになった。ここまでは、ゼロの劣勢だと思えた戦いの流れは、いよいよ河口湖湖畔のホテルで流れが徐々に変わっていくことになる。
シャーリーは、全てを知っているので、日本解放軍とゼロの思惑に乗ることにした。今の自分は、ナリタ連山の事件から父親の悲劇を救うことのみ。そのための準備はもう終わっており、父から話で仕事の転勤の事実が伝えられ、死ぬ未来はこの戦いだけは避けられたのだ。
ここまでくれば、河口湖湖畔の事件に乗り込み、自分は無害の人間だと思わせればいいのだ。シャーリーはその日まで、安穏な日々を過ごすことにした。
河口湖湖畔事件より数日前、D.D.により、とある研究所に案内された。ナイトメアの研究所だったのだ。
「初めまして、フェネット様。私はネガ。D.D.閣下の要望により、貴女のナイトメアを用意致しました。乗る乗らないは置いておいて、ひとまずご覧ください」
シャーリーは、自分専用のナイトメアと云われたアヴリエルを見上げる。何と美しいことか。まるで、自分が考えた仮面のエデンと同じような色や姿をしている。シャーリーは乗ってみたいな、と惹かれるように思ってしまったが、それとは別に、自分はナイトメアの操縦技術はない。貴族などの生まれではないが、一般市民に変わりない。そのような市民が乗っていいはずないのは確かだ。素性と家系、この研究所を知られたら、本国に連れて行かれる。でも、乗ってみたいと思う意欲などはシャーリーの性格上、抑えられなかった。
「貴女は、少し劣るが枢木スザクとルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの力を持っている。しかし、貴女の能力は、水泳や勉学に対してとても素晴らしい意欲と熱意、さらに生徒会での雑務をこなし、普通の一般市民よりも優れた能力の持ち主だ。だからこそ、私は貴女を選んだ。いきなりの操縦は無理があるし、乗れと言っても枢木スザクとは違う。体験版をしてから訓練しても遅くはないはずだよ」
D.D.の隣には、ナイトメア訓練用の機械があった。
「さらに貴女には、頭の中にナイトメアのあらゆる知識を与えてあげます」
シャーリーは何も疑うことをせず、D.D.の言われる通りに、まずは頭に知識を植え付けるところから始めた。それが終わると、家に戻され、精神的にも疲れているためか、夕食を取り、歯磨きを終えて、風呂に入らぬまま熟睡してしまった。訓練は明日からだと言われ、ルルやスザクが出来たのだから、自分にもできると、過酷なナイトメア訓練に挑むのであった。
そして、翌日から学校の授業や生徒会の役目を早く終わらせ、研究所でナイトメアの訓練に励んだ。未来を変える二つの力。一つはギアス。もう一つは自身専用のナイトメア。体の動きやバランス感覚が鍛えられているせいか、研究所内でのナイトメアの本格的な操縦も早く、この数日間でシャーリーは騎士へと成長を遂げていた。そして、ナリタ連山でのコーネリアの奇襲や日本解放戦線の情報を手に入れたD.D.等は、シャーリーをナイトメアに乗せたまま、輻射波動で地割れに巻き込まれない反対側の場所まで案内される。そこには、シャーリーの、いやエデンの専用部隊というD.D.やネガによって集められた精鋭部隊が陣取っていた。
「アヴリエルの劣化版だが、彼等には丁度いいナイトメアを用意した。彼等も同様、死を経験し、復活させた者たちだ。だが、契約はしていない。皆、シャーリー、君のことを話したら、進んで協力してくれた。烏合の衆ではない。貴女も訓練している間、彼等もまた訓練を施した。コーネリアや日本解放戦線、黒の騎士団などのナイトメアなど、相手ではない。これより、エデンとなり、貴女のやりたいことをすればいいでしょう。お望みのままに」
シャーリーは、自分の部隊の名をエデンの騎士団と名付けた。
話は、河口湖湖畔の事件まで遡る。
シャーリーは、エデンとして、ゼロとは別に、またスザクとは別に行動を開始する。独自のルートで手に入れた爆薬や催眠ガスを手に入れ、事件が始まる前に罠を仕掛けた。自分は父親に助けてもらうが、ここで重要なのは、先にシャーリーを脱出させるように仕向けること。その後、エデンとなり、ゼロとは別に生徒全員を助け出す算段を設ける。伊達に、この事件を体験したことがあるからこそ、シャーリーの発想が生んだ作戦である。
いよいよ始まる、河口湖湖畔の事件で、解放戦線が動き出した。生徒会も捕まり、近くにはユーフェミアもいる。まずは、ユーフェミアとすでに会っていたので、彼女を脱出させるようにギアスを使う。ギアスをかけたのは、SPのほう。だったが、ユーフェミアはSPの追跡を逃れて、仕方なくギアスキャンセルを使う。こうなれば、例の事件が起こるまで行動を控え、大人しくしているしかなくなった。催眠ガスは仕掛けてある。けれど、この場合は、爆薬のほうが気を逸らすことができるだろう。
事件が起き、ユーフェミアが人質になり、ユーフェミアが連れて行かれるのを見て、ボタン型のスイッチを押す。爆薬が上の階や下の階で爆発し、さらにうまい具合にゼロが騎士団を連れて入ってくる。
シャーリーは解放戦線の兵士たちが気を逸らしている内に、前持って用意させておいた別の階に降りれるシュートに入り、エデンへと着替える。さらに、人質の中には、前持って操っていた武道家たちを潜ませており、エデンが着いた頃には、残っていた少ない兵士全員を武道家たちが捉えていた。
『さあ、早く皆さん避難を!私はあなた方の味方です。ゼロの仲間ではありません。ブリタニア市民の皆さんは、私が用意した船に急いで避難を!ここは爆発します!』
エデンのシャーリーは、黒の騎士団より先に、市民を脱出させ、操っていた武道家たちに黒の騎士団と似たような服装や仮面を着けさせ、一時的にだが黒の騎士団より早く行動に出た。黒の騎士団は名乗りを挙げられず、仮面の女であるエデンが名乗りを挙げた。
その事件以来、別の場所で黒の騎士団が名乗りを挙げ、ブリタニア軍と黒の騎士団、エデンの騎士団、日本解放戦線の四つ巴の戦いが起ころうしていた。
しかし、エデンが身を潜め、このナリタ連山での戦いまで来る間は、黒の騎士団が大きく名を広め、シャーリーは手出ししなかった。そうすることで、ゼロであるルルーシュが動きやすくなったこともあり、現在の話に繋がる。
上の山頂で、大きな地割れが起き、土砂崩れが起きた。いよいよ始まる、黒の騎士団、コーネリア軍、日本解放戦線の戦い。シャーリー、いや、エデンの狙いは解放戦線だった。藤堂恭次郎のいる部隊をいち早く壊滅させ、黒の騎士団の手駒を減らしつつ、黒の騎士団がコーネリア軍にダメージを与えて、三方の軍が壊滅を免れる事態を起こす。こうすることで、どの軍も勝利できないまま戦いを終わらすことができる。
エデンは騎士団を率い、黒の騎士団に出くわさないように、道を進んでいく。ある程度進むと、日本解放戦線の軍が現れ、黒の騎士団と思って攻撃してくる。エデンはブラスターソードを抜き、解放戦線のナイトメアを破壊していく。その攻撃はまさに天使の舞のようだった。
いち早く藤堂恭次郎のナイトメア部隊と出会ったエデンの騎士団は、残月の部隊と交戦、アヴリエルの劣化版とはいえ、ナイトメア無頼改を遥かに凌いでいた。藤堂のナイトメアと交戦したエデンは、妖精が舞うかのような攻撃で残月の手足を破壊していく。
『コーネリアの部隊が黒の騎士団の罠にハマった。そいつ等は貴女がおやりなさい』
D.D.の指示が早くか、エデンの攻撃が早いか、周りの解放戦線ナイトメアは全て片付いていた。
この戦いは、ランスロットが駆け付けたものの、コーネリアのナイトメアは負傷。ゼロのナイトメアも逃げ、黒の騎士団のカレンのナイトメア紅蓮弐式とランスロットの戦いもあり、結果的に、黒の騎士団の勝利となったが、何にせよ、藤堂の部隊が援護できずに破壊されたため、黒の騎士団にも少しの犠牲が出た。
いよいよ物語は、中盤に差し掛かる。シャーリーにとっても、過酷な試練の話である。