シャーリーは家を三日間空けてしまった。母親には、学校に泊まると言い訳して、無事に難を逃れたが、学校や生徒会には連絡していないので、ミレイに取り次ぎ、家の用事があると話して、週明けに溜まった書類を整理する羽目になったが、ルルーシュやカレン、スザクも同じ扱いだったので、ルルーシュとカレンは先に終わらせ、その翌日の、シャーリーにとって週明けの日に、放課後にスザクと溜まった書類を整理することになった。
「ねぇ、スザクくん」
「何、シャーリー?」
神根島の件は触れずに、
「騎士になったでしょ?ユーフェミア様とはお話することあるの?」
スザクはその問いに、しばらく無言で黙っていた。書類から手を止め、
「君になら、話してもいいかな。この学校に来れたのはね、実はユーフェミア様が『その歳なら、学校に通うべきです』って言われてね。最初は嫌だったよ。でも、ルルーシュや君が、生徒会の人たちが助けてくれたおかげで救われた。猫のアーサーも飼えることあるなっ
たし、僕は今、幸せだと思ってるよ」
そうかもしれない。なぜなら、ブラックリベリオンの際は、お互いに傷つけ合い、リベリオン後は、ルルーシュを監視してまで憎んでいた。でも、やはり友達なのか。皇帝となったルルーシュと組み、戦争から対話の世界へと変えていった。ルルーシュの命と引き換えに。
「おーい、シャーリー?聞こえてる〜?」
スザクが呼んでいることに気づき、シャーリーは自分が呆然としていたことが分かった。
「ご、ごめんね、スザクくん。えーっと、何だっけ?」
「生徒会の書類を片付けないと。疲れていると思うけど、あと少し頑張ろうね」
シャーリーを気遣ったのか、終わっているはずの自分の机に、シャーリーの書類を少し取り、片付けていく。今は未来のことを考えず、目の前の書類を片付けることに専念したシャーリーだった。
キュウシュウが占領されたニュースが流れる頃、シャーリーは既に空母に乗って、先回りして地上にナイトメア部隊を配置しておいた。新型の飛行ユニットを追加したアヴリエル・フェザーは、ランスロットの飛行ユニットと違い、ガウェインのようなユニットを搭載させたナイトメアでは珍しいユニットだった。
ブリタニアのコーネリア軍は動いているが、波が荒れ始めているためか、上手く地上に兵を送り込めなかった。
その代わり、シュナイゼル直属となったスザクのナイトメア、ランスロットは飛行ユニットを装備して、空中へ駆ける。途中、地上に降りてユニットを破壊されるも、中華連邦のナイトメアを破壊しながら、澤崎のいる本部を目指す。
燃料切れが近くなった頃、エデンの騎士団はスザクが動きやすいように、援護射撃で中華連邦ナイトメアを破壊していく。
シャーリーはガウェインより少し早くランスロットに近づく。
『枢木スザク、私はあなたを助けに来たのではない。傀儡政府を作ろうとしている澤崎等を倒しに来ました』
エデンの言葉に、スザクはもう駄目かと諦めたその時、周りを中華連邦ナイトメアが取り囲む。スペックは自分用に一つだけあるが、これはスザクに渡せない。さて、どうするか。
シャーリーがスザクと共に、危険な状態にある中、空から赤い光が中華連邦ナイトメアを破壊していく。それは、ゼロが乗るガウェインだった。
『そこの見慣れぬナイトメア。良かったら、枢木スザクと共に澤崎等を倒してみないか?』
『それはさせないよ、僕の役目だ』
ガウェインが渡した新しいスペックを使い、ランスロットは息を吹き返した。
『ゼロ、私も協力しましょう。いえ、協力してもらいます。世界の平和のために』
ゼロのガウェイン、スザクのランスロット、エデンのアヴリエルが並び、強さと早さを増した三機のナイトメアは、もはや敵などいないかのように、澤崎等を捕らえた。その後、到着したコーネリア軍が正式に澤崎等を捕らえたが、ニュースではそう報告されたが、ネット内では、エデンの騎士団、黒の騎士団のナイトメアの噂が広がっていた。
戦いの流れを観察していたユーフェミアは、スザクとルルーシュが手を組んだことに喜んでいたが、もう一騎のナイトメアだけは正体が分からなかった。
エデンの騎士団は、祝杯をしていた。黒の騎士団も同じことをやっているだろうが、逃げるための布石でもあるために、ガウェインを単独で送り込んだに違いない。シャーリーの頭脳は、ナリタ連山やそれ以降の戦いを経て、大きく成長していた。操縦技術はスザクを超えており、頭脳はルルーシュを超えていた。さらに、エデンの騎士団にとって喜ばしいことは、シャーリー以外の騎士団のエースであるゲイルに、新しいナイトメアが託された。オーディーンと名付けられたナイトメアだ。アヴリエルや劣化版のデータを元にゲイル専用のナイトメアが作られたのだ。
「おめでとう、ゲイルくん。これからも頑張ろうね」
シャーリーの喜びの笑顔に、ゲイルも微笑む。もはや、シャーリーはルルーシュは眼中に入っていないかもしれない。D.D.の口がニヤリと笑う。未来は大きく変わり始めていたのだ。D.D.の思惑によって、シャーリーの選択と動きによって。