インフィニット・ストラトス ~全てを調和せし夏の軌跡~ 作:緋蓮
緋蓮サイド in
「もう大丈夫ですか?束さん?」
「う、うん。えっと…いきなり取り乱しちゃってごめんね。」
あれから10分ぐらいしてやっと泣きやんだ束さんは俺から離れて少し恥ずかしそうにしていた。
「えっと、改めて聞くけど本当にいっくんなんだよね?」
「はい。そうですよ束さん」
「そっか、よかったよいっくんが無事で。でもこの数年間何処にいたの?衛星や監視カメラをハッキングしたりして世界中を探しても見つからなかったのに。それにその見た目もどうしたの?」
ようやく落ち着いた束さんは俺に向けていくつもの質問をしてきた。
「えっと…信じられないかもしれませんが…」
それから俺は束さんに誘拐されてから何があったのかをすべて話した。最初は普通に聞いていた束さんやクロエさんは話が進むにつれて驚いたような顔に変化していった。
「モビルスーツにガンダム、ソレスタルビーイングやアロウズ、イノベイターにELS…そんなものがある世界があるなんてね。」
「話を聞いただけでは確かに信じられないような内容ですね。」
「うん。でも、クーちゃんは実際にいっくんが穴のようなところから出てくるのを見たんでしょ?」
「はい。なので私は一夏様の話を信じます。」
「私はもちろんいっくんのこと信用しているからいっくんの話を信じるよ!」
「二人ともありがとうございます。それと今の俺は織斑一夏ではなく緋蓮・E・飛鳥と名乗っています。あの人と同じ姓はいやだったので」
俺が名前を変えたこととその理由を言うと束さんは納得したのか何度かうなずいていた。
「そっかぁ。それじゃいっくんじゃなくてこれからはひーくんだね!それとひーくんの話を聞いていて思ったんだけど今何歳なの?」
「イノベイター化とELSとの同化したことによって老化が緩やかになったのでわかりにくいですが今は70前後だと思いますよ」
「なっ…70!?」
束さん達は俺の年を訊くとまたもや驚いたような声を出した。俺は何十年も時間が過ぎているけど束さんにとってはわずか数年の間に知り合いが一気に年をとっていたんだから驚くのも当たり前か。
「それよりも束さん。俺を収容したところの近くに俺の機体ってありませんでした?」
それよりも俺と一緒にこの世界にきたはずの機体を確保しないと。あれはこの世界にとっては未知の技術の塊だからな。ガンダムマイスターとして他の組織に回収されるわけにもいかないしな。
「機体ってひーくんの言ってたガンダムのこと?そんなものこの近くにあった、クーちゃん?」
「いえ、それらしきものはどこにも……緋蓮様、その機体の名前はなんていうんですか?」
俺が質問をするがこの近くでは見てないという答えが返ってきた。だけど、クロエさんが少し考える仕草をすると機体の名前を聞いてきた。
「えっと、00アルモニアって名前だけど」
「!?……そうですか、やはり」
「どうしたの?クーちゃん?」
「えっと、束様。さきほど緋蓮様が持っていたもので未確認のコア反応がするISを持っていると言いましたが、そのISを調べたときに分かった情報は機体名だけだったんです。」
「もしかして…」
「はい。その機体名が00アルモニアだったんです。そして、そのISは緋蓮様以外には反応せず、使用可能なのは緋蓮様だけのようです」
驚いたことに俺の機体はISになってしまったようだ。さらに本来女性にしか使えないはずのlSになったにもかかわらず、俺のみが使える専用機になったようだ。
「まじかよ。でもなんでISに?」
「たぶん元々この世界のものではないから、この世界に合わせて変化したんじゃないかな?…ねぇ、ひーくん」
「なんですか、束さん」
束さんの推測に納得していると束さんに呼ばれた。
「IS学園に行かない?」
「lS学園…ですか?でもなぜ?」
正直言うと俺はIS学園には行きたくない。女尊男卑の世の中でその原因ともいえるlSについて学ぶところである。それゆえに俺が苦しむ要因の一つであった女尊男卑の思想に染まった人間が多くいるだろうと考えたからだ。
「ひーくんの気持ちは分かるよ。でもそれを理解した上で協力してほしいんだよ。私のせいでこんな世界にしてしまったことをずっと後悔してるんだ。だからひーくんがそのISに乗っているときのデータを研究して、男でもISに乗れるようにして少しでも前のような男女平等の世界に戻したいの。だからお願い!!」
「……はぁ、分かりました。でも、引き受ける代わりにサポートはお願いしますよ。」
「ありがとう!ひーくん!」
その後、束さんは俺のことを世界中に公表した。こうして俺のIS学園に通うことが決定した。