インフィニット・ストラトス ~全てを調和せし夏の軌跡~ 作:緋蓮
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緋蓮サイド in
「織斑、お前には政府から専用機が渡されることになった」
「はぁ?」
翌日、SHRが終わり一限目の準備をしようとしたら元姉がそう話しかけてきた。
「専用機!いいなぁ~。」
「ほんとよね~、私もいつか持ちたいな~」
「先生、織斑ではなく飛鳥です。それと自分はすでに専用機を持っていることは学園側に伝えているはずです」
「あぁ報告は受けている。だがそれではなく政府が用意したものを使え。わざわざ私が掛け合ったんだからな。有難く思え」
(こいつ、ふざけていてるのか?)
俺は元姉に苛つきながらも反論した。
「お断りします。すでに俺はこの専用機に慣れているので他のものを使うつもりはありません」
「だが、そんなのよりも「それ以上言うなら学園の方に直接抗議しますよ」……」
少ししつこいから、そう言うと元姉は黙りこちらを睨みつけて教室を出て行った。
──────────
オルコットの決闘宣言から一週間が経ち、俺はピットで試合開始まで待機していた。そして同じピットには元姉と糞モップも一緒にいた。元姉は認めたくないが一応担任だからいてもおかしくないが糞モップはなんでいるんだ?
「篠ノ之、なんでお前がいる。ここは関係者以外立ち入り禁止のはずだ」
「私はお前の幼なじみだ、ここにいる義務がある」
「あるわけないだろう、クラスメイトが立ち入り禁止なら貴様も立ち入り禁止だろうが。そもそもお前は幼なじみでもなんでもないだろ」
「なんだと!?」
まだなにか喚いている糞モップを無視して、射出台にのって機体を展開した。胸部が黒色で左肩に青色の盾を装備し、同じ青色をした10枚の翼を広げた白色の全身装甲の機体で長い間共に戦った愛機。
「緋蓮・E・飛鳥 00アルモニア 発進する!!」
俺はそのかけ声と共に勢いよくアリーナへと飛び出した。アリーナではすでに専用機のブルーティアーズを纏ったオルコットがこちらを見下ろしていた。
「全身装甲ですって!?ま、まあいいですわ。よく逃げずに良く来ましたわね」
「逃げる必要なんて一切ないからな」
オルコットは俺の機体に少し驚いたが、気を取り直してそう言ってきた。だが、俺の返答が気に入らなかったのか眉をひそめた。
「アナタに一つチャンスをあげますわ。この勝負の結果は私が勝つことは明白の理。今すぐ謝れば許してあげないこともありませんでしてよ」
「そんなことやってみないと分からないさ。それに負けるつもりはない。」
「そうですか……それでは、お別れです!」
試合開始のブザーがなると同時にオルコットはライフルを放ってきた。俺はそれを事前に読んでいたからGNソードで飛んできたビームを切り捨てた。
「なっ!?」
「どうした?その程度か?」
「なんですって!?いいですわ。さぁ、踊りなさい!私とブルー・ティアーズが奏でるワルツで!」
俺の行動にオルコットは驚いたが、少し挑発すると機体からおれのビット兵器と似たような装備を分離して全方位攻撃をしてきた。だが、その攻撃はロックオンには遠く及ばないような教科書通りのわかりやすいもので俺は躱したり、切り捨てたりした。
「なんであたりませんの!?」
20分後、オルコットは攻撃を続けていたが俺はその全てを防いでいた。そろそろ飽きてきたから俺はGNソードVをライフルモードにするとオルコットに対して牽制射撃をした。
「ッ!?」
「隙あり!」
「なっ!?」
オルコットが回避することに集中したことによってビットの動きが止まった。おれはその隙に展開したレールガンとライフルモードのGNソードVを使ってビットを破壊した。さらに驚いたオルコットの隙をついて急加速によってオルコットの懐に潜り込もうと接近した。
「残念ながら、ブルーティアーズは6基ありましてよ!!」
「そんなことは予想済みだ!」
「そんな!?」
オルコットは残りのブルーティアーズからミサイルを放とうとしてくるが、ビットを破壊したときにばれないように展開しておいたドラグーンで放ったビームで破壊した。オルコットは爆発の衝撃で崩した体制を立て直すとドラグーンをみて驚きの声をあげた。
「あなたもBT兵器を持っていましたの!?」
「ああ。そしてお前はこれで終わりだ!」
俺は脳量子波でドラグーンをオルコットの周りに配置し、ライフルモードのGNソードVにレールガン、GN収束ビーム砲を構えてオルコットに対してフルバーストを放った。
「キャーーーーーーー!!」
『試合終了 勝者 緋蓮・E・飛鳥』
試合が終わるとオルコットが無事なのを確認した後ピットに戻った。俺が機体を収納すると糞モップがまた喚いてきた。
「一夏!!なんだあの試合は!?なぜ剣だけで戦わずにあのような卑怯な手を使った!?」
「何度言わせるつもりだ。一夏ではなく緋蓮だ。それとこれはlSでの戦闘だ。飛び道具を使うのは別に卑怯でも何でもない」
「なんだと!?日本人なら、千冬さんの弟なら剣一本で「いい加減にしろよ」…ッ!?」
あまりにもしつこい糞モップと何か言いたそうにしている元姉に向かって、殺気を放ちながら俺は話し出した。
「俺は緋蓮・E・飛鳥だ。織斑一夏はすでに死んでいるだろ。それなのに似ているからといってお前らの勝手な妄想を押しつけるな!!」
俺はそう怒鳴ると部屋へと戻っていった。
緋蓮サイド out
箒サイド in
(なぜだ一夏)
去って行く一夏の姿を見ながら私はそう思った。私にとって一夏は大切な人だ。小学校の頃、剣道が周りより強かったことなどからからかわれたりしていた。それを一夏が助けてくれた。だから私はより強くなれるように一夏と一緒に練習に励んだ。姉さんのせいで一時期離ればなれになってしまったがまた再会することができた。だが一夏は見た目や名前が変わっていて私についても他人のように接してくる。
(この6年の間になにがあったんだ一夏。まぁいい。私が絶対に目を覚まさせてやる!!)
私は一夏のためにそう誓った。
箒サイド out
千冬サイド in
(一夏……)
私は弟の後ろ姿を見ながら疑問に感じていた。。昔の一夏はまだ弱かった。私も生活を守るために忙しく、一夏に構ってやる時間が少なかった。だから一人でも大丈夫なように一緒にいられるときは強くするためにひたすら稽古をつけた。誘拐され、行方不明になったときは絶望した。いろんなつてを使って探しても見つからずに時間だけがすぎていった。だが、一夏は無事に見つかり、戻ってきてくれたと思った。しかし、一夏は私を拒絶した。あれだけ愛していた私の一夏がだ。
(私の一夏はあんなふうではなかった。何があったかは分からない。だが、絶対に元の一夏に戻してみせる)
私はそう決心した。
千冬サイド out
???サイド in
この世界のどこか。薄暗い部屋に一人の男がいた。その男は一見眠っているように見えるが暫くすると閉じていたまぶたをゆっくりと開いた。その虹彩はほんの僅かの間だが輝いていた。
「まさか君までこの世界に来ているとはね、緋蓮・E・飛鳥。だけど残念だね。僕達の計画はもう動き出している。いくら純粋種のイノベイターといえどももう止めることなどできないよ」
男はその部屋を去り、そのつぶやきは誰かに聞かれることもなく消えていった。
???サイド out