やる気のない女提督と睦月型   作:十六夜月乃

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遅くなりました。今回はラブコメを書いたつもりです。
つもりなので、あまり期待はしないでください。

全員は出しきれませんでした。
次回は出すのでご容赦ください。

では、始まりまーす


第10章 「皆の司令官」

私、如月がここに着任して1週間が過ぎた。

そうして分かったことがいくつかある。

 

まず、司令官の訓練内容が地獄であるということ。

 

どうして皆があんなに強いか理解できたわ…

皐月や長月なんて自分からさらにキツい訓練にしてくれと志願してるし…

 

次に、司令官の過保護が半端ないこと。

 

私がドロップした海域はかなり近いと思うのだけれど、司令官からしたらメチャクチャ遠いらしい。

それを聞いていた皐月たちは苦笑していた。

 

最後に…皆、司令官が大好きだということ。

 

資源の減りが早いだのくっつくなだのもっとかまって(×2)だのなんだの言っているが、司令官の側にいると表情が違うのは一目瞭然だ。

 

「…如月?何で私の顔見て笑ってるの?」

「いいえ?ただ、負けられないな~って」

「負けられない?」

 

こてんと首をかしげる司令官が可愛くて、ついまた笑ってしまう。…今皐月たちはいないわよね。ならちょっとくらいいいかしら。私は席を立って司令官の膝に腰かけた。

 

「…なあに?如月」

「何って、貴女の膝に座ってるだけよ?…嫌だったかしら?」

「ん…別にいいけど…」

 

少し顔を赤くしてそっぽを向く司令官。ふふっ、本当に可愛いんだから。

書類仕事の邪魔になるかなと思ったけれど、司令官が私の腰に手を回して抱き締めてきたから動けない。司令官は私を抱き締めながら器用に書類に目を通していく。

 

「邪魔じゃない?」

「座ったあとに言うかね…。別に邪魔じゃないよ」

「そう」

 

司令官がそう言うのなら、遠慮はいらないわよね。なら堂々と居座っていよう。抱き締められているから動けないけれど、お茶ぐらいなら淹れられる。

はい、と紅茶の入ったカップを渡す。

 

「ありがと」

「他に手伝うことある?」

「んー、じゃあ私が渡した書類に判子を押していってくれる?」

「お任せあれ♪」

 

私が了承すると、司令官はすごい勢いで書類を片付けていく。私の仕事は判子を押すだけだから簡単だけど…これはさすがに驚いてしまう。

 

こんなにすぐ終わってしまうと、私が司令官の膝で座っていられる時間が少なくなってしまう。ちょっと物足りない。けど、わざと仕事を遅らせると、司令官とお話しする時間もなくなってしまうし、何より、司令官に「使えない」と思われるのが嫌だった。

 

やがて、書類の山は机の上から消え、司令官の膝に座っていられる時間に終わりが来た。

私はしぶしぶ司令官の膝から降りようと…

 

「あ、あの、司令官?離してくれないと…その、降りられないんだけれど?」

「どうして降りる必要があるの?」

「えっ?だ、だってお仕事終わっちゃったし…」

 

司令官と一緒にいられる口実が無くなってしまったのだ。いつまでも膝にいるわけにはいかないでしょう。

 

「まるで、仕事が終わってほしくなかったみたいな言い方ね?」

「うっ…」

 

司令官がくすりと笑う。まるで面白いおもちゃを見つけたように、目を輝かせている。

 

「終わっちゃいけない理由でもあったの?」

「それは、その…」

 

しどろもどろになって目をそらす。見なくても分かるわ。きっと貴女は笑ってるんでしょう。顔が赤くなっている私を見て、さもからかう相手ができたと言わんばかりに。

 

「もう。如月のことからかって…」

「ふふふ…だって可愛いんだもん」

 

可愛い、と言われて、また顔が赤くなる。こんなことでドキドキするなんて、私ったらどうしちゃったのかしら。

 

「それで、どうして仕事が終わっちゃいけなかったの?」

「そんなの…」

「私のそばにいられる口実が無くなるから、とか?」

「…っ」

 

バレていた。司令官は聖母のような微笑みを向けてくる。そう、愛おしいものを見るような。また心臓が激しく鼓動を打つ。

 

「分かってるなら」

 

離して、と言おうとする。けど、司令官は手を緩めてくれない。

 

「だから、どうして降りる必要があるの?」

 

司令官は心底不思議そうな顔をする。私は司令官の言いたいことを理解した。

それはつまり、理由なんて要らないから、そばにいてってこと。

 

「甘えんぼさんね」

「どっちが?」

「ふふ…」

 

私は笑って、司令官に体を預ける。もう少しだけこの時間が続きますようにと思いながら。

 

 

 

 

~執務室前~

 

皐月は不機嫌だった。執務室の扉に背を預け、つまらなさそうに口を尖らせている。

 

「…入らないぴょん?」

 

訓練が終わって、食堂に向かおうとしていた卯月が皐月を見て言う。

自分より早く訓練を終わらせて、風なんじゃないかってくらいの勢いで司令官のもとへ行ったと思ったのに。入らないとは何事か。

 

「別に…」

 

不機嫌そうな声音の妹の様子に、卯月は首をかしげる。

また司令官が余計なことを言ったのか、それともまた資源を無駄遣いしたのか。どちらにせよ、皐月がここまで不機嫌になるとは思えなかった。

 

と、そこで、執務室から司令官と如月の声がする。耳を傾けてみると、まぁなんというか、苦いコーヒーも甘く感じるようなイチャつきぶりだった。

 

「ああ…」

 

卯月は納得した。これは入りにくい。皐月が不機嫌になるのも分かるというもの。けど…

 

「さっさと入ればいいぴょん、そんな顔するんなら…」

「だって…」

 

皐月の顔は今にも泣きそうだった。

 

「如月だって、司令官との時間を邪魔されたくないだろうし…」

「遠慮してちゃ後悔すると思うけど?」

「卯月は少しは遠慮というものを覚えたほうがいいと思う」

「やかましい。今は皐月のことでしょ。入るの、入らないの?」

 

そう聞くと、皐月はますます顔を曇らせた。入る。入って司令官と出撃の話とか、演習の話とか、資源の減りが早いとか、色々話したいことがあるんだから。

けど、それで如月の時間を減らしちゃったら悪いなって。だって…

 

「司令官も如月も好きなんだもん…」

 

幸せになってほしい。如月だけじゃない。卯月にも、睦月にも、長月にも。それから、これから来るかもしれない姉妹たちにも。

 

じゃあ、如月の幸せって?司令官と一緒にいることだろう。だから、遠慮してるのだ。

 

「そういうのは自分が幸せになってから言うぴょん。ほら、さっさと入る!」

「ちょ、ちょっと、押さないでよっ」

「司令官、入るぴょん!」

 

バンと執務室の扉を開け、皐月を押しながら入る。

司令官は如月を膝の上に乗せ、驚いた顔で卯月に聞く。

 

「どしたの卯月」

「もう、卯月ったら。もっと優しく扉を開けてよ」

 

如月がやんわりと注意する。が、卯月はそれに構わず自分の後ろに隠れている皐月を前に押しやり、発言を促した。

 

「うえっ!?え、えっと、その…」

 

いきなり振られ、皐月は戸惑う。話したいことがたくさんあったはずなのに、頭が真っ白になって言葉が出ない。

不思議そうにしている司令官を見て、目があって、そらして、また見て…

そんな様子を見た司令官は、くすりと笑う。

 

大方、自分と如月がイチャついているのを聞いて、入りづらかったのだろう。まぁ、他にも理由はあっただろうが…

 

ちらりと如月を見ると、くすっと笑われる。なんとなく察したようだ。如月は名残惜しそうに司令官の膝から降りて、少し距離をとった。

 

「…」

 

卯月の視線が痛い。お前のせいでめんどくさいことになったんだぞという念を送ってくる。ごめんなさい、じゃあさっさとフォローいれろよ、あい分かりました。そんなテレパシーが二人の間で交わされる。

 

「…そっか。もうお昼だもんね。呼びに来てくれたの?」

「えっ?あ、そう!そろそろ司令官お腹すいたかなって…」

 

ようやく口実を見つけたと言わんばかりに皐月が食いついた。司令官は思わず口からこぼれそうになる笑いを抑えて、皐月の手を引く。

 

「じゃあ行こうか。卯月、悪いけど長月と睦月を呼んできてくれる?」

「はーい」

 

司令官と皐月が執務室から出たのを確認すると、如月がこそっと卯月に聞く。

 

「おせっかい?珍しいわね」

「…扉の前で泣きそうだったんだもん、仕方ないでしょ…」

「うふふ、お姉ちゃんね」

「なに?悪いの?」

 

卯月が口を尖らせて言う。如月はクスクスと笑って首を振った。

 

「いいえ。ありがとう。ああでもしないと皐月は動かないものね」

「ホント、めんどくさい妹」

 

呆れたように言う卯月に、如月はニッコリ笑ってうなずく。

 

「じゃあ2人を迎えに行きましょうか。…それと、卯月?」

「なあに?」

「語尾、戻ってるわよ」

「…っぴょん!」

 

すっかり語尾を忘れていた卯月が慌てて言う。

如月は未だに口を尖らせている卯月を連れて、訓練場にいるであろう睦月と長月を迎えに行くべく、足を動かした。




感想、評価待ってます!

アーケードで新しいイベントが始まるらしい…
金が、金が足りん…!

前回のイベントでは一万円近く使ったからな…
学生にはキツい…
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