やる気のない女提督と睦月型   作:十六夜月乃

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一応決めておこうと思いまして…

ようやくほのぼのというかコメディが書けた…!


第6章 「秘書艦は誰だ!?」

今日という今日は許さない。

 

皐月「二人とも、そこに直りなさい」

月乃「はい」

卯月「ぴょん」

 

司令官と卯月を正座させる。二人とも一応反省はしているようで、素直にボクの言う通りにした。

 

皐月「それで?キミら、何したか分かってる?」

月・卯「…はい」

 

二人はボクと目を合わさず頷く。ボクの後ろで長月は頭を抱えてため息をついた。

 

長月「よくもまぁ作れたなこんなもの…」

 

その声は呆れとかを通り越して称賛や尊敬の感情を含んでいたと思う。いや、ボクも最初驚いたからね。しょうがない。

 

長月の視線の先にあるのは大量の装備。でもそれは、ボクら駆逐艦には大きすぎる代物だった。

 

皐月「駆逐艦を秘書艦にしてどうして46センチ連装砲ができるのさ…」

長月「よく見たら烈風とかもあるぞ。ホントにどうやって作ったんだ司令官と卯月は…」

 

いやもうこれ凄すぎでしょ、天才だよ二人とも。他の鎮守府の人たちは感激するだろう。かなりの戦力アップなんだから。ボクだってそう思う。ここに戦艦や空母がいないことを別にすればね。

 

月乃「いやね?最初は魚雷とか爆雷とか色々皆のための武器を作ろうってやってたんだよ?ねぇ卯月」

卯月「ぴょん。司令官凄かったぴょん、レアな装備ポンポン開発してったから」

月乃「でもね…」

 

―回想―

 

卯月「すごいぴょん司令官!何でこんなにすごいの作れるぴょん?」

月乃「え?なんでだろー。こんなの作りたいなーって考えたら出てきてくれるんだよね」

卯月「チートぴょん。これなら皐月たちも喜んでくれるぴょん!」

月乃「大量に資材をつぎ込んだことがバレなければね」

 

そう。バレなければ。バレなければ問題ない。バレるだろうけど。

 

卯月「じゃあもっとすごいの作ればいいぴょん、そしたら皐月も長月も納得するぴょん」

月乃「例えば?」

卯月「う~ん、戦艦の砲塔とか?」

月乃「おk。作ろう」

 

―回想終わり―

 

月乃「ってなって、作っちゃったの。」

皐月「作っちゃったのじゃないでしょうが!!そもそもボクらに隠れて開発してるとこからおかしかったでしょ!?バレるって分かってるなら作らないでよ!」

長月「ね、姉さん落ち着いて…」

 

机をバンバンと叩いて抗議する。その大きな音に司令官と卯月はびくりと体をふるわせた。

 

長月「誰も使えないぞ、この装備。司令官は戦艦や空母を建造する予定が近々あるのか?」

月乃「ないけど?」

長月「だろうな…建造しても近海には必要ないしな…」

皐月「ならますます作る意味ないよね?ねぇ何で作ったの?ねぇ」

 

ボクが問うと、二人は「…すみません」と頭を下げた。反省はしているらしい。けど…

 

皐月「司令官たちが反省してるのは、戦艦砲とかボクらが使えない装備を作ったことに対してだよね?違うよ?ボクが怒ってるのは、何で勝手に作るのってことなんだけど」

月乃「えっ?」

皐月「ちょっと、何でそんな不思議そうな顔するのさ。やめてよ、ボクが間違ってる見たいじゃん」

長月「司令官の持病は深刻だな」

 

そう言って長月は諦めたように持っていた烈風を装備の山に投げて戻した。

 

皐月「叩けば治ると思う?」

長月「無理だ。家電製品じゃないんだから…」

皐月「じゃあ…頭に砲弾撃ち込むとか…」

長月「死ねと?姉さんは司令官に死んで治せと?」

 

長月が困惑しながらもボクの提案を却下していく。まぁ冗談なんだけど…

 

長月「不治の病だ、諦めよう姉さん」

卯月「うーちゃんも無理だと思うぴょん…」

月乃「そーそー、言っても無駄だって」

皐月「司令官は治そうとする努力をしてよ!!」

 

ガンと机を拳で殴る。三人は体をちぢこませた。

すると、司令官がすっと手を挙げた。ボクは発言を促す。

 

月乃「皐月がずっと私に抱きついて止めてくれればいいんじゃない?」

皐月「司令官…怒るよ?」

月乃「冗談ですごめんなさい。いやそうじゃなくてね?皐月に秘書艦をやってもらえばいいんじゃないかと」

皐月「…は?」

 

司令官の提案に頭がついていかない。

長月と卯月も「それはいいな」というような顔をする。

 

皐月「えっと…それも冗談?」

月乃「まさか。前々から思ってたんだよね、皐月に秘書艦やってもらおうかなって」

長月「いいアイディアだ。それでいいんじゃないか?」

卯月「うーちゃんも賛成ぴょん!」

皐月「えっ、ええ~~~!?」

 

いや、別に嫌な訳じゃない。秘書艦に選ばれるってかなりの名誉なんじゃないかなって思ってたし。けど、ボクに務まるのかとか、司令官に頼られてるとか、司令官と一緒に居られるとか色々考えてしまって…

 

皐月「な、長月は?書類仕事得意でしょ?」

長月「得意だが…私はまだ練度が低いからもう少し特訓したい」

皐月「卯月は…」

卯月「うーちゃんが仕事出来るわけないぴょん」ドヤァ

月乃「卯月、それ自慢できることじゃないからね?それに卯月が秘書艦になるとまた資材をつぎ込んで開発しちゃうし…」

 

だから治そうとする努力をしてよ。そう言ったら顔をそらされた。

 

皐月「ううん…でも…」

 

演習する時間が減るのは痛い…

 

月乃「特別メニュー組んであげるからさ」

皐月「…」

 

考えを読まれていた。ボクが無言でいると、司令官は正座したまま、上目遣いでこっちを見てくる。

 

月乃「皐月…ダメ?」

皐月「…っ!」

 

断れるわけがなかった。

 

 

―皐月と長月が執務室を出ていった後―

 

 

月乃「~♪」

卯月「ご機嫌ぴょんね?」

月乃「そりゃあもう。このために資材を溶かしたと言っても過言じゃないですから」

卯月「間宮差し出しながら『協力して?』なんて言われたら断れないぴょん」

月乃「あはは。悪いね、巻き込んで」

卯月「別に構わないぴょん。間宮羊羹美味しかったし」

 

そう言って卯月はにやりと笑う。それに釣られ、提督も笑った。そしてパァンッとハイタッチ。

 

二人は確信犯だった。




オマケ

『長月が卯月を「姉さん」と呼ばない理由』

卯月「ねー、何でうーちゃんを「おねえちゃん」って呼んでくれないぴょん?おねえちゃんさみしーぴょーん」
長月「え?卯月、お前姉だったのか?」
卯月「えっ」
長月「えっ?」←冗談

結論
 卯月が姉らしくしてくれないから。

結果
 卯月が一日中部屋に閉じこもって出てきてくれなくなった。
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