バカとメガネと優しさ   作:ヘズル

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前後編になってしまった。
まぁ長すぎてもしょうがないですけど……。
そして深夜投稿である。


美穂の優しさとある決意 前編

「それでは佐藤、吉井のこと頼むぞ」

 

今日は土曜日。

ですが私は昨日の事から吉井君の面倒を見なければいけません。

私自身もいい復習になるのでわたしにとってもメリットがあります。

でも……

 

「昨日の吉井君、帰っている時凄く落ち込んでいる顔をしていましたが、大丈夫でしょうか?」

 

だれの目から見ても明らかに落ち込んでいた吉井君を見て言い知れない不安感を覚えてしまい、半ば愚痴の形でもらしてしまいました。

 

「大丈夫だ。吉井はあれでも意外と芯は強い。ただ、今回の件でのうけたダメージは身体的にも精神的にも来ていると思った方がいいな」

 

「もし、その状態を引きずっているようなら、相談なりなんなり乗ってやってくれ。今のあいつには支えが必要なのかもしれない」

 

支え。

西村先生のその一言を受けて、もしかしたらと思ってしまった。

吉井君は自分が居ない方がいいのではないかと考えてしまっているのではないかと。

私自身なぜそういうことを思ってしまったのかは分からないが、きっと私が吉井君の立場なら、今すぐ自殺なりしていると思った。

 

「メンタルカウンセリングも必要でしょうか?」

 

「どうだろうな。精神的なダメージが深刻的ならそれもありうるが、今の吉井の状態を把握してからだな。渦中の人物達から隔離できれば回復の兆しもあるが……」

 

「っと、そろそろFクラスに向かわんと間に合わんか。明日吉井の状態の報告も頼む」

 

「分かりました」

 

吉井君のことが気になる……早く行かないと!!

 

 

 

 

 

 

 

「ん?あ奴は佐藤か?今日は休日じゃろうに……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吉井君の家の玄関に着きました。

なぜか心臓の音が聞こえてきそうなくらい緊張しているのが自分でも分かります。

 

(落ち着け私。あくまでも勉強を教えに来たんだ。落ち着け……)

 

「……よし!」

 

ドアのインターホンを押す。

 

ガチャ

 

「佐藤さん。……早いね。まだ昼じゃないよ?」

 

「おはようございます吉井君。こういうのは早めに始めて早めに終えるのが、時間のもっとも効率のいい使い方です」

 

吉井君はいつもの空気に見えましたが、やはり昨日の状態を引きずっているようです

 

「……でも、勉強ができる状態じゃありませんね。相談事なら、話を聞きますよ?」

 

「へっ?だ、大丈夫!大丈夫!十分に大丈夫「その調子のどこが?」……」

 

やっぱり……。

 

「とりあえず家に入れてもらえませんか?玄関で話すのもアレなので……」

 

私は吉井君の家に入り、居間のテーブルに吉井君と向かい合う形ですわり、吉井君への相談を始めました。

 

「吉井君の今の考えていることを当てましょうか?……自分がいなければすべて解決すると思っていますね」

 

「……!!よく分かったね」

 

「吉井君は結構顔に出ますね。私も吉井君と同じ立場ならそのようなことならどう考えるかおおよその予測はつきます」

 

でもやっぱりというかなんと言うか想定どおりの事態になっていて、まずい状況になりかけていたのに気づけてよかった。

あの人たちは吉井君を傷付かない超人かなにかとでも思っているのでしょうか?吉井君だってれっきとした人間です!それをこんな風にして……!!

 

「僕は、バカだから、勉強もできないし、人の考えもわからないし、他人に迷惑かけてばかりで、足手まといでどうしようもないからこんな目にあって、学園側の対策といったって、僕を退学させたほうがいいんじゃないかって思っちゃって」

 

……思ったより深刻ですね。

バカだからか……吉井君のそれは、良い方のですよ?

でも一般常識的に考えたらそうなりますよね。

こんなにボロボロなんて……

 

「吉井君……」

 

「僕は、学園側からしたら恥だからこの件を皮切りに恥になる人物を片っ端から切り捨てるなんてことも在るじゃないかって考えちゃって……」

 

「そんなこと……!」

 

「ないって言い切れる?清涼祭の時に竹原に嫌われているからね僕は、だから鉄人以外の教師達からは嫌われているんだよ」

 

なんでこんなネガティブな考えばっかりになっているんですか……。

なんでこんな自身の長所を否定するような事を言うんですか?

どうしてこんな……。

 

「だったら僕は……いっそ死んだ方が「そんな事、私がさせませんよ……」……佐藤さん」

 

「私がそんな事をさせません!吉井君は自身の長所を短所のように言わないでください!自分自身を否定するようなことを言わないでください!」

 

「でも僕は……「大丈夫です」……!!」

 

気づいたら私は吉井君を抱きしめていた……。

なぜ抱きしめたのかは私も分かりません。

でもこれだけは、はっきりといえます。

私は、佐藤美穂は、吉井君がいとおしいと感じ始めているのだと……。

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